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上野山さんからのリポート
「豪快な沖の島アタリ」
沖の島 (高知県)
2007/02/16〜17
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2月16日から2日間友人のHさんと久しぶりに四国の沖の島に釣りに行ってきました。
Hさんと最後に磯釣りに行ったのは7年前の舞鶴毛島ですので、今回は実に久しぶりの釣行です。
この7年間、私は「ぐれねっと」の管理人さんや、ゆたきちさんと三重県や和歌山の磯にちょくちょくいっておりましたが、Hさんは1年ほど毛島でカゴ釣りを楽しんだ後、船を買ったということでしょっちゅう船釣りに行っていたようでした。
1月にHさんの事務所に遊びに行くと「久しぶりに四国に磯釣りに行きたいので、いっしょに行かないか」ということです。
Hさんは私よりも5才年上で、以前はいっしょに八丈島にも釣行したことがあります。
スケジュールをあわせると2月の16日の金曜日から3日間ということになりました。
ただ、風が強い離島ですので3日とも釣りができるとは限りません。
天候が悪ければ見送るということにして、とりあえず16日の金曜日は休みを取ることにしました。
月曜日に週間天気予報を見ますと、土日は日本全国雨です。どうも低気圧が通るようですので心配です。
Hさんからは毎日のように天気について電話がかかってきます。
11,12日の連休はまあまあの天気でしたが水温が下がったようで、釣果は芳しくなかったようです。
ただ、13日は「ヒトツバエ」で58cmのオナガグレが釣れたという事でした。
14日は低気圧がとおり、15日は北西の強風が吹き2日間は釣りにならなかったようです。
14日にHさんの事務所でインターネットの天気予報を見て相談しました。
16日は北東の風が強そうだが釣りはできそう、17日はうまくすれば低気圧が通過するまで半日は釣りができるのではないか、18日はおまけの釣りで、低気圧通過後に風裏の磯で竿を出すことができれば、もうけものではないかという結論に達しました。
磯割を見て私は以前に「ぐれねっと」の管理人さんといった金子渡船に電話をしました。
金子渡船の磯回りは「ヒトツバエ」、「二並」、「三ノ瀬」ですので、オナガグレに出会う可能性は高そうです。
Hさんの事務所で打ち合わせて帰ってきますと、鬼嫁から「あんたら行くまでが楽しそうやね」といわれてしまいました。
実際行くときは元気いっぱいで帰りは「次回につながるボーズやった」などと強がりを言うことも多いのですが・・・
15日の7時に私はHさんの事務所に行きHさんのランドクルーザープラドに荷物を積み込みました。
北西の風がかなり強く吹いているなかを四国に向けて出発です。
Hさんのランクルにはナビが付いていますので、とりあえず須崎のマルナカ釣具を入力して敦賀を出ました。
マルナカ釣具にはボイルのLM、とLを2袋ずつ予約しておきました。
Hさんは少し風邪気味ということですが、先に運転してくれるということです。
今回は小浜西インターから舞鶴道に乗り、岡山に出て瀬戸大橋をとおるというルートです。
神戸のあたりで私は眠くなったので眠ってしまいました。
しばらくして目がさめ、「どの辺まで来ました」と聞きますともう瀬戸大橋は渡ったということです。
Hさんは結局マルナカ釣具まで運転してくれました。
われわれは、ここで各自ボイルのオキアミを6枚ずつ買いました。
相変わらずここはたくさんのお客さんでにぎわっています。
たくさん並んだボイルの中にあった予約の札を見ますと私の名前は「上野森」となっていました。
変わった名前ですのでなかなか覚えられませんね。
金子渡船さんでも「山の上さん遠いところからおこしですね」と逆に呼ばれていました。
片島には4時前に着き、荷物を渡船に積み込みわれわれは下の仮眠スペースに寝転びました。
ここでようやく体を伸ばすことができました。
私は2月になって腰痛が出ましたので、今回は腰にさらしを巻いてきました。
このさらしは鬼嫁が出産したときに常宮神社でもらったもので、神社の紋章入りですのでごりやくもありそうです。
さらしのためかここまでは腰痛は再発しませんでした。
5時30分頃になり大きなエンジンの音がしていよいよ船は沖の島に向かって出発です。
しばらくうとうとしておりましたが、隣の人が起きる気配がして目を覚ましますと船は少しスピードを落としたようです。
磯靴を履いて上に上がりますともう沖の島が見えます。
低気圧が通過したということで、さすがに昨日は泊り客はいないようです。
船には15,6人の釣り人が乗っているようです。
船は、最初に「ヒトツバエ」に着けます。
ここでは3人組が降りました。
われわれは前にいましたので「次ヒラバエ」という船長の声でさっと前に出て「ヒラバエ」に乗ることができました。
事前にサンスイ釣具店で「四国の磯釣」という本を借りてきて、大体の磯割の磯は覚えましたので乗るなら「ヒトツバエ」か「ヒラバエ」、「ビゼンバエ」を考えていました。
