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上野山さんからのリポート
「バラシは忘れないうちに釣りに行け」
武者泊 (愛媛県)
2012/02/25
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私はサンスイ釣具の若旦那と、2月の15、16日に武者泊のいろは渡船で磯釣りをしたのですが、その翌日の17日にはグレネット管理人の下山さんも釣りに行くということでした。
17日は冬型が強まり、関西の平地でも雪が降るという予報です。
17日の夕方に下山さんに「今日は釣りに行っているのですか」とメールをしましたら天気が悪いので釣りは断念したということです。
私は前回の釣行で強烈バラシを3回も食らってしまいましたので「鉄は熱いうちに打て、バラシは忘れないうちに釣りに行け」などという、よくわからない理由をつけて(連続2週四国釣行ですので何か理由が必要です)、下山さんには今回釣りにいかなかったのなら、来週末の25日から2日釣りでいとうさんを誘って、ぐれねっと四国合宿をしてはどうかとマキエをまきました。
すると、下山さんはいつものようにすかさずマキエに食いついて、電光石火のように素早く返信のメールが来て、「いとうさんにも連絡しましたがOKです」ということです。
これくらい段取りが早いところを見ますと、普段下山さんは仕事でも、てきぱきと実務をこなしているのではないでしょうか。
とんとんと話がまとまって、25、26日は再び、いとうさん、下山さんと3人でいろは渡船にお世話になることになりました。
気になる天気は、最初は曇り時々晴れでまずまずの天気でしたが、どうも低気圧が発生するようで、前日になって予報は初日雨、二日目曇のち晴れとなりました。
天気図を見ますとまた北西風が強いようです。
24日は7時前に敦賀を出発して、明石で下山さんと合流し、広島のいとうさんとは仮眠所で合流するという段取りです。
いとうさんからは3回ほどメールがきました。
最初は大津までまだ30kmの地点でしたので、「まだ大津手前30kmです」とメールします。
その後も、天気についてとか、あす乗る磯は何処がいいというメールが来ます。
こちらは車を運転しているので高速のサービスエリアに休憩で止まったときに返信します。
いとうさんは一人で先に仮眠所に到着しているようですが、楽しくてしょうがない状態なのかもしれません。
いとうさんからのメールでは今のところ25日のお客さんは我々を含めて5人ほどだということです。
10時すぎに明石に到着して、下山さんの車に道具を積み替えて四国に向けて出発です。
途中雨が降り出しましたが、下山さんとは交代で運転をして、いろは渡船の仮眠所には4時頃に到着いたしました。
仮眠所では、いとうさんと、もう一人のかたが寝ているようです。
5時半になり眠い目をこすりながら起きますと、いとうさんが既に起きて着替えを始めています。
いとうさんと会うのは、9年ぶりです。
いとうさんと挨拶をして、服を着替えて渡船の前に行きますと今日のお客さんは10人ほどです。
4人組がいるのでその方たちがガマゴウラに上がられるということです。
我々はどこに上がれるかわかりませんが、磯の数は多いので磯の心配はしなくても良いでしょう。
定刻の6時15分になり渡船は岸壁を離れます。
船はスローで湾内をでますと、ガマゴウラを越えて地蔵鼻のあたりにあります「ムロバエ」に着けます。
ここで釣り人を1名下ろします。
その後ガマゴウラに引き返して4人組を下ろし、我々が先週乗りました1番2番にそれぞれ1名ずつ釣り人を下ろします。
最後に残った我々は戻って野地島に下りることになりました。
野地島はガマゴウラから武者泊方面に戻ったところにあります大きな島です。
我々はここの船着に上がりました。
野地島の船付きはわりあいに平らで足場の良い磯です。
沖に向かって右からいとうさん、下山さん、私と並んで竿を出します
この磯は北西の風はほとんどあたりませんが、島を回ってたまに風が吹きつけます。
雨はそう強くありませんが船に乗った時からずっと降り続いています。
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野地島で用意をする、いとうさんと下山さん 先週に続いて雨の中の釣りとなった |
今日の仕掛けです。
竿はグレスペシャル2号、道糸4号、ハリス5号、グレバリ9号です。
ウキは黄色の0ウキを固定にして、30cmほど下に黄色のナビウキを付けます。
ウキ下は3ヒロ弱で、道糸とハリスは直結します。
一応、化けモンに備えてハリスは5号としました。
足元にマキエを撒きますとオキアミはゆっくりとサラシに押されて沖に出ていきます。
これは釣れそうな感じです。
私の釣り場は足元から切れていますので、巨大な魚がかかってもやりとりはできそうです。
私はドラグを少しゆるめに調整しました。
1投目は餌が取られます。
魚の活性は高いようです。
しかしウキは沈みません。
下山さんに聞きますと、餌は取られるということです。
下山さんは化けモンに備えて3号の竿に、道糸、ハリスともに5号ということです。
あまり気負いすぎると相手も察知してか、なかなか食いついてくれないようです。
いとうさんは少し大きめのウキです。
後で聞きましたらスルスルでやっているということでした。
開始してから40分ほど経ったでしょうか、ふと横を見ますといとうさんの竿が曲がっています。
そうやり取りすることもなく、すんなり上がったのは38cmほどのシマダイでした。
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いとうさんにシマダイが掛かる |
