そもそもの発端は、「ぐれねっと」の管理人である下山さんと、「M.A.D」の管理人である僕、Bickyとでリンク関係のメールのやりとりをしていた際に「今度、ご一緒しませんか?」と誘われたので、「それはぜひ。どうせなら『対決』しましょう。」と調子にのって返事をしたことによるものでした。
僕にしてみれば、かの「ぐれねっと」のウェブマスターさんなら釣りの腕前は確かであるはずで、そんな方とご一緒できるなら願ったり叶ったりである上、釣行記を賭けるということで勝とうが敗けようが自分のウェブページの宣伝にもなるはずという思いもあったのです。
ここら辺の経過は「対決!ウェブマスター」にもいくらか書いたので、興味のある方はご一読下さい。
その後、いくらかのメールのやりとりをして、ついに4月15日に一緒に磯へと上がれる事になりました。
まずは7時頃にこちらを出発して、近くの釣道具屋でエサを買い込みます。
午後9時前頃に落ち合って、まずはフィッシングショップオザキへ向かって出発です。
車では、あれこれ釣り談義やウェブサイト管理の話などをしておりました。いや〜、下山さんのグレ釣りのお話しはとても参考になるものばかりで、グレ釣り師の方のとっては基本なのかもしれませんが、僕にはとっても有意義な事でした。
そっか〜、ベールオープンが基本なのか〜。
とかとか。
どの様な道順を通ったかは、下山さんとカーナビに頼りきっていた僕にはよく判らなかったのですが、途中に高速道路のサービスエリアに寄って場所決めをしました。
っていうか、こういう「出発してから場所を決める」というやり方は、「前日夕方頃には渡船屋に予約を入れておくもんだ」と思い込んでいた僕には、ちょとカルチャーショック(本日1度目)でした。
そういうのがありなの?
さらに和歌山県内に入ってバイパスを下りた所で、まずは釣道具屋に入りました。
僕はそこで「磯マップ&ガイド2 紀伊半島南紀<宇久井〜見老津>」(別冊関西のつり
本体1165円 ISBN−87355−052−1)を購入。
さらに「空から見たポイント 南紀の海釣り」(←ちゃんとウェブページがあった)を買おうとしていたら、下山さんが「そんなん買わんでも。
私は2冊もっているんで1冊あげるよ」と言って下さいました。
ありがとうございます。
この本、3,700円もするんでどうしようかと頭を悩ませてたりしたんですけど、ラッキー。
ここでは下山さんは、いくつかの小道具を買っていたようです。
僕がヒョイと覗こうとすると、「いや、なんでもないから」と隠そうとされておられましたが、釣研の「サスペンドハリスうき」を確保しておられたのを、僕は見逃しませんでした。
隠す事ないじゃん。
この後、「ASOKO」なるケッタイな店名の食堂でカツドン食べたりしつつ、夜中の12時頃(だったっけ?)にフィッシングショップオザキへ着きました。
下山さんは店長さんらしき方といくつかお話をして、ボイルのオキアミを2枚購入。
しかも集魚剤は使わないんだそうです。
しかも、店先に並べられているオキアミはすべてボイル。
南紀方面こそ、オキアミ生と集魚剤バリバリな本場だと思っていた僕は、またしてもカルチャーショック(2度目)を受けました。
そこから渡船屋までは下山さんに車を運転してもらい、夜中の1時半頃(う〜、忘れた。多分です)目的の「笠原渡船」さんに着きました。
とりあえず、する事は何もないので体力温存のため寝ておく事になります。
寝る前に、下山さんは「私はとてもイビキがうるさいらしいんで、どうぞ先に寝て下さい。」と言っておられたけれど、実際は車のエンジンを止めて寝る体勢に入ったその1分後にはもう寝ておられました。
いや、これは誇張でもなんでもなしに。
っていうか、こうでもなければ磯釣り師なんてやってられないのかもしれないと、ちょっと思ったりしました。
しかも1分30秒後には「イビキ」うんぬんが謙遜でも何でもないということも思い知りました。
いやはや、すげえ。
