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50cmオーバーを4連発
青ヶ島(東京都)
1991/05
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「今度のゴールデン・ウィークは伊豆諸島にしようか」
「だったら一番南の青ヶ島へ行こう」
青ヶ島は伊豆諸島でグレの最後の楽園とか呼ばれているが、このときは冷水塊の真っ只中にあるし、大きい期待をするとその分失望も大きい。
50cmオーバーのグレが1匹でも…という程度である。
この予想は見事?にうれしい方に傾いて本当の楽園になった。
ただ一つ、予想に反したことは、青ヶ島がこんなに不便なところとは思わなかったことである。
60cm近いグレ 二重式小型火山
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八丈島との村営定期船は、週に3便しかない。
それに定員はわずか12名である。
定員オーバーとなれば、翌日に臨時便が出る。
この定期船に乗るためには、八丈島の青ヶ島会館で午前9時から9時10分の間に整理券をもらう必要がある。
午前11時に八重根港を出港し、1時間50分程度の船旅である。
第1便の飛行機で八丈島に到着しても間に合うが、多いときには早朝から20人以上も並ぶこともある。
私たちが船に乗った日も定員オーバーとなり、乗れなかった人は翌日回しとなった。
翌日は荒天のため船は出なかったが。
朝のうちに八丈島につけば、その日の午後には青ヶ島で竿を出せる。
また帰りは3時すぎに八重根港に戻ってくるので、その日のうちに大阪に帰れる。
ただ計画通りにいかないのが離島の離島たるところだ。
現に冬場島へ1ヵ月近く幽閉され、勤めていた会社をクビになった人もいるところだから。
計画には余裕が必要である。
特に冬と台風シーズンは欠航が多い。
今回の釣行もあまり天気はよくなかった。
風がなかったのは青ヶ島に着いた日だけであった。
その日三宝港で地元の人が6キロぐらいのシマアジを2匹獲った。
その時、私達は大根ヶ潟へ降りる道を探してウロウロし、ついにその日は竿を振れなかた。
次の日、朝4時半に起きると強い北西風が吹いていたので、風裏となる大千代に向かった。
大千代は車を降りて10分ほど坂道を下らなければならないが、三宝港に次いで入りやすいところである。
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図Aは風裏なのだが、サラシがきつすぎて釣りにならなかった。
しかたなく風を正面で受けるBで頑張るも、仕掛けが風に流されてダメであった。
午後から風も多少収まって、地元の人や東京からの釣り人もやってきた。
午後4時すぎ、Cで釣っていた相棒が竿を大きく曲げた。
玉網ですくうと50cmを軽くオーバーしている。
目標とした50cmオーバーのグレなので祝福するも、後で相棒いわく「非常に悔しそうな顔をしていた」らしい。
その顔もわずか1分あまりで笑顔に変わった。
すかさず同じところで釣りだすとすぐにウキがじわーと沈んだ。
竿を立てるとぐんぐんとくる。
「やったー」
それから57cmを筆頭に50cmオーバーばかりを3連発、都合4連発できた。
相棒も同様にきている。
入れ食いとなったのは1時間ほどであったが、その最中は興奮と焦りでハリもなかなか結べないどころか、餌もうまくつけれないような状態であった。
足もとに撒き餌を撒くとこんな大きなグレが何匹もせびれをだして撒き餌をあさっている。
今まで見たこともない光景が目の前に広がっている。
小さなグレはいなかった。
ほとんどが55cm前後である。
1日目で目標のサイズを釣ってしまったので、新たに目標を60cmに上げたが、結局60cmは釣り上げられなかった。
ひょっとしたら掛けていたかもしれない。3日目に大千代から北へ200mほどのところにある中浦の磯で、相棒が掛けた奴は60cmあったかもしれない。
最後は根ズレでプッツンとなったが、反転した姿はでかかった。
釣りをした4日間、すべての日に50cm以上のグレの顔を拝むことができた。
男女群島でもなかなか味わうことが難しい大グレの引きを十二分にたんのうできた。
非常に満足できる釣行となった。
なお、青ヶ島は典型的な火山島という形をしている。
特筆すべきものは、地熱を利用した天然のサウナだ。
釣りの後のサウナは体の疲れを取ってくれる。
島の釣り人は数人だし、島外からの釣り人は私達と東京組2人の4人だけである。
みんな風裏に集まってくるので顔なじみとなった。
ゴールデンウィークでも釣り人はこれだけである。
釣り荒れしないのもわかる。
近く三宝港の波止が延長され、本年12月から定期船が大きくなる。
定員オーバーで船に乗れないということはなくなるだろうが、海が荒れれば即欠航ということを考えれば、不便な離島に変わりない。
チャーター便での釣行が多くならない限り、すぐに釣り荒れるとは考えられない。
船以外にもヘリコプターが八丈島と結んでいる(年間10日程度飛ばす予定)。
定期便もそうだが、島民優先で、空きがあれば乗せてくれる程度と考えた方がよい。
三宝港、大千代、大名子、大根ヶ潟などがグレの有望な釣り場である。
竿を出した大千代と中浦の磯を紹介しよう。
大千代 中浦の磯
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大千代
A・・・フカセではサラシがきつく竿出しできなかった。
B・・・何がくるかわからない魅力がある。
フカセにもカンパチなどがきた。
C・・・浅くて一見ぱっとしない感じだが、撒き餌でグレを
寄せきってしまえばフカセで釣りやすい。
中浦の磯
大千代と大名子の間にあり、大千代より簡単に歩いて行ける。
釣り場には岩場伝いに行かねばならず、満潮時や波気のある日は、十分注意しなければならない。
昨年の11月に地元の人が67cmを釣っている。
シモリだらけで総じて浅いが、魚影はすこぶる濃い。
釣行メモ
民宿 ヤヨイ荘 04996-9-0012、9-0134
アジサイ荘 04996-9-0159
マツミ荘 04996-9-0161
エサ 菊池商店 04996-9-0153
追記
このときは冷水隗があって黒潮は蛇行し、八丈島と青ヶ島の間を流れていた。
今から思えば黒潮が接岸し沿岸の海水と混じって魚の動きが活発になったのではないかと思う。
その後何度か青ヶ島には足を運んでいるが、大グレの入れ食いには出くわしていない。
大根ヶ潟などで単発的に50cmが掛かった程度である。
今では八丈島から毎日ヘリコプターが飛んでいるので交通の便はグーンとよくなった。
島内の道路も整備されたし、三宝港や大千代の波止も延長している。
サウナの施設も実に立派なものができている。
さすが、東京都。
箱物行政の威力はすばらしい。
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