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 春一番でおもわくはずれる

  串本大島(和歌山県) 
   1993/02/06,07


串本大島の位置


寒グレも終盤。
3〜4月といえば水温もまだまだ低いが、水温の上昇が楽しみな時期である。

南紀のすさみ、口和深地区は渡船休業するので例年この時期は串本方面か紀東に足が向く。

昨年末から串本大島(須江地区)のヒラトコ、オドの鼻でよい思いを味わったので、2月6〜7日に釣友の井上君を誘って串本を目指して車を走らせた。

金曜の晩は十分に睡眠を取り、大阪を出発したので昼からの釣りである。
当日は風波があり、湾内しか上がる場所が残ってないとのこと。
昼に戻ってくる釣り人と入れ替わりに沖磯に上がるもくろみがもろくも消えた。

仕方がない。
数釣りでもできればと湾内の磯に上がったが、手のひらサイズがポツポツときただけである。
期待していた午後3時からは刺し餌もついたまま上がってくる。
ついに納竿時間を迎えてしまった。

この日、ヒラトコでは47cmと48cmのグレが釣れたそうだ。
残念。

翌日は風向きしだいで潮岬でも行こうかと思い、串本の餌屋の2階に泊まる。
オキアミの臭いがプンプンしている。
匂うともかおるともともいいにくい臭いで釣人は平気だろうが釣人以外はとても泊まれない。

食事を頼んでいたが、目の前で他の泊り客が私達の分を食べている。
仕方がないので外へ食べに出る。
何気なく入ったラーメン屋に魚拓が1枚張ってあった。

この店がそうだったのか。
グレ釣りを始めて2、3年しか経っていないのに串本にラーメン屋まで開いたオッサン(失礼)、岩永社長が昨年末、潮岬のアシカで釣った54cmのものである。

う、うらやましい。

私もアシカでは何度も竿を出しているが、それほど良い思い出はない。
しかし、アシカも含めて潮岬は好きだ。
雰囲気がよい。
一度は訪れてください。
ここでのグレ釣りは難しく、釣果は保証できないが、磯の感じは抜群である。
魅せられることは保証できる。

宿に戻り、天気予報を見ていると「波3mのち4m、天気が変わりやすく春一番が吹くでしょう」と言っている。

アカン。
気力が失せていく。
宿の主に「明日はゆっくりするわ」と布団に入る。
夜明け前に目覚めたが、風の音が凄い。

大シケの海の写真  
 


止めを刺された。
もう少し寝よう。
結局午前8時すぎに布団から離れる。

国道42号線を北上する。
船波浦に立ち寄るも、あまり釣れる気がしないので、由良町の白崎まで車を走らせた。
帰り道である。
見ると40cmぐらいのチヌが釣れていた。
昔、通ったマイポイントは竿を出せそうにない。

荒れ時にチヌがよく出るところだが、見たこともないような波が打ち寄せている。
結局、この日は竿も伸ばせずに帰途についた。
春一番に泣かされた釣行であった。

今シーズンも昨シーズンと同様に串本大島、潮岬ともに好調である。
休みの度に通いたいが、車で片道5時間近くかかるので1泊2日での釣行が多い。

大阪を晩に出発して少しだけの仮眠だけでは、眠い目をこすりながらウキを見ることになり、釣りを思いきり楽しめない。
帰り道も心配だ。
もちろん、竿を伸ばせないようなはめに陥らないよう、天気を選ぶことも必要である。

名泉が多い紀伊半島の南端には、比較的ゆったりした温泉が点在する。
釣りプラス温泉も悪くない。

帰りにはぜひ一度串本海中公園に立ち寄ってください。
海中展望塔ではガラス越しにグレを観察できる。
まるで服を着たままダイビングといった気分である。

みやげはうつぼの揚煮がいい。
コリコリした歯ごたえ、香ばしい風味はヒールによく合う。
精力がつくというウワサがあり、奥さんが喜ぶかもしれない。

串本と大島をとりもつものは巡航船と昔から決まっていたが、渡船が串本駅前のヨットハーバーや串本漁港の巡航船乗り場まで迎えにきてくれるので便利である。


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