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 上野山さんからのリポート
 「合計9回もタモを使いました」

  尾鷲、二木島 (三重県)
   2006/05/04、05

 


5月の連休は、ゆたきちさん(以下Y君)と三重県に釣行いたしました。
お互いのスケジュールを合わせますと、5月5日、6日の1泊2日の釣行が都合がよいということになりましたが、5月1日の週間天気予報ではあいにく6日は雨模様で天気が崩れるようです。
Y君と連絡を取りますと、5日に通し釣りをして帰るか、天候の様子を見て6日の昼までにしようかということになりました。

2日の夕方仕事を終えましてY君に電話を入れますと「子供がインフルエンザになったみたいで熱が出始めました。学級閉鎖もしているのです」ということです。
私はY君の子供の具合が悪くなったので、今回は単独釣行かなと思っていましたら、「これで4日の予定がボツになりましたので4,5日で行きませんか」というY君の提案です。
まあ、なんといいましょうか、これも神様が釣りに行ってもいいよということかなと、前向きに(釣り人寄りですが)判断して4日の朝に大津を出発して初日は尾鷲で半夜、二日目は二木島で通し釣りをすることになりました。
ウチのようにきつい鬼嫁でしたら、とても熱の出ている子供を置いて釣りに行けませんがY君の所は普段から奥さん孝行が行き届いているのでしょうか。

前日にはいつものサンスイ釣具店でリールの糸を3号に巻き直し、グレ針も6,7,8号と仕入れました。サンスイの若旦那の話ではリールを巻くときに何か擦れるような感じだが、影響はないので釣行から帰ってきたらまた持ってこいということです。
 
4日の朝は3時に起きてイヌの散歩を済ませてから大津に向かいます。
連休中ですが早朝ということで道路は全然混んでおりません。無料になった湖西道路もほとんど車が走っておりませんので5時15分頃にはY君の自宅に到着しました。
Y君と会うのは約1年ぶりです。あいさつを済ませてさっそく道具をY君のワンボックスカーに積み込み尾鷲に向けて出発です。
Y君の話では、前日にK君が二木島に釣行して実に久しぶりにグレを釣ったということです。
かなりウネリがあったそうですがK君は長年の不調がウソのように39cmを頭に4枚のグレを釣ったということです。
乗った磯は「ホーロク」で棚は3ヒロ半程度ということでした。

Y君に船の予約をお願いしましたが「2日とも二木島でも良いのですが、尾鷲の寺島に乗ってみたいので初日は尾鷲の半夜にしました」ということです。
1号線に向かう途中「ここは24時間やっていますし、飲み物が安いので仕入れてくださいと」いってY君は車をスーパーに入れました。
Y君の言うとおり、そのスーパーは自販機では150円で売っているお茶やスポーツドリンクが98円とかなり安い価格です。「本日で賞味期限が切れるヨーグルトは半額なんですよ」と言ってY君はヨーグルトやらうどんも買っています。
Y君の見た目はかなりゴツイのですが、主婦のように色々と安い店の情報を普段から集めているようです。

運転を代わって伊勢自動車道に乗りますと、道路は大台まで伸びたと言うことです。
「車にETCをつけていますので、朝の時間の半額割引が適用されるので大台まで乗っても、以前よりも安く上がります」とY君はここでも高速料金を細かく計算しておられるようでした。
大台のインターを出ますとすぐにエサ店に着きます。
我々は「エサ亀」でボイルを2枚ずつ受け取りました。
ボイルは少し値上がりしたようで、Mは1150円、Lは1200円でした。
私はMとL各1袋、Y君はM2袋を受け取りました。
連休ですので車が混むかもしれないと早めに出ましたので、須賀利には9時30分頃着いてしまいました。