この熱心さを仕事に向ければ今ごろは出世もしていたかもしれませんが・・・
「ヒラバエ」は「ヒトツバエ」よりも少し沖向きにある比較的平らな磯です。
ガイドブックでは20mほど先をネラエとありましたので足元には根が出ているのかもしれません。
サラシが出るのとまだ薄暗いので海の中がよく見えません。
北東の風が強く吹いていますが、風が背中からあたりますのでそう苦にはなりません。
ウネリもたいしたことはなく沖ノ島にしては釣りやすい日よりでした。
Hさんは「はじめてきたけどいい感じの磯やな。今日は3号竿ではじめるで、リールはアブの両軸や」といってしたくをしています。
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朝焼けの中を釣るHさん |
われわれは「ヒトツバエ」に向かって左にHさん、右に私が並んで釣り始めました。
平たい磯ですので足場はよいのですが、根がかなり張り出しておりますので取り込みが難しそうです。
私の仕掛けです。
竿は10年以上前に購入しましたグレスペシャル2号。
リールは新品でシマノのドラグ付きのレバータイプで4000番です。
道糸は4号、ハリスは4号、針はグレメジナ9号、釣研製円錐ウキBを50cmほど遊動としました。
ハリスは2ヒロ取り、サルカンの上にキザクラのJクッションをつけました。
マキエをしてウキを投入しますとウキは沖に向かって流れます。
道糸を張り気味にしてウキがハリスより先に流れないようにします。
ウキは20mほど流れるとシモリ始めます。
仕掛けを上げますとエサが半分ほどかじられていましたので魚の活性はあるようです。
2投目に足元でゆっくり浮きが沈み、気合を入れてあわせましたがガシラでした。
Hさんの前はサラシが出ますのですぐにウキが沖に出てしまうようです。
明るくなって海の中が見えてきますと、Hさんの前から大きく根が出ているようです。
右端のほうに向かって根が切れているのですが、右端は磯が低く釣りはできないようです。
私の前も5mほどは根が出ているようです。
5投目くらいでしょうか前に流れていた赤いウキがスーと沈みました。
リールのベールを開けておりましたのでスプールをつかんで合わせますと魚はかかりましたがかなりの引きで一気に底に走ります。
ベールを倒せないのでそのままスプールをつかんだまま耐えていますと、ふっと軽くなりました。
仕掛けを上げますと道糸から切れていました。
ドラグ付きのリールを買ってもスプールをつかんでのやり取りではドラグは利きませんね。
リールをつかんでのやり取りでしたので竿も操作も今ひとつでした。
オナガ狙いではリールはベールオープンよりも少しずつ糸を出してはスプールを閉じるほうが私には釣りやすいかもしれません。
ヒラヒラする道糸を見てHさんが「ようバラスな。やっぱりリールは両軸がええよ」と笑っています。
その後Hさんの竿が曲がりますがなんと上がってきたのはウツボでした。
今度は足元のサラシの切れ目で私のウキが入ります。
合わせると今度もかなりの引きです。
根の際ですので糸は出せません。
そのまま耐えているとドラグからジッ、ジッと糸が出ます。
しばらくして魚が浮いてきましたのでHさんからタモを受け取り、魚を掬いますと、きれいな40cmほどのオナガでした。
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釣れたオナガグレ |
その後Hさんにアタリがありましたがこれは合わせると同時に切れるという強烈な引きでした。
その後私には35cmほどの口太が3枚つれましたが、オナガのアタリはありません。
Hさんはポットに入れて持ってきたお湯でインスタントラーメンを食べたあと、眠くなったから寝るといって磯で寝転んでいましたが眠れないのでまた釣りをしています。
どうも、寝不足と風邪気味なのでしんどいようです。
そのうち「きたー」という声でHさんを見ますと、ダイコーの3号竿がひん曲がっています。
座って釣っていたHさんは、曲がった竿を持って必死に磯の前に走りますが、私にはスローモーションのように動きが鈍く見えました。
Hさんが磯際まで5mほど走ったときは完全に竿がのされていました。
そのまま切れるかと思いきや、沖で掛かった魚は磯際に向かって走ってきたので何とか魚はついているようですが、今度はリールを巻くスピードが追いつかず魚は張り出した根に張り付いたようです。
Hさんは道糸を緩めて竿を立てて魚が動くのを待っています。
しばらくして魚が出たようですがやり取りをするまもなくハリスが飛びました。
チモトから切れたようです。
「目が覚めたわ。ウーン八丈でもないようなすごい引きやった。ドラグは締めてあったのに結構糸は出たで、こんな根だらけのところで大型のオナガをとるのは難しいな」と感心しています。
Hさんは八丈島でヒラマサ釣りに行って、カゴ釣りで60cmオーバーのオナガを何匹も釣っているということですが、どん深の磯の沖で掛かるのでとるのは難しくなかったということです。
