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 上野山さんからのリポート 
 「チヌより深いタナでグレが釣れた」 
 
  音海 (福井県) 
   2004/12/11
  
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12月11日の土曜日、またも音海に釣行しました。 
前日の天気予報では曇りで北東の風ということでした。 
24時間予報では、高浜の朝は風がなく静穏ということです。 
昼から少し風が出るということで降水はゼロです。 
波も1.5mということでしたのでサラシも出てグレ釣りにはちょうど良いだろうと思っていました。 
私は天気予報を見て、もう釣ったような気になっていました。 
 
朝4時前にサンスイ釣具にエサを取りに行きます。 
今回も1日やるつもりで前回同様5倍増グレ2袋に、オキアミ3枚を注文しておきました。 
サンスイ釣具店につきますと、店はまだ開いてはいませんでしたが、店の前に容器に入ったオキアミと磯クールが置いてあり、「氷を持っていってください」とメモがあります。 
氷はバッカンに入れて冷凍庫で作ったものということです。 
つきあいが長いといろいろ優遇されますね。 
 
音海には6時前に到着しました。 
車の中でコーヒーを飲んでいると、なんと強い雨が落ちてきました。 
外に出ますと強い西風が吹いています。 
夜明けの空を黒い雲が流れていきますので上空も風が強いようです。 
6時ごろは静穏という予報はなんだったのでしょうか。 
 
今日は20台ほど車が止まっています。 
強い雨の中、そろそろ仕度を始めている人もいます。 
6時10分頃、帽子をかぶって雨の中事務所に行き受付を済ませます。 
船長にあったので「おはようございます。雨雲が通った時にウネリが出ないといいですが」と言いますと「天気予報では1.5mの波です。昼から風が出るようですが、高い磯には乗れるでしょう」と言います。 
雨の中仕度をして桟橋に行きますとカカリ釣やアオリ狙いのお客さんが多いようです。 
 
6時40分頃15人ほどの釣り人を乗せて船は出ました。 
出船のときは雨は小降りになってきました。 
音海の大堤防を回るとかなりウネリがあるようです。 
押し回しの鼻をまわると「栃ケ島」のあたりはかなり白波が立っています。 
船はゆっくり「今戸の鼻」に向かいますが波で大揺れに揺れます。 
強い西の風も吹いて白波が立っています。 
これでは表の磯は無理だろうと思いました。 
「今日はええとこには上がれんな」という声も聞こえてきます。 
船は「今戸の鼻」をまわり、今年3月に上がった「男グリ」を通りすぎ、さらに半島の付け根に向かって進みます。 
「男グリ」を過ぎると風が当たらなくなり、波もいくぶん穏やかになりました。 
 
港を過ぎた地磯の前で「今日は天気が悪いので,このあたりでやっていただきます。そう磯がないので、みなさん乗り合わせでお願いします。ここには4人降りてください」と船長が言います。 
しかしだれも名乗りをあげません、私も港の手前の道路から下りられそうな地磯でやるくらいなら、戻る船でバットマンさんが降りた「オチシ」やその少し沖合いの「灯台下」あたりに上げてもらいたいと思いました。 
 
しばらくして「誰も降りないのなら行きますわ」と2人組みが前に行きます。そしてもう一人いきます。少し間が空きお互いに船の中で顔を見合すような微妙な空気となりました。 
皆さん磯を見て「ウーン港の横の地磯か」と思っているのでしょう。 
しかたがないので「私も行きます」と言って私が前に行きました。 
 
磯に渡る時に荷物を渡してくれた背の高い釣り人が「いつも釣行記を読んでいますよ。今日もがんばってください」と声をかけてきました。 
私は荷物に名前を書いているのでそれを見て気がつかれたのでしょうか。 
この釣り人は2月に「酢壷」でカンダイを釣った時にもみかけたような気がしますが、どうなのでしょう。 
私のさえない釣行記を読んでいてくれる方と実際に出会うとはビックリしましたが、書く張り合いも出ますね。 
 
