TOP 釣行記index 次のページを読む

 上野山さんからのリポート
 「地磯でマダイの79cmを掬う」

  左右 (福井県)
   2011/06/22

 


6月の19日の日曜日は越前の干飯崎の地磯で午後3時から6時30分まで竿を出しましたが、スズメダイ、フグ、コッパグレ、アジのエサトリに包囲されて厳しい釣りになりました。
なんとか手のひらから22cmほどのグレ20匹ほど釣りましたが持ち帰るサイズのものは釣れませんでした。
当日は0号の磯竿を使いましたので、20cmほどのグレでもまあ釣りをしているという感じでした。

サンスイ釣具によって、地磯での釣りの話を若旦那としましたところ、若旦那(M君)は先週越前の地磯に夜釣りに行って、40cmほどのマダイを釣ったということです。
「昼間は仕事で出られませんが、夜仕事が終わってから出かけて1時ごろまで釣りをします。次の日しんどいですけど良かったら行きませんか」ということです。
夜釣りはもう20年ほど行っていませんが、マダイが釣れるということですので便乗することにして、さっそく22日の夜に出発することにします。
夜釣りの仕掛けの話になり、ケミホタルが付けられる1号のウキなんか持ってないといいましたら、若旦那が手製の2号のウキを出してきてこれを使ってくださいということですのでありがたく使わせてもらうことにしました。

22日は久し振りにヘッドランプを出して電池を充電します。
ヘッドランプを使うのも久し振りです。
天気は梅雨空の南風で波はありませんが、夜は雨の予報です。
サンスイに電話して雨でも行くかと聞きましたら、雨でも行くというのでカッパの用意もします。
夕食を食べてサックスの練習を30分ほどしてから、8時前にサンスイ釣具に行きます。

「今日は少し早仕舞いや」といってM君は8時10分前に店を閉めます。
M君の竿袋に私の竿を入れてもらいます。
エサはオキアミを各自1枚ずつです。
私はボイルのオキアミにしました。
M君が背負子を使って磯クーラーを担いで運んでくれるというので私は楽をさせてもらえます。

雨模様の中、越前の左右(そう)までM君の運転にて1時間ほどで到着しました。
車を止めて、仕度をして、歩き始めます。
このときはちょうど雨は上がっていましたが、蒸し暑い夜でした。
暑いので上半身は半そでTシャツ1枚です。

向かった磯は呼鳥門(こちょうもん)という、昔は大きな岩の下を道路が走っていた場所です。
ここはよく観光用のポスターなどでも使われた越前の観光スポットです。
今は岩の下を通る道は閉鎖されて、横に新しいトンネルが通っていますので、車からは呼鳥門を見ずに通り過ぎてしまうようです。
呼鳥門の下を通りさらに歩きます。

人気がない夜の海岸は何か不気味です。
こんな場所に夜一人ではとても釣りにくる気にはなりませんね。
M君の話ではこのあたりの地磯では結構人が流されて亡くなっているそうです。
M君は先週ここに夜一人できたということですので、よほど釣りが好きなのでしょう。

旧道から海のほうに下りて、今度は岩場を伝って磯に向かいます。
「ここは波があると通りにくいので、南風の時にしか来ません」というM君です。
道中はあまりアップダウンがありませんので体は比較的楽です。
溶岩にところどころ玉石が入り込んでいる岩なので、玉石を手がかりにして横に磯を伝って移動しますが、玉石を確認してから力を入れないと、たまに取れることがあるというので注意が必要です。
ちょっとロッククライミングの様な場所もありますので、フエルトのブーツよりも、スパイクのシューズのほうが岩を噛んでいいかもしれません。
私はなんとかフエルトのブーツで足がかりを探して少しずつ移動しました。
最近は渡船か楽な地磯しか行っていませんので、こんなハードな釣りは久しぶりです。
とても平日の夜にする釣りではありませんね

歩き始めて15分ほどで磯の表側につきます。
背負子を背負ったM君は大汗をかいたようです。
磯に出ますと南風が当たりますが、汗をかいているので気持ちよかったです。
先に仕度をしてくださいというので、私はタモを組み立てて、竿を伸ばしました。
竿はレイダム1.5号です。
道糸4号、サルカンをはさんでハリスは4号を2ヒロ、ハリはグレバリの11号です。
ウキはM君自作の2号です。
この磯は深さが8ヒロほどあるということですので、ウキ下は5ヒロから始めます。
M君は蚊取り線香を用意してくれました。

磯に立ってM君から受け取った蚊取り線香をバッカンの右左に配置して、マキエをまきます。
沖にはイカ釣りの船が出ていますので、薄ぼんやりとあたりは見えます。
ここからは、ヘッドランプを点けずに釣りますので、手探りで餌をつけます。

最初はエサが残っていましたが30分ほどしてオキアミの頭がとられだします。
3mほど横で釣っているM君はエサが残らないといっています。
潮はあまり流れずに、南風でウキがすこし右側に流される感じです。
10時ごろに雨が降り出し我々はカッパの上下を着ました。
磯の夜釣りで雨が降ると帰りたい気持ちになりますね。
まあ、2人だからこそ出来る遊びですね。

二人とも竿を出してから何も釣れずにいましたが、11時ごろになりM君にアタリがあったようです。
横を見ますと、竿は曲がっていますが、ウキは空中にあります。
私はガシラの大物でも掛かったのかと思いました。
ですが、なかなかその状態から魚が浮きません。

これは何か大物かもしれないと思い、「タモいるか」と聞きますと、「いるかも知れんけど、あまり走らない魚や」とM君は言います。
私は自分の竿を置いてタモを取り出しました。

ウキは見えているのに魚は浮いてきません。
そのうち竿が海に引き込まれそうになってM君は糸を出して竿を起こします。
しばらくやり取りをして魚が海面まで来たようですが暗くてよくわかりません。
私が自分のヘッドランプを点けると海面に横たわったのは大きなマダイです。
私は魚の頭からスッとタモに入れました。
磯にタモを置いて手で測ったところ80cmほどありそうです。

こんなの料理するのは大変なので放流するかと思いましたが、M君は磯で釣ったマダイでは一番の大物ということで持って帰ることにしました。

その後はまたエサがとられる状態が続きます。
やがて12時になり、お互い明日も仕事なので帰ろうということで道具をしまいました。
M君は最後の1投で25cmほどのマダイが釣れましたがこれは放流しました。
結局、今回私はM君の掬い役で一度もウキが沈まないボーズでした。

M君は行きよりも少しは軽いといいながら、フーフーいって、大マダイの入った磯クーラーを背負いながらまた磯伝いに帰りました。

磯で釣りを終了したのは12時でした。
海岸を歩いて車に戻り、一息ついてサンスイに戻ったのは1時半ごろでした。
出発してから6時間弱で79cmのマダイを仕留めて帰ってこられるというのは、我々は恵まれた場所に住んでいますね。

翌日サンスイに電話するとマダイをまだ捌いていないというので、仕事の合間にカメラを持って写真を撮りに行きました。

磯マダイ2連勝のM君はまた行くといっております。
私も、ぜひもう一度行って、今度はケミホタルが海中に沈んで行くところを見たいものです。

     マダイ79cm  自己記録更新のM君 翌日サンスイ釣具店の前で記念写真を撮りました。


TOP 釣行記index 次のページを読む