TOP 釣行記index 次のページを読む

 上野山さんからのリポート
 「冠島の解禁日」

  冠島 (京都府)
   2001/06/05
 

冠島の位置


冠島はオオミズナギ鳥の生息地として有名ですが、6月5日から7月31日まで冠島(大島)の北側一部と、冠島の北側に位置する小島で磯釣りが解禁となります。
今回は私がよく出入りしている、サンスイ釣具店の息子さん夫婦と、常連客のT君、私の4名での釣行となりました。
私は最近ガマカツの磯竿、レイダム1.5号を購入したのですが、今回がレイダムの初仕事となります。
舞鶴、三浜港を午前9時に出発し、約30分かけて島に到着し夕方の6時に引き上げるというかなり長時間の釣りです。

8時30分頃に桟橋に到着しますと、我々のほかには釣り客は5名です。
朝のうちに渡っている人が10人ほどいるので、空いている場所に乗って11時に早朝組が帰った後に磯変わりしてはどうかということです。
3年前の解禁日では30cm以下は放流するくらい釣れたということです。
しかし今年の若狭湾はチヌもグレも遅れているようなのであまり期待はもてませんが、冠島は50cmオーバーが期待できるという前評判です。
いつも磯に着くまでは景気のいい話ばかりですが、帰り道は、現実は厳しいネということになってしまいます。今回はどうでしょう。

さて9時ちょうどに船は出発し冠島を目指します。
いつもはうっすらとしか見えていない島影がだんだん大きくなります。
30分ほどたったでしょうか、大島を左に見て通り過ぎ、小島に向かいます。
いつ人が渡るのかわかりませんが、大島には石の鳥居も見えます。
我々は最初に小島の南側向きの、1番という平たくて足場のいい磯に4人で降りることになりました。
磯は鳥のフンで白くなっています。
天気予報では低気圧の接近で南東の風が強まるということでしたが、10時の時点では風はなく曇りで、雨の前の蒸し暑い天気です。

ここでひとつ選択をしなくてはなりません。
上空にはオオミズナギ鳥の大群が旋回していて常にフンが落ちてきます。
少々のことならかまわずシャツのまま釣るか、蒸し暑いのにフンに備えてカッパを着て釣るかです。
私は最初カッパの上だけ着ていたのですが、暑くてたまらず30分くらいで脱いでしまいました。
T君などはTシャツ1枚にライフジャケットという姿です。
11時には磯変わりするかもしれないというので、私は早々に昼食にしました。
これがまた大変で、いつフンが落ちてくるかもしれないので、うつむきかげんに大急ぎで食べなくてはなりません。
食べている間にも30cmくらい離れたリュックに直撃を受けました。
何とか食べ終わって釣りを開始です。

今日は長丁場ということで、オキアミ3kを3枚にダイワの集魚材1パックをマキエに、付け餌はボイルのMとしました。
我々が乗った1番の船着き向きは棚が無く切れ込んでいますが、ほかの向きは10mくらい棚が張っているので、かかったらとれそうにありません。
右端の16番向きが少し棚が切れていますが、ここも強引にやりとりしないと棚にすれそうです。
船着きで若夫婦がやるというので私は右端の16番向きで竿を出しました。
道糸2,5号、ハリス2,5号で3Bのウキ、小磯針6号、ウキ下は2.5ヒロからスタートしました。

若旦那の話では船着きでは潮は、ほとんど動いていないということでしたが、20mくらい離れた右端では16番向きに川のように流れます。
マキエを打ちますとスズメダイが出てきますが沖にはあまり出ないようです。
潮が行くのはいいのですが足下にずっと根が張りだしており、その上を20mくらい仕掛けが足下に沿って右側に流れてから沖に出ていきます。
これではよほど沖めでかからないと捕ることは難しいようです。
根の上をうまく通過するようにウキ下は2.5ヒロのままやりますが、毎回餌がとられます。
潮が速すぎるのと、流れる向きが悪いので苦戦です。

11時頃になり若旦那が30cm位のグレを釣りました。
タナは4ヒロだそうです。
このころから南風が強まりました。
私は正面から風を受けるのでやりにくくてしょうがありません。
しばらくすると、11時上がりの客を乗せた船が、風裏の磯に磯変わりするようにと迎えに来ました。
我々は大島の北向きの、冠島北のハナレに乗ることになりました。
船の中に置いてあった、帰りのひとのスカリを見ると34,5cmくらいのグレが3,4匹見えました。
ハナレに着いてみると、なんと幅20m位の赤潮のスジが磯の沖50mの所くらいにあり、あまり釣れる気がしません。
交代して帰る人に聞きますと、早朝の部ではグレは出なかったということです。
ここも足場のいい平たい磯ですが、磯の沖30m位の所に転々とサザエ網のブイが浮かんでいるのも気になります。

私は沖に向かって左側に入りました。
1発くらい大物がこないかと私は磯際ねらいで竿を出してみました。
ウキ下を3ヒロにします。
風が島を回ってきますので、またも向かい風です。
マキエを打ちますとスズメダイが出てきます。
あまり活発には動かず深いところでゆっくりとエサを拾っています。
あまり魚の活性は高くないようです。
磯際でたまにウキが入りますが、ベラやガシラです。

開始してから1時間位して、磯の右側でやっていた若旦那の嫁が28cm位のグレを釣りました。
タナは4ヒロとのことです。
しばらくして嫁の横でやっていた若旦那が30cm位のグレを釣りました。
タナは7ヒロとのことです。
足下にマキエを打ち遠投しています。
スズメが沖に出るので足下にマキエを打ち、遠投で探って釣ったとのことです。
どうもグレの活性が低いようです。

私もタナを徐々に下げて5ヒロとしました。
そのうち、「蛇がおる」という若旦那の声びっくりして指さす方を見ると、確かに磯の真ん中付近、岩のくぼみに20cm位の蛇が見えました。
竿を持ったまま1歩近づいた瞬間竿が引っ張られました。
魚がかかりました。
竿を持って動いたのが誘いになったのでしょうか。
25cm位のグレでした。
ウーン、ウキのはいるところが見られなかった!!
今日はあまりにも釣れないのでこのグレは持ち帰ることにしました。

その後T君が30cm位のサンバソウを釣り、若旦那が30cm位のグレを追加して、風雨が強まったので5時前に早帰りとなりました。
それにしても北のハナレの磯は20m四方くらいしかありません、どうして蛇がいたのでしょう。謎です。
向かい風の中を40分くらいかけて港に着き、他の方に釣果を聞いてみましたら、32から34cmの太ったグレを3枚持っている方が竿頭のようでした。
今回は風雨の中の釣り、ということでコンデションが悪かったのですが、今度は条件のいい時に再挑戦してみたいと思いました。
翌日グレの刺身を食べましたら、よく脂がのっていておいしかったです。


TOP 釣行記index 次のページを読む