四国に行く前に、「大物のアタリが1回でもあればエエワ」とHさんは言っておりましたので満足でしょうが、実は皆さん獲りたいでしょうね。
「よっしゃ、明日はハリス6号でぜったいとってやる」と叫んでいましたが、風に吹かれて熱が出たのかしんどそうです。
しばらくしてHさんにも35cmほどのクチブトが掛かりました。
その後Hさんが横になっているときに私にアタリがありました。
かなり竿が曲がりますがハリスを5号に変えていましたので糸を出さずにこらえます。
竿が曲がりキーンと糸が鳴りますが、のされないので糸は出ません。
ウキが見えてからも引きますのでオナガかと思いましたが、これは46cmのクチブトでした。
この魚はスマートで尻尾が大きいブルーの魚で、それまで釣れていたクチブトとは違うような印象を受けました。
もしかして回遊性のクチブトかもしれませんね。
この魚はHさんが寝ていたので自分でタモを入れました。
弁当のときに迎えの時間を聞きましたら2時半頃にはしまいはじめて下さいということでしたので、われわれは2時30分に道具を片付け始めました。
Hさんは寒気がするといっていますので風邪が悪化したようです。
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クチブトグレ46cm 後ろはヒトツバエ |
3時に迎えの船が来て港に戻りますと、泊まり客はわれわれ以外2人です。
5時の夕食のときにどこに乗りましたかと聞きますと最初は「ビゼンバエ」に乗ったそうですが弁当船まで1匹しか釣れなかったので、大小の船着きに磯変わりしたそうです。
そこでクチブトを5枚釣ったということです。
「ヒトツバエ」は3人で8枚、「ウノクソ」も3枚釣れたという事ですので今日はそこそこグレの食いはよかったようでした。
Hさんは熱があるということで早々に部屋に戻りましたが私は香川県からきたという二人組みと7時の天気予報まで釣り談義をしました。
二人組みは私がハリス5号でグレを釣ったと聞いてびっくりしていました。
「昔は5号やら4号を朝のうちは使ったけど最近は使わんな。普通は3号かな1.7号も使うで」ということです「それでは60cmのオナガがきたらどうするのです」と聞きますと「そんなもんよっぽど運がないと獲れないのではないかな。掛かっているかもしれんけどこんな根だらけのとこでは難しいで」といいます。
食堂の壁には60オーバーのオナガの魚拓がありますがこれを見ても、とても3号、2号で引き合いをして獲れそうに思いません。
ただ、どの魚拓も腹がでっぷりしていますので、産卵の前の太った魚のほうが引かないのかもしれませんね。
7時の天気予報はやはり低気圧が九州にあり、朝から雨で南東の風が強く吹くようです。
明日の磯割の「二並」は以前に50cmのオナガを釣ったところですが、「東のハナ」は南東の風では向かい風です。
二人組みも「東のハナの高場でやりたいけど行ってみて船長の判断に任せるしかないな」ということでわれわれ泊まり客は東のハナ希望ということになりました。
今日はHさんにも私も沖の島アタリがありオナガも釣れましたので満足のいく一日でした。
部屋に行きますとHさんはかなり熱が出たようですので、頭をぬれたタオルで冷やしました。
明日は雨風ですので部屋で寝ているということです。
せっかく沖ノ島まで来ましたのになんとももったいないことです。
私はHさんのタオルを変えると8時前には眠ってしまいました。
そのまま朝の4時ごろまで私は眠りつづけました。
Hさんの熱は下がったようですが力が入らないので釣りはしないということです。
5時半になり食堂で朝食を取ります。
昨日の夕食といい金子旅館ではたくさんのおかずが出ますので食べきれないほどです。
以前に「ぐれねっと」管理人の下山さんときたときは疲れてあまり食べられませんでしたが今回はなぜか体が元気で食欲もあります。
離島の釣りのペースに少し慣れたのかもしれません。
腰もそう痛くありませんので、サラシの効果があるのかもしれません。
Hさんは朝食を食べましたが体がふらふらするというので部屋で寝ることになりました。
あさっても雨で低気圧通過後の風が強そうですので、われわれは予定を変更して2日間で帰ることにしました。
石段を降りて港にいき、支度を済ませますとかなり南風が吹いてきます。
今日はどこに乗れるかと話していますと、予定通り6時20分に船がやってきました。
道具を前に積み船長に3人で「東のハナ」の高場と低場に分かれてやりたいといいますと、「今日は人が多いので3人で高場にのって」といわれます。
10分ほど走った船は最初に「東のハナ」につけます。
二人組みが上に上がり船から荷物を渡します。
私は以前50cmのオナガを釣った磯の上から釣ることになりました。
以前は北西の風でしたので下に降りて釣ることができましたが今日は向かい風ですので波があがって来ます。
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東のハナ低場 |
