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 上野山さんからのリポート
 「ナント3年ぶりの大雪の日に釣りに行く

  二木島 (三重県)
   2015/02/10

 


2月10日火曜日、日本列島は強い冬型の気圧配置となり、当地では3年ぶりに積雪が50cmを超えて60cmに達しました。
朝のNHKのニュースでも、全国放送で敦賀から福井方面に向けての国道8号線では、車が300台ほど立ち往生しているということでした。
直前の土日が春のような天気で、雪が全くなかったのが嘘のような大雪です。
電車も止まっていますし、高速道路も敦賀、木之本間が通行止めということで、大津方面に行く161号線以外は敦賀から出ることができないという状態でした。
何故に、大津方面への161号線のことを書いたかと申しますと、すでに皆様お察しの通り、ナントこの3年ぶりの大雪の日に限って、大津のゆたきち師匠(以下Y君)と合流して三重県に釣りに行くということになっていたからです。
ホンマに人生なかなかうまくいかないものですが、大雪のなか何とか苦労して釣りに行くことができれば、難関突破ということでグレも苦労に報いてくれるのではないでしょうか。 

朝、家を出るときに「今日は釣りに行くので夕食は早めにたのむで」と鬼嫁にいましたら、この大雪の日に釣りに行くのかと相当呆れた顔をしていました。
朝は自宅の軽自動車を出すために雪かきをして、会社に行って会社の前の雪かきをしましたらかなり疲れてしまいました。
しかも、いつも大津に行くときに乗っていくプリウスは雪に埋もれていて、疲れていてとても雪かきをして出す気力も時間もありませんでした。
これは、大津まで湖西道路を3速オートマの軽自動車で爆走するしかないと思いました。

 
 2月10日朝の愛車プリウス 雪かきで疲れていてとても掘り出す元気はありませんでした。 

幸い大雪のためか仕事はヒマでしたので、朝雪かきで使ったエネルギー以上に体力を消耗することはありませんでした。
師匠に仕事中、「大雪になりましたが軽自動車で何とか大津まで行きます」とメールしますとしばらくして「雪のために来られないかと心配していましたが来られそうでよかったです。二木島に2人分で渡船を頼みました。弁当も頼みました」と返事が来ました。
私は師匠に雪の状態を見せようと思ってプリウスが雪に埋もれた写真を撮っておきました。 

さて、とんでもない大雪の一日でしたが、夕方には雪もやみ8号線もようやく動くようになりました。
冬型が緩んできたようです。
翌日の気温は敦賀でも10度ということですので、明日はかなり雪もとけると思われます。
私は雪かきで汗をかいていたので、家に帰るとさっとシャワーを浴びて、急いで夕ご飯を食べて軽自動車に釣り道具や寝袋を積み込みました。

敦賀を7時半ごろ出ましたが、1時間ほど走ったところにあります高島市の道の駅あどがわには雪はほとんどありません。
40kmほどの差で何故にこんなに天気が違うのか不思議な気がいたしました。
道の駅あどがわではコンビニでマスクとホットコーヒーを買いました。
コーヒーを飲んで少し休憩をしてから大津に向かいます。 

大津に9時半に到着いたしますとちょうど師匠の奥様が帰ってきました。
久しぶりにお会いしますので、挨拶をします。
しばらくしましたら師匠も車にガソリンを入れて戻ってきました。
師匠の車に荷物を積み込んだ後で見送りに出てきた奥様に、今日の大雪の風景ですと言ってプリウスの写真を見てもらいました。
「エーこんなに雪降るんですか」と言って驚いておられました。 

大津を出発してすぐに節約オヤジのY君といつものように量販店に寄りました。
ここは激安の飲み物などがあります。
Y君は20円もしないようなスポーツドリンクを10本ほども買っておられました。
私も60円ほどのお茶に2割引き表示のシールが貼ってあるパンを買います。
明日はお弁当がありますので、朝用とおやつ用のパンだけを買いました。
なにやらいろいろ買っても600円もしません。
「今回も節約コースで行きます、深夜割引が50%のころはよかったですな」といってY君は1号線に向かいます。

