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 上野山さんからのリポート
 「瞬殺で4号が切れた」

  尾鷲 (三重県)
   2009/06/27

 


6月27日はグレネット管理人さんの下山さんと久し振りに三重県へと釣行しました。
ゆたきちさんは仕事ということですので今回は二人での釣行です。
朝7時に草津駅で落ちあうことにしたのですが、私は名神に草津インターがあるものとばかり思い込んでいまして、高速を走っている途中で「栗東、草津」という看板を見て初めて地図では草津ジャンクションと書いてあったわけが分かりました。
とりあえず栗東で下りましたがインターネットでの下調べでは草津ジャンクションから草津駅への行き方を調べていたので、草津駅にたどり着けるかどうか心配です。
11年前に購入した私の車にはナビがないのです!!
国道1号線を進みますと、5分ほどで草津駅の表示が出て一安心です。
駅には7時15分前くらいに到着いたしました。

7時過ぎに下山さんと合流してまた栗東に引き返して高速に乗ります。
私は高速が土日、休日1000円になってからはじめて利用しますが、朝の北陸道はいつもと変わらずスカスカにすいていました。
第2名神もそう込んではいませんでした。
途中ソバなどを食べて、ゆっくりと高速を走って大宮大台で高速を下りてエサ亀で予約しておいたボイルを受け取ります。
今回はボイルのLとMを一袋ずつです。
エサ亀の店内では我々以外にお客さんは1組だけです。
時刻は9時ごろで、半夜の人が立ち寄る時間ですがどうもお客さんは少ないようです。

これは後から聞いた話ですが、高速がもう1区間尾鷲方面に伸びて、高速の出口に新しいエサ屋さんが出来たということです。
いまは、1000円で高速が乗り放題ですので、出来ることならなるべく長く高速を走りたいものです。
どうしても最終の出口のエサ屋さんにお客さんは集まりますね。

エサを買った後は、運転を変わって尾鷲の宮城野渡船には10時過ぎに到着いたしました。
事務所にいった下山さんが「リュウト君がきているよ」といいます。
彼とは去年のいまごろ、マダイを釣ったときも宮城野渡船であっています。
ゆっくりと仕度をして船に道具を積み込みますと、半夜のお客さんは全部で14人ほどです。
船は定刻の11時になり港を離れます。
船内のお客さんの年齢はさまざまです。
我々よりも年が上の人たちもいますし、20代と見える若者もいます。

流行の襟の付いた夏用のシャツを着ている人も見受けられます。
リュウト君もシマノの通気性のよさそうなシャツを着ています。
私はダイワの鮎釣り用に買ったシャツを着てきました。
これもかなり涼しい生地で、着心地もよかったので買ってよかったです。
襟もついていますので首が焼けずに済みました。
船の中では、下山さんのブルーのガマカツのライフジャケットがひときわ色あせていますので「古色蒼然としたライフジャケットを着ていますね」と冷やかしました。
いまどきブルーのライフジャケットを着ている人は、探してもそういるものではアリマセン。

道中の車の中で小遣いの話になり、下山さんは結婚してから道具を買っていないという話になりました。
下山さんは「この6年で買ったのは去年のクリスマスプレゼントとして磯靴を買ったくらいです。竿なんか買っていませんよ」ということでした。
「せめてボーナス時に10万円でももらって道具を買えばいいのでは」とアドバイスしましたが、実現するかどうかは分かりません。
それにしても、娘が大学に行っているというゆたきちさんは竿を買ったり、ライフジャケットを買ったりしていますし、釣りにもよくいかれています。
私も同じ境遇ですが竿は8年ほど前に買ったのが最後ですし、今年はサンスイ釣具で20年以上前に買った竿を修理して使っています。
今の私にはダイワのシャツを買うのがやっとというところです。
ゆたきちさんはどこに埋蔵金があるのでしょうか?