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東のハナ高場中央に乗った釣り人 |
低場には2名降りましたが、波しぶきが足元に上がっています。
波は2mのち3mということですので沖の島ならではの豪快な磯釣りが体験できます。
私の場所は比較的平たくて磯にもたれて釣る感じですが、右足を伸ばしてふんばって釣るか、少し上がって両足をかがめて釣る姿勢になりますので足がしびれそうになりますのでしょっちゅう体勢を変えて釣ることになりました。
私は昨日と同じ仕掛けでハリス5号にグレバリ8号を結んで始めました。
道糸になるべく風があたらないように竿を真下に向けて釣る体勢となりました。
1投目からエサがかじられますので魚の活性は高いようですが道糸が風にあおられてウキのなじみが悪いように思えましたのでウキをツインセンサーの2Bに変えました。
これですと水中ウキがなじみをよくしてくれます。
潮が低場に向かって流れますので、すぐにウキが低場の釣り人の前に流れます。
私は流れたウキを戻して足元のサラシを釣る事にしました。
そのうち高場の左端の釣り人にアタリがあり35cmほどのクチブトが釣れました。
サシエがとられなくなりましたが、2ヒロのタナで我慢することにします。
サラシにもまれたウキがシモッていったので道糸を張り気味にしていると竿に直接アタリが来ましたがこれは35cmほどのクチブトでした。
隣の方が下に下りて掬ってくれました。
昨日夕食のときに話をしたのでいやな顔をせずに掬ってくれたのだと思いました。
ここでは磯が高いので取り込みが大変です。
一人での取り込みは竿とタモを持ってロープを伝って下がらなければならないのでかなり危険に思えました。
風が強まりましたので弁当船で低場の2人は磯変わりしました。
右端の釣り人は沖を流して30cmほどのイサキを2匹と40cmほどのグレを釣っていたようでした。
12時前になり中央の釣り人にアタリがあり40cmほどのクチブトを取り込みます。
直後に渡船が来て波が高くなるので磯変わりの準備をするように言われえます。
2人組は「ヒカリの親」、私は「赤崎の3番」という磯に変わりました。
ここは、風が背中から吹いてきますがかなり強い風ですので道具をすべて荷掛けに固定しました。
風裏の磯ですので、サラシも出ずに底が見えそうであまり釣れる気がしません。
1番、2番の釣り人も何か覇気が感じられません。
船着きに向いてやってというので私は風を横から受けながら竿を出すことにしました。
時刻は12時すぎですのであと2時間ほどの釣りです。
どうみてもクチブトぐらいしかつれないと思い私はハリス3号を2ヒロ道糸に直結しました。
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赤崎3番から2番を見る |
1投目はエサがかじられましたが2投目からはエサが残ります。
風雨が強まりやる気もなくなりましたがマキエが残っているので何とか釣りを続けます。
足元を流れていたウキが2番に向かって流れたときに私の磯の前でシモリ始めました海面下30cmほど入ったところでシューと入ります。
とっさに合わせましたが相手が大きすぎました。
今回はブレーキレバーを押さえて合わせたのですが竿がキュンといっただけで3号ハリスの直結部から一瞬で切れてしまいました。
目が覚めるような「沖の島アタリ」でした。
これがあるからなかなか釣りはやめられませんね。
後で船長にものすごいアタリがあったといいましたら、それは底モノかもしれんねということでした。
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人になれたカモメがオキアミをつついている |
やがて2時30分になり迎えの船がやってきました。
片島に帰るのはわれわれ泊まりの4人のほかは2名でした。
低気圧が通過するというのに今日は金子渡船には18名の釣り人が泊まるようです。
私は2日間とも風雨の中で釣りをされるみなさんの釣り好きに敬意を表したい気持ちでいっぱいです。
Hさんは、半日寝たおかげで大分元気になったようです。
帰りは半分ずつ運転して、四万十町で温泉に入り敦賀には午前1時すぎに到着しました。
私は久しぶりにオナガグレを釣る事もできましたし、豪快な沖の島アタリを味わうことができたので十分満足していますが、体調を崩したHさんは残念でした。
きっとまた、オナガグレに挑戦しに行くのではないかと思います。
久しぶりの沖の島は私に少し微笑んでくれました。
近いうちに今度は60cmのオナガグレを狙って釣行したいものです。
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2日間の釣果 オナガグレ40cm、クチブト46cm、35cm4枚 |
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