渡船は11時に出るということですので、Y君は早めに昼食を食べると言っています。
私は例によって小物の整理をしたり、閉じたオモリをナイフで開いたりして時間をつぶしますが時間が経たないのでY君が平らにしてくれたシートで横になって少し休みました。
やがて11時15分ほど前に「あら丸」がやってきました。
私は「あら丸」に乗るのは昨年の冬以来です。あのときパンを食べながら釣っていてグレが掛かったのが遠い昔のように思えます。

半夜で出る客は我々二人だけのようですので、荷物を載せるとすぐに船は出ました。
「寺島はどうですか」とY君がいいますと、どうもウネリがあるので朝は渡していないようです。
天気予報では1.5mの波でしたのでこれは意外でした。
湾を出ますと右手に見える大石には大きな波が当たってシブキが上がっています。
一応船はゆっくり寺島に向かっていきます。
途中の「オナソ」もかなり波が駆け上がっており、一番手前向きにしか釣り人は乗っておりません。
沖の寺島に行きますと九鬼向きにはウネリでかなり波が上がり誰も釣り人はいません。
この波ではとても釣りにならないので「あら丸」は「三つ石」方面に戻ります。
「三つ石」の手前の「棒グイ」という磯は午前中1枚出ているし、一人昼で帰るので空いたところでやって下さいということです。
Y君はしきりに寺島に乗れると思って尾鷲を予約したのに申し訳ないと言っていましたが、天気相手の遊びですのでこれは仕方のないことです。
船は「棒グイ」の前で12時まで待機するということですので、われわれは30分ほども揺れる船で待つことになりました。

しばらくすると、「三つ石」には川端渡船が、寺島の裏手には宮城野渡船が来てそれぞれ待機しています。
Y君は「あら丸」の船長と何か雑談をしています。
船長はこのところ油が値上がりしているので、待機の時間の油代がもったいないとこぼしているようです。
船はウネリでかなり揺れますので手すりにつかまっていないと体が飛びそうです。
そのうち船長が後ろにいる私に向かって「あんた大丈夫か」と聞いてきましたので「大丈夫です」と答えますと「ワシは少し気分が悪くなってきた」と言うことです。
これには笑いましたが、このシステムもう少し何とかならないものかと思います。
船に弱い人ならウネリのある海での30分の待機は釣りをする気力をそがれるのではないでしょうか。
もしかして、船に弱いK君が尾鷲でボーズが続くのは、このシステムで気力をそがれるかもしれませんね。

やがて12時になり川端渡船が着け始めたので我々も磯につけました。
「棒グイ」は見た目以上に高く足場が悪い磯のようです。
午前の釣り人はそのまま帰るというのでその人の荷物を手渡しで船に運び、空いた場所にY君が入り私は正面向きに急な磯を4m程下りて竿を出すことにしました。
磯が急ですので、タモ、竿、マキエと3回に分けて磯を上り下りしましたのでかなり汗をかきました。

朝からのっておられる釣り人に聞きますと先に帰った人が朝一番に45cm程のグレを釣ったきりで、あとは鯖が1匹ずつということです。
この方は最新のガマの白色をしたレインウエヤーに、ガマのワンピースのタモ、コモバッグ、ガマの竿というガマカツのカタログのような釣り人でしたが、愛想良く私と午前中の状況など話してくれました。

さて「棒グイ」ですがほとんどドラマもなく6時の迎えの時間を迎えてしまいました。
ただ、お隣のガマカツ釣り人が4時30分頃に42,3のオナガグレを1匹上げたのが唯一の釣果でした。
仕掛けを聞きますと沈め釣りでサラシの沖に出たウキが2ヒロほど沈んでアタリが出たということです。
私とY君はそれぞれ40cmほどの鯖を4匹ほど釣りましたが、脂がのっていないということでしたので放流しました。

