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上野山さんからのリポート
「かろうじてボーズ逃れの初日」
神津島 (東京都)
2018/05/12
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5月12日から2日間、Fさんと1年ぶりに神津島に釣りに行きました。
今年、Fさんとは若狭湾の泊に2回釣りに行きました。
Fさんは若狭大島では42cmのグレ、泊では33cmのグレ、私は泊で40cmのグレを釣っています。
お互いハリス1.75号という細い仕掛けで釣りを楽しみましたが、いよいよウオーミングアップのクチブトグレ釣りも終了して、神津島のオナガグレ釣りに行こうという話になりました。
私は昨年末にHさんと八丈島に釣りに行く約束をしていましたが、天候が悪く釣行できませんでした。
その時に八丈島で使おうと、リールには道糸5号を巻いてあります。
今回は道糸5号、ハリス5号にガマカツのアテンダー2号という、何でも来いという道具で臨もうと思いました。
Fさんとは11日の金曜日5時にサンスイ釣具店で待ち合わせいたしました。
私は泊の釣りで残った配合エサが半袋ほどありましたので、5倍増グレ1袋と、生オキアミ4枚に、ボイルのオキアミ2枚を持つことにしました。
5時前に来ていたFさんと私の車に荷物を積み込みます。
ハードクーラー2個に、磯クーラー3個、バッカン3個に着替えや、寝袋などを入れて、ものすごい荷物ですが、なんとか余裕をもって荷物は積みこめました。
サンスイ釣具の主人もこれはすごい量の荷物やなと感心しています。
サンスイ釣具店がバッカンに入れて作った大きな氷を3個譲ってもらってハードクーラーに入れておきます。
我々は5時20分に出発いたしました。
新名神を通って、下田に12時前に到着いたしましたが、渡船の駐車場はもういっぱいです。我々は、荷物を下してシートを掛け、車は近くの駐車場に止めて寝袋にくるまりました。
3時に目覚ましが鳴る前に目を覚まし、着替えを済ませて港に行きますと、かなりの人数の釣り人がいます。
皆さんそれぞれに、ハードクーラーやバッカンや着替えのバッグを持っていますので、ものすごい荷物です。
定員の26人がいたとして、一人4個の荷物ですと、荷物だけでも100個ほどになります。
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下田港で荷物の積み込み風景 |
流れ作業で荷物を手渡し、荷物の積み込みは15分ほどで終わりました。
船は定刻通り3時半に出港いたしました。
私は酔い止めを飲んでおりましたので、船が出ますとすぐに眠くなって一眠りいたしました。
途中、何度か船がジャンプしたように思えますが、目が覚めることはありませんでした。
やがて5時半ごろに船は神津島の多幸湾に入りました。
今日は晴天ですが、高気圧が離れて行きますので、南西の強い風が吹く予報です。
今日は大会が賀寿丸で行われるということですので、我々は最後のほうに磯渡しになりそうです。
サンラインのウエアを着た釣り人が15人ほどいて、磯に上がる順番などを打ち合わせしています。
「クジの1番から3番は荷物を前に出して」などと幹事役の方が指示を出しています。
船の前はカメから出した荷物でごった返していますので、初めのほうに磯に上がる人は荷物の確認が大変そうです。
6時前になり、島に泊まった釣り人を乗せて、船は港を出ます。
今日、神津島の渡船は全部で4船出るようです。
船は多幸湾から南の磯に渡し始めます。
灯台下の手前までで半分ほどを下して船は引き返し、「砂糠崎」をすぎて「岡の昨根」に着けます。
ここで、残った釣り人は我々2名と、二人組と1名です。
船は地方の磯から離れて、祗苗島に向かいます。
Fさんとは顔を見合わせて、沖磯よりも地磯周りのほうが良かったのではないかと思いましたが、船長の天の声に逆らうわけにはいきません。
二人を「明神下」に下して、最後に我々二人と若い釣り人一人の3人で、沖の祗苗のA級磯「オネイモ」に上がることになりました。
「オネイモ」は過去に60cmオーバーの尾長グレが釣れたこともある有名磯です。
ただし、いいポイントは向かい風になりますので、我々は風裏のほうで竿を出すことにしました。
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初日はオネイモで竿を出しました。この水道を潮が走ります |
今日の仕掛けです。
竿はアテンダー2号、リールはシマノのレマーレ、道糸5号、ハリス5号をサルカンで結びます。
ウキは釣研の中型ウキの3B、サルカンの上に3Bのオモリを噛みつけます。
ハリはガマカツのボイルグレ8号です。
私は、マキエは生のオキアミで、刺しエサはボイルのオキアミを使いました。
ボイルを1袋買っていますので、半分ほどは生と一緒に撒きます。
磯の船着きは足元から深いようですが10mほど右側に根が出ていますので、水道と根の間を3人で並んで釣ることになります。
左の水道側を若い釣り人に譲って、私が中央、Fさんが右側から釣ることになりました。
強い風が背中から吹いてきますが、道糸をあおられるほどではありません。
足もとにマキエを打ち、ウキ下2ヒロ半でスタートします。
足もとに打ったマキエの下には、大きな魚が見えます。
私はリールのレバーを握りしめて、大物のアタリに備えてウキを見つめますが、1投目はエサが残ってきます。
少しタナ深くしてウキを足元に落としますと、ウキは引かれ潮で左に流れて行きます。
水道は潮が左から右にゆるく流れているようです。
左の若い釣り人は、竿を真下に向けて足元にウキを落としています。
彼は水道の流れの中を釣るのではなく、足元狙いをしているようです。
5投目くらいでしょうか、私のウキが本流に引かれていき、潜り始めました。
沈む速度が速いと思いましたので、合わせを入れますと魚が掛かりましたがこれは尾長グレの引きではありません。
何か小さい魚です。
上がって来ましたのは30cmほどのクチブトグレです。
この魚は難なく抜きあげました。
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今日は初めて釣れたグレは30cmでした |
このグレは小さいので放流しました。
A級磯にあがったので、あくまでも目指しているのは50cmの尾長グレです。
その後Fさんにも、若い釣り人にもアタリは出ません。
私はエサがとられますので、ウキ下を浅くしましたがアタリは出ません。
釣り場の前には、時折大きなカガミが出来ますので、カガミが出来たときには仕掛けがはじかれてしまい釣りになりません。
ほぼ1投ごとに、海の流れが変わっているというような状況です。
足もとを釣ってみても見えている魚はエサを食べないようです。
どうも今日は釣れないような気がしてきました。
強い風に吹かれますので、竿が重く感じられます。
また、ウキが風にあおられてつかみにくいので、手返しが遅くなってしまいます。
11時ごろには、せっかく神津島のA級磯で釣りをしているのに、全くアタリもなく、小魚も釣れないのでなんとなくだらけたような感じになりました。
そんな中、若い釣り人の竿が曲がりましたが、釣り上げたのは、40cmはある良型のタカノハダイです。
「こりゃいけません」と若い釣り人が嘆きます。
この魚が釣れるときは、だいたいが潮の悪いときです。
潮は良く流れているのに、魚の活性は良くないのでしょう。
こんなことなら、朝1番に釣り上げた30cmのグレをとっておくのだった、と思いましたがこれは後の祭りです。
時間が過ぎてくるにつれて「A級磯でグレボーズ」という釣り人にとって恐ろしい言葉が胸をよぎります。
私には9時前に30cmほどのイガミが足元で釣れただけです。
Fさんもイガミを1匹釣り上げました。
イガミはFさんが持って帰るというのでキープいたしました。
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釣果が無いのでイガミの写真でも・・・ |
もう一度若い釣り人の竿が曲がりましたがこれは50cmほどのイズスミでした。
この魚は私がタモで掬いました。
「ありがとうございます。どうもイズスミしかいないようですね」と若い釣り人が言います。
若い釣り人はハリを外してイズスミを放流していました。
今日はどうにもアカンようです。
12時ごろには、あまりに釣れないのでFさんと磯でお湯を沸かしてカップラーメンを食べました。
お昼ご飯を食べますと眠くなりますが、A級磯では万が一60cmの尾長グレが来るとも限りませんので、尾長グレを釣りたいという欲だけで釣りを続けます。
12時半ごろに、ウキが引かれ潮に乗って潜っていき、道糸が走ったように思えましたのでアワセを入れましたら魚が掛かりました。
これも手ごたえは小さいです。
難なく上がりましたのは、尾長グレの33cmです。
50cmにはあと17cmたりません。
今日はもうグレは釣れないだろうと思いましたので、この魚はキープいたしました。
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12時半ごろ釣れた尾長グレ33cm ハリス5号なのに小さい・・・ |
潮の流れは昼からだんだん早くなり、まるで川のように水道を流れます。
足もとのカガミも大きくなり、沖にもカガミが出来ますので、なかなか仕掛けが入りません。沖の流れには横からウキを投げてもなかなか素直には流れません。
仕掛けは流れに入らずに、手前の方からウキが上がって来ます。
その後2時ごろにもう一度道糸が走り大きな魚が掛かりましたが、これは小刻みに竿をたたきますのでどうにもイズスミのようです。
アテンダーを思いっきり曲げてウキが見えるところまで寄せましたが、ハリの上あたりから5号のハリスが切れてしまいました。
切れたあたりはギザギザになっていましたので、イズスミの歯でこすれたのではないかと思います。
今日はこの魚のバラシが私のハイライトでありました。
Fさんは、後半タナを深くとってイサギを狙ったものの不発でした。
Fさんは結局バラシもなく終了でした。
結局A級磯にあがったのにもかかわらず、3人で私の釣った30cm(放流)と33cmのグレ2匹という、アカン結果となってしまいました。
一緒に磯に上がった若い釣り人は磯クーラーに加えて、大きなハードクーラーや活かしバッカンなどを持っていましたが、クーラーも活かしバッカンも使うことなく終了となりました。
若者が帰り際に活かしバッカンの海水を流す音がむなしく感じられました。
我々は明日も釣りますので、今日は釣れなくともそうダメージはありませんが(釣れないことに慣れている?)、日帰りで来ているこの若い釣り人はどうなのでしょうか。
渡船料金とエサ代金を入れると、神津島での1日の磯釣りでは3万円ほどかかりますが、今日のボーズにへこたれずに次の挑戦をしてほしいと思いました。
私はかろうじてボーズ逃れの初日でありました。
たとえA級磯にあがれたとしても、大物の尾長グレを釣り上げるというのは、ホンマに大変なことだなあと改めて思いました。
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