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 上野山さんからのリポート
 「ドタバタ騒いできました」

  須賀利 (三重県)
   2005/02/13

 


2月5日は、ぐれねっと管理人さんの下山さん、ネット仲間のゆたちきさん、その友人の方と4人で紀東の九鬼に釣行しましたが、海はベタ凪、ネンブツダイ、キタマクラなどエサトリが活発という悪条件で、秋のグレシーズンが始まってから続いていました連勝も11で止まってしまいました。
11連勝は「ぐれねっと」さんの釣行記で言いますと、10月の「骨折した指にテーピングして釣り」から1月の「紀東にリベンジ」までです。
暖かい10月に釣りに行ったのが遠い昔のことのように思えます。
11連勝の途中には平日の朝に釣行して残り時間20分から釣ったり、骨折した指からピン抜く手術をしたり、釣りの最中に転倒したりといろいろなことがあったなと思い返されます。

九鬼からの帰り道にはみなさん翌週の3連休は、それぞれ都合があるということを話していましたので、私は翌週の3連休、最後の日曜日に尾鷲に単独で行こうと思っていました。
10日の昼にゆたきちさんから電話がありました。
「どうも、今週末は日本海に釣行されますか」とゆたきちさん(Y君)が言います。
「天気がすぐれないようですので、単独で尾鷲にでも行こうかと思っているんですけど」と答えますと、「私もおつきあいしたいのですが・・・」とY君が言います。
Y君はこのところ、連続で釣行されているようですし、私の都合で連休の最終日の釣行ですので、それでもいいのですかと確認しますと「大丈夫です。軍資金も入りましたし」ということで行く気満々のようです。
早速、打ち合わせると、九鬼に一緒に釣行しました友人のK君も同行することとなりました。
ぐれねっと管理人の下山さんは、たしか3連休はゴルフもあり、軍資金もピンチということを聞いておりましたので今回は3人で行くことにしました。

このところ、釣研の「ツインセンサー」という、小さい弾丸のような形の上ウキと、上ウキの下部が収納できるように上部が凹状になった水中ウキとを組み合わせたウキが気に入りよく使っていますが、足元狙いの釣りをするために毎回根掛かりでロストしています。
上ウキは何とか回収できるのですが、下の水中ウキは当然沈んでいってしまいます。
九鬼では道糸のウキ止めの上から切れてしまい、上下ともロスト、その上ボーズということで釣運にも陰りが見えてきたような感じです。

前回の釣行で2.5号の道糸を4回使いましたので、いつものサンスイ釣具店に行き、今度は3号に換えました。
新しい「ツインセンサー」と、根掛かりして下ウキをロストしたときのために3Bの大きめの水中ウキを買って根掛かりの準備もしました。
道糸3号、ハリス2.5号ならハリスから切れてウキが助かるだろうという読みと、万が一道糸から切れても上ウキを回収すれば、予備の水中ウキでツインセンサーとして使うためです。

2月12日は家でゆっくりし、昼寝をしてから夕方に大津に向かいます。
8時過ぎにY君と大津で合流します。
K君との待ち合わせにまだ時間があるので、Y君がいつも行くという銭湯に行きます。
鬼嫁は「あんた、釣りの前に銭湯とか行ってリラックスすると、緊張感が抜けてボーズ食らうで。
まあ、ボーズでもまたポンカンを買ってきてくれたらいいけど」などど、わかったようなことを言って送り出してくれましたが、戦闘開始のまえに湯船で作戦を練るのも一興でしょう。
Y君に尾鷲の「寺島」にまた乗りたいと私が言いましたので、Y君は須賀利の「あら丸」を予約してくれました。

須賀利は渡船区でいえば島勝浦の先、尾鷲の手前になります。
ここからも渡船が2隻出ているということです。
「あら丸」は寺島やオナソ周辺にはよく船を着けるようです。
湯船の中で、Y君は「前回のった『寺島のワレ』周辺か、沖向きの『タヌキのシッポ』に下りるか悩みますわ。
電話で予約したときに聞いてみましたら、ワレの周辺よりもシッポ周辺の方が釣れているようです。
でも、前日釣れても翌日釣れるとは限りませんしね」と言い、ハムレットのように「ワレ」か「シッポ」か、と悩んでいるようです。

Y君、見かけはゴッツイですが心は繊細な方なのでしょうね。
私は「どちらでもいいですよ。この時期の釣りはくじ引きみたいに運次第ではないですか」と声をかけました。
Y君は予約を入れてから場所を考えて思い悩んでいるのかもしれません。
もしかすると金曜日に釣行を決めてから、頭の中ではウキが引き込まれるシーンがずっと流れているのかもしれませんね。

さて、9時過ぎにK君と再会して1号線を通り須賀利に向かいます。
「釣りエサ市場」でエサを受け取り、須賀利には2時前につき、車の中で3人寝ます。
出船は5時30分という事ですので5時頃に起きることにします。

5時過ぎに外に出ますときれいな星空が広がっています。
隣にはここの渡船をよく使うというY君がもと所属していたクラブの方たちがいます。
仕度をしながらY君が話をすると、この方達は「大石のはなれ」に行くようです。
「我々は寺島希望なのですけど」とY君が言うと「大石に着けてからでは寺島は2番船になるな」とクラブの方が言います。
少し暗雲が出てきたようです。

