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上野山さんからのリポート
「5連敗」
敦賀近辺の渓流と堤防 (福井県)
2002/05/12
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このところ、左肘のあたりが痛くて整骨院に通っております。
先生の話では腕の使いすぎで野球肘のような症状に近いと言うことです。
竿を持つ方の手ですので磯釣りのせいかもしれません。
磯釣りは少し控えようと、5月11日は小雨のなか、お隣の美浜町に渓流釣りに行きました。
この釣りですと右手で竿を持ちますので左手に負担はありません。
誰もいない谷をいつものように飼い犬のチャミを連れての2時間弱の釣行でしたが、結果は20cmくらいのアマゴ1匹でした。
エサのミミズが残りましたので翌12日も近くの渓流に行くことにしました。
犬をつれての釣行ですので、他の釣り人に会わないように小さい川を選んで行きます。
今度は自宅から15分ほどで川に到着、早速林道を釣り上がります。
時刻は8時半頃です。
ここも入り口に車がないので、人は入っていないようです。
このところ竿を出す人がいないのかポイントごとに小さなイワナが針に飛びついてきます。
私は魚が針を飲まないようにイワナ9号のゴツイ針で釣りをしました。
この針でも10cm位のイワナが釣れてきます。
犬は常に私の先を走り回り、あたりの様子をうかがっています。
私が仕掛けを引っかけて立ち止まって仕掛けを作り直しているときなどは、早く先に行こうと飛びついてきます。
この犬は、2年前に知り合いの獣医さんに持ち込まれた子犬をもらったものです。
洋犬と柴犬の雑種のような顔をした茶色い小型犬です。
そのうちに20cmすぎのイワナが釣れましたのでこれはキープします。
アタリが多いのでミミズがなくなるかもしれないと思い、ミミズを半分にちぎって使います。
しばらくして川は二股に分かれました。
ここからはイワナのポイントが続きます。
ふと上流を見ると対岸を動物が動きました。
少し黒っぽく見えましたので、私は犬がどろんこになったのだと思いました。
いいポイントが続くのにアタリはありません。
水も少し濁っています。
そこからすこし上流に歩くと川上から川の中を黒い動物が歩いてきました。
私の犬と思ったのはカモシカでした。
一瞬イノシシかと思いましたがカモシカで一安心です。
こいつが川の中を歩いたから釣れなかったのだと納得しました。
カモシカは逃げずにじっとこっちを見ています。
今まで何度か山の中でカモシカに出会っていますが、いつも向こうは遠くからじっとこちらを見て動きません。
たいていは、こちらが目をそらしたときに逃げていきます。
今回のカモシカは、まだ大人にはなっていないようですがちゃんと角もはえています。
カモシカとの距離は5mほどです。
自分から人間に近づいてくるとはまだ子供なのかもしれません。
普段ならそのままやり過ごすのですが、今日は犬をつれています。
犬はいつの間にか私の横に来てうなっています。
犬が吠え出すと同時にカモシカは川下に向けて駆け出しました。
犬も後を追って走っていきます。
私はカモシカのほうが足も速くて、そのうち犬もあきらめて帰ってくるだろうと、ゆっくり後を追っていたのですが、犬の吠え声が大きく聞こえます。
バカナガをはいたままあわててドタドタと走って行きますと、大きな岩を背にしたカモシカを犬が吠え立てています。
カモシカのほうがが犬の4倍くらいの大きさがあるのに逆に追いつめられてしまったように見えます。
カモシカは頭を下げてしきりに角で威嚇しています。
私は竿を折ってはいけないと近くの木に竿を持たせかけてリードを持って犬に近づきました。
カモシカの角で引っかけられてはかなわないと、充分相手の様子をうかがいながら犬に近づきます。
犬は右に左にと走り回りながら吠えています。
そのうち目の前に来た犬の首輪を押さえてリードを付けます。
カモシカはすぐには逃げずにこっちを見て立っていましたが、しばらくして走っていきました。
犬は興奮状態で、後を追いたい一心で私を引きずっていきそうです。
よく見ると、角で突かれたのか、犬の後ろ足から血が出ています。
犬を押さえて見てみましたが、大した傷ではないようです。
私は片手でリードを握ったまま竿をしまいました。
犬が興奮しているので、渓流釣りは中止です。
犬は帰り道もしきりにカモシカのにおいをたどってリードを引っ張ります。
10時過ぎに自宅に帰り犬の傷の消毒をしました。
「アラ、早く帰ったわね」という妻と子供に起こったことを話しますと、「家で飼っている犬がカモシカに突かれるなんて珍しいわね」と妻は言います。
子供は、「カモシカのほうがかわいそうじゃないの」と言っていました。
まあ、私も犬もカモシカも無事で良かったということです。
昼食を食べて妻を中池見湿地に送ります。
今日はカヤネズミの巣の観察ということです。
家に帰りますと子供は友達と家で遊ぶと言います。
予定より早く渓流釣りが終わったので何かもの足りません。
私は友人が先週、敦賀新港近くでチヌ釣りをしていてバラしたという話を思い出しました。
「お手軽な釣り場なので、少し時間があるときに夕マズメねらいで行ってみればいいと思いますよ。
昨年は知り合いが50オーバーのチヌを釣っているので侮れませんよ」というA君の話でした。
夕方2時間くらいの釣りならばしんどくないだろうと釣りに行くことにします。
電話でA君に場所を確認しますと、行けばすぐに分かると言うことです。
いつものサンスイ釣具店に行き800円のオキアミ1枚と集魚材ハーフパックを買います。
夕方がいいと言うことですので、4時過ぎまで店で常連客と話をします。
店にいた若い釣り客は敦賀半島の途中にある鷲崎に行くといっていますが、朝に渓流釣りをした後では、とても崖を上り下りする体力はないので一人で堤防に行くことにします。
5時前に堤防に着いてみるとチヌ釣りの人が三人竿を出しています。
声をかけてみますと「エサ取りがすごいです、たまに小アジも釣れてきます」ということです。
私は磯釣りの道具そのままで釣りを開始しました。
足下から5,6m先までは藻があり釣りになりません。
ウキ下3ヒロで向かい風の中を10mほど投げます。
ウキが落ち着きますと少し右に流れます。
2投目にフグが釣れました。
その後は餌がとられつづけます。
左手で竿を持ちますと少し肘が痛みますので、ウキを投入後は竿を右手に持ち替えます。
6時過ぎになり隣の人が帰り支度を始めました。
話を聞いてみると、先日はここでバラしたそうですが、今日はチヌのアタリはないと言うことでした。
7時前になり風も収まり、いい感じになって来ましたがエサが残りません。
渡船だったらもう帰る頃だなと思いながら、ウキが見えなくなる7時過ぎまで打ち返しましたが、結局エサを取られつづけて納竿となりました。
道具をしまって、ラジオで巨人阪神の野球中継を聞きながら15分ほどで自宅に帰りました。
ホントにお手軽な釣り場です。
夕方チヌが来そうな感じもしましたが、これで釣ってしまってはおもしろくないですね。
というわけで、開幕の西小川のバラシ以後5連敗となってしまいました。
今日は、自宅から手近なところで渓流、海釣りと楽しむことができました。
針に掛かった魚はイワナとフグという珍しい組み合せとなりました。
これも田舎に住んでいるからできることでしょうね。
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