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 上野山さんからのリポート
 「魚を配るのが大変でした」

  小川 (福井県)
   2004/11/20

 


今年の若狭方面はグレが良く釣れているようです。
私も渡船で出てみたいのですが1日釣りに行けるときは天気が悪く渡船が出られず、凪の日は仕事があったりしてなかなか渡船で出られません。
この時期は日本海を低気圧が次々と通過しますので、なかなか1日天気が安定する日はありませんが、低気圧が抜けて次の低気圧が近づくまでの短い間、強い西風がおさまり、風が北から南に変わるような日が釣り日和となります。
こんな日と土日が重なることはめったにないので、なかなか週末釣り師は渡船で出らません。

私はたまに天気を見て出勤前に1時間ほど竿を出しますが、なかなか落ち着いて釣りはできません。
11月20日の土曜日は久しぶりに渡船で出られそうな天気予報です。
前日の天気予報では冬型ですが、波は1mのち50cmということです。
翌日の日曜日は雨で雷が鳴るという予報ですので、出るなら土曜日しかありません。

このところ、演奏会に向けて楽器の練習を毎日していますのでちょっと疲れ気味です。
疲れないように、午前中は軽く練習して、午後からのんびり近場に行こうと思って、前日に田烏の渡船屋さんに電話しますと、「午後ですか、もう船に乗れるかどうか分からないですね」ということです。
ここはかなり混んでいるようです。
このところ音海の釣果が目立ちますが、若狭湾のどこでもグレの釣果は出ていますのでどこの渡船屋も人が多いようです。

20日の朝、楽器の練習を終えて、行きなれた常神半島にあります小川の江村渡船に電話しますと「沖合にある千島は渡れんけど、港回りなら大丈夫です。予約もそう多くないよ」ということです。
早速予約を入れて11時頃に行くことにします。
名前をいうと船長は覚えてくれていました。
サンスイ釣具店でオキアミ2枚と遠投用の集魚材を買って10時頃出発します。
港に11時前に着きしばらく待ちますと、京都の中年の2人組が磯に渡る仕度でやってきます。
あいさつをしますと1人はアオリイカ狙いのようです。
11時に船が港に来ましたので乗り込みますが、釣り客は6人のようです。
ここは田烏と常神に挟まれて穴場になっているのでしょうか。
「千島」に渡れないときはお客さんが少ないようです。
相変わらずの、のんびりムードで11時過ぎに出船です。

渡船の桟橋から灯台方面を見る ここは近いけれども人気磯    江村丸

船長にあいさつして、「山伏に乗れますか」と聞きますと、「波しだいやな、寒気のせいでウネリが出るかもしれん」ということです。
船は灯台を回り、「ボラ岩」に1人、「夫婦グリ」に2人をおろし、「山伏」に向かいます。
天気予報では、波は1mということですので、凪かと思いましたが、灯台を越えるとかなりウネリがあります。
天気図では冬型ですので、時雨れて雨が降ったり晴れたりして天気は不安定です。
金曜日に出た予報、土曜日の夕方波高50cmは、土曜日になると1mになり、夜は前線の通過で雷が鳴るというふうに変わっています。
「山伏」に上がれると思い写真を撮ったりしていたのですが、かなり波があり、高いとこからしか竿を出せそうにありません。
「この前は、風がないのにウネリが出てけっこう危ない目にあったで。今日は3人で沖のサザエに乗りなさい」という船長の言葉で私は京都の2人組みと「沖のサザエ」にわたりました。

ここは過去に3回ほど乗っていますが、魚らしい魚を釣ったことがありません。
「沖のサザエ」は名前の通り真中が盛り上がった丸い大きな磯で4人ほど竿を出せます。
正面は足下から深く6ヒロほどです。
船長曰く「秋は夕方にいいグレが下から上がってくるよ」ということですが今までコッパグレしか釣ったことはありません。

4年ほど前に、この磯でボーズを食らった日に、グレネットの管理人さんが手前の「山伏」で夕方30cm前後のグレが入れ食いになったという釣行記を書き、私は「隣の沖のサザエではボーズでした。帰りは同じ渡船に乗り合わせていました」というメールを送りました。
その時、管理人さんから「日本海側で釣行しましたらレポートしてくれませんか」という依頼を受けて、それ以来モクモクと釣行レポートを書いている次第です。

乗りたかった「山伏」先端がポイント「沖のサザエ」の
上部が向こうに見えている


さて、船は「山伏」を通り過ぎ、12時に3人で「沖のサザエ」に上がります。
「今日は千島に渡りかったな、先週は60cm前後のマダイが釣れているんですわ。バラシもあるということでかなりの大物も回ってきていると思うね。今日は千島に備えてハリス5号持ってきたけど、この磯ではグレ釣りしますわ」という京都の釣り人の話です。
アオリ釣りの人は地方向きに、私と京都の釣り人は並んで沖向きに釣ります。
沖に向いて左に私が入り、6mほど離れて右側に京都の人が立ちます。
南風ですので京都の釣り人の方は投げやすいようです。


