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 上野山さんからのリポート
 「日本海の代表的エサ取り勢揃い」

  音海 (福井県)
   2004/12/01

 


12月1日は平日にもかかわらず、前から行きたかった音海に釣行しました。
天気予報でも、この日は等圧線が広がり波も1mの予報です。
前日にウミックさんに電話を入れますと、朝6時30分出船で、終了は4時30分ということです。
平日ですのでお客さんはそう多くないと言うことでした。

朝6時にウミックの駐車場に到着しますと、車が5,6台止まっています。
6時20分頃事務所に行き、名簿に記入します。
仕度を済ませて事務所の前の渡船乗り場に行きますと、磯は3人のようです。
今日は寒いのでカイロも持っていきます。

前日にサンスイ釣具店でオキアミ3枚に、ダイワの5倍増グレを2袋買い、今日は夕方まで1日釣る予定です。
渡船は押し回しの鼻を回ります。
波は予報通り1m程ですが、たまにウネリが来るようです。
「どこ上がります」と船長が聞いてきますので、私はかねてから乗りたかった「栃ヶ島」を希望しました。
「このあたりが確実ですかね」と船長は言って、磯の左側に着けてくれました。
私は一人でここに上がります。
「栃ヶ島」は大きい磯で足もとから大きくサラシが出て、いかにもグレが釣れそうです。
磯の中央は平たくて時折しぶきが上がり、タイドプールになっています。

 「栃ヶ島」から沖を見る
 半島の先の小さな磯が「タタミ」沖に「毛島」が見える

私は船着きに荷物を置いて、撒き餌の仕度を始めました。
撒き餌に海水を入れてかき混ぜていると、磯渡しを終えた渡船が戻ってきます。
私のほうに近寄ってくると、マイクで「上野山さん、言うの忘れていました。ポイントは磯の右側です。奥まで歩いていってください」といいます。

せっかく撒き餌の仕度までしたのですが、船長の言うことを聞いて移動することにします。
撒き餌には海水を入れたのでかなり重くなっています。
私は、出した竿をまた竿袋にしまい、磯の右側まで20mほど岩を上り下りして移動しました。

この間磯を左から右に3往復しましたので汗だくになります。
磯の右側は、高いところから釣りますが、座るところもあり、前に出ればタモも届きそうです。
少し前下がりですので、足に力が入ります。
撒き餌の仕度を済ませ、竿を出しましたら時刻は7時20分頃になっていました。
竿はいつものレイダムに、3Bの円錐ウキを1ヒロ遊動にして、ウキ下は3ヒロで様子を見ます。
ハリは入れ食いになったときに魚をはずすのが楽なように、ガマのヴィトム7号としました。

撒き餌を足下に撒きますと早速スズメダイが出てきます。
足もとに、マキエを打ちウキを竿2本ほど沖に投げて、しばらくしてウキに撒き餌を軽くかぶせますがウキにアタリが出ずにエサが無くなります。
ウキは中央から出ているサラシに乗ってゆっくり沖に出て右に流れていきます。
右側がポイントかと、仕掛けを右に向かって投入しますが、やはりエサが取られるばかりです。
足もとにマキエを打ちますと、すごい数のスズメダイが茶色の固まりとなって群がります。
音海でも、ここ「栃ヶ島」、「小山」はグレの情報が良く出ていますので、かなりの人が上がってエサ取りも居着いているのでしょう。

私は、足もとに3杯ほどマキエを打ち、かなりウキを遠投して沖にもマキエを打ちます。
ようやく、ウキが沈み、魚がかかりました。
手応えからするとグレのようです。
磯の前に出てやりとりをします。
グレは中央に張り出した根の下に入っていこうとします。
強引に竿で引っ張って足下でグレを浮かせ、タモを入れます。
磯の前でタモを入れるときに、撒き餌バケツの前を通りました、その時カラカラという音がします。
タモの横に、シャクが落ちてきましたが、魚を掬わないと身動きがとれないのでまず魚を掬います。
掬ったグレは、ぽってりとした28cm程のグレでした。
グレを掬うとシャクはもうタモの届かないところに流れてしまいました。

その後、同じように遠投しますがエサが残りません。
タナを2ヒロほどに上げて遠投しますと、ウキが少し入って止まっています。
合わせると魚がかかっていますが手応えがありません。
釣れたのは20cmほどのウマズラです。
これが沖でエサを取っていたのでした。

それでは、足もとを狙おうと、足もとにスズメダイを集めて磯の左側から出ているサラシの切れ目にウキを投入します。
ウキが入りますが釣れてくるのは20cmほどのコッパグレにアイゴ、フグです。
足もとには、スズメダイ、アイゴにフグ、サラシの中はコッパグレ、沖にはウマズラと日本海の代表的エサ取り勢揃いといったところです。

