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上野山さんからのリポート
「親睦釣行会、巨大イズスミで磯を半周」
口和深 (和歌山県)
2001/10/20、21
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10月20日、21日はグレネットさんの親睦釣行会で口和深に釣行致しました。
Ryutoさん(以下R君)から山科で合流しませんかという申し出がありましたので、私はご好意に甘えて山科まで電車で行きました。
敦賀を9時過ぎの電車で出発します。
山科に11時頃着きますと、すぐにR君が迎えに来てくれました。
30代前半、長身でハンサムな青年です。
車の中では釣りの話で盛り上がります。
R君は若狭の方への釣行も多いようです。
お互い乗ったことがある磯もあり話は尽きません。
しかし40歳半ばの私は高速に乗る頃から眠くなり、1時間ほど寝させてもらいました。
南部の「釣太郎」の手前で目が覚めました。
R君が私の分も餌を注文してくれています。
「釣太郎」に入りますと並んでいるワゴンのなかに私の名前がありました。
ワゴンの中には解凍したオキアミが入っています。
ワゴンを押して、そのまま店内で買い物できるので便利です。
私はボイルのオキアミを3枚です。
R君は生のオキアミに集魚材を買っています。
R君がオキアミを混ぜる間、店内を見て回ります。
釣研のウキが600円弱でたくさん置いてあります。
ハリスも半額近くで売っています。
かなり値引きの幅も大きいようです。
人気があるのかけっこう人が出入りしていました。
R君の支度がととのい、我々は口和深に向かいました。
谷口渡船の駐車場に着いたのは3時過ぎです。
車が20台ほど止まっています。
私は眠ることが出来ましたが、R君は眠れないようで、車の外に出ていきました。
5時前にR君に起こしてもらいました。
待合い所に名前を書きに行きますと「上野山さんですね」と見知らぬ二人から声を掛けられました。
「そうです」と答えますと。
「入ってきたときにわかりましたよ」と言います。
一人は「グレ釣り大好き」の管理人のハタちゃんと、今日の釣行会に参加の「はまたろう」さんでした。
ハタちゃんとは今まで何度かメール交換をしておりましたが、お目に掛かるのは初めてです。
「はまたろう」さんは私と同じ年ということです。
しばらくしてグレネット管理人の下山さんやバットマンさんも起きてきますが、駐車場が暗いので、誰がどこにいるのかよくわかりません。
今日は全部で10人くらいの参加だそうです。
そのうち待合い所の前に集まろうということになり、ぞろぞろ待合い所の前に行き簡単にあいさつを交わします。
普段はメールや掲示板での会話だけですので、思っていたイメージと違う方もいました。
今日は全体で40人弱のお客さんのようです。
まあ、どこかに乗れるでしょう。
今日の出船は5時30分です。
堤防に向かって歩いていますと、すこしあたりが明るくなって来ました。
渡船には相変わらず舳先に人が群がります。
私はR君とバットマンさん(以下Bさん)と3人で赤島に乗ることができました。
赤島は沖に向かって右側に長い根が出ています。
この根の両側と船着きがポイントということです。
南からのウネリが少し入ってきますが、風も強くなく、晴天の釣り日和です。
じゃんけんで場所を決めることにしました。
R君が根の左、私は根の右側、Bさんが船着きという配置となりました。
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赤島からは沖の3つ石が見える 隣の磯 手前がソバ坪、右が地のヒラトコ |
今日の仕掛けです。
竿は今年買いましたガマのレイダム1.5号です。
この竿では4回の釣行でまだ満足な釣果はありません。
なおかつ穂先も3回折って8cmくらい短くなっています。
道糸2.5号、ハリス2.5号を2ヒロ、ウキは3Bの遊動仕掛けとしました。
サルカンの上に3Bのオモリを付けます。
ハリは信頼の置けるがまの小磯針6号です。
始めますとけっこうサラシがきつく、すぐに仕掛けがソバ坪の方に流れていきます。
しばらくしてソバ坪の人が魚を釣り上げました。
茶色ぽい魚でしたのでコロ鯛かもしれません。
R君にもかかったようです。
魚が掛かった後ベールをオープンにして走らせています。
やりとりに余裕があり手慣れた感じがします。
しばらくして上がってきたのは50cmくらいのハマチでした。
私はサラシでやりにくいのでBさんとR君の間に入れてもらいました。
船着き方面は波も穏やかです。
Bさんに「どうですか」と聞きますと。
「乗ってしばらくしてグレっぽいアタリがあったけど針がはずれた」ということです。
Bさんのボイルの付け餌は細かいので、これを少し分けてもらいました。
人が使っている物は良さそうに見えます。
私は二人のじゃまにならないように足下ねらいでウキを落とします。
足下にはエサ取りがうろうろしています。
R君は「根の際にマキエを打つとグレが見えるけど食わないですわ」といいます。
餌がとられますが、アタリが出ないので私は仕掛けを変えました。
ウキを0号にして、道糸とハリスを直結し、黄色のウキゴムをハリスの上にヨウジで付けます。
ウキ止めは付けないのでゆっくりエサが沈んでいくことになります。
しばらくして初めてのアタリ。
これはなんとタカノハダイでした。
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「それだけは釣ってほしくなかった」とBさんが言います。潮が動いてないのでしょう。
私は、普段日本海側で釣りをしておりますのでこれを釣るのは初めてです。
Bさんにたのんで写真を撮ってもらいました。
その後しばらくして磯際を流していた私のウキにアタリ。
結構引きますが竿をたたくような感じです。
これは針はずれでバラしました。
私の釣り方はパラパラとボイルのオキアミを磯際に落とした後、仕掛けを少し離れた場所に投入し、ウキを磯際に引きつけるというやり方です。
またウキが入りました。
今度も結構引きますがまた針はずれ。
おかしいなと思って針を見ましたら5号に換えた針がへの字に開いていました。
これはダメだと針を6号に戻します。
また磯際に仕掛けを投入します。
ウキがスット沈んだので合わせますと、竿が一気に海に突き刺さります。
ブレーキをフリーにしているのに、糸が出る間もなく一瞬に道糸とハリスのつなぎ目から切れました。
これは前のバラシ以上に大物のようでした。
鵜来島でオナガを連続でバラしたときのようなスゴイあたりでした。
「なにやってるんですか」とR君に言われてしまいます。
ほかの二人にはアタリが出ないようです。
私はハリス2.5号をくくり直して再度仕掛けを投入しようと思いました。
するとBさんが「今と同じ仕掛けではダメですよ。
強くしないと何度でもバラしますよ。
学習能力のない親父と言われまっせ」と声を掛けてきます。
私もかなり頭に血がのぼっていたので、次回は絶対とろうと思い、仕掛けをやり直しました。
リールのスプールをはずして道糸を3.5号に替えます。
ハリスはシーガーエース3号です。
針も小磯針7号としました。
「ハリス3号にしましたよ」とBさんに声を掛けますと「竿は大丈夫ですか」と聞いてきます。
レイダム1.5号はかなり細いので心配ですが、カタログではハリス4号まで対応しているようです。
なんせこの竿では何も釣っていないので釣れるまで使うほかはありません。
再度磯際に投入しますと、またウキがスッとはいります。
合わせますと今度も強烈な引きですが、魚は沖に向かって走り出しました。
リールのハンドルがうなりを上げて逆転します。
20m位走って止まったところでこちらを向かせようとしますがいうことを聞きません。
私は青物かもしれないと思いました。
今年の冬の口和深、大片ハエでのバラシを思い出します。
竿は胴からきれいなカーブを描いて曲がります。
ここで勝負しないと糸が出る一方。
根ずれでバラスと思い力一杯ためます。
「ここで糸を出しては地獄行きです」という"家訓"も頭をよぎります。(でた!!)
一瞬、前回穂先が折れたときに保証書を使ってしまったことも頭をよぎりますが、今はそんなことにかまっていられません。
竿が折れてもいいという思いで火事場の馬鹿力を出します。
脇を絞って竿に体重を掛けて力比べをします。
レイダム1.5号は胴に乗ってからはハガネのように力強い竿でした。
今までレイダムではコッパグレしか釣ったことがないのでその力はわかりませんでしたが、なかなかのシロモノです。
竿を通して魚の力強い泳ぎが伝わってきます。
魚が右沖に出ていきますので私は足場を右側先端に5m位移動しました。
決して簡単には糸を出しません。
隣のソバ坪からもやりとりを見ているようです。
魚は引っ張り合いをしながらも50mくらい沖に出ました。
場所を空けてくれたBさんも竿を上げてやりとりを見ています。
10分くらい糸を出したり巻いたりをしていますので、かなり腕がだるくなってきました。
ブレーキに掛けている指も力を入れっぱなしなので痙攣しそうです。
喉も渇いてきます。
しかしさすがに魚も疲れたのでしょうか、引きが少し弱くなってきました。
糸が巻けるようになりましたので強引に竿で寄せますと、魚は最後の抵抗とばかりに右の根に突っ込みます。
このままでは根ずれで切れると思い竿を左に倒しますが魚はいうことを聞きません。
私は竿を上に突き上げ、魚が根の上を通り越すようにしようと思いました。
少し足場を右側に移動します。
R君も場所を空けてくれます。これで赤島を半周しました。
うまいぐあいに魚は波と共に根の上を通り越して足下に寄ってきました。
一瞬青物かと思ったのですが、横たわったのは巨大なイズスミでした。
Bさんがタモを入れようとしますがサラシがきつくてうまく入りません。
Bさんの膝のあたりまで波が通ります。
「船着きでタモ入れしますわ」というのでまた根を通り越して魚を船着きに誘導します。
私は赤島を半周してまた前の場所に戻ることとなりました。
ここでトラブル発生です。やりとりの間にウキゴムが3mほどずり上がってしまったためにウキが落ちないので、竿を上げても魚が海面に出ないのです。
私は竿を持ったまま赤島の一番高いところに登りましたが、それでも魚はまだ水面下で泳いでいます。ここでR君が自分のタモをもってきました。
「バラしてもいいですよね」と声を掛けます。
にっちもさっちもいかない状況ですので「何とかしてくださいと」R君に声を掛けます。
R君は道糸にタモを引っかけ持ち上げてくれました。
魚はまだ動き回りますがBさんが何とか取り込んでくれました。
「こりゃ重い」とBさんが言います。
「柄を折らないようにまっすぐ持ち上げてください」とR君がアドバイスします。
私は疲れてその場にへたり込みそうになりました。
ハリスを見ますと根ずれでささくれています。
道糸もかなり傷が付いています。
ハリは唇の横に掛かっていました。
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重かった!!イズスミの72cm |
釣ったイズスミはBさんの持っていたメジャーで測りましたところ72cmでした。
重さは推定ですが6kgくらいでしょうか。
いつものようにドタバタしましたが、レイダムでは初めての大物で喜びがこみ上げてきます。
やりとりの時間は10分くらいでしょうか。
力が入っておりましたので手がふるえます。
Bさんが「魚どうします」と聞いてきます。
魚拓物のようですが「食べないのでリリースします」と答えました。
食べない魚を魚拓だけのために殺すのは気の毒です。
リリースしたイズスミはしばらく横になっていましたが、やがて海の中に潜っていきました。
「ナイスファイト。また、釣り人を引きずり回してくれよ」と私はイズスミに心の中でエールを送りました。
その後R君がタカノハダイを2匹釣ったところで磯変わりしようということになりました。
我々は沖に見えているヒラトコに移動しました。
ヒラトコは高場と船着きに先客がいました。
高場の人は親切に荷掛けを打つ位置などを教えてくれました。
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ヒラトコの高場 その横の低いところ |
波が足下を洗うので少し気味が悪い感じです。
ここで支度をしているうちに高場の方が2匹グレを釣りました。
私は船着きに入りましたがエサがとられません。
低いところに入りましたBさんも時折ダツが釣れる程度です。
船つきでやっていた方に聞きますと朝から外道ばかり釣れるということです。
そのうちBさんの竿が曲がりました。
「ダツとちがうで」といいながら上げたのはカツオでした。
私もR君も沈黙です。
そのうちR君が「潮が変わった。反対に流れましたよ」と声を掛けます。
R君はなにやらしょっちゅう仕掛けを変えています。
しばらくしてR君が30cm位のグレを釣りました。
その後何と彼は連続して9匹掛けてしまいました。
「こっち来ませんか」という誘いで私も仕掛けを入れますが風と潮が逆でうまくウキが流れません。
R君はハリスにオモリを打ってウキを沈めながら流しているようです。
Bさんには何故かダツばかり掛かります。
私は仕掛けを取り替えるのも面倒なくらい疲れていましたのでそのまま3Bのウキで釣っていました。
それでも風がやんだ一瞬に何とか30cmほどのグレの型を見ることが出来ました。
Bさんは仕掛けを変えたりしてグレを2匹釣りました。
仕掛けの違いが釣果に現れたようです。
R君は何度も仕掛けを変えて、その場にあった仕掛けを探していたようです。
このこまめさが釣果につながるのでしょうね。
私は巨大イズスミとのやりとりで1日が終わったような気になっていましたので、グレが1匹釣れてもう満足という感じでした。
2時30分になり迎えの船に乗りました。
ハタちゃんが46cmのグレを釣ったということです。
72cmのイズスミを釣った話を下山さんにしましたら、「えー!! 普通はかかってもそんなのとれませんよ」と驚いていました。
「グレ10枚と、イズスミの72cmではどちらがスゴイですかね」と下山さんに尋ねましたら「やはりグレ10枚でしょう。グレネットですから」と下山さんはニヤッと笑っていました。
渡船から下りて駐車場に向かうときにハタちゃんに「大きいグレ釣ったそうですね」と声を掛けますと「まぐれですわ。この話題でネットも1年引っ張ります」と笑顔で答えます。
「上野山さん大きいイズスミ釣られたそうですね」と聞いてきましたので、「開始してしばらくで釣れたので、1回の表で燃え尽きた感じですわ」といいましたら爆笑していました。
今日は笑顔だらけの楽しい釣りになりました。
駐車場の隣の喫茶店に入り、皆さんでお茶を飲みました。
ガッツさんが乗ってすぐオキアミ6kgを波にさらわれてしまい、ダツだらけで釣りにならなくなり「これからガッツならぬダッツと呼びましょう」という話は大いに笑いをとっていました。
本人は首まで赤くなっていました。
私のウキゴムが上にずれてしまい3人で取り込みした話しも笑われました。
R君は「ソバ坪側だったらよその磯の人に見られるので、格好が悪くて手伝う代わりに糸を切りますよ。」とひやかします。
どこまでも和やかな親睦釣行会でした。
懇親会はフイッシングショップオザキさんの隣の民宿で行いました。
最初から最後まで釣りの話で盛り上がりました。
皆さん疲れておりましたので早めにお開きにしました。
「腕がだるいので明日はハリス1.5号でやります。大きいのが来たら切りますわ」と私が言いますとハタちゃんが「上野山さんのポケットにはそんなハリス入っていないでしょ」とにこにこして言います。
私のことを見抜いているようです。
ええ青年やのー。
部屋に戻ってテレビで日本シリーズを見ましたが、私は8時前には寝てしまったようです。
翌日は起きると強い南風が吹いています。
谷口渡船の駐車場に向かいますと昨日よりも車の数は少ないようです。
今日は私、下山さん、Bさん、はまたろうさん、近藤さんの5人です。
21日だけの参加の方もいたようですが、結局分かりませんでした。
我々は最後の方に付けます大片バエに5人で乗りました。
南風が強くて苦戦しそうです。
正面のポイントを交代で釣ることにしました。
私は道糸2.5号、ハリス2.5号2ヒロ、小磯針6号に、3Bのウキでウキ下を3ヒロ取ったサルカンを使った遊動仕掛けにしました。
ハリスにBのオモリを3個打ちます。
仕掛けがなじみますと、シブシブで水面下をウキが流れます。
正面右側の根のアタリでウキがはいりましたが針はずれです。
私はもう一度、右側の磯際でアタリがありましたがこれも針がはずれました。
この後下山さんに右の根の際でアタリがありましたが、やりとりをしているうちに正面の根に潜られたようです。
グレとすればかなりの大物に思えました。
しばらく待っても魚が動かないので下山さんは道糸から仕掛けを切りました。
これを最後に風も強まりエサも取られなくなりました。
皆さん休憩したり磯の上で寝たりしていますが、時折大きなウネリでしぶきが飛んできて目を覚まします。
かなり海が荒れてきました。
昨日は良く釣れましたが今日は9時過ぎに潮が変わったようです。
朝バラさ無ければと思っても後の祭りです。
隣の沖ノハで1枚グレらしき魚を取り込んでいるようでしたが、今日はどこの磯もあまり上がっていないようでした。
風も強まりましたので12時の迎えの船で磯から上がりました。
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強風の中がんばる下山さん フナコシとの間は大サラシ |
1日目に谷口渡船の待合所でお金を払うときに、72cmのイズスミの話をしましたら、持ってきたくれたら魚拓を取ったのにと残念そうでした。
谷口さんの魚拓の記録は67cmだったようです。
「私はまた来て釣りますよ」と言っておきました。
また来てぜひとも大物とのスリリングなやりとりを味わいたいものです。
今回は下山さんをはじめグレネットの楽しい皆さんと釣りが出来て充実した2日間でした。
敦賀に帰ってなじみのサンスイ釣具店でイズスミの話をしましたら「そりゃ10年前に86cmのマダイを釣って以来の快挙やな。
今年の運は使い果たしたんとちがうか。
もらっても食べんけど魚拓は取りたかったな」と若旦那に言われました。
今回の親睦釣行会では、釣りは単に魚を釣るだけでなく、人とのつき合いなど本当に楽しい遊びであるということを感じると共に、R君のように仕掛けを研究して釣果を得ることも必要だと感じました。
グレ釣りは本当に奥の深い釣りだと思いました。
また、みなさんとお会いできる日を心待ちにして
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