釣りを終えて港に戻りますと、結構魚を持っているグループもありましたので、全体としてはボツボツ釣れているというところでしょうか。
我々は高くて足場の悪い磯に乗りましたので、「明日は釣れんでもいいから足場のいいところに乗りたいもんですわ」といいながらいつもの風呂屋に向かいました。
尾鷲市内にある「五月湯」にまた今回も行きました。
前にも書きましたように、ここは200円と激安です。
先に入った私がタオルしか持ってきていなかったので石鹸を買おうと思いましたら「石鹸を貸しましょうか」といって番台のおばさんが新品の石鹸を石鹸箱に入れて出してくれました。
私が代金はいらないのかと怪訝な顔をしますと「このへんでは、こういうことは普通ですよ」と言って差し出してくれました。
200円の代金で、なんという人情味あふれる振る舞いでしょうか。
もしかしたら、番台のおばさんはボーズ釣り人を見分ける目があって、ボーズの釣り人にはことのほか優しいのかもしれませんね。
旅先でこういう心が暖まる接待を受けると、次回は何か日本海側の手みやげでも持っていきたくなりますね。

世の中金が一番という風潮がライブドア事件以来ようやくとがめられておりますが、こんな日本人の心配りを忘れてはいけませんね。
尾鷲の「五月湯」、42号線から宮城野渡船に入る道の左側です。
普通の家のように小さい風呂屋ですが、ぜひ皆さんも釣りの帰りに汗を流してみてください。

風呂に入っていつもの「鬼瓦」に寄り、てんぷら定食を食べて、我々は二木島に向かいました。
二木島は梶賀からさらに15分ほどかかります。
Y君は二木島のマルヒサ渡船には今年になって4回ほど来ているが1回釣っただけということです。
なんでも釣り客に我先にという感じがしなくて、磯渡しものんびりしているのが気に入っているということです。

R君が「ぐれねっと」の釣行記で、二木島の「笹野島」で釣ったリポートを乗せておられるので事前に読んでおきましたが、時期が少しずれているので今は前日に「ホーロク」で釣ったK君のウキ下3ヒロ半で釣れるよという情報が頼りです。
仮眠所が空いておりましたので我々は布団を敷いて寝ることにしました。
私は疲れもありすぐに眠りに落ちてしまいました。

4時前になりふと目が覚めました。
やがてY君が電気をつけたので起きることにしました。
前日、踏ん張って釣っておりましたので体のあちこちが突っ張っています。
布団の中でゆっくりストレッチをして腰を伸ばしてからゆっくりと服を着替えます。
出船は4時45分という事ですのでゆっくり仕度しますが、車に行きますと隣の民宿から7,8人の釣り人が仕度をして出てきましたので少し急いでカッパを着ます。
エサは昨日半分ほどしか使わなかったので、尾鷲のエサ屋では私はボイルを3枚購入しました。
Y君は4枚購入したようです。
その店でガマの「ボイルグレ」という半スレのハリがありましたので何の気なしに7号を1袋買い求めました。
この釣具店ではボイルはMもLも1200円でした。

駐車場から港までは100mほどですが、ボイル3枚半に飲み物やら氷を入れた磯クーラーはかなりの重さです。
何度か手を持ち替えて何とか渡船場にたどり着きますと、各人乗船名簿を書かなくてはいけません。
明るい電気の下で名簿に記入しますと、船長が予約と名簿を確かめて4時40分と少しはやめですが出船することになりました。
釣り人は連休中ですが少なめです。
全部で15,6名でしょうか。
イカ狙いや底もの狙いの釣り人もいるようです。

船は夜が明け始めた港をゆっくりと沖に向かいます。
やがて右手には笹野島が見えてきます。
最初にイカ狙いの釣り人を湾内の静かな磯に下ろしていきます。
笹野島を回りますと、かなり波が残っているようです。
笹野島には着けずに「寺島」から「ホーロク」と下ろします。
我々は最後に一人で来ている釣り人と3人で「イガミヤド」におりました。
沖に向かって赤いレインウエヤーの釣り人とY君が入り私は左手、寺島に向かって釣り座をとりました。

