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 上野山さんからのリポート
 「GWの沖の島釣行、次回こそはいつまで
  続くのかな」

  沖の島 (高知県)
   2004/05/02〜04

 


今年の1月の「ぐれねっと」管理人の下山さんとの鵜来島への釣行ではグレは釣れませんでしたが、ハリを伸ばされるような大物と遭遇して、ますます四国への思いは強まりました。
下山さんと連絡をとりますと、5月の連休は都合よく2日から2泊3日で沖の島に釣行できる事になりました。

地元の若狭湾でのチヌやグレもそれなりに楽しいのですが、竿をひん曲げてハリを伸ばしていくような魚にはそうお目に掛かりません。
ふだん地元で1.5号のハリスでチヌ釣りをしている友人に「オナガグレの引きはすさまじいので50オ―バーを取ろうと思ったらハリス4号はいりますよ」と言っても「チヌなら50オーバーでも1.5号で取れますよ、なんで50cmの魚で4号がいるのですかね」と首をひねられます。
こればかりは一度掛かってみないとわかりませんね。

今回は大物に備えて、いつものサンスイ釣具店に行きハリス6号とガマのグレメジナ11号を買い求めました。
若旦那がクーラーを貸してやろうというので、大型の56リットルのクーラーも借りました。
大物にそなえての準備は万全です。
あとは天気が心配ですが2、3日は曇り4日は曇り後雨ですので何とか天気は持ちそうです。

5月1日の夜は7時過ぎに尼崎を出発します。
連休でいつもより車は多いですが3時前には宿毛港につきました。
今回は沢近渡船さんにお世話になります。
初日は「三ノ瀬」、2日目「白岩」、3日目「姫島」という回りです。

初日、渡船で島に向かったお客さんは6人ほどでしたが泊まりの方が14、5人おられましたので総勢20人ほどです。
底物の方も何人かおられるようです。
天候は曇りで波は無く風は吹いていません。
三ノ瀬では2番の裏からつけていきます。我々は4番に下りることになりました。

この日の道具立てです。
竿はガマのグレスペシャル2号
リールはシマノの8000番
道糸5号、ハリスはシーガーエース6号を直結しグレックスの0ウキをヨウジで固定します。
ウキ下は2ヒロ半ほど取ります。

この日は用意しました6号ハリス、グレメジナ11号で臨みましたが、潮が動かず私にオジサンが1匹だけという結果となりました。
2番の裏では50cm近いグレを頭に4枚上げたということです。
「スクモ」でも40cmの尾長が釣れたということです。

港に帰って道具を片付けていると、隣の渡船から下りて道具を片付けている見たことがあるような釣り人がいます。
向こうも気づいてこちらを見ています。
しばらくしてようやく分かりました。
いつも夏に九頭竜川のオトリ屋で顔を合わせる関西に住むK君です。
彼とは「九頭竜川釣友会」という勝山のオトリ屋さんでバーベキューだけをするという、気楽な会の知りあいです。
大会も何もしない会ですが会員は数よりも型狙い「尺アユ狙い」の釣り人ばかりの会です。
私などはまだヒヨッコですので27cm前後の大物のアユを計っていても「26cm以下は放流せんとアカンよ」とからかわれます。

K君とお互いに「なんでここで会うんや」と言いあいます。
彼はルアーでヒラマサ、ヒラスズキ狙いで来ているそうです。
いつも九頭竜川に連れてきている奥さんも子どもを連れて巡航船できているそうです、「これは珍しい」と彼は言って旅館に戻って奥さんまで連れてきます。
「釣りをしていると日本中どこでも会いますね」と奥さんに言われます。
この奥さんはルアーでヒラスズキを釣ったり、四万十川でアカメを釣ったりしているスゴイ実力の持ち主です。
連休は島で子共とのんびり過ごすそうです。