しばらくは、そのままなんとかして寝ようと思ったのですが、1時間後には負けて車からそっと抜け出しました。
すんません、この中で寝るのは僕にはむりでっす。
さて、渡船屋さんの待合室で寝るともなしにボ〜ッとしていると、4時30分過ぎに渡船屋の方がやって来ました。
てっきり6時出船だと思っていたのですが、その方に聞いて見た所「5時20分には下の(港の)方に行っとかんと。」というお答え。
うわ、時間あんまりないじゃん。
慌てて下山さんに報告。
すぐさま服を着替え、道具を準備し、僕は気が付かなかったんですが渡船の予約を取り、5時頃には準備OK!。
それにしても、今はシーズン中でもなんでもないと思うのですが、この渡船屋さんだけでも20人程度の客が来ております。
どうも、ここら辺の磯に人気が集中しているのかもしれません。
ともかく道具をトラックに積み込んで、下の出船場にぶらぶらと歩いて行きました。
そして5時半に船がやって来て、いざ出船。
ちなみに船の後ろ側へまわった時、何気なく船長さんの後ろを通りがかると、「そこ、通ったらあかんで!」と叱られちまいました。
どうも、船長さんのすぐ後ろに長〜いバーがあり、足でそのバーを操作する事で梶を採っているんだそうで。
そのバーは強烈に動くこともあるので、危ないんだそうです。
それってばすげえローテクと思ったけれど、や、や、以後気を付けます。
ごめんなさい。
無事に船は出たものの、朝からあいにくのお天気。
この分だと上がる事が出来る磯は限られそうだし、この人出なので人気磯にあがることも難しいようです。
出船5分ぐらいで、目指す潮岬灯台下付近には着いたのですが、何故か止まって磯を睨んでいます。
と、港側からもう一隻の船がやってきました。
同業社か?。
そのまま、こちらの船は地側、もう一隻は沖側で並ぶような形になりました。
船長さんはその船を、なにやら楽しそうに見ております。
ふと、僕の横にいたあんちゃんが「これから競争が始まるでぇ」とつぶやきました。
次の瞬間、二隻ともすごい勢いで走り始めました。
なんでだ?。
本格的にわけわかんね〜よ!。
「競争」って、なんかメリットがあるの?。
それとも海の男の血がそうさせるのか?。
僕が、かなり強いカルチャーショック(3度目)を受けている内に、まずは「アシカ」に船を着けました。
そこで船先にいた5〜6人がバタバタと磯へ上がり、再び次の磯を目指すべくちょっと磯から離れた時、こちらの船長さんは躊躇しておられるようで、隣の船はすでに「ドウネ」へ何人か上げて次の磯へと向かっていて、どうも競争は負けたようです。
って、よく知らんけど。
次に隣の「ウダシマ」へ着けたのですが、今度は下りる方がおらず手間取っているようでした。
一人だけ先端で二の足を踏んでおられるようでしたが、あるいは「一人じゃダメ」という船長さんの判断だったのかも知れません。と、突然、僕の横にいた下山さんが先端付近をヒョイと覗いたかと思うと、次の瞬間にはダッシュをしておりました。
なっ、ここで降りるの!?。
突然でうろたえまくっていた僕もとりあえず先端へ走り、大慌てで道具を担ぎ、磯へ上がろうとしたのはいいけれど、重〜いクーラーバックが船のポールに引っかかり、ブチこけてしまい、それでも怯まずすぐさま立ち上がってなんとか磯へ上がる事が出来ました。
やれやれ。
たとえ大会でも、ここまでバタバタしないだろうという大騒ぎぶりに、肩でゼーゼー息していると、下山さんがのんびりと「ん〜。ここは一発大物狙いには向かないけれど、そこそこの型の数釣りが出来る釣り場なんですよ。」などと解説して下さいました。
僕からすれば、こんな超大活劇が繰り広げられてるということもショックでしたが、こんな具合に、下山さんや他の釣り師の方がこれを極当り前な事として受け止めていることが、もう信じらんないカルチャーショック(4度目)でした。
まったく、よくやる。
さて、この磯に上がったのは、僕と下山さんともう一人の別の方の計三人。
ここで、この磯のイラストを挙げておきます。
図の「ウダシマ」の真中の黒い矢印が僕で、向かって左手の一段高い所に下山さん。
右手の高い所にもう一人の方が立ちました。
僕の立っている所はちょっと低くて斜めになっているのですが、下山さんはそれを気にして「もし波を被るようだったら、こっちに上がってきてもいいよ」と言って下さいました。
が、実際に高い波が来た時に頭から被っていたのは下山さんの方でした。
ご愁傷様でっす。
場所が決まれば、次はマキエと仕掛け。こちらは以下の図の通りです。
竿 | SHIMANO ISO XL 1号 |
---|---|
リール | SHIMANO BB−X 3000 EV |
道糸 | TORAY 銀隣スーパーストロング 2.5号 |
ハリス | TORAY スーパーL EX 1.5〜2号 2ヒロ |
針 | OWNER 競技グレ 5号 |
飛ばしウキ | GREX 三原夢ウキ 0号 |
アタリウキ | 釣研 くわせグレ 0号 |
ウキ下 | 2〜3ヒロ |
オモリ | なし |
付けエサ | オキアミレンガから取ったのオンリー |
撒きエサ | オキアミ2枚 + マルキュー 湧きグレ500遠投 + グレパワー遠投フカセ + 浅ダナグレ |
ちなみに下山さんももう一人の方も、ふつ〜にウキ一つを付けたフカセ仕掛け。
僕だけ二段仕掛け。うわぁ〜、自信なくすじゃん。
僕が仕掛けを作っている間に、二人とも釣りを始めてました。
僕も何とか遅れて竿を出し、まずは手前にマキエを打って見ます。
潮は右から左に流れているよう。
ちょうど右手にサラシが出来てて、いいかんじ。
そして開始して30分も経たないころでしょうか。
突然と下山さんが竿を立て、強烈に竿を曲げます。
ラインがバシバシと音を起て、最初の絞り込みをかわした後、下山さんは一段低いこちら側に素早く降りて来て「よぅし!」と再び竿をガッチリと立てます。
朝のさわやかな磯地帯の静寂は破られ、潮岬一帯に緊張が走ります(走らねえよ<俺)。
僕もすぐさま仕掛けを回収し固唾を飲んでやりとりを見ていると、ようようとグレの姿が浮かび上がって来ました。
…で、デカイ!。こちらも興奮気味に慌ててタモを出し、一度失敗しつつ(ゴメンなさい)、二度目になんとか取り込む事ができました。
下山さんはまったくホクホク顔です。確実に40cmオーバーでしょう。
せっかくだからということで、ここで写真を撮っておきました。
こういうのがいきなり来るのなら、今の時間はチャンスかもしれません。のんびりしていられない。
僕も慌てて再び竿を出しました。
できるだけ右手のサラシ付近に仕掛けを入れ、マキエをそれに1〜2杯かぶせるようにしていたのですが、右から左の潮が強すぎて、なかなかうまくマキエとサシエの同調が果たせません。
しかし何度かトライしていると、いい潮スジに入ったらしく、ゆっくりとウキが流れてマキエといい感じに同調していきます。
と、いきなりアタリウキと飛ばしウキが一緒になって底へと沈んでいきます。
下山さんも「おっ!」と声を掛けて来ました。
僕も、「うわ〜、二段仕掛けの意味がねぇ〜。」と思いつつ、ベールをオープンにしていたのでスプールを握り込んでバシッと合わせを入れました。
次の瞬間には、ウキは強烈な勢いでこちらへ飛んで来てしまいました。
うわわっ。素針引いたか?。
「アワセが強すぎますよ」と下山さんに言われてしまい、トホホな気分で仕掛けを回収して見ると、ハリスが中程から切れてしまっています。そもそも合わせた時、全然手応えはなかったのですが、どうやらハリスに傷が入ってたようです。
あ〜あ。
その後の釣りの流れは、いまいち覚えていません。
ど〜も、僕の脳内記憶回路にストッパーが掛かってるようです。
しかし、思い出せる範囲で、つらつらと書いていこうと思います。
それから昼ぐらいまでは、アシカやドウネでも何度も竿を曲げているのを見ました。
下山さんはギリギリキープサイズのグレをもう一枚上げていました。
僕はと言えば、再び強烈に竿を曲げたのですが、上がって来たのを見たら海の中で白く光っていて、どう間違ってもグレではなさそうだなぁと思った瞬間に糸を切られたりしました。
グレじゃなかったから良かったものの(←良くないよ)いちいち仕掛けを切られてしまうのを、どうにかしなければなりませんね。
さらに再三、竿を曲げる事が出来たのですが、今度は引き方からして全然グレとは違います。
まるで青物かなにかのように(って、青物を掛けた事ないから知らないけど)強烈に横へ走り、僕も一緒になって走り回る事になりました。
磯の裏手へ回ってやっとこさ上まであげて来たと思ったら…。
不気味に長細〜い茶色の物体が浮かんでました。って、ダツじゃんか。
経験豊富な下山さんですら、「あんなでっかいダツを見たのは始めて。」と言うようなヤツで、タモにも入らないので、今度は泣く泣く自分で仕掛けを切りました。
とほほ。
お昼の弁当タイムも過ぎたころ、遂にアタリが遠のいて来ました。
僕の左手におられた方も、磯替わりだか撤収だかで船に乗って行ってしまい、代わりに下山さんがそのポイントに入って見たりしておられたようですが、やはり本命のアタリはなかったようです。
もう、周りの磯でも誰も竿を曲げておりません。
この時間帯になると餌取りも大量に出回り、僕も何度かチッチャイ奴(オヤビッチャとかいうの?)とか、手の平サイズの木端グレを上げたりして、仕掛けを二段仕掛けからTフロート02でのスルスル釣りに変えて見たりしたのですが、もはや釣れる気配もなくなってしまったので、早々に仕掛けを仕舞う事にしました。
だいたい、雨で中に着ているTシャツが濡れて寒くて仕方がないし、睡眠不足で睡魔にこれ以上対抗できそうになく、取り合えず竿を片付けてしまいたかったのです。
しかし時間は12時過ぎと言う事で、次の迎えの船は2時にならないと来ないそうです。
下山さんが気を使って下さって、上から被れるレインコートを貸して下さり、僕はそれを着て磯の上のうずくまれる場所で小雨に濡れながら2時前までぐっすりと眠りこけました。
ダメだコリャ。
2時頃に船が来て、撤収。
港へ帰り渡船屋さんの待合室付近で着替えたり手を洗ったりしている時、他の方のクーラーバックを覗いて見たりしたのですが、やはりそれなりに大物を掛けてるようで、しかも数も上がってて、なんかここまで来てボウズ食らってる自分が情けなくなってきました。
いや、落ち込んではいけませんね。
やはり、これはこれで経験値が上がったと前向きに捉えたいところです。
さすがにレベルアップしたとまでは言えませんが。
それでも、「ベールオープンで仕掛けの操作」という有用なものと、「雨ふりの磯の上で寝る」というど〜でもいいものとの、二つのアビリティを得たと言う事で、次回からは活用させて頂こうと思います。
その後、下山さんに有名な地磯の場所を教えてもらったり、白浜の方に寄って温泉に入ったりしつつ無事に帰ってまいりました。
この温泉については、下山さんが「釣りの後は毎回と言っていいほど温泉に入る」という事で、僕はちょっとしたカルチャーショック(5度目)だったのですが、確かに行って見たらとってもいい湯で気分が良かったので、このことは「メモ帳」あたりで報告させて頂きます。
さて、今回は「対決!ウェブマスター 第一弾」として釣行記を書かせてもらいましたが、やはり当初の予想どおりハナから勝負にすらなりませんでした。
最初にこの企画をウェブページ上に掲げた時、RODZILLAから「頭でも打ったのか??」と心配(?)したメールが届いたりして、僕は僕で「『びっくり日本新記録』の轟二郎みたいに、間違えて勝っちゃうようなのを期待するしかないな。」(←古い)などといい加減な返事を返したりしてたのですが、お〜い、読んでるかぁ〜。やっぱ無理だったよぉ〜。
と、いうわけで、この釣行記はぐれねっと様へお渡しします。
…いつかリターンマッチを申し込ませて頂きまっす。
ぜひ!。
Bicky - bicky@grn.mmtr.or.jp