TOP 釣行記index 次のページを読む

 「風裏があってよかった」

  沼島 (兵庫県)
   2008/12/28
 


今シーズンは一度も竿を出してない。
年末になって、やっと釣りに行くことができた。
5ヶ月振りの磯釣りである。
12月28日、淡路島の南に浮かぶ沼島でグレを狙う。
沼島は私にとって、初めての磯釣りをした思い出の地である。

12月25日に46cmが出たこと、家から1時間半で行けること、中紀の大引が好調なことなどから沼島を選んだ。
12月27日、とらや渡船に予約の電話をしたら、満杯らしく断られた。
川口渡船に変更する。
午前6時40分に土生港出発予定とのこと。
乗船場に午前6時に着こうとしても4時半に家を出たら間に合う。
ゆっくり寝て行けるなぁ。
渡船の予約ができたので近所の釣具店にエサを買いに行った。
オキアミボイルのMとLを1枚づつ用意した。

土生港に6時すぎに着いたら、胴衣を着た人がたくさんいてた。
大半がとらやさんの客であった。
川口渡船の客は私を含めて3人だけである。
3人ともに単独釣行だ。
2人の方と出船前に話をする。
どちらもチヌ釣り師のようだ。
今日の川口渡船の磯割りは2番回り。
それぞれ、具足バエと青磯を希望された。
青磯を希望した方は沼島によく通われている年配の人である。
前日も竿を出し、チヌを何枚か釣り、マダイらしきバラシもあったようだ。
今日は日和もいいし、爆釣もあるのかとこのときは思った。
あんなに風が吹くなんて思いもしなかった。

私はどこに上がろう。
下立神か、ヘイジバエか、船頭まかせか。
沼島に渡船を使って渡るのは3度目である。
ほとんど、磯の名前も知らない。
とりあえず、ヘイジバエのことを年配の人に根堀り葉堀り聞く。
どうやら朝は具足バエの方に潮が流れるので沖にある下立神向きに立って下立神との水道を具足バエ向きに流すか、具足バエ向きのハナレに釣り座を構えるかすればいいらしい。
その方はヘイジバエに上がったときには下立神向きに釣り座を構えるそうだ。

沼島は土生港から船で10分くらいのところにある。
他の2件の渡船が出た後、川口渡船はゆっくり土生港を出航する。
沼島の磯群が見えてきた。
船頭がどこに上がりたいんだと聞いてきたので「ヘイジ」って私は答えた。
最初に付けたのは青磯である。
ヘイジバエのことを教えていただいたチヌ釣り師が渡る。
次にヘイジバエ、私の番だ。

         ヘイジバエ

ヘイジバエに渡ってすぐにぐるっと見て回った。
知らない磯だけにどこで竿を出そうか。
沖にある下立神向き、具足バエ向きのハナレとも足場はよくもないが悪くもない。
グレ狙いなら下立神との水道かな。
下立神向きに道具を持って移動する。
下立神との水道は具足バエ向きに流れている。
年配の方に教えられたとおりだ。

仕掛けはカンダイ以外なら何が来ても対応できるようにハリス2.5号をくくった。
一投目、二投目、来ないな。
竿を出し始めた頃には無風状態だったのに風が吹き出してきている。
30分もすると西からの強風になった。
磯際を風でうまく流せずに2回もハエ根で根がかりさせてしまった。
辛抱たまらず、下立神向きから撤収する。
西風の当たらないハナレに移動した。

ここ、ヘイジバエに上がってよかったか。
風裏がある。
まだ、1匹の魚も見てないのに、そう感じるくらいの強風が吹き出した。
今日は大半の磯で苦労するだろうな、きっと。
もう、この時間から磯替わりの船が行き来している。
ハナレも水道向きに立てば風が当たるので具足バエ向きに竿を出す。
微風程度で釣りやすいが、グレは望み薄やな。
どうも、チヌ場のようだ。
水道とは違い、ここはゆったりした流れである。

足元を釣ったり、20〜30メートル先にある大きなシモリまで流したりしていた。
4〜5投目、足元で根がかりのような当たり。
22cmのガシラがハリをくわえて上がってきた。
1匹、確保。
それからは餌取りも出て来だした。
磯際で掛かればベラ、掛からなければサシエがかすめ取られる状況が続いた。
ハゲやフグの姿が磯の上から見える。

釣りを始めて2時間くらい経過した。
ウキはひっきりなしに沈むもドンゴロスに入っているのはガシラ1匹だけ。
苦戦中。
そのとき、竿1本くらい続くハエ根の横を流していたウキに当たりが出た。
小粒のウキがゆっくりと沈んでいった。
竿を立てたら今までの魚とは違う引きだ。
ハリス2.5号に見合うサイズではないようだが。
37cmのチヌが上がってきた。

その後も餌取りとの戦いは続いた。
足元にわんさかとは言わないが結構いてる。
遠投し沖のシモリを直接狙うもエサが盗られる。
餌取りを相手に根気よく釣るしかないな。
時々、強風を我慢して水道も流したりもしたが、コッパグレが掛かっただけである。

午前11時になった。
後、4時間だ。
2枚目のボイルをバッカンに入れていた。
下を見たら、チヌか。
ハゲやフグに混じってエサをひらっているようだ。
チヌがマキエを食べ上がってきた場所にゆっくり仕掛けを入れる。
ハリ、ウキの順でそーっと。
すぐに当たった。
2匹目のチヌも1匹目と同サイズである。

その頃から潮は動かなくなった。
流れていない。
正午には今までとは逆の潮向きとなる。
潮が押してくる。
こりゃ、この場所で粘るのは無理やな。
朝一番で竿を出した場所に戻ることも考えたが、ちょっとでも風が避けられるハナレから水道を釣ることにした。
2時に迎えの船が来るので、残り2時間を切った。
水道側にいてるのはコッパグレとオセンか。
相変わらず、強風が吹き荒れている。
潮は左から右へ、風は右から左へ。
潮向きと風向きが逆で釣り難いが、最後まで諦めずに粘る。

水道の中ほどで当たりが出た。
27cmのマルアジ。
その後、磯際を流すとベラが来る。
サシエも盗られる。
離れたところを流すとアジが来る。
午後2時前にボイル2枚を撒き切ったので、納竿とする。
磯の上で道具を洗い、帰りの船を待った。

向かいの下立神に上がっている人は相当苦労して釣っていた。
たぶん、この風で他の磯に上がっている人も厳しいのじゃないだろうか。
グレは来なかったが、6匹とはいえ土産を持って帰れるのは今日の状況ではよかったのかな。
帰りの船で青磯に上がった人と具足バエに上がった人に釣果を聞いてみた。
青磯に上がった人は風裏に磯替りするも撃沈、具足バエに上がった人も本命のポイントに入れず釣果はなかったそうだ。
どちらの方も風で苦労されたみたい。

沼島でグレが釣れる磯は限定されるようだが、家から近いし魚影も濃そうだし、また来てみようと思った。
風のない日を選んで。
こうして、今シーズン最初の釣り、今年最後の釣りが終わった。



TOP 釣行記index 次のページを読む