この日も関から高速に乗り、12時過ぎに紀伊長島を出て、尾鷲の釣具店の海渡さんで今回もボイルのLを2枚ずつ受け取りました。
この店のボイルの価格は1枚1450円ということです。
ここでも節約おやじのY君の計算が働いています。
長島の手前で高速を下りて安いボイルを買ってから再度高速に乗ることと、海渡でボイルを買うのとどちらが安いかを計算しての海渡の選択となったようです。
この節約努力のためか、Y君はちょくちょく釣り道具を新調しているようです。

二木島にはY君の運転で1時半ごろに到着して車の中で寝袋にくるまります。
Y君はここで畳を出してきました。
畳は1枚が90cm四方くらいです。
「畳があると体が楽ですよ。寝袋の下に敷いてください」と言っています。
畳を敷きますと少しクッションもあって寝やすいように思いました。
私は腰にカイロを貼って寝袋に潜りこみましたらすぐに眠ってしまいました。 

朝5時半に目覚ましをかけたのですが、5時前には起きてしまいました。
夜明け前の冷え込みで車の中もかなり寒いので、Y君が車のエンジンをかけました。
駐車場には我々の車以外には車がありません。
「今日は人が少ないかもしれませんね。2週前の土曜日もお客は7人しかいませんでした」とY君が言います。

Y君は私が武者泊に行ったのと同じ1月最後の週に二木島に行き、3日間で30〜42cmのグレを11枚釣ったということです。
その時は3日間ともベンテンに上がったということでした。
「今日は人が少ないようですね、成功体験からいえばまたベンテンに上がりたいものです」とY君はベンテンにこだわっています。 

服を着替えて船着き場に行きますと、まだ電気がついていません。
電気をつけて待っていますとやがて釣り人が10名そろいました。
6時10分ごろになり、船長がやってきました。
船長と一緒に奥さんもお客さんの弁当を持ってきました。
ここの弁当はポットに入れた暖かいお茶がついていて、700円ですのでY君も価格は納得されているのでしょう。
私は、竿袋と活かしバッカンしか持っていないので弁当を入れる場所がありません。
Y君は道具入れのようなバッグを持っていますので私の弁当も入るかと聞きましたら、もう入らないということです。
仕方がないので水筒は竿袋に入れ、活かしバッカンのふたの下の網の上に弁当を入れました。
網を挟んで弁当のすぐ下がオキアミのバケツですので、あまり感じがよくありませんが仕方がありません。
港で出船前に弁当を配られるのを忘れていました。 

6時15頃に船は10名の釣り人を乗せて港を出ました。
12月に来たときは、船は満杯の釣り人でしたのに、最近は釣れていないためか釣り人が少ないようです。

船はベンテンに近づきますが、どうやらベンテンは希望者がいるようです。
まず若い2人組の釣り人がベンテンに下ります。
我々は10名でしたらどこでも上がれるということで呑気に構えていました。
寺島、ホーロクと下して次のタコブチに我々は下りることができました。 

今日は9時半頃が満潮になります。
晴天で少し西風が吹くようですが海は凪です。
太陽が出るまでは冷たくて手がかじかみます。
水汲みバケツでくんだ海水が暖かかく感じられます。
タコブチでは私が正面を向いて釣り、Y君は右側から竿を出します。
バッカンの中のオキアミを少しずつまきながら仕掛けを作ります。

今日の道具です。
竿はガマの競技グレ1.5号
道糸3号にハリス3号をサルカンでつなぎます。
ハリはグレバリ7号、ウキは釣研の赤い円錐ウキ5Bで遊動にします。
ハリスにはサルカンの下に4Bのオモリを打ちました。
ウキ下は4ヒロから始めます。