まだサラシは残っていて、足元からサラシが出ます。
先端方向に根が張りだしていて、その際が狙い目のように思えました。
昨日の釣りでかなり道糸にヨリが出ていましたので私は道糸を20m程切って仕掛けを作りました。
本日の仕掛けです。
竿はいつものガマのレイダム1.5号。
リールはシマノのレバーブレーキタイプです。
道糸3号、ハリスはシーガーの3号を3ヒロ弱。
ウキはツインセンサーの2Bを遊動にしました、ハリは昨日買ったボイルグレ7号としました。
道糸とハリスは直結し、ウキ下は3ヒロ半としました。

足元にボイルを少し撒きながら仕掛けを作ります。
仕掛けを作り足元にウキを落とし、仕掛けがなじむまでウキを沖に出さずに引きつけてウキ止め糸が落ちてからゆっくりウキを出します。
ウキは沖に張り出した根沿いに出ていきます。
潮の色は濃いブルーです。
昨日とは違い釣れそうな感じです。

ゆっくりと根沿いに流れていたツインセンサーの小さいアタリウキが引き込まれます。
とっさに合わせると竿が絞り込まれます。
1投目で来たのはかなりの引きの魚です。
ハリス3号ですので糸を出さずに強引に竿でためます。
最後に竿をたたくような引きに変わり、予想通り40cmほどのサンノジが上がってきました。

       釣り場から見た笹野島                 1投目に釣れたサンノジ

ハリをくくり直して同じようにウキを流しますと、根の際でウキが止まりネガカリしたかのようにゆっくりウキが沈みますが加速をつけて沈んでいきます。
これはアタリと合わせますと今度もかなりの引きです。
これは先ほどより上品な引きでしたのでグレかもしれないと思います。
足元で締め込むのをこらえますと、浮いたのは見たところ40cmを越えているグレでした。
Y君に「釣れたよ」と声をかけますと、タモを入れに来てくれました。
タモに入ったグレは見た目44,5cmでしたがシメて氷で冷やしたので夕方港で計ったときは41cmでした。
ともあれ2投目でグレが釣れたのでかなり気は楽になりました。
「私はまだ仕掛けを作っている最中です。その間に2匹も魚を釣るとは」とY君がアセリ気味にいいます。

         2投目で釣れた40オーバーのグレ

そのうちY君も釣りを始めたようです。
私は1匹釣りましたので余裕が出て、笹野島の写真を撮ったりハリを換えたりしました。
その後はエサがとられますのでタナを少し上げて3ヒロ程度としました。
するとまた足元でウキが入り、竿がのされるよ強烈な引きです。
これも少し糸を出してこらえます。
上がってきたのは先ほどよりも大きいサンノジです。
これは自分でタモを入れました。
「そっちばかり掛かりますね。ウキを入れさせてください」といってY君が根の際にウキを入れますが風が出てきて道糸がふけるので少し釣りにくいようです。

その後アタリは遠のきましたがエサがとられますので魚の活性は高いようでした。
私は20cm程の丸ハゲが掛かりましたのでこれは持って帰ることにしました。
9時前に弁当船が来て釣果を聞きます。
グレ1枚と答えておきました。
弁当は船頭の息子さんがアミに入れて渡してくれました。
ここの弁当はポットに入れたお茶もついていて、オカズもたくさんありかなりおいしい弁当でした。

やがて南西の風がだんだん強くなり白波が立ち始めました。
Y君にサンノジが掛かりましたがハリスをつかんで抜こうとしたらリールの巻きすぎでなんとY君はガマの竿の穂先を折ってしまいました。
「サンノジとわかって雑になってしまいました。初心者みたいなミスです」と言ってしょげていました。
そのうち風が猛烈に吹き始め、沖向きに釣っていた釣り人も内向きに移動してきました。

