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| 「4時までで救われた」 
 神前浦 (三重県)
 2011/12/23
 
 |  |  19日にゆたきちさんからメールが届いた。
 内容はこんな感じのものである。
 「23日に解禁の神前浦に行こうかなと思っています。管理人さんはいずこの予定ですか?」
 23日は予定が入っていない。
 この魅力的なマキエに負けて針に掛かった。
 
 久しぶりの釣りである。
 渡船を使うのは9月25日に沼島でチヌを釣ったのが最後だ。
 嫁さんと行った旅行の朝飯前の2時間だけ地磯で竿を伸ばしたりしたこともあったが、沖磯に渡るのは3ヶ月ぶりである。
 私はいつものように電車で大津まで行き、ゆたきち号に乗車した。
 
 初めての神前浦。
 いかだのお客さんを送った後から磯に渡るので、出船は午前6時45分であった。
 納竿は午後4時と長時間釣れる。
 渡船店は2軒あり、1日交代で東磯、西磯と磯割りしている。
 ゆたきち号で十分に睡眠をとって山王丸渡船に乗り込んだ。
 キャンセルが入ったということで釣り客は11人と少ない。
 となりのやんが丸は船に乗れるのかというほどたくさんの人が並んでいた。
 
 ゆたきちさんの名前が最初に呼ばれ、私達は湾内にある弁天のハナレに2人で渡った。
 
              
                
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                  | 弁天のハナレ |  北向きに竿を出した。1投目、刺し餌が残る。
 2投目も刺し餌が残った。
 エサ取りはまだ見えない。
 潮は動いていない。
 撒き餌はゆっくりと真下に沈んでいく。
 
 3投目、磯際に入れたウキがゆっくりと海中に潜っていく。
 竿を立てた。
 「おおっ、結構引く」
 久しぶりのグレの感触だけに魚が大きく感じる。
 ハリスも太いし足元に根も出てないようなので、切られる心配をしなくてもいいサイズか。
 すぐに浮いてきた。
 40cmはなさそう。
 ゆたきちさんに掬ってもらった。
 
 どんどん来るかと思ったが続かない。
 ゆたきちさんには何も来ていない。
 北を向いて釣っているので、時折冷たい風が左から吹きつける。
 「おおっ寒っ」
 カベで釣られているゆたきちさんの知り合いもタモを出された。
 
 1時間ほど同じところを釣ったが、ちょっと場所を変えてみよう。
 大きい磯に2人だけ。
 湾奥の方も竿を出せそうだ。
 沖に大きな根もあり魚は居そうな感じ。
 バッカン、竿とタモだけを持って20メートルくらい湾奥に移動した。
 初めてのところだけに色々見てみたい。
 
 移動した場所は根やシモリが多そう。
 時々、餌もなくなる。
 30分くらいそこで竿を出すもベラが来ただけ。
 ゆたきちさんの隣に戻った。
 恒例のボヤキが始まった。
 「朝一番で釣れたから今日は爆釣やと思ったのに」
 「寒いと言ったことがないのに、今日は風が冷たい、寒い」
 
 磯替わりは午前10時。
 9時半くらいに電話くださいと船頭さんは言っていた。
 弁天のハナレはゆたきちさんが前回釣りに来たときに46cmが釣れたところである。
 ゆたきちさんはここに残るとのこと。
 私は他のところも見てみたいので、とりあえず10時の見回りで船に乗り込むことにした。
 10時すぎに来た見回りの船に1人で乗った。
 私達から見えてた低い磯に上がっていた人も船に乗り込んできた。
 40cmを頭に3枚釣られている。
 この低い磯は満潮時に潮が被るところらしい。
 これから潮が上がってくるので強制退去のようだ。
 
 立崎の磯群も見て回った。
 誰も磯替わりをする人はいない。
 私が竿を出していたところより風が当たっているところでも我慢して釣るようだ。
 釣れているのかな。
 3人グループで釣っている人たち以外は1人づつ別れて釣っている。
 ゆったりと釣らせてくれるところだ。
 船頭さんに聞いたら、20人ちょっとくらいならゆっくり釣れるとのこと。
 替わる場所はありそうだが、ゆたきちさんのところへ戻る。
 「戻ってきました」
 
 「低いところで釣られていた方も3枚釣っていた。磯替わりする人もいない。」とゆたきちさんに状況を報告した。
 ゆたきちさんのボヤキが続く。
 「みんな釣っているのに、PB(パーフェクトボーズ)や」
 
 弁天のハナレに戻ってきた後もあっちやこっちで竿を出すもほとんど釣れず。
 30cm弱やガシラが掛かっただけである。
 風を背に受けて釣りやすい沖向きも攻めてみるももう一つ来そうにない。
 両側に出ているハエ根も気になる。
 やはり、北向きの磯際かな。
 時間がすぎてゆく。
 
 2時半になった。
 前回は午後3時くらいからバタバタと来たらしい。
 ゴールデンタイムは納竿前の1時間くらいか。
 おにぎりを食べ、お茶を飲んだ。
 これからは休憩なしに釣ろう。
 
              
                
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                  | ゆたきちさん、ワンド向きに竿を出す |  足元に撒いたマキエは左手のワンドの方へゆっくり沈んでいくらしい。「直接、ワンドを攻めた方がいいのと違う」
 私は仕掛けを作り直しながら、ワンドの方に流れていくゆたきちさんのウキを見ていた。
 ウキがゆっくり沈んでいく。
 「あっ、アタリ」
 合わせた。
 ゆたきちさんの今日初めての魚は30cmくらいのグレ。
 放流された。
 続けてアジを掛けられた。
 
 私もワンドの中にウキを投入する。
 刺し餌が残ったり、残らなかったり。
 また、ゆたきちさんはアジを掛けられた。
 「最悪」
 「最悪ってほど居りそうにないよ」
 私もアジっぽいアタリがあるが掛からない。
 
 午後3時を回った。
 針に刺し餌を付けていた。
 何か気配があったので横を見たら、ゆたきちさんの竿が大きく曲がっている。
 「でかい、ゆっくり、ゆっくりやってや」
 曲げている竿を写真に撮ろうかと思ったけどすぐに浮かせたようだ。
 持っていた竿を置いてタモを握った。
 「大きいグレです」
 「ほんと、大きい」
 無事に掬う。
 ゴールデンタイムの到来か。
 納竿時間まで真剣にウキを見続けたが2枚目は来なかった。
 
 港に戻って検寸が始まった。
 この日はゆたきちさんの46cmが一番大きいようだ。
 40cmオーバーは4人で5枚、確認した。
 11人で4人が40cmオーバーを釣っている。
 もう一軒のやんが丸は50人も乗っていたらしい。
 50cmオーバーや尾長の46cmも仕留められたみたいだ。
 
              
                
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                  | 港に戻って記念撮影 46cm |  解禁の神前浦、近いし午後4時まで釣らせてくれる。今日も3時すぎに46cmが来た。
 午後2時までだったら、帰りの車ではボヤキを聞き続けたに違いない。
 4時までで救われた。
 ゆたきちさんは、しばらく通うことになるのだろうな。
 
 
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