今日は曇りで波も風も無いので釣りやすい日ですが、サラシがあまり出ないのでグレ釣りには、あまり条件はよくありません。
途中の「寺島」や「ドマクラ」、にはかなりの釣り人が見えます。
我々は「寺島」の陸よりの磯で12時まで待機しました。
他の渡船もすぐ横に磯付けするようですので、ここは見た目よりもいい場所なのでしょうか。
やがて12時になり磯付けを開始します。
3人を降ろしますと船はスピードを上げてドマクラを回り開進堂のアタリに来ます
ここから空いている磯に釣り人を下ろして行きます。

我々は最後になりました。
「上野山さんたち、筆島にいってくれるか。午前で帰る人が一人と、通しの人が一人だけだからね。とりあえず帰る人の邪魔にならないように釣っていてくれんか」と船長がいいます。
われわれはドマクラとの水道から「筆島」に下りました。
午前中からやっている釣り人に様子を聞きますと「朝のうちはエサトリが結構いたけど今はいない。朝のうちに35cmまでのグレが数匹釣れた」ということです。
グレが釣れたことと、エサトリがいないということで少し希望が持てそうです。
「筆島」は沖に向かって左に「アイノ島」、右に「ドマクラ」に挟まれていて両側の水道で釣れるようです。

「アイノ島」向きは水道が狭くお互いのウキがぶつかりそうです。
「ドマクラ」向きは30m以上離れているでしょう。お互い気にせずに竿を振れます。
「筆島」の沖向きの先端は根が出ていますので釣りにくいようです。
波が先端を駆け上がります。
午前中から釣っている人は「ドマクラ」との水道に一人と、「アイノ島」向きのワンドで一人が竿を出しています。
スカリには30cmほどのイガミやアイゴも入っています。
我々は磯の中央よりに道具を移動しましたがそれだけで汗が噴出します。
私は午前中の人に断って先端よりの右側で竿を出すことにしました。
波が来ても平気なように、荷かけを磯に打ちバッカンとタモを吊るします。
下山さんは「アイノ島」との水道で竿を出すようです。

今日の仕掛けですが、私は昔から使っていますガマのグレスペシャル2号に道糸4号、ハリス3号です。
3Bの円錐ウキを使いサルカンの下に2Bのガンダマを打ちます。
針はボイルグレ8号です。
ウキ下を3ヒロ取り足元から出ているサラシの切れ目に投入します。
ウキは根に沿って沖に出て行きます。
これは釣れそうだと思いますが、1投目はエサが付いたまま上がってきます。
エサトリはいないようです。

ウキ下を60cmほど下げて再度投入します。
しばらくしてウキがシモリだしそのまま竿にアタリが来ます。
これは大変と合わせを入れますが掛かった魚はそう大きくありません。
すんなりと浮いてきたのは25cmほどのチャリコです。
これは放流しました。

エサを付け直して投入しますとまたウキがシモリます。
沈む速度が速くなったと思い合わせますとまた魚が掛かっています。
これもすんなりと浮いてきて、これは28cmほどのイサキでした。
これはシメて持ち帰ります。

この調子では大漁かと思いましたが、その後は20cmほどのイサキが2匹釣れたきりです。
ふと下山さんを見ますとタモを入れています。
アイゴのようです。
隣で釣っていた朝からの釣り人の竿が曲がっているので見ていましたら、これは40cmほどのサンノジでした。
みなさんいろいろ魚が釣れるので活性は高いようです。

私は右側で竿を出していましたがアタリがなくなって飽きてきましたので、朝の釣り人が竿を出していた「アイノ島」よりのワンドで竿を出してみました。
朝よりも潮が引いたようで、波も小さくなりましたので磯の先端まで行くことができます。
私は先端よりに足場を取り、横からワンドに竿を出すようなポジションを取りました。
足元にマキエを打ちウキを投入しますが、先端からの波に押されてウキが安定しません。
私はウキを5Bに換えてハリスの中間にBのオモリを打ち、サルカンの上にキザクラのJクッションをつけました。
これで仕掛けの落ちるのは早くなるでしょう。

