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 上野山さんからのリポート
 「沖の島2日目、三の瀬2番」

  沖の島 (高知県)
   2003/01/12

 


沖の島二日目です。
さすがに夕方6時前に寝ると夜中に目が覚めます。
夜の2時頃に目が覚めました。
一瞬どこにいるのか考えてしまいます。
大声でしゃべって、いびきをかいたせいか喉がひりひりします。
トイレに行って戻ったあとでリュックサックからバンテリンを出して腰と肩に塗ります。
少しひんやりして気持ちがいいです。
腰はかなりだるくなっています。
布団の中で足を曲げてストレッチをします。

さすがにここまで来ると仕事のことは考えませんね。
沖の島にきて大自然の中で豪快な磯釣り釣りをすると、普段小さな事にこだわってストレスを感じる自分が別人のようです。
本当に人間は大自然の中では小さな存在でしかありませんね。
布団に入って今日の釣り場のことや仕掛けを考えてうつらうつらしておりますと「お客さん朝ご飯ですよ」という声です。
5時半から朝食ですので服を着替えます。

「眠れましたか」と下山さんに聞かれましたので「倒れるように寝ましたが、さすがに夜中に目が覚めました」と答えておきます。
「上野山さんは良かったですが、私は、昨日はギューン、ブッチンもなく寂しい釣果です。ボーズ逃れの1匹しか釣れませんでした。今日は大物に来てほしいです」という下山さんです。
支度を済ませて食堂に行きますと徳島の二人組が先にご飯を食べています。
あいさつを済ませて食事をとります。
食欲がありませんが何とかご飯をかきこみます。

「6時15分には堤防にいてくれということですよ」と声をかけられます。
お茶を何杯も飲んでからゆっくり支度します。
昨日洗った手袋はもう乾いています。
北西の風が強く吹いています。
6人で6時過ぎに堤防に行きます。
星が出ていて冷え込み息が白くなります。
6時30分になり他の渡船は来ても我々の船はなかなか来ません。
やがて6時45分頃になりました。
これは誰か遅れた人を港で待っていたので、到着が遅れているのではないかと思えます。

高知の人が船に乗っている友人に電話をかけました。
船は磯に人を下ろしながら広瀬港に向かっているようです。
しばらくして船が入ってきました。
キャビンは人がいっぱいで入れませんので、後ろのデッキに後ろ向きに立ちます。

三の瀬に向かって、向かい風の中を船は進みます。
頭からどっとしぶきを浴びますので、滝に打たれる修行のようです。
波は2mということですが、日本海側ではこんな日はとても船は出ません。
ここではこんな風の強い日の釣りは普通のようです。
天気図の等圧線はかなり広がっていましたが、よく風が吹きますね。
本当に風の強いところです。

三の瀬につきますと一番はかぶっていますので、とりあえず二番の裏に6人で上がって、二人は様子をみて弁当船で一番に上がるか、2番の表に回ってくださいということです。
2番の裏には徳島の2人と4人で上がりました。
高知の2人組はしばらく横で竿を出したあとで表に行くことになりました。
2番の裏は4人でちょうどくらいの磯です。
ただ、ハリスやゴミが多く落ちているのが気になります。
魚をしめた血が水たまりにたまっています。
次の人のことを考えてなるべく掃除してから磯をあとにしてほしいものです。

沖に向かって右手に徳島の二人、左手に我々が入ります。
風が強いのとサラシがきついので昨日より大きい5Bのウキに3Bのガンダマを付けて始めます。
ハリスは相変わらず5号です。
足下からサラシが出ますのでサラシにウキを乗せますと、ゆっくり沖に出ていき潮目で止まってしまいます。
隣の下山さんのウキも同じように流れます。
沖でウキが止まるのは、潮が流れていないということでしょうか。
朝日でほとんどウキが見えないので、沖に行くと竿で聞くしかありません。
エサは取られますので魚の活性は高いようです。
「来そうな感じですね」と下山さんがいいますが2時間くらい誰も釣れません。

9時くらいになりました。
沖まで流した仕掛けを巻こうとしますと、下山さんと道糸が交差しそうになりましたので下山さんが竿を上げてくれました。
リールを巻いてウキが足下まで来たとき、「これはとれん!!」と叫びながら下山さんが磯の前に出ます。
見ると竿はかなり曲がっています。
私は仕掛けを急いであげます。
私の前を通って磯の前に出た下山さんの竿が上を向いています。

「かなりの引きでしたが切られました。根ずれです。足下に走られて前の根で切られました」という下山さんです。
竿を持って磯の上の方に仕掛けを直しに戻ります。
「一瞬ウキから目を離したときに来ました。道糸が走って、スプールを押さえていた指がはじかれて気がついたので手遅れでした。竿を上げたのが誘いになったのかもしれません」という下山さんです。
「ギューンブッチンが味わえたので良かったのではない」と声をかけますが、本当はみんなとりたいんですよね。
でも何故か、ほんの一瞬ウキから目を離した瞬間によく来るんですよね。
尾長釣りは本当に集中力がいりますね。

その後下山さんにまたアタリです。
今度は磯の前に出て余裕のやりとりです。
上がってきたのは40cmくらいのクチブトです。
その後も下山さんが36cm位のクチブトを追加します。
私も潮に任せて30m程流したときに沖のシモリの際でウキが入りました。
これは36cmのクチブトでした。
その後もエサはかじられますがハリ掛かりはしません。
ハリス5号は太すぎるのでしょうか。
その後は徳島の方が1匹釣り、下山さんが40cmまでのグレを2匹釣って終了しました。
2番の表に行った高知の釣り人は中型を4匹釣ったということです。

私はこの日も最後まで5号で通しましたが、アタリは36cmのクチブトが釣れた時の1回だけでした。
「和歌山なら満足する釣果ですが、ここではものたりませんね」という下山さんです。
「ギューンブッチンもあったし、ウキも何度も入ったし、竿頭ですので良かったのではないですか」と声をかけますが、少し不満そうな下山さんです。
やはり尾長が釣れないと満足できないのでしょうか。

港に戻り、徳島の人にあいさつして岸壁におりますが、泊まりは我々二人のようです。
徳島の方と2日間釣りましたが、二人とも我々のウキを常に確認して、自分の仕掛けを投げてくれて本当に気持ちのいい釣りができました。
二人は弁当ガラなど磯で出たゴミは片島に持って帰っていました。
我々も見習って出したゴミは自宅まで持ち帰りました。
三の瀬でも落ちていたハリスやゴミを拾いました。
ベテラン釣り人にマナーなどあらためて勉強させていただきました。
若手の見本となる釣り人になりたいものだなと思いました。
まだまだ釣果にこだわる自分が恥ずかしくなります。
夕食ではビールを1本だけ飲みましたが、私はまた6時前に寝てしまいました。

   三の瀬2番裏で竿を出す下山さん          三の瀬 2番は左側です


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