足下はサラシが出ていい感じです。
私は夕方が時合いだろうとゆっくり用意をします。
買ってきた弁当を食べようと竿ケースから出し岩の上に置きます。
竿はいつものレイダム1.5号、道糸2.5号にBの円錐ウキを1ヒロほど遊動にして、Jクッションを着けてサルカンでハリスと結びます。
ハリスは2号を2ヒロ半、ハリはグレメジナの6号で始めます。
座ったままウキ下4ヒロ弱で投入しますと、潮はゆっくり右沖に流れているようです。
風と潮が同じですので釣りやすいようですが、私はここではほとんど釣っていないので釣れる気がしません。

「沖のサザエ」ということで過去3回のボーズの記憶がよみがえって来ました。
今日もここに乗ったということで釣れる気はまったくありません。
考えてみれば小川には、港の左側に「地のサザエ」という磯もあり、私はそこにもいままで3回ほど乗り何も釣っていません。
小川のサザエという名の付く磯では、あしかけ数年に渡って6連敗ほどしていることになります。
今回は何とか1匹釣って「サザエトラウマ」から逃れたいと思う私でした。

夕方までゆっくりやろうと、足下に少量マキエ打って4ヒロで遠投しますがエサが無くなります。
2投目にウキが入りますがこれは8cmほどのマダイの子でした。
足下にはスズメダイが続々集まってきます。
4回ほど投げて、「これはいつものようにエサ取りにやられそうだな、弁当でも食べてゆっくりやろう」と思い後ろを見ますと、京都の釣り人がタモを置いています。
見るとタモの中には30cm程のグレがはいっています。
「もうグレ釣れたんですか。タナはどれくらいですか」と聞きますと、「スルスルやけど2ヒロくらいかな」ということです。

私は急いでウキ止めを下げてウキを20cm程の遊動にしてウキ下を2ヒロ強にして、足下にマキエを打ち、沖にウキを投入して、仕掛けがなじんだ頃に沖にウキに直接固めた撒き餌をかぶせます。
潮が流れている為かスズメダイが余り沖に出ません。
沖に投げたウキはゆっくり右に流れます、Jクッションがちゃんと落ちているのが見えます。
マキエを打ってから2mほど流れて赤い円錐ウキがスット引き込まれます。
合わせますといきなり竿が引き込まれます。
これはいい型のグレの引きですが糸を出すほどではありません。
強引に足下まで寄せて、突っ込むのをいなしますと魚は右に走ります。
京都釣り人の前までタモを持って移動しますと、タモを入れてくれました。
タモに入ったのは30cmほどの良く太ったグレです。

すぐにグレをはずし同じように投げますとウキが入ります。
今度も28cm程のグレです。
まだ12時過ぎというのにグレの入れ食いになりました。
魚の大小はありますが1投1匹でグレが釣れてきます。
10匹ほど釣ったところでのどが渇いたのでお茶を一口飲みます。
このペースで撒き餌をすると夕方には撒き餌が足りないかもしれませんが、釣れるうちに釣っておこうと、ハイペースで投入を繰り返します。
そのうちにグレのサイズが小さくなり22,3cmのものが混じったり餌がとられなかったりしましたので、ウキ下をまめに変えます。
3時頃には25cm以上のグレは10枚以上釣り、22cmから25cm位のグレは20匹ほど放流しました。

さすがにハリスもよれよれになってきましたので、ハリスを張り替えます。
お茶を一口のみ、コッパグレが針を飲みにくいようにハリをグレメジナ8号に上げます。
3時過ぎから再開しますが今度は風が北に変わり潮と逆になります。
ウキを投入後は竿先を下げて、なるべく道糸に風が当たらないようにします。
このから20cm程のシマダイもかかるようになります。
シマダイやらマダイの子、コッパグレも混じりながら28cm前後のグレも釣れてきます。

4時頃には魚からハリをはずす右手の指が痛くなってきます。
手の皮も赤くなってきました。
4時30分頃になり、日が落ちました。
沖目に投入したウキが沈み、いい引きで30cm程のグレが釣れます。
これはタモをいれます。
京都の釣り人も30cmほどのグレをかけているようです。
連続で30cm程のグレを2匹釣りますと、後はシマダイやマダイの子が釣れてきます。
グレの時合いは終了したのでしょうか。
5時前になりフグが釣れたところで終了としました。
いそがしい釣りでしたので、出した弁当は食べる間がありませんでした。
迎えの渡船を待つ間にお茶を飲んで、アンパンを食べましたが、一仕事した後の疲れた体に甘いアンコの味は格別でした。

帰りに船長から「どうやった」といわれて「30cm以上を4枚程かな。15,6枚ほど持って帰りますわ」といいますと。「今からは夕方が狙い目や。日が落ちてからはどこの磯でも30cm程のグレは釣れているで、また来てくださいよ」ということです。

5時間弱の釣りでしたが持ち帰ったグレは30,5cmを頭に25cm以上が16匹、針を飲んだ23,4cmのグレが2匹ほど。
シマダイ4匹でした。
放流した22cmから25cmのグレは30匹近くです。
今日は12時過ぎから4時30分くらいまでグレが釣れ続けました。
ようやく私も今年の「若狭方面グレ爆釣」を体験した思いです。
これで型がもう少し良ければというのはぜいたくでしょうか。
今日の爆釣で、私もどうにか「小川のサザエトラウマ」からようやく抜け出せそうです。
次も「沖のサザエ」に上がろうかと思う私でした。

       本日の釣果 魚を配るのが大変でした


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