「ここのポイントですが船着きに1人と右に2人、左の高くなった定置網のロープが出ているところに1人に分かれてください。昨日もここでグレは出ています」と船長がマイクで言います。 
先に上がった二人組みが右に入り、私より少し年配と思われる方が「私は船着きでやりたいので、ロープのほうに行っていただけませんか」と言いますので、わたしは快くロープのほうに移動しました。 
荷物が重いので何回かに分けて20mほど往復します。 
着込んでいるので汗をかきます。 
船着きに最後の荷物を取りに行くと、「昨日はエイの鼻で35cmのグレを頭に15枚グレを釣りました。沖を狙ってウキ下5ヒロで遠投でした。この釣り方がいいと思いますよ」と船着きの釣り人が声をかけてきます。 
 
皆さんは磯上がりしたあと、どうするのでしょうか。 
撒き餌を作り、タモを出し、仕掛けを作ると,まず撒き餌を足元に打ちエサトリはいるかどうか、潮の流れはどうかと海を観察するのではないでしょうか。 
私は1投目はたいがい足元に仕掛けを落として、エサが取られるかどうか様子を見ながらウキ下を上げたり下げたりします。 
足元から竿2本くらい先まででウキ下2ヒロほどで釣れれば、手返しも早く楽な釣りではないでしょうか。 
前回は遠投で釣りましたがタナは1.5ヒロでした。 
いきなりウキ下5ヒロの遠投でグレが釣れるといわれても、なかなか1投目から実行できるものではありませんね。 
 
撒き餌を足元に打ち、海の中を観察しますがエサトリが出てきません。 
水温が下がっているのでしょうか。 
海の色も緑がかって水潮のように思えます。 
「これではチヌくらいしか見こめないやろ」と思い私は3Bの円錐ウキを遊導にしてウキ下を3ヒロ半とり足元に仕掛けを入れました。 
ハリスは2号、ハリはグレメジナの7号です。 
 
隣の釣り人はすでに数投しているようですが、いきなり沖に向かって30mほど遠投しているようです。撒き餌もかなり沖に打っています。 
目が会うと「沖狙いでウキ下5ヒロで遠投ですよ」と声をかけてきます。 
この方は「信念を持ったウキ下5ヒロの遠投」で足元を放棄して1投目から遠投しているようです。 
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 隣の船着きの釣り人私の釣り場          私の釣り場  足場は50cmほどの棚 
 左沖に見えているのは「男グリ」のある風島    潮の色が緑がかっていて悪い | 
 
 
隣の船着きの釣り人 左沖に見えているのは「男グリ」のある風島  私の釣り場 足場は50cmほどの棚 潮の色が緑がかっていて悪い 
 
足元に仕掛けを落としサラシにのせて、竿2本ほど沖に流しますと、ウキが沈み弱い引きで10cmほどのマダイの子が釣れました。 
隣もこれがかかっているようです。 
私はいつも通り足元を狙おうとウキを足元に落として仕掛けを引きつけました。 
ここは足元から切れ込んでいるようです。 
サラシの横に投入したウキを磯際に引きつけ仕掛けが馴染んだ頃に糸を緩めます。 
 
しばらくして仕掛けを上げますとエサがついています。 
また、同じように仕掛けを足元に落としますと今度はウキがゆっくり沈んでいきます。 
合わせますと竿が引きこまれます。 
糸を出すほどの引きではないようですので、こらえていますと懐かしいゴンゴンという頭を振る引きです。 
上がってきたのは40cmほどのチヌです。 
 
「チヌですわ」と声をかけ、タモを持って磯を移動していますと「掬いましょうか」といって船着きの釣り人がタモを出してくれました。 
タモの入れ方を見てもかなり釣りが上手な人に思えました。 
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釣れたチヌ  
今回は道糸をKUREHAの白色のものに変えました。よく見えます | 
 
 
仕掛けを点検して同じように足元に投入しますと,連続でウキが沈み今度は35cmほどのチヌがかかりました。 
今度は自分でタモを入れます。 
魚をしめて、隣を見ますと足元でチヌが釣れるのに相変わらず遠投しているようです。 
また、足元に仕掛けを入れますがエサトリが出たのかエサがなくなります。 
チヌはいなくなってしまったのでしょうか。 
 