どこに投げてもましなグレは釣れません「ウーンこれはどうしたものか」と私はうなってしまいました。
仕掛けも固定ウキにしてみますがアタリは出るもののコッパグレしか釣れません。
エサ取りの包囲網をうち破るのはかなり大変そうですが、とりあえず1匹釣りましたし、釣果情報でもここは釣れているようですので磯は変わらないことにします。
何か方法があると私は思いました。
また、「ぐれねっと」の掲示板で、ゆたきちさんが「栃ヶ島」で4時過ぎから30オーバーが入れ食いになったとレポートしていたことも思い出しました。

時刻は11時頃になり休憩しようと、磯の上に上がり、あんパンを出してカンコーヒーを飲みます。
磯を登り終わったときに気がつきましたが、足がふるえます。
前下がりの磯で踏ん張っていたので足が相当疲れてきているようです。
コーヒーを飲みながら、後で渡ってきた「小山」や「中の場」の釣り人を見ますがタモを出している様子はありません。
どうも今日は条件が悪いのか、この周辺では釣れていないようです。
夕方までやるとなると前下がりの磯では足がしんどいし、大きいグレがかかると足もとに根が出ていてとれないように思いましたので、私は場所を左に移動することにしました。

再び荷物を持って磯を往復します。
タイドプールの左側は低くて時折しぶきがかかりますが、磯は比較的平らで釣りやすそうです。
ここではサラシが左前に伸びています。
私は、集魚材とオキアミを混ぜて午後の分の撒き餌を作り、仕掛けを作り直し12時過ぎから釣りを再開しました。
残り時間は4時間ほどです。

撒き餌を磯の右側に落としエサ取りを集めてから、足もとのサラシにエサをそっと入れますがエサが取られます。
ウキ下が深いのかと思い、ハリスを一ヒロに詰めて、ハリの上50cmの所に2Bのオモリを打ってサラシに投入します。
この仕掛けでようやくウキが入りますが苦労して釣れたのが20cmのコッパです。

仕掛けを色々変えているうちに時刻は3時頃になりました。
今度は左に出るサラシの沖を狙います。
ウキ下は1.5ヒロでハリはグレメジナ7号に換えます。
サラシにマキエを打ち沖にウキを遠投しますとエサが残ります。
3回に1回くらいは沖で20cmほどのコッパグレが釣れます。
時刻は4時になります。
迎えは4時30分ですのでそう時間はありません。

サラシにマキエを打ち、沖に投入したウキが少し流れて沈みます。
またコッパかと合わせますと、いきなり竿がのされます。
少し糸を出して竿を立ててやりとりします。
足もとに寄った魚は、足もとに出ている根に沿って動き回りますが竿を沖に突きだし気味にして、ハリスが根に当たるのをさけます。
浮かすとけっこうな型のグレです。
何とかタモで掬ってメジャーで測ると、33cmで今シーズン一番の大きさです。

魚をしめて立ち上がって竿を取ろうと振り向いたときによろけて岩で滑ってしまいました。
何とか手は突いたのですが岩で頭をこすりました。
幸い帽子をかぶっていたので擦り傷ですみましたが、手を当てると少し血が付いてきます。
午前中の前下がりの態勢での釣りでかなり足が疲れていたようです。
時刻は4時10分ほどでしたのでもうやめようかと思いましたが、額の擦り傷だけのようですので、釣りを続けることにします。

足もとに撒き餌を打ち遠投して沖にもマキエを打ちます。
足もとの撒き餌には相変わらずスズメダイが群がっています。
沖に投げたウキがなじんだ頃にスッと入ります。
合わせると今度もいいグレの引きです。
これは31cmのグレでした。
その後、渡船が磯の前を通るまで釣りを続け同寸のグレを2匹追加しました。
4時から20分ほどで30cmオーバーのグレを4匹釣りました。

渡船から降りて船長と話をしますと、3時頃帰った「タタミ」や「小山」や「中の場」のお客さんは良型のグレは釣れなかったようです。
朝一緒に渡った方に聞きますと、昼までエサ取りで何も釣れなかったので磯変わりしてから、33cmを頭にグレを5匹に70cm程のスズキを1匹釣ったと言っていました。
今戸の鼻に乗った釣り人は30cmぐらいのグレは釣ったけれども2時から4時までエサ取りもいなくなったと言っていました。
磯に大物が回ったのでしょうか。

     本日の釣果 右4枚を4時から釣りました

好調の音海ですが、各磯ともかなり撒き餌が入っているので、すさまじいエサ取りをかわしての釣りとなるようです。
今日は、ウキ下1.5ヒロで遠投というパターンで釣れましたが、食いだしたのは4時でした。
今日は9時間近くエサ取りにやられて、終了寸前の20分間に良型4匹を取り込んだ一日でした。

12月2日の、ウミックの釣果情報では、「栃ヶ島グレ30から33cm5匹」と出ていましたが、釣果情報だけでは、とても私の「奮闘」は分からないでしょうね。

家に帰ると鬼嫁が「あんた、こけたあともグレを釣るとは根性あるな。
アニマル浜口の気合いダーという感じやな」などと流行語大賞のニュースを見ながら言っておりました。 


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