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 上野山さんからのリポート
 「キーンと糸鳴りをしながら耐えたが・・・」

  泊 (福井県)
   2010/05/08

 


5月8日の日曜日は久し振りに若狭の泊にSさんと釣りに行きました。
連休前の4月末の荒れた日にSさんは弟子のO君と越前の地磯に行き、Sさんは40cmから45cmのチヌを4匹釣り上げ、O君は50cmオーバーのチヌを2回も顔を見ながら取り込みに失敗してバラスといういい思いをしております。
釣りに行っていない私はSさんの釣った40cmのチヌを1枚いただくということにまでなってしまいました。

私は、最近は楽器の練習ばかりしていて4月は一度も釣りに行かずに、京都のジャズクラブには週末はよく行っていましたし、東京でのジャズ研のOB会に出席して演奏したり、福知山でライブ演奏をやったり、地元のフルバンドでコンサートに出たりしていました。
5月には大学時代の友人でシャープスアンドフラッツのギターリストの岩見君と地元で演奏するということで楽器の練習に身が入っているこのごろです
そういう中で、チヌをもらったのは、そろそろ釣りに行ってもいいという神様からのメッセージかもしれないということで、今回は5月4日に続いて2回目の釣行となりました。
連休中の5月4日には、いつものように午後から西小川にSさんと釣行しましたが、底が見えるようなベタ凪で、二人分かれて小さな無名磯に乗ったのですが、二人とも釣れたのはガシラとベラに手のひらグレという結果でした。

今回、久し振りに泊に釣行することになったのは、「ぐれねっと」の掲示板にゆたきち師匠が30cm前後のグレを20枚近く釣ったという記事を写真つきで投稿したのを見たからです。
釣行前日に私も泊に釣行しようと思うということを「ぐれねっと」掲示板に書き込みましたら、さっそくゆたきち師匠から電話があり「私は朝の7時から夕方までやりますが、いっしょに行きますか。前回の釣行では夕方4時ごろからグレが入れ食いでした」ということです。
同行のSさんに電話しますと、翌日曜日はO君と船釣りにいくこともあって、1日の釣りはしんどいので磯は昼からにしたいということです。
私は折り返しゆたきちさんに電話して、我々は昼からの便で向かうことにしました。
電話では「先に行くんなら長崎アタリを我々のために場所取りしておいてほしい」とあつかましくお願いしましたが「それは明日になってみないと分かりませんよ」ということです。

Sさんは昨年定年退職して今は気楽な勤めで、釣りの相手は私か弟子のO君がしています。
今回は土曜日に私が磯釣り、日曜日にO君が船釣りの相手をするということです。
私も娘の大学卒業とともにSさんのような釣り三昧の生活になりたいものです。

渡船屋はゆたきちさんに以前紹介してもらった大谷渡船です。
前日に渡船屋に電話を入れますと、何時でもいいということでしたので12時に出船を頼みました。
当日の朝9時過ぎになってまずゆたきちさんから電話です。
「天気予報では50cmの波でしたがそんなモン大はずれで、ものすごいウネリでヒナダンなんかとても着けられません。私は地蔵という磯に何とか付けてもらいました。昼ごろに少しはウネリが収まるとよいですね」ということです。

しばらくして大谷渡船から携帯に電話があり「いま磯渡しをしてきたけど、ウネリがすごいので奥にはいけませんよ。いまは三ツ岩あたりしか乗れません。乗れそうなところは今渡してしまいました。三ツ岩は他の渡船屋のお客さんが乗っていますが12時で帰るかも知れませんから、12時すぎに行ってみて空いていたら乗りますか。今日はやめたほうがいいかもしれんけど」ということです。
私はサンスイにオキアミの解凍を頼んでいたので「三ツ岩まででも空いているところがあったら乗せてください」とお願いして12時に出船することとなりました。
Sさんに結構ウネリがあることを言うと「そりゃ乗る磯あるかな」と心配顔です。
ただ、ゆたきち師匠が小山を回った磯に下りているということですので、ウネリが落ちていれば乗る磯はあるのではないかと思われます。