          隣の釣り人                        釣れたアイゴ

この釣り人にアイゴが掛かり私にも35cmほどのアイゴが掛かりました。
竿をたたく引きでしたが、かなり強い引きを楽しむことが出来ました。
この後、隣に40cm程のイガミ、私に20cm程のベラとグレではありませんが魚が連続で釣れました。
Y君はどうしたことか何も釣れないので「ヘタには釣れませんかね。私には磯釣りは向いていないのかな」などとしきりにボヤいています。

        荒波の中の撤収に来た渡船

11時になり船が見えましたがこれはどうも表向きの磯の釣り客を撤収しているようです。
幸い我々は風を背中から受けるような具合ですのでそのまま釣っていて良いようでした。
その後大きなウネリが来てサラシが大きくなったので1号のウキに換えますがどうも釣れる気がしません。
2時になり船が来て「ここでやっても波で釣りにくいので半夜は湾内の磯でやらないか」と船長が言います。
私もこの波の状況では釣れる気がしないので急いで道具を片づけ磯変わりをすることにしました。
ウネリがきついので荷物を船に投げてタイミングをみて船に飛び乗ります。
無事に船に飛び乗った後で、こんなことあと何年出来るのかなと思いました。

半夜は湾内の「ガマの口」という磯に変わりました。
ここは笹野島が右沖に見える比較的風の当たらない磯です。
時折大きなウネリが来て左手にサラシが20m程も出ます。
我々は右と左に分かれて竿を出しました。
竿を出す前に深さを測りますと足元で3ヒロほど、竿2本ほど先で3ヒロ半ほどですのでここはかなり浅い磯のようです。

「なんだか日本海のチヌ釣り場のようですな」とY君が声をかけます。
私も磯の感じといい、深さといいチヌ釣り場のような印象がしました。
私は釣研の3Bのウキにウキ下を3ヒロ少し取り足元にマキエを打ち、仕掛けを入れました。
少し左に流れた仕掛けがサラシに乗って沖に出てウキがシモリます。
上げますとフグが釣れました。
その後は餌がとられない状態が続きます。
Y君も全然エサがとられないということです。
どうも釣れる気がしません。

しばらくして、「私はあまり磯変わりしていい目を見たことがありません」と言ってY君は磯の上で寝始めました。
私はその間も釣りを続けましたがたまにオキアミの頭が囓られるようになってきました。
30分ほどして、「どうですか。サラシの所にウキを入れてみますわ」と言ってY君が起きてきました。
Y君は私の上に移動し、マキエを足元のサラシに撒いてサラシの沖に向かってウキを入れたようです。
時刻はもう4時頃になっていました。

しばらくして「なにか掛かりました。サンノジかも知れません。ウキが見えなかったのですがいきなり竿に来ました」とY君が言います。
見上げますとY君の2号の竿がかなり曲がっています。
やがてサラシの中からゆっくり上がってきたのは大きなグレです。
私がタモを持って下におりました。
Y君はグレとわかってかなり慎重になっているようでした。

サラシの強い中何とか私はグレをタモに入れましたがタモを引き上げようとしたらサラシにおされましたので、その場でタモをこらえていると何とタモからグレが出てしまいました。
これはたいへんとタモを入れなおしますが今度は焦ったY君がグレを引っ張りますので、グレが磯際にひっついてしまいグレと岩の間にタモを差し込むスペースが無くなり「グレを沖に出してください」とアドバイスするもY君は必死でグレを抜き上げんばかりの勢いで引っ張っています。
どうも頭に血が上ってしまったようです。
そのうちサラシでグレが磯際を離れたときに、なんとかタモを差し込んでようやくグレを掬うことが出来ました。

その後時合いが来たのか ようやくグレを手にしたY君

呼吸が合わずになんともドタバタした取り込みとなってしまいましたが、Y君はようやく1匹釣れて大喜びです。
「今日はもうあかんとおもっていましたが、こんなことあるもんですね。
サラシはクサイと思いましたが1投目とは交通事故みたいな釣れ方でした」とまくしたてます。
あまりの喜びように私は「阪神の関本のさよならホームランみたいな嬉しがりかたですね。さっきまで釣りやめようと言っていたのはどうなったんですか」と冷やかしました。
Y君が釣ったグレは44,5cmあったということでしたが、港で計りましたら41cmということでした。

