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Ryutoさんからのリポート
「パワフルな外道や正体不明のバラシ」
すさみ (和歌山県)
2002/11/02
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庭の金木犀が咲いて、「あぁボチボチだな」と思い始めてから1ケ月が過ぎてしまった。
予定した週末に限って低気圧が来たりして、チャンスを逃していたのである。
今週は何が何でも行ってやると思っていたら、また冬型で荒れ模様。
本来なら見送るが、もう磯に立たないとどうにもこうにも収まらんと2日、すさみへ車を走らせた。
港に着くと案の定、風が吹き、船も揺れている。
船頭も「こんな日はアンドやで」と湾内磯を勧めていた。
約15人を乗せて、船は沖へ。
最初にカツオに付けて、チャレンジャー達4人が降りて行った。
波は今にも越えそうである。
さて湾内でコッパでも釣るかと思っていたが、船は小石の鼻に向かう。
湾内よりいいやろうと順番に下りていき、最後に見知らぬ人と一番地方よりに下りた。
もちろん初めて下りるので、うろうろと見回ると、既に山越えのオジサンがサラシのポイントで竿をさしていた。
もう一人の人は船付きで準備していたので、少し地方よりの窪みみたいなところから竿を出すことにした。
船付きの人はタモアミを忘れたそうで、万が一の時には貸してと頼まれた。
はいはい、万が一なんてことにならずに、何度でも使っていただきたいものである。
まぁイズスミとサンノジぐらいはくるやろうと、タックル準備。
竿1・5号、ミチイト2号、ハリス1・5号、針5号。
ウキはB、ウキ下3ヒロで様子を伺うことにする。
向かいに見える黒島は水没しそうだ。
3人が高場で寄り添っている。
しかしこんだけ荒れてるのに私の釣座にはサラシと言うものがない。
完璧に澱みと化しているのである。
これでは辛いなぁ。
サシエも付きっ放しである。
いつのまにか、山越えが二人になり、しかも底物を隣で内始めた。
あっちゃー、今日はもうダメである。
一時間ほどした時、船付きで竿が曲がる。
グイグイと強烈に締めこまれて、なにもさせてもらえずにラインブレイク。
聞けば、竿2号、ハリス3号だそうだ。
まずグレではないだろう。
コロダイかイズスミか。
しばらくすると沖から小魚が逃げ惑ってきた。
「オッ青物や」と思った瞬間、ウキが掻き消え竿が引っ手繰られる。
アワセを入れてために掛かるが、グイーンと加速して走って行くので、オープンベールで走らせる。
この夏、ヒラマサ狙いばかりだったので、すっかりオープンベールが癖になってしまった。
走りのスピード・トルクからするとカツオだろう。
止めて頑張っても良いが、面倒なのでそのまま走らせる。
スピード落ちたところで、ポンピングで寄せる。
軽い手応え。
やはりカツオだろう。
ヤイトだったら良いのにな。
しばらくしてヘロヘロに疲れたソーダカツオが足元によってきた。
丸々として中々旨そうなので、血抜きしてクーラーへ。
船付きも人にもカツオが来て、一本釣りのように抜き上げていた。
さすが2号竿。
カツオの後は沈黙の海。
潮も流れていないようだ。
このまま何もしなくても始まらないので、なんぞ底におるモンでも拾ったろかいと3Bウキに変更して6ヒロ取る。
底物が仕掛けを私の前に打つので、悪いと思いながらも船付き寄りに仕掛けを入れる。
ふと見ると右沖の磯ではグレが釣れたようだ、時合いか。
ウキが馴染み、少し手前に流されたところでスポンとウキ入れ。
アワセもバッチリ決まる。
やはり時合いか。
結構な手応えで楽しませてくれたが、コンコンと竿を叩き始める。
グレに変われとの願いも虚しく、サンちゃん浮上。
気を抜いたら根ズレでさようなら。
ハリスを1・7号に張り直して再度仕掛けを入れる。
この直結の時に風が邪魔して、直結を失敗したように感じたが、絞めてみるとキレイに絞まったので気にしなかった。
3投目ぐらい。
手前のシモリ際でスポンとウキ入れ。
アワセを入れて竿を立てると結構な重量感。
魚の顔をこっちに向かせて強引に巻き、足元まで寄せて来るとグイと締め込まれた。
竿尻に手をあててために入ると、フッと軽くなった。
直結部分でさようなら。
なんてこったい、馬鹿。
何か分かるほどやり取りさせてもらえなかったが、グレではないような気がした。
この後沈黙。
弁当船が来たが、「そこで頑張って、風がふかへんだけまし」てなことを言って去ってしまった。
弁当を食べて再開したが、全く気が無い。
船付きの人はイカが見えたと餌木を投げ始めた。
一つのポイントで、ズボ、底物、フカセ、エギングである。
あぁ秋磯だなぁと妙に感じ入ってしまう。
この日はとにかく押し付け気味の潮のままで、変化は無い。
底を釣ってもあかんなとオーソドックスな仕掛けに戻して、僅かにあるサラシ周辺に狙いをつける。
潮も澄んでいて底まで見えるので、食いも悪いやろうとハリス1・2号に落とす。
これでも40までの口太なら取れると思っているのだが、、、。
少し潮が変わって沖に流れるようになったと思っていると、磯際で巨大イズスミが見えた。
ハリス上げるか?と思案中にウキが消える。
軽くアワセると底へ締め込む。
おっエエ型やと慎重に引きに耐える。
魚が沖に動き出したので、よっしゃもらったと思ったが、そのままドンドン加速して重量級の引きが伝わる。
なんじゃこりゃ?と思うが、癖でオープンベール。
バリバリと糸が出て行き。
ドンドンと沖へ。
青物のようなスピードは無い。
グレなら止まりそうだが、いつまでも走っている。
こりゃイズスミやなとスプールに手を掛けてために入るとあっさりと切れた。
右沖の磯では2枚目のグレが釣れていた。
あっちにはサラシがあるもんな〜とボヤキがでた。
12時、船付きの人は帰ると言うので、場所を変わらせてもらった。
船付きは右沖(グレの釣れた所)の磯との間にワンドがあって、そこに仕掛けが押し付けられるらしい。
それでも、今日2回ほどあった沖に出る潮の時には、期待が持てそうだ。
そうこうしているとチャンスが来た。
ウキが沖向きに流れ始めたのだ。
しかし迎えの船も見える。
もうちょっと待ってくれと思っているとウキが微かに押さえられた。
迷わずアワセる。
ズシン、良型の手応え。
こいつは取るでと気合い十分に応戦。
船頭も「おっ」とか言いながら見守ってくれる。
しかし、良く引く。
グレなら45センチは下らないけど、こいつもグレとちゃうと思う。
やがて足元でゴンゴンと竿をゆすり始める。
コロダイかなんかであってくれとの願いも虚しく、45センチ級の丸々としたサンちゃんのお出まし。
そら引くわな。
この後、納竿前にもう一度潮が沖に流れたけど、その時にはアタリはなかった。
開幕戦はボーズで終わったけど、パワフルな外道や正体不明のバラシ(多分イズスミ)もあって、結構ストレス発散にはなったとは思うが、やはり1匹でいいからグレが釣りたい。
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