いとうさんにシマダイを持っているところを写真に撮るかと聞きましたら「そんなもんいいです」ということです。
やはりベテランのいとうさんは、50cm以上の大物でないと釣った気にならないのでしょうね。
いとうさんに釣ったタナを聞きましたら、「スルスルなのでわからん」という返事です。
スルスル釣りはナビ浮きが見えるところで食えばおよそのタナはわかりますが、ナビが見えないと食ったタナはわかりにくいですね。
その後続けて魚がかかるかと思いきや3人とも沈黙の時間が続きます。
私は足元をやったり沖を流したりしますが、つけ餌は取られますがウキにアタリは出ません。
そのうち毎回のように取られ続けていた餌も取られなくなります。
11時ごろになり、私は固定の仕掛けをやめて釣研の3Bの円錐ウキにウキを換えて、タナを3ヒロ半としました。
足元に仕掛けを落とし、ウキが沖に出ないように引きつけて、仕掛けがなじんだ頃に少しサソイをかけます。
今度は餌が取られたり残ったりします。
5投ほどしたでしょうか、サソイをかけますとスッとウキが20cmほど入ります。
今日初めてのアタリです。
軽く合わせますと魚は下に突っ込みますが化けモンの引きではないようです。
ドラグを緩めにしているのにリールも逆転しません。
グレの引きではないと思いましたが掛かった魚は結構引きます。
竿を起こしますと、なんとリールのベールがちゃんと閉まっていなかったのか、ベールが起きてしまいブアーと糸が出てしまいました。
慌てて、上をむいた竿のままリールのベールを閉じてリールを巻きますとまだ魚は付いていました。
竿で起こして、ゆっくりと海から上がってきましたのは懐かしいキバンドウでした。
これは40cmほどでしたので、いい取り込みの練習でした。
偶然リールのベールが起きてしまったのですが、後でいとうさんから「魚が掛かったあとでリールのベールをオープンにして竿を起こすなんて高等な技見せてもらいました」と冷やかされてしまいました。
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初日に私に唯一かかった魚 キバンドウ40cm |
このあとは各自磯をあちこちと場所を変えて釣りますがウキは沈みません。
私も潮が引きましたので、左手のサラシの出るワンドに移動してウキを投入しましたが餌が取られません。
北西の強い風は収まらず、いとうさんが途中で聞いた予報では沖ノ島灯台で風速18mということでした。
下山さんは凍ったオキアミを網に入れて海に放り込みましたら、不吉にも波で網の紐が切れてオキアミが流失するというトラブルもあり、初日はパーフェクトボーズとなってしまいました。
先週はあんなにグレが簡単に釣れたのにこれはどうしたことでしょう。
先週、釣れすぎてもかなわんとグレを放流したのが嘘のようです。
その後は誰も魚が釣れずに、早めに道具をしまって磯で待っていますと、2時の定刻を少し過ぎて迎えの船が来ました。
港に戻りましてほかの釣り人に聞いてもシマダイを釣った人が2人であとはグレが2、3枚でした。
今日は全体に釣れていないようです。
船長の話では水温が昨日からまた1度上昇して18.2度になったということです。
これは、急激な水温上昇で魚が食わなかったのではないかと思われます。
渡船屋の仮眠所に料金を払いに行きますと先週乗り合わせました高知から来ていた二人組が今日も来ていました。
「福井からは遠いけどよう来るね」と声をかけられます。
2週連続で福井から来るとは常連さんも呆れていることでしょう。
道具を片付けた我々はいとうさんの車に乗って、渡船屋から20分ほどのところにある、やまいだし温泉に案内していただきました。
ここは、いい施設の割に料金は300円で安かったです。
いとうさんは、ここに5年も通っているということで、街の中の店や、釣具屋さんの場所などは頭に入っているようです。
まるで、地元住民のようです。
我々は地元のスーパーによって夕食とビールを買って、仮眠所に戻りました。
仮眠所に戻りますと寒いので300円2時間のエアコンの電源を入れて、さっそくビールで乾杯をして反省会を始めます。
反省会といっても何も反省することはなく、単におじさんたちの釣りの話となりました。
今、はやりの女子会に対して、釣り好きおじさん会といったところでしょうか。
年末から2回連続パーフェクトボーズの下山さんは明日こそは釣るぞと意気込んでおります。
私はふだん掲示板でしかやり取りしない、いとうさんとじかに合って釣りをすることが目的で、釣果は二の次でしたので、初日は釣れなくとも、酒を飲んで話をして楽しく過ごさせていただきました。
ぐれねっとの気心のしれたメンバーと釣り、温泉、酒は本当に楽しいですね。
おじさんなりに幸福感に浸ってしまいます。
これで、もしオナガの50オーバーでも釣れていたら一升瓶を買ってきて乾杯して、大騒ぎとなるところです。
下山さんはビールを飲みながらうつらうつらし始めました。
下山さんが先に寝たあとは、いとうさんと、いとうさんの地元の川でウナギ釣りの仕掛けに食いついてくるオオサンショウウオの話や、アユがダム湖で孵化しているという話や、鮎釣りの話などして盛り上がって、あっという間に時間が過ぎてしまいました。
単に釣りをするだけでなくて、みなさんといろいろな釣りの話をして交流できるもの泊まっての釣りならではですね。
8時前になりビールもなくなり私も眠くなりましたので反省会はお開きにしました。
布団に入って、これからはしょっちゅう四国に通わなければいけないかな、でもあと何回こられるのかな、などと思っているうちにあっという間に眠りについてしまいました。
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