Sさんを迎えに行き10時にサンスイ釣具でエサを受け取ります。
今回は「チヌパワー日本海」という配合エサも混ぜてチヌ用の撒き餌を持っていきます。
泊には田烏から新しく出来た道を通って1時間ほどで到着しました。
駐車場で大谷渡船のご主人と話しますと、最近は釣りクラブの人もよく来ているので週末は10人前後の釣り人が利用しているということです。
船には10人ほどしか乗れないので、それ以上予約を聞くと2番船になるということです。
我々のように昼からの出船ではいい磯は先に押さえられているのでB級磯しか乗れないかもしれません。

話をしているうちに12時になり他の渡船屋の船が出て行きました。
我々も仕度をして船に乗り込みます。
イカダの前まではウネリはなかったのですが三ツ岩までくるとかなりのウネリです。
三ツ岩では釣り人が竿を出していました。
これでは手前の地磯に乗るしかないかと思っていると、船は三ツ岩を回ったところにある二ツ岩に来ました。
ここは、空いています。
その奥にあるコウモリも空いていますが波がきついので着けられないようです。
「ここでやってください」と船長が言いますので我々は用意をして舳先で待機します。
船を岩に押しつけてくれるので私が先に岩に乗り荷物をSさんから受け取ります。
無事にウネリの中磯渡しが終わりました。

こんなに荒れているとは思いませんでしたが、サラシも出ますのでチヌが釣れそうな雰囲気です。
ただ北風がかなり当たりますので道糸が取られそうな感じもします。
Sさんは沖に向かって右側、私は左側で釣ることにしました。
道具を用意してまず深さを測ります。
竿を伸ばして、ハリスに5号の錘をつけて放り込みます。
私の前はタナが出ていてだらだらと落ち込んでいる感じです。
Sさんの前の磯は足元から切れています。
深さは足元から正面で5ヒロ弱、左手の根との水道で7ヒロほどです。
「深さは5ヒロ程度です」とSさんに言ってウキ下を4ヒロ半に合わせます。

今日の仕掛けです。
昨日ゆたきち師匠と話したときにヒナダン周辺では40cm前後のグレが釣れているということでしたので、それに備えて竿はレイダム1.5号、道糸3号、ハリス2号、ウキはスーパーどんぐり3B、針はスーパーボイルグレ7号としました。

前日に作った仕掛けでそのまま竿を伸ばしてウキ止め糸を上げて仕掛けを投入します。
北風が強いのでウキがなじむまでにかなり流されてしまいますし、スーパーどんぐりでは風の抵抗が強いように思いました。
足元に打った撒き餌には全然エサトリが出てきません。
例年ですと、この時期はスズメダイがワンサカ出てくるのですが今年はやはり水温が低いのでしょうか。
私は5回ほど投げてみて、3Bのウキでは仕掛けのなじみが遅いのと道糸を風で取られますので、ウキを交換することにしました。
釣研の円錐ウキ5Bに交換してハリスにもジンタン5号を2ヶ打ちました。
足元に投入したウキはやはり風に押されてすぐに左に流れます、撒き餌も左に流れるのですがどうも仕掛けがなじんでいないように思えます。

しばらくしましたら大谷渡船が奥のほうから戻ってきて、釣り人を4名乗せてきました。
4名は2名ずつに分かれて我々の右隣の磯とコウモリの後ろの磯に乗りました。
私はサルカンの上に潮受けクッションの特大をつけました。
水中ウキをつけようかとも思いましたがこれで様子を見ます。
ウキを投入しますと黄色の潮受けクッションが落ちていくのがよく分かります。
Sさんに聞きますと、たまにエサが取られるがほとんど残るということです。
私も餌が残るか、ガシラが釣れるかです。
たまに足元にウキを落としますと、4mほど流れてゆっくり沈むので合わせますと、足元から出ている根にネガカリをしていて針に海草がついて上がってきます。
少し沖目に投入しないと何回も足元でネガカリしてしまいます。