船に乗り込みますと今日のお客さんは14,5人です。
Y君が船長に寺島を希望しますが、船長はクラブの人と顔なじみなのだから6人まとめて「大石のはなれ」にあがれと言っています。
Y君はがっくりしたような顔をしています。
「申し訳ありません、6人で上がることになりそうです」と恐縮しています。
「クラブの人が上がりたいのだから釣れているのではないですか」と私も言いましたが、私のうろ覚えの記憶では「大石」は比較的内側の磯でチヌのノッコミ時期にはよく大型のチヌが出るところではなかったでしょうか。
普段はチヌの本場の若狭湾で良くチヌを釣っていますので、こんなところまで来てチヌが釣れたらいやだなあなどと思ってしまいます。

須賀利の港を5時30分に出港した「あら丸」は10分ほどで湾を出てすぐのところにある「大石のはなれ」の前に着きます。

      「大石」 左前が「はなれ」            船着きから「オナソ」を見る

磯に船を着けるのは6時30分という事ですのであと40分ほど船で揺られることになります。
「大石」は人気があるのか他にも2船やってきます。
船の中の話しでは先週に大石で51cmのグレが上がっているようです。
K君は船に弱いのでうんざり顔ですが、幸いあまり波がないので酔うことはないようです。

6時10分くらいになりますとあたりが明るくなってきました。
「他の船がフライングするとあかんから『はなれ』に渡る6人は前で用意して」と船長が言います。
前回の宮城野渡船さんの時とは違って、船どうしで磯の取り合いといった感じですのでなにか緊張して気合いが入ります。
「なんか力はいりますね」とY君が言います。
船は磯の前を行ったり来たりして他船の動向をうかがっているような感じです。

時計を見ると6時20分です。
あと10分で磯付けかと思っていますと、いきなり「あら丸」はエンジンを吹かしてライトを着けて磯に突進します。
「エッ!!フライングはこの船やないの」と思いますが、始まったからには渡るのみです。
みなさんてきぱきと荷物を渡し、クラブの方は向かって左側、我々は船着きから右に入ります。
「荷物は後、他の船が着けるとアカンので、それぞればらけて竿袋持って立っていて」とクラブの方から指示が出ます。

われわれは、船着きから等間隔で沖を向いて磯に立ちました。
船着きからK君、私、Y君と入りました。
沖を見て立っているときにY君に「こうして何もせずに磯の上で沖を見て立っていると何かの儀式みたいな感じですね」と私は感想を言いました。
「大石」に着け終わった船が我々の方に回ってきますが、いっぱいと見たのか、地方の磯に着けて「オナソ」の方に向かっていきました。

一段落ついて仕度を始めます。
船着きは足元から切れ込んで深そうですが、私の前は少し根が出ています。
Y君の横は根が伸びていてサラシが出ています。

     左端のY君  根が見えている              船付きのK君

今日の仕掛けです。
竿はいつものレイダム 1.5号
道糸は3号、ハリスはシーガーエース2.5号を2ヒロ半。
ハリはグレメジナ7号、ウキはツインセンサーの3Bです。
道糸とハリスは直結します。
エサはボイルのオキアミのLとMを各1袋です。

風がそうないので釣りやすい感じですが今日もベタ凪での釣りです。
夜が明けて太陽が昇るまでは冷え込んでつま先が痛くなってきます。
水くみバケツですくった海水がかなり温かく感じられます。
私は釣れるタナは深いかもしれないと思い、根掛かりがいやなのでまず深さを計ってみました。
足元は3ヒロ半ほどですが竿1本ほど先はかなり深いようで6ヒロほどあるのではないかと思います。
ついでにY君の前も計ると、ここも同じようです。K君の前は足元から深いようです。

私はまずウキ下3ヒロ半からスタートしました。
潮はゆっくりとY君の方に流れているようです。
撒き餌はY君の所まで流れて、伸びている根の所のサラシで押し戻されているようです。
1投目からエサが取られます。
Y君も3ヒロ半で始めているようです。
「サラシで仕掛けが安定しませんわ」と言っています。
毎回餌がとられますので私はウキ下を少し上げて3ヒロにしました。
エサはオキアミのシッポだけ残ったり、ボロボロに噛まれて上がってきますのでエサトリの仕業のようです。

釣りはじめて30分ほど経った頃に、船着きの向こう側で竿を出していたクラブの会長さんの竿が曲がります。
K君がタモを持って行きます。
「40過ぎの大きいグレです」とK君が言います。
タナを聞きますと3ヒロ半ということです。
私は急いでタナを3ヒロ半に戻しますが、相変わらずエサが取られるばかりです。

1時間ほどして、私は気分転換に一度Y君のサラシの所にウキを入れさせてもらいました。
「サラシでナビウキが落ち着きません。スグに押されて前にウキが出てしまいます」とY君が言います。
私はY君の横に立ち根の際にウキを投入しますが、やはりサラシで沖に出てしまいます。
2投目は仕掛けを根の際に引きつけてサラシをやり過ごします。
道糸は波に取られないように持ち上げ気味にします。
海面が落ち着いたところで道糸を落として仕掛けをなじませます。

次のサラシが出るまでが勝負だなと思っていると仕掛けがなじんだ頃にスパッとウキが入ります。
合わせますと竿が引き込まれますが、糸を出すほどではないようです。
かなり引きますが、重々しい引きではなく時折竿をたたきます。
「どうもグレでは無いようです。引きが下品ですわ」とY君に声