K君は「ニ並島」周辺に乗ったそうですがサメが出て釣りにならなかったそうです。
夕食時に「裸島」に乗った方に聞いて見ますと、ものすごいボラの大群をサメが追いかけまわして釣りにならなかったそうです。
「連休は魚もお休みですかね、この時期は水温が安定しませんね。半夜で岬のハナで上物もやりましたが、水温が下がったのか餌も取られません」と言っています。
「昨日は釣りをしている間に2度下がった。明日は10時には上がりますわ」と他の底物の方が言います。
どうも状況はよくないようです。
我々は疲れもあって夕食を食べるとすぐに寝てしまいました。

翌日は4時に起きて朝食を食べます。
5時過ぎには船が来るというので、5時前には下に下りて仕度をします。
我々は最初に着けた「白岩のハナレ」に乗りました。
底物の方は「白岩の地」と「ヒナダン」に分かれるようです。
南風が強くウキは右に流れますが潮は逆に白岩の地に流れるように思えました。

この日もハリス6号でやりますがハリは10号に落としました。
沖向きにウキを投入しますと風に押されて右に行きますが仕掛が落ちつきますとゆっくり左に流れます。
沖向きには足元に竿1本くらい根が出ているので大物が掛かれば対応が難しいようです。
1投目に根の際でウキが沈みますがそう引きません。
強引に寄せたのは32cmのクチブトでしたが、初のグレですので大事を取って下山さんにすくってもらいました。
この後しばらくして、また根の際で37cmのクチブトが掛かりましたがタモを出してもらうのは悪いので、今度は引きぬきます。

その後は風が強まりましたのでウキが素直に入りません。
風を避けて右向きでやりましたが餌はタマに取られますがグレは釣れませんでした。
下山さんはオジサンが1匹釣れただけでした。
終了1時間ほど前になり潮が左に流れたので、向かい風のなかサラシが広がる左向きにやりますがついに大物のアタリは出ませんでした。

港に帰って他の人に聞きますと「白岩の地」と「岬のハナ」では40cm近い良型のイサキが2、3匹釣れていました。

  向かい風に向かって振りこむ         白岩の地            白岩のハナレでの釣果

夕食後、澤近さんに明日の天気を聞きますと相当荒れるようです。
「姫まで行ってみてからですね」と言っています。
他の釣り人も「明日は釣りにならんかもしれん。天気の良し悪しも運ですかね」と言っています。
下山さんは「ここでは荒れて出ないということはないですよ。どこか風裏でできるのではないですかね」と気楽に言っています。

翌日は4時前に目が覚めましたが、ものすごい風で家がきしみそうです。
予報では南風18mということですがもっとすごそうです。
仕度を済ませて船に乗りこみますとこんな荒天の中6、7人の釣り人がやってきています。
船は荒天のなか姫島に向かいます。
ウネリが出ていますのでときおり船がジャンプします。
我々は風裏になる「マサバエ」に下りましたが、他に付けるところがないのか下りて5分もしないうちに撤収となりました。
今日は磯に立ったのは我々だけのようです。

その後「白岩」周辺に船は行きますが強風と大きなウネリでとても乗れそうにはありません。
船は向きを変えて港に戻ります。
「今日は南のち、南西の風の予報で9時ごろに寒冷前線が通過ということですので着ける磯がありません。たとえ磯に下りられても、釣りにはならないでしょう」と船長に言われて今日は中止となりました。
みなさんも、「この風ではしょうがないな。中止が正解やな。今日は連休で人が多いので風裏はもういっぱいで乗るところがないのやろな」と言っています。
私も強風の中「マサバエ」に下ろされたときはとても釣れる気はしなかったので、撤収となって正直ホッとしました。
この日は和歌山でも風速29mを記録したということで、船長の中止の判断は確かでした。
この後風が強まり巡航船が欠航ということになりましたので、島に帰省中の人々も一緒に渡船に乗ります。

荒天のなか渡船は順調に走って宿毛には朝の8時前に戻りました。
今回は翌日が休みですので須崎の近くの温泉に入りゆっくり帰りました。
帰りは霧のために高知道が一部不通となったり、連休の渋滞に巻き込まれたりで宿毛から尼崎まで12時間ほどかかってしまいました。
下山さんとは夜の8時ごろ「次回こそは大物を」と約束して分かれました。
運転しながら、ふと、『次回こそ』はいつまで続くのかな、と思って苦笑しながら家路につきました。


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