しばらくしてフト隣を見ますと竿が曲っています。 
船着きの釣り人が強引に抜き上げたのは30cmほどのグレです。 
「遠投,5ヒロですよ」と向こうから声をかけてきます。 
こんなコンディションでもホンマにグレが釣れるもんやなと思っていると、隣は連続でグレを釣り上げました。 
 
私も遠投しようと思い、ウキ下を4ヒロ半ほどにして遠投しますが、風が強くなりなかなか仕掛けが素直に入りません。 
風で道糸がふくらみます。 
隣の人の仕掛けを見ますと、かなり大きい黄色の水中ウキをつけているようです。 
アタリウキは私のものより小さいようです。 
遠投用に考えた仕掛けのように思いました。 
重い仕掛けで張り気味に釣っているようです。 
 
数投しているうちにサラシに乗って50mほど沖に流れた私のウキが一気に入ります。 
あんな沖で何がかかったのかと半信半疑で合わせますと、道糸が出ているのでワンテンポ遅れて竿が引きこまれます。 
足元で突っ込む引きはグレのようです。 
タモで掬ったのは31cmのグレでした。 
 
ようやくグレが釣れましたが、風でウキが流されてなかなか仕掛けが落ちつきません。 
私は1号のウキに交換し、水中ウキをつけましたが今度はオキアミの頭が取られるもののウキが入りません。 
どうも、アタリウキが大きくて食い込みが悪いようです。 
隣はもう5,6枚グレを釣っているようです。 
私はウキをまた3Bに戻し、Jクッションをつけました。 
ウキが素直に40mほど流れた時にスッと沈み28cmの尾長が釣れました。 
その後は風が強まり竿を持っているのがやっとという状態になりました。 
 
どういうわけか、昼過ぎにはエサが取られなくなりました。 
隣も釣れなくなったようです。 
マダイでも回って来たかと竿2本まで落としましたがエサがとられません。 
急に水温が下がったのでしょうか。 
風も強くなりましたので、1時に帰る人と一緒に引き上げました。 
 
帰りは船が波でジャンプしてかなり揺れました。 
波は2m以上あったのではないでしょうか。 
ちょっと怖いような荒れようでした。 
天気予報は当たらずに未明から強い冬型の気圧配置になったのではないでしょうか。 
 
港に帰って料金を払いに事務所に行くと「天気予報はずれましたね。今日上られた1本松は昨日もグレが釣れているんです。手前のオチシ、タタミあたりはバリコが居付いてボーズが多いので最近はあのあたりにも上げているのですよ。あまり釣れなくて申し訳ないですね」と船長がいいます。 
「一本松」は港の横の地磯でしたが船長さんは釣ってもらおうと思って、わざわざ波が高い中、半島を回ってくれたのでした。 
磯を見て、私を含めて皆さん失望されたかもしれませんが、船長さんはすごく気を使ってくれていたのでした。グレも釣れましたので船長さんの判断は間違いではありませんでした。 
 
「今日はどんな仕掛けで釣りましたか」と船長さんに聞かれましたので、アジしか釣れなかったという2人連れに、ウキ下5ヒロで遠投の話をしましたら「そういう釣り方もあるのですか、いろいろウキを揃えないといけませんね」と話していました。 
 
今日グレが釣れたのは、船着きの釣り人に勧められて深ダナで遠投したためといえます。 
1人でやっていたらチヌ2枚で終わりだったかもしれません。 
チヌより深いタナでグレが釣れたということで「目から鱗が」という驚きでした。 
今日は相乗りになり上手な人の釣りが勉強できて思わぬ収穫でした。 
グレ釣りの引出しが一つ増えましたが、遠投用のウキやら水中ウキやらいろいろ道具が必要ですね。 
 
「今日はグレもチヌも釣れておもしろかったですよ。また来ます」と船長に言って私は音海をあとにしました。 
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|  本日の釣果 今年は10月から8回釣行してボーズ無しです | 
 
 
 
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