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 上野山さんからのリポート
 「のんびりムードが気に入った」

  西小川 (福井県)
   2001/11/23


11月23日は勤労感謝の日です。
日頃あくせく働いておりますサラリーマン釣り師の私としましては、当然の権利と致しまして釣行する事にしました。  

このところ小春日和で穏やかな天気が続いております。
23日の予報も晴れ、波の高さも1.5mということですが、高気圧が張り出しておりますし、南のち北の風ですのでたいして波は出そうにありません。
23日の朝8時過ぎに西小川のすみや渡船に電話を掛け12時頃行くと予約を入れました。
地元に住んでおりますので、朝にその日の天候を見て釣り場を選択できるのが強みです。
午後の釣りですと中年釣り師には体は楽ですが、乗れる磯は限られています。

いつものSさんと10時頃にサンスイ釣具店に行きます。
二人分のエサはオキアミ3枚、アミエビ1角、D社5倍増グレ、V9チヌ遠投です。
エサを作り終えて10時10分前に小浜に向けて出発です。
たぶん1時間くらいで着くだろうと思っていたのですが連休で車が多く、渡船屋についたのは12時ちょうどでした。
我々のほかにはお客さんが1人で、のんびりしたムードです。

西小川は地理的には泊と田烏の間になります。
潮は先端の泊の方が流れると思いますが、グレの実績は高いところです。
私は今回が初めてですので、期待が膨らみます。
Sさんとも「情報によれば夕方いいのがでるらしいよ。オナガもいるそうですよ」というような会話を交わしておりました。
いつも釣る前は期待感もあって会話がはずみます。
帰りは「磯に乗る前の雰囲気は良かったのに見かけ倒しやなー」という反省会となるのですが・・・・

私たち2人と、もう一人のお客さん3人で出発します。
港をでてみますと、波は1.5mどころか50cmほどのベタ凪で、底が透けて見えそうです。
半島の先端に出たところで、もう一人の方は船から荷掛けを出しボラ岩周辺の低いチョボに乗りました。
半島の先端ですので潮が通りそうです。
我々は男カブト、女カブトという大きな岩の間を通って奥に行きます。
転々と磯がありますが、朝から来ている人がけっこう乗っています。
しばらく走った船は地磯のような大きな磯に着けてくれるようです。
それまで通過してきた磯に比べますと、あまり潮が通らない印象ですので、気分は早くも暗くなりますが、船頭さんには「フカセのグレ釣り」といってありますのでグレは出るところなのでしょう。

乗る前に「ここは何という磯ですか」と聞きましたら、「白滝です」ということです。
私達は初めての客なので、こんな地磯のような所に乗らなくてはいかんのかと、先ほどチョボに乗った、クラブのワッペンを着けていた常連風のお客さんがうらやましく思えます。
まったく修行の足りない私です。

我々の磯からは正面に小川の千島、その左に沖の石、右側に常神の御神島が見えます。
沖の石もここ西小川から渡すそうです。
出来れば、40cmオーバーのグレの実績もある沖の石に行きたかったというのが本音です。
さて、我々の磯ですが、ベタ凪でサラシはないので底が透けて見えそうです。
左の前にチョボがあります。
その間はうっすら底が見えます。
右側には長いハエ根が出ていますが、その両側はけっこう深そうです。
マキエを打ちますとコッパグレが出てきますがあまり活性は高くないようです。
ゆっくりマキエを拾っています。
時間は1時ですので5時の迎えまで4時間の釣りですが、釣れるのは夕方という情報ですので最初は気合いが入りません。
晴天のベタ凪ではどうも釣れる気がしません。

私の仕掛けです、ガマのレイダム1.5号に道糸2.5号、ハリス1.7号3ヒロ直結に小磯針6号、ウキは0号、ゴム管をつけてウキが下に落ちないようにした仕掛けです。荒れたときの地磯からみますとウキ、ハリスを落としたライトタックルです。
足下から深く手前に根はないようなのでハリス1.7号で十分という読みです。

釣りを始めますと着け餌がとられません。
3ヒロまで深くしてもエサが残ります。
Sさんもエサが取られないといっています。
潮はほとんど動いていませんがかすかに左に流れているようです。
付け餌が残るのはよほど条件が悪いのでしょうか、ボーズの予感がひしひしとします。

とりあえず仕掛けを変えます。
2Bのウキに換えサルカンを使った遊動仕掛けにします。
1. 7号のハリスをそのまま2ヒロ使い、誘導部分を2ヒロとして4ヒロにしてみます。
左のチョボに流れていたウキが止まりました。
ネガカリかなと竿を上げますと魚が着いています。
これは25cm位のガシラでした。
煮付け用にキープします。
4ヒロで底ですので30cmほどウキ下を浅くします。
「とりあえずオカズ確保ですわ」とSさんに声を掛けますと、Sさんは「おっグレがおった」と言って25cm位のグレを釣りました。
足下ではなく20mほど投げて釣ったということです。
これは放流です。

左のチョボに流れていた私のウキが入ります。
またガシラかなと合わせますと強い引きです。
思わずチヌ釣りのタイミングでブレーキを解除してしまいました。
ハリス1.7号という弱気もありましたし、夕方までアタリは出ないだろうという油断もありました。
掛かった魚は根に入ったようです。
竿で聞いたときに少し動いたような気がしましたが、しばらく待っても出てこないので私は糸を切りました。

まだ2時です。
こんな時間に強烈なアタリが来るとは思っても見ませんでした。
この磯はけっこういい場所なのかもしれません。
「おい、西小川に病みつきになりそうやろ」とSさんが声を掛けてきます。
「油断大敵ですわ」と返事しておきます。

普段チヌ釣りをしていますと大型が掛かったときはブレーキ解除で走らせてからでも充分に取り込めます。
チヌが根に入って出てこないということはあまりないでしょう。
その調子でやりとりいたしますとグレでは根に持ち込まれるようです。
この辺で相手にする30cm位のグレではそうバラス事はないのですが、タナも深くしていたので取り込めなかったのだと思います。
グレとすればかなりの大型が潜んでいるようです。

俄然気合いが入りますが、その後は潮が完全に止まります。
エサも取られません。
さっきのバラシが今日唯一のアタリだったかも知れません。

4時頃になり潮が今度は右の根の方に流れ出しました。
私の右側にSさんがいるのでSさんが潮下になります。
「オッきた」といって、Sさんが合わせます。
大したやりとりもなく手前まで来ましたので「小さい小さい」と言っていたSさんですが、足下で締め込まれてあわてて磯の前に出ます。
タモで掬ったのは31cmのまるまるとしたグレです。
タナを聞きますと3ヒロという事です。
私は4ヒロから3ヒロにウキ下を上げました。
魚をはずしたSさんがウキを投げるとまたアタリです。
今度も同サイズのグレです。
どうも右に張り出した根のキワでグレが食うようです。
私はSさんが魚をはずしていますので、Sさんのほうの根のキワに投げました。
仕掛けが落ち着くと同時にアタリです。

磯際で下につっこむのをこらえてあげたのは日本海側では良型の32.5cmのグレでした。
その後ふたりとも28cm位のグレを一匹ずつ追加したところでじあいが終わったのでしょうか、アタリが無くなりました。
時刻は4時30分頃です。
情報では日没寸前の5時頃がじあいの場合が多いということでしたが、今日は4時30頃の10分ほどしか食いがたたなかったようです。

その後も潮はゆっくりと右に流れましたが、ほとんど付けエサが残った状態が続いて5時の終了となりました。
今日の釣果は私が2匹、Sさんは3匹です。
ほかの方に聞きましても、7,8人乗った沖の石は釣れていないようでした。
半島回りでもコッパしか釣れなかったという方が多いようでした。
チヌ釣りをされていた方は「5ヒロまで落としたけど20cm位のグレしか食わなかった」と言っていました。
条件としては良くなかったようです。
一瞬のじあいを釣った我々は竿頭だったかも知れません。
沖磯よりも我々の乗った地磯のほうが良い結果だったようです。
出るとき一緒だったチョボに乗った方に聞いてみましたが、「アテ潮でコッパが少し釣れた程度でエサがとられなかった」といっていました。

釣りとは本当にわからないものです。
残りものに福と申しましょうか、地磯に着けた船頭さんを疑って申し訳ない気持ちでした。
今日の釣行でのんびりしたムードの西小川が気に入りました。
また、すぐ先の泊は半日で渡船料金4,000円ですがここは3,000円と何故か1,000円安いのです。
西小川に通って、いつか40cmオーバーのグレを仕留めてみたいものです。


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