仕掛けを磯際に落としマキエを打ちます。
黄色いJクッションガ磯際に落ちていってしばらくしてウキ止め糸がウキの頭に来ます。
ここで私は誘いをいれようと思い竿を50cmほど上に上げました。
竿を下げてウキ止め糸がスルスルとウキの頭に戻ると同時にアタリです。
ウキがスーと30cmほど入ったので合わせますと、竿が立つどころか魚が動いてそのまま竿を下に伸されて一瞬で4号道糸が根擦れで切れました。
この間0.5秒も無かったと思います。
まさに秒殺よりも早い瞬殺でした。

こんなスゴイアタリは四国以来です。
四国でオナガの50cmを釣ったときもこんなアタリではありませんでした。
なんというか、重量感のある魚が驚いて反転したような感じのスピード感のある引きでした。
あるいは青物が掛かったときのような引きでした。
ヒラヒラする道糸を下山さんに見せて「切られたよー」と叫びました。
海面を流れていたウキは無事にウキパラソルで回収しましたが、こんなすごいアタリがあるとは予想もしていなかったので、まったくドギモを抜かれてしまいました。

それまで、いい天気のもとで、隣の磯の釣り人をながめたりお茶を飲んだりしながら、30cmほどの魚を釣ってのんびりと釣りをしていたのがウソの世界だったようなスゴイアタリでした。
他の磯の皆さんは誰もこの事実に気がつかずに釣りをしているようです。
なんだか私だけが別世界にいるようなヘンナ気持ちになってしまいました。
それにしても朝からこのワンドで竿を出していた人にはこのアタリはなかったのでしょうか。
私は仕掛けを直して再度投入しましたがその後は大物のアタリは有りませんでした。
1時間ほどやってみて私は再び右側を向いて釣りをしました。

時刻は4時過ぎになり潮が沖に行きだしました。
「潮が変わりましたね」と下山さんが言います。
しばらくして下山さんが先端に走る気配を感じて振り向きますと竿が曲がっています。
かなりしつこく引いて上がってきたのはオナガグレでした。
私が出したタモに入ったのは40cmを少し切れるサイズでした。
「潮が変わったと思ったらすぐに来ました」ということです。
タナは2ヒロほどということでした。

「ちょっと仕掛けを入れさせてください」といって、私も再び「アイノ島」のほうを向いて釣り始めました。
潮はいい感じで沖に向かって流れます。
しばらくして先端の根の向こうでシモッたウキがさらに入ります。
合わせますと根掛りのようです。
おや、根掛かりかなと思い竿をあおりますと魚が付いています。
これは一大事と慎重にリールを巻きますが引きにスピードがありません。
予想通り浮いてきたのは赤い色をしたイガミです。
これは40cmを越えていたので下山さんにタモを入れてもらいました。
その後、潮は沖に流れるものの二人ともアタリは出ずに納竿の6時30分となりました。

通しの釣り人を回収した帰りの船には釣り人が30人近くいたでしょうか。
寺島に乗ったリュウト君はグレは小さかったけれどもメイチダイとイサキを釣ったということでした。
リュウト君にバラした話をしましたら「バラシとイサキに40cmオーバーのイガミで充分ではないですか」といいます。
「そうそう、筆島のあたりは足元がえぐれているそうです。そこにはゴッツイ石鯛がおるという話ですよ。それが食いついたんかもしれませんよ」ということでした。
バラした魚は大物の石鯛かもしれません。
なんとも残念ですが、再度掛かったとしてもとても2号の竿で太刀打ちできるような引きでは有りませんでした。

港に上がった後は古里の温泉に行ったのですが8時で受付が終わってしまい、民宿のお風呂を紹介されました。
古里の民宿「桃太郎」で500円を払って風呂を浴びてさっぱりとして11時に草津について下山さんと別れました。
次の日道具を洗っているとフッとバラした瞬間がよみがえります。
やはりバラスとまた行きたくなりますね。
家にある竿で一番強いのはダイコーの3号の磯竿ですが、これで再度挑戦することをもくろむ私です。


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