 
 夜明けの磯 タコブチから寺島方面を見る


足元にウキを投入しますとゆっくりと左に流れてサラシに押されて沖に出ます。

潮の流れは前回乗った時と同じような感じです。
前回は2投目くらいでグレを釣ったように思いました。
しばらくして仕掛けを上げますとエサがありません。
魚の活性は高いようです。
船の中で、今日は水温が17度に上がっていると言っていたことを思い出しました。
2投目もエサがありません。
3投目にウキが足元を左に流れているときに入りました。
合わせますとそう大きくありませんが魚が掛かりました。
ゆっくりと寄せますと35cmほどのグレでした。
これは自分でタモを入れました。
「もう釣ったんですか。今日は何匹釣れますかね」と仕掛けを作っている途中のY君が言いましたが、この後はなかなか次が釣れません。

 

7時過ぎに釣れたグレ 35cm


Y君も4ヒロのウキ下で始めましたがエサがとられるばかりのようです。
釣りを始めて1時間ほどしましたら、Y君にアタリがありグレを釣り上げましたがこれは29cmほどです。
一瞬Y君は活かしバッカンに入れようか考えたようですが
30cm無いと放流です。資源保護です」などと言ってグレを海に帰していました。
さすがに前回11匹釣っているので余裕があるようです。

私もその後はエサがとられ続けました。
少しタナを浅くしましたが同じようにエサがとられます。
二人ともたまに釣れるのは15cmほどのベラです。 

やがて、時刻は9時前になりました。
「アーアこのエサ取りの多さでは今日はだめかもしれません。ぜんぜん付けエサがもちませんわ。
海の中にはエサ取りがワンサカと待ち構えていますね。
満潮の9時半までに釣らないと多分今日はボーズですね。
上野山さんはもう1匹釣ったので気楽でいいですなあ。
水温が上がったといってもエサ取りの活性が上がっただけじゃないですか、
グレはどこにいるんですかね」とY君のボヤキが出はじめます。

「まだ終了までには充分時間があるので頑張ってください。グレはいますよ」とY君を励ましますが、なんでここでは朝いちばんにグレを釣ると、あとが続かないのか不思議に思います。
私にはついにエサ取りのキタマクラまで釣れてしまいました。

 
 ハリにかかったエサトリ キタマクラ  

やがて満潮の9時半になりましたが二人ともグレは釣れません。
交代で弁当を食べることにしてY君が先に弁当を食べました。
私はその間ウキを投入しますがエサが取れられるばかりです。
ウキを足元に投げても沖に投げてもエサがとられます。
私もY君に続いて弁当を食べることにしました。

 

二木島 マルヒサ渡船の弁当 お茶がついて700円です  


弁当を食べてY君が磯の左側でやるというので、私は磯の右側に行って足元を釣ることにしました。

場所が変われば気分転換にもなります。

左で釣っていたY君を見ますと竿が満月に曲がっています。
「あんまり大きくはないと思います」と言いますが、Y君は相手が大きいにもかかわらず、一心不乱にリールを巻いております。
私はこの竿の曲りならば、グレならば45cmほどではないかと思いました。
Y君のリールを巻く速度が速いのではないかと少し心配もしましたが、上がってきたのは45cmほどのサンノジでした。
私がタモを渡しますとY君は自分で掬いました。
「ウキがピューと入ったのでグレではないと思いました。
途中で竿もたたきましたしなんだか下品な引きでした。それにしてもサンノジはバラさないでとれますね」とY君は言います。

それにしてもY君は相変わらず強引にリールを巻きます。
これでバラさないのは、ガマの磯竿アテンダーが良いためなのでしょうか。 

磯の右側は、潮が当ててきますので、仕掛けとマキエを少し沖に投げて、足元で仕掛けが馴染んだ後はウキが流れないようにひきつけました。 
こうして足元を狙えば、足元に魚がいれば釣れるのではないかと思いました。

 