その後時合いが来たのか私に30cmから36cm程のグレが4枚掛かりました。
私は自分でタモを入れていましたが最後はタモが回るような感じになりうまくタモが入れられずY君に掬ってもらいました。
後で考えるとこれが次のトラブルの前兆でした。
その後Y君に28cm程のグレが掛かりましたが針を飲んでいましたので放流せずに持って帰ることにしました。
5時前になり足元でY君に良型のグレが掛かりました。
自分でタモを入れるというのでタモを渡しますが、少し上で釣っていたのとウネリが強くなかなか魚がタモに入りません。

私がタモを受け取り今度はなんなく掬いタモをY君に渡し、自分のエサをつけようとするとカラカラという音がしてタモの枠が足元に落ちてきて掬ったグレも海に落ちていきました。
訳が変わらずに上を向きますと、「タモの枠がはずれました」とY君が言います。
足元に落ちた枠は次の波で海に消えましたが、グレはまだついているようです。
私はY君のタモを急いで取り出し何とかこのグレを掬いました。
どうも私のタモの枠はネジが緩くなっていたようでした。
私のグレを掬ったときにタモが回ったのは、ネジ山がすり減ってゆるんでいた前触れのようでした。

今回もかなりのドタバタでしたが無事に掬ったグレはかなりの良型でした。
港で計りましたらこれは45.5cmということでした。
Y君はしきりに恐縮していましたが、ネジがゆるんだのは誰のせいでもありませんからタモの枠の寿命ということでしょう。
それよりも海に落ちたグレが掬えて何よりでした。
これを最後に潮が動かなくなり6時30分で道具を片づけ始めましたら、ちょうど迎えに来た渡船が笹野島に向かって前を通りました。

港に帰りますと、ほとんどの方が良型のグレを釣っていました。特に笹野島の裏向きに釣っていた方は48cmを筆頭に40オーバーを6枚ほどそろえていました。
マルヒサ渡船屋さんの息子さんは釣果をブログで写真を入れて公開しているというので、各釣り人の釣果の写真をデジカメで撮影していました。

昨日はボーズ、今日は磯変わりしてから釣れるなど、磯釣りはおもしろいですね。
帰りは昨日入った「五月湯」に寄り長島でラーメンを食べて大津には12時頃、敦賀には2時前に到着いたしました。
長時間運転をしてくれたY君にはほんとに感謝いたしました。
2人での釣行では道中やら休憩時に色々しゃべれるので単独行とは違った面白さがありますね。

翌日サンスイ釣具にタモの柄とリールを預けて夕方に再び店にいきますと、リールはローターの裏側が錆びて膨らんでいたのでヤスリをかけて、さびを落としたということでした。
タモの柄は何ともなく、やはり枠のネジがいかれていたようでした。
いつもこの店ではリールの修理代を取らないので、新しい枠はガマカツ製でチタンの45cmのものとしました。これはかなり高額で1万円チョットしました。

アミを選んでいますと一度奥に入った若旦那が手にアミを持って出てきました。
そして「以前に趣味で編んだアミですが1枚残っていたものですが使いませんか」といって若旦那の手製のアミを手渡してくれました。
私がお金を払おうとしましたら、「趣味で作った物ですからお代はいりません」ということです。
せっかくの申し出ですので、私は遠慮なくアミをいただくことにしました。
今回の尾鷲の風呂屋といい、サンスイ釣具といい今回は日本人の人情にふれる良い釣行となりました。

今回の二木島では久しぶりに強い引きを楽しむことが出来ました。
私だけでも合計9回もタモを使いました。
また、Y君や「ぐれねっと」管理人さんと連絡を取って三重県に釣行したいものです。


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