1時間ほど経って、私がガシラを5匹ほど釣ったころでしょうか、ふと隣の磯を見ますとタモを入れています。
タモに入っているのは40cmほどのチヌに見えました。
しばらくして、また隣の磯で竿が曲がります。
どうも隣で釣れると気になってしかたがありません。
その後コウモリの裏の磯でも竿が曲がってタモが入ったようです。
われわれ以外は4人ともチヌを釣ったようです。
それぞれクラブの名前の入ったライフジャケットを着用して、カタログから出てきたような釣スタイルの方たちです。
いかにも上手そうに見えます。
隣の磯では使っている竿もやわらかい竿のようで、魚をかけるたびにすごく曲がっています。
ちなみに私は普段着のネルのシャツにジーパンで釣りをしていました。
いかにも地元民という感じですね。

「この辺には、チヌはたくさんいるということですね」とSさんに声を掛けますと「我々には釣れんな。この場所だけチヌがいないんかな。それにしてもここからは他の磯の取り込みがよう見えるんでいやになるわ」といいます。
いくつになっても隣で釣れているのを見ると、「なんで隣ばっかしそんなに釣れるの。今度はバラさんかな」などとやっかむ気持ちが起こってきます。
なかなか枯れた心境で風景を楽しみながら釣りをするという境地にはたどり着けません。
ゆたきち師匠の釣行の帰りにつきもののボヤキ、「私は釣りをやめます。1週間だけですが」宣言を思い出して笑ってしまいます。

3時頃になり足元から出るサラシにウキを乗せて流し、少し沖に出たウキがサラシに押されて沈んだのを見ていますといきなりウキが沈みます。
これはアタリと思い合わせますが掛かった相手は大物です。
竿を伸されはしませんでしたがガツンという手ごたえの後、相手はSさんのほうにもぐりながら横に走ります。
キーンと糸鳴りをしながら耐えましたが根ズレでハリスから切れてしまいました。
ハリスは2号でしたがとても捕れそうな感じはしませんでした。
手ごたえはとてもチヌの引きではありませんでした。
かなりのスピードで横に走ることから考えてもグレではないと思います。
大型のカンダイかマダイのような引きでした。
このバラシで気合は入りましたが、なんで1匹目に中くらいの魚が掛からないのでしょうか。

このころから少し北風が弱まって素直にウキが流れるようになりました。
潮は左にゆっくり流れています。
2号のハリスを張り直し再度ウキを投入します。
今度はサラシに乗せて沖に出たウキがゆっくりと沈んでいきます。
一呼吸置いて合わせますと懐かしいゴンゴンと首を振る引きですが、さっきの強烈な引きと比べるとあまりにも引きません。
水面に出たのは40cmほどのチヌです。
これは自分でタモを入れました。
このサイズでは1.5号の竿ではアマリ面白くありませんね。
0号の竿で充分と思いました。

仕掛けを直していますとSさんが「ワシにも来た」といいますので見ますと竿が満月になっています。
これは44cmのチヌでした。
その後はアタリがありません。
隣の磯も釣れていないようです。
時刻は4時半ごろです。
風が冷たいので我々も他の磯の皆さんも全員カッパを着ています。
5時になり船が迎えに来ましたが我々は最終の6時20分で帰ることにしました。
横の磯の4人は5時の迎えで帰るようです。
迎えの船にはゆたきちさんの姿も見えました。

船が帰った後「もう1匹釣れるかもしれませんね。サラシも出て釣れそうな感じですけど」と話していますとSさんが合わせましたがこれは空振りでした。
私のウキも足元のシモリをかわして左に流れたのがゆっくりと入っていきます。
ウキが見えなくなって合わせますと、ゴンと魚が乗りますがやはり最初にバラシたヤツとは引きが違います。
重い引きですが足元に向かって突っ込む程度です。
シモリの向こうで掛かりましたので、磯を下りてシモリの左手の水道に魚を誘導して浮かせます。
少し糸を出してやり取りした後で浮かせたのは50cmほどのチヌです。
リールのレバーを緩めて糸を出して魚を泳がせて、タモをとりに磯を上がって自分で魚をタモ入れしました。
タモに入った魚を見ますとウキが見えなくなってから合わせたにもかかわらず、ハリは唇の横にチョンと掛かっているだけでした。
磯で50cmオーバーのチヌを釣るのは久し振りですが、やはりバラシた魚の感触が忘れられずに悔しさが残ります。

その後はアタリも無く、6時になり撒き餌もなくなりましたので竿をたたみました。
帰りには、先に船に乗っていた小山の桟橋に乗っていた釣り人が荷物を受け取ってくれましたので、ウネリの中の撤収もスムーズに行きました。
港に上がって大谷渡船の軽トラックに荷物を積み込み我々は歩いて事務所に行きました。
小山の桟橋に乗った2名の釣り人は5,6枚のチヌを釣っていました。
50cm前後のチヌも2枚ほどあるようです。
船頭の話では今日はほとんどの釣り人がチヌを釣ったということです。
我々の前にあがった釣り人も50オーバーを3枚ほど釣っているということです。
最大は53cmということでした。
渡船屋の主人に聞きますと、ゆたきち師匠は30cm前後のグレを5枚ほど持っていたということです。

二人連れのひとりが私の車のナンバーを見て「福井県ですか」と聞いてきましたので「私は敦賀からです」といいますと「敦賀では上野山さんておるでしょ」といいますので「私が上野山です」といいましたら「そうですか、私は一度西小川でお目にかかっています。ゆたきちさんも我々のクラブのHPに書き込んでくれたんです。これからもよろしく」と挨拶されました。
この二人連れもクラブの名前の入ったライフジャケットを着ておられましたので、よくこの辺には釣りに来られるのでしょう。

「ぐれねっと」の釣行記を見て私のことを知っていたのだと思いますが、いろんな人が「ぐれねっと」を見ていますね。
西小川でも帰りに船に乗った釣り人が私の竿ケースの名前を見て「上野山さん、いつもぐれねっとで釣行記を読んでいます。先日は泊でゆたきちさんにお会いしましたよ。今日は、釣行記は書かないんですか」と挨拶されました。
クラブの人やいろんな人から挨拶されると、自己流で釣りをしている私はちょっと恐縮してしまいますね。

トーナメンターやよく釣る釣り人の釣行記に比べると、私は大物のバラシは多くても本命はたまにしか釣れません。
まあ中の下アタリと申しますか、平均的な釣り人の釣果に近いということもあって共感を持って読んでいてくれるのでしょうか。
釣りまくる釣行記よりも、悪戦苦闘の末、バラシで終わる釣行記があってもボーズ釣り人の共感を得るのではないかと思ったりもしました。

実際振り返ってみると一昨年の釣行記No135「次もアズキマスを釣って来い」からNo144「秒殺で4号が切れた」までの10回の釣行記で釣ったグレは1回だけで、それも28.5cmと26cmの2匹だけというすさまじい内容で書くほうも書くほうだが、読むほうも読むほうだと思い返されます。
この釣果では私のウデは「中の下」ならぬ「下の下」ですね。
私の釣行記は、全国のボーズの多い釣り人を勇気付けるためにあるのだとここに訂正しておきます。

さて、例年春の若狭では貧果が多い私ですが、ノッコミでかつエサトリがいなくて少し荒れているという絶好のタイミングで釣行して、今回はSさんと二人ともにチヌを釣ることができました。
Sさんは途中で水中ウキをつけてからアタリが出たということです。
私も潮受けクッションを付け、ハリスにオモリを打ってウキをシブシブに調整しました。
風の強い中の釣でも仕掛けがうまく入れば釣果に結びつきますね。
この時期を逃してはならぬということで、翌日曜日も午後から一人で行こうかと思いましたが朝に海を見ましたら前日以上に波が立っていましたので、日曜日は楽器の練習をして家でゆっくりしました。
次回は船が出るなら今週末も行こうかともくろんでいます。
できれば、チヌではなくてバラシた大物を釣り上げてみたいものです。
ひょっとするとカンダイかもしれませんが・・・

              50.5cmと39cmのチヌ



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