磯の右側で足元狙い V字の切れ込みの先50cmほどを狙いました


磯の右側ではたまにエサが残りますのでウキ下を少し深くとり5ヒロほどとしました。
足元から出て行くウキを戻して少しサソイをかけますとウキが少し入りました。
合わせますと魚が掛かりました。
引きから考えてベラではないようです。
掛かった魚は、最初は引きましたがすぐにドヨーンと上がってきます。
「アアーこれが釣れたらアカンですわ」とこちらを見ていたY君に私は言いました。
上がって来ましたのは良型の40cmほどもあるタカノハダイでした。
これは魚の活性が低い時に釣れる魚です。
これが釣れるときは、グレが釣れないといわれております。
私は自分でタモに入れると写真を撮って放流いたしました。
ともあれ、先ほどまでエサがとられ続けていたのですが、
外道とはいえY君も私も魚が釣れましたので少し明るい感じになりました。

 

タカノハダイ 40cm


タカノハダイを釣った場所で同じようにウキを投入しますとウキが入ります。
一呼吸おいて合わせますが空振りです。
私が合わせているのを見てY君が「当たりますか」と聞いてきます。
「ウキが入るけれども空振りです」と答えます。

エサを付け直して足元にウキを投入しますとウキが馴染んだころにゆっくりと入ります。
ウキが見えなくなるまで入ったところで合わせますと今度は魚が掛かりました。
そう引かないので強引にリールを巻きますと今度は30cmほどのグレでした。
これは抜きあげます。
「グレです。大分ウキが入ってから合わせました」とY君に言います。
このグレは30cmありましたので活かしバッカンに放り込みました。 

今度は、Y君は場所を寺島向きに替えて釣っています。
私は再び足元でウキが入り今度は30cmほどの赤い魚が釣れました。
これは、ベラの類ではないかと思いましたが、見ていたY君がアカラかもしれませんよと言いますので一応活かしバッカンに放り込みましたが帰るときにベラの類ではないかと思い放流しました。
しかし、これは図鑑で見ましたらアカハタではなかったかと思います。
とすれば、またもやおいしい魚を放流してしまったことになりました。

 

ベラだと思って放流してしまったアカハタ 30cm 


時刻は12時を回ってあと1時間ほどの釣りとなりました。
ふと左側を見ましたらY君がグレをぶら下げています。
「グレ釣りましたね」と言いますと「この魚は根の向こうでかかったので強引に根の上を抜きあげました」と言っています。
グレをこっちに持ってくるときにY君は磯の上で転んでいましたが、竿の穂先を折らなくてよかったです。
Y君の釣り上げたグレは港で測りましたら37cmでした。
「ようやくグレが釣れました。しかしお昼を過ぎてからはエサも取られなくなりボーズかと思いました」とY君はニコニコして言います。
これで帰りの車の中のボヤキは無くなったとホッとしました。 

その後はエサが残りだしましたのでウキ下を深くとりましたがアタリも出ませんでした。
やがて1時半になりましたので仕掛けを片付けました。 

港に戻りますと今日は40cmオーバーのグレは釣れなかったようです。
あまり釣れない中、二人とも中型グレを釣りましたのでマアマアの結果ではないでしょうか。
今回久しぶりに二人がグレを持っているところを写真にとりました。

二人が同時にグレを釣りましたのは、ぐれねっとの釣行記で調べましたら、2011年の5月の梶賀(善行の結果か、ゆたきち師匠が45cmの釣行記)以来ですのでほとんど4年ぶりではないでしょうか。
ほんまに二人で行くと釣れんものやなと改めて思いました。

 

37cmのグレを釣ったゆたきち師匠


 

久しぶりに二木島でグレを釣った私


このところ釣れていない中での釣果でしたので、まあよかったということで師匠のボヤキはありませんでした。
「何とか終了間際のボーズ逃れの1匹やったわ」と言っていましたが、他の人もあまり釣れていないようでしたので、顔はまんざらでもないようでした。
師匠は先月末に11匹もグレを持って帰ってグレばかり食べたので、今回は私に持って帰ってくださいということで師匠の釣ったグレも私が持ち帰りました。 

帰りはいつもの尾鷲のミカン屋でポンカンを買って尾鷲から高速に乗り、途中土山のサービスエリアで食事をして大津には6時半ごろに到着いたしました。 

これで私は四国と三重県でグレ釣り2連勝しましたので、この勢いに乗って3連勝目指して磯釣りに行きたいものです。



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