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 上野山さんからのリポート
 「大きな獲物を逃した、御五神2日目

  御五神 (愛媛県)
   2019/01/13

 



初日は石橋渡船さんに素泊まりで泊まることにしました。
8年前は夕食がついていたのですが、今では食事は出していなくて素泊まりのみだということです。
料金は渡船料金が7000円で素泊りが3000円です。
これですと近くの温泉に行って食事をするほうが料金は安く上がりますね。
我々はいつもの道の駅津島やすらぎの里の温泉に入り、中のレストランで食事をいたしました。
今日は雨の中の釣りでしたのであったかい温泉は何よりです。
こわばった体がほぐれていくような感じがいたします。
久しぶりに2号の竿を1日持っていましたので肩が張っているようにも感じます。 

石橋渡船さんには6時ごろに戻りました。
宿で酎ハイを飲みながら天気予報とニュースを見ていましたが、いつの間にか寝てしまいました。
Fさんがテレビと電気を消してくれたようです。
遠出して宿に泊まりますといつも7時過ぎには寝てしまいますね。
普段の生活ではこれほど疲れることはしないからでしょうか。 

2日目は晴れで低気圧が通過したために北風が吹く予報です。
我々は、今度は早めに支度をして船のキャビンに入って出船を待ちました。
ライフジャケットは宿の後ろの物干し場に吊るしていましたが、ぜんぜん乾いていなくていつもより重く感じます。
カッパも湿ってジトッとしていて気持ち悪い感じです。
手袋は雨が降るということで2セット持ってきていましたので、乾いたものをすることができました。

今日は3連休の中日ということでお客さんは25人ほどのようです。
出船の前に船長が来て「今日は人数が多いので磯替えは出来ないと思います。25cm以下の魚はリリースしてください。磯のごみは持って帰ってください。帰りには磯を海水で流して帰ってください」と釣り人に伝えます。
まったく、この言葉を守らない釣り人が多いのにはあきれてしまいます。
まだ、武者泊のほうがボイルを使うこともあり磯はきれいな気がいたします。 

寝床で抽選を終わった船は、寝床周辺に3組ほど釣り人を下しています。
寝床では5人が一緒に降りた磯もありました。
人数が多いので船長も磯の割り振りは大変だと思います。 

我々は本島のすぐ近くにあります菊地バエという大きな島に着けてもらいました。

 
菊地バエ 右側の棚になった場所で竿を出しました 

我々が菊地バエに下りたのはもう7時40分ごろです。
出船が6時10分ですので磯に降り立つまで1時間半もかかったということです。
迎えが2時ですので釣りは1時半には終わらなければなりません。
ここ御五神は釣りをする時間が短いですね。

この磯は横に100mほどもありますが、我々以外は誰も降りていません。
あまり人気がない磯なのでしょうか。
磯にはゴミも集魚剤の跡もありませんので今日は快適です。 

今日は渡船が7船ほど出ています。
1船に20人乗っているとしても釣り人の数は140人です。
その人数が御五神の磯でいっせいに釣りをしているというのは、なんとも不思議な感じがいたします。
全員が40cmのグレを釣れば、グレは1日で140匹もいなくなるということです。
グレがいなくならないのは、やはり私のようにボーズ釣り人もいるからなのでしょう。 

今日の仕掛けです。
昨日は2号の竿を1日持って肩が痛くなりましたので、今日は少し軽いアテンダーUの1.5号の竿にしました。
Fさんがハリス3号を使うというので私もハリス3号としました。
3Bのウキにオモリは2Bを打ちました。
昨日は仕掛けが馴染むとウキが沈むように思いましたのでオモリを軽くしました。
ハリはボイルグレ8号としました。

マキエを足元に撒きますとエサ取りが出てきますので魚の活性は高いようです。
エサ取りを見てウキ下は2ヒロ半といたしました。

 

菊地バエで仕掛けを作るFさん 晴れの日は気持ちがいい


私の釣り場は海面から4mほどの棚になった場所ですのでウキを見下ろす格好になり釣りやすい場所です。
潮は沖からゆっくり当てて来て、ゆっくりと右に流れるようです。
この緩い潮の流れもへたくその私には好都合です。
Fさんが「エサ取りの中にイガミがいるな。釣れたら持って帰るのでキープして」と言います。

私は竿1本ほどのところにウキを投入して、マキエをウキの頭に打ちました。
ウキはゆっくり右に流れて仕掛けが馴染みますと沈んでいきます。
今日もまた着けエサをエサ取りが引っ張っているのでしょうか。
しばらくして仕掛けを上げますとエサが着いていません。 

3投目でしょうか、ゆっくりと沈んでいくウキの速度が速くなったように思えましたので合わせを入れました。
何か魚が掛かりましたがグレの引きではありません。
上がって来ましたのは30cmほどのイガミです。
「オッ、イガミを釣ったな持って帰るので活かしバッカンに入れてくれ」とFさんが言いますので私はFさんの活かしバッカンに水を入れてイガミを泳がせておきました。 

何はともあれ、ウキが入るということは楽しいものです。
ウキはプカプカ浮いているのが入るのではなくて、沈んでいく速度が速くなるのがアタリですので注意してウキの変化を見ていないとアタリを見逃してしまいます。

その後Fさんがカワハギを釣りあげ私にもカワハギが釣れました。
カワハギがエサを引っ張っているとなりますとエサがとられ続けるわけです。 

9時過ぎになりFさんが「来たよ」と言いますので見ますと竿が曲がっています。
道糸も出していますので大きい魚のようです。
Fさんが足元に浮かせたのは大きなグレです。
自分で掬うと言いますので私はFさんにタモを渡しました。
このグレは48cmの立派なグレでした。

 
48cmのグレを釣り上げたFさん

Fさんにタナを聞きますと、3ヒロで竿2本ほど沖にウキを投げて食ってきたということです。
次は私の番だと思い、いっそうウキに集中いたしますがウキはユックリと沈むエサトリのアタリしかありません。
10時前になりウキが早く沈んだ気がいたしましたので合わせを入れますと魚が掛かりましたが、これもグレの引きではありません。
今度は20cmほどの赤いオジサンが上がって来ました。
「今までずっとエサがとられ続けていましたがようやく魚が掛かったと思いましたらオジサンです。今日の私には外道しか釣れません」と私はむくれていました。
オジサンはリリースいたしました。

後で考えますとオジサンが釣れたのは、グレが近づいていてエサ取りがおとなしくなったというサインだったかもしれません。 

次も同じように竿1本ほどのところに仕掛けを入れます。
ウキ下は相変わらず2ヒロ半です。
仕掛が馴染みますとウキはユックリと沈んでいきますが大分沈んでからスーと早く入ります。
これはアタリと思い合わせますと今度は大きな魚の手応えです。
竿が伸されそうになりますので、リールのレバーを緩めて糸を出して釣り場をFさんのほうに3歩ほど移動して足元に出ている根から魚を離そうとしました。
Fさんも私を見て「オッ掛かったか」と言っています。
魚の引きが強いので私はなおもレバーを緩めて糸を出しました。
糸を出すのは2回目です。
私はこの魚の引きから40cmのグレでは無いと思いました。
もしかしたら50cmあるのではないかなどと思いました。
思わず50cmのグレを両手に持ってFさんに写真をとられているところなども脳裏をよぎります。
魚が再度足元に突っ込んだ時に私はこれ以上糸を出すと危ないと思い竿でためましたが、魚の力が強くて竿は下を向いていきます。
再度糸を出そうかと思った時に竿が跳ね上がりました。
「オッ切られたか」とFさんが言います。
仕掛を上げますとハリがついていましたのでハリハズレです。 

これは大きな獲物を逃しました。
「終了までまだ2,3回アタリはあるやろ」とFさんが言います。
私は気が抜けてしまいました。
掛かったグレが35cmほどなら難なく取り込めてボーズは無くなったのになどと思ってしまいます。
昨日1回もグレのアタリが無くて、初めてのアタリが大物のアタリということで焦ってしまったのかもしれません。
前日に1匹釣っていれば取り込みに余裕もあったのではないでしょうか。
充分心の準備ができないままに取り込みの態勢に入ってしまったのかもしれません。
久しぶりの大物のアタリに力が入ってしまったでしょうか。
人間はメンタルが大切です。
まるで、横綱稀勢の里が大事に行こうと思って連敗を重ねてしまっていることとダブります。
(帰りのレストランで相撲の初日をやっていましたので思わず書きました) 

その後は私にもう一度アタリがありましたがまたもや30cmほどのイガミでした。
この魚はペンチでハリを外しましたら手が滑って海に帰ってしまいました。

 
Fさんの釣ったグレにイガミとカワハギ

その後、ウキはゆっくり沈みますがアタリは出ません。
私はウキ下を下げてみたり、竿4本ほど沖に仕掛けを投入したりといろいろやってみましたがアタリは出ません。
11時ごろに私の左隣に磯替わりしてきた釣り人が入りましたが、誰も釣れないまま時刻は1時を過ぎましたので釣りを終了しました。
結局私には、バラした後にはイガミのアタリが1回あっただけでした。
Fさんは今日もT回のアタリをものにして48cmのグレを釣り上げました。
結局Fさんは48cmのグレとカワハギとあと1回ほどしかアタリは無かったということです。
私はイガミ2匹にカワハギにオジサンも釣っていますので釣り上げた魚は多いのですが本命はダメでした。
私は1回の大物のアタリをものにできずにバラしてしまいました。
ハリハズレは針の掛かりどころが悪かったためだと思うので、今日は運がなかったのかもしれません。 

 

我々の釣り場から見た寝床方面 磯の雰囲気はとても良いのだが


港に帰りますとみなさん今日もあまり釣れていないようです。
私もなぜかホッといたします。
船長がFさんのクーラーの魚を写真にとりにきました。
「今日は2枚しか写真は撮れません。今日も食いは渋かったようで1匹釣れれば上等です。何故だか土日は釣れませんね」と言います。
Fさんは「お客さんが多いと磯の回りを渡船が走り回るので魚が警戒するのかな」と言っています。
今日の石橋渡船のホームページではFさんの48cmのグレともう一人48cmのグレを釣り上げた方がアップされていました。
仮に私に掛かったのが50cmのグレだったら、私もアップされたかもしれません。
ウキが入って魚が掛かってタモにいれ、魚を締めてクーラーに入れてから初めて魚をものにしたのだと言うことをあらためて思い知らされた1日でありました。 

こうして私の2日間連続ボーズの御五神島釣行は終りました。
繰り返しますが釣り人が140人もいれば、ボーズの釣り人がいないとグレの数が減ってしまうのです。
ボーズの釣り人がいるということで磯釣りという遊びの均衡が成り立っているのです。 

次回は過去の成功体験を頼りに武者泊でしょうか。
帰りに道具をしまっていてFさんが「小さいほうのグレを持って帰るか」と聞いてきましたので「ボーズをかみしめますわ」と私は言って好意を断りました。
今回は道の駅で買ったポンカンとサービスエリヤで買ったうどんが家族への土産となりました。

次回こそボーズを脱出したいものです。


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