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 上野山さんからのリポート
 「開幕は大物のバラシ、西小川に通いそう」

 西小川 (福井県)
 2002/04/06


4月6日、Sさんとチヌねらいで今シーズン初めて西小川に釣行しました。
天候は曇りで南東の風が徐々に強くなるということです。
朝のほうが風の吹き方が弱くて条件がよいのですが、何せ中年になっての早起きは辛いので、午後からの釣行としました。
12時にすみや渡船に到着しますと、相変わらずのんびりムード。
12時出船の客は我々2人のようです。
南風はけっこう吹いています。
我々2人を乗せた船は右手の岬の先端に行きます。
「ここは西小川の先端ですけど、ここを回ると田烏方面からの南風が強いのでこの先端あたりで竿を出してください」と船長がいいます。

われわれは岬の先端の地磯に近い磯に乗りました。
正面は4ヒロくらいです。
左側には転々とシモリがあるようです。
右側は岩が顔を出しています。
私は左向きに釣り座を構えました。
右沖のエボシあたりに数人釣り客が見える程度で、今日も釣り客は少ないようです。
われわれの釣り場はすぐ後ろが山なので風裏になります。
山から桜の花びらが飛んできて足もとの海面に落ちますのでなかなか風情があります。

早速マキエをかき混ぜます。
今回は春先ということで水温も低いだろうということでマキエも少なめにしました。
二人でオキアミ3枚とV9遠投1袋です。
仕掛けはレイダム1.5号に道糸3号、サルカンをはさんで、ハリス1.75号2ヒロ、4Bの円錐ウキの遊動仕掛けでウキ下3.5ヒロとしました。
針は小磯7号です。

マキエを足下に打ちますと早速スズメダイが出てきます。
見ているとけっこう活発にマキエを食べています。
動きもけっこう素早いようです。
足下にマキエを打って少し沖目に仕掛けを投入しますが、すぐにエサが取られてしまいます。
これではスズメダイを止めるために大量に足下にマキエを打たなくてはなりません。
上がりが6時頃ということですのでマキエが足りなくなるかも知れません。
こんなにエサ取りが元気だとは思っていませんでした。

ウキ下を色々調整して4ヒロくらいまで下げますが、釣れてくるのはベラばかりです。
私は1.75号のハリスが細くて頼りない感じがしましたので、途中からシーガーの2号にくくり直しました。

私はマキエを足下に打ちスズメダイを寄せ、仕掛けを左側に張り出した根の向こう側に投げて、少しだけマキエをウキにかぶせるという釣り方にしました。
これですとたまにエサも残ります。
少しサラシが出ますのでハリスにオモリを2個打ち仕掛けが立つようにしました。
これだけエサ取りが元気ですとチヌも来るのではないかなと思いながら仕掛けを打ち返しました。
潮は右に行ったり左に行ったりします。

3時頃になりました、左の根の近くでサラシに押されたウキが少し沈みます。
そのままゆっくり沈んでいきます。
またベラかなと思いながら軽く合わせます。
合わせたとたんに穂先が引き込まれるような強い引きです。
レイダムが胴から曲がりますが急な引きでリールが逆転しません。
リールを見るとフリーになっています、何と力が入ってレバーから指を離すのを忘れていました。
指を離しますとブルンブルンとリールが逆転して糸が出ていきます。
これはチヌなら50cmくらいかなと頭の片隅で計算して取り込みに掛かります。
チヌならば10mも走らせばあとはリールを巻くだけです。

魚が止まったのでリールを巻こうとしますが魚は最初より強い引きでまったく竿が立ちません。
また走り出しますのでブレーキをゆるめますが魚は全く止まりません。
リールは逆転しつづけます。

30mほど糸が出たでしょうか、なにか根に擦れている感じがします。
そのままフッと軽くなりました。
バラシです。
仕掛けを巻きますと30mほど沖からウキが上がってきます。
仕掛けを見ますとハリスが途中で切れていました。
走っている途中に引っかかったのでしょう。
ハリスに打ったオモリがサルカンのところまでずり上がっていました。
また、ウキ止めも3mくらい上がっていました。

日本海側で切られたのは2年前の毛島以来です。
掛かったのはいったい何でしょう。
チヌではないようです。
とすればマダイかコブダイでしょうか。
その後は、私もSさんもアタリはなく夕方の6時になりました。
港に戻って「どやった」と船長に声をかけられます。
「ボーズですが、何かわからん魚に30mほど走られて切られました」といいますと「ほーなにかな。この辺ではマダイかな。でもこんな早い時期にマダイが来るかな」と船長がいいます。

「あんた、そんなにいい目をしたんなら、それを釣り上げにまた来んとあかんで」と京都から来ていたお客さんに言われました。
5,6人いたお客さんの中で、一人だけ28cmから32cm程度のグレを5枚ほど持っている方が唯一釣果のあった方のようです。
タナを聞きますと3ヒロくらいで釣れたということです。

海の中は思ったより早く春が来ているようでした。
私の開幕はまたもや大物のバラシからのスタートです。
あのすごいアタリは何だったのでしょうか。
とても50cmの魚の引きではありませんでした。
力強い引きでしたが、そうスピードがなかったので根に引っかからなければ捕れたかも知れません。
このぶんでは大物を釣るまで西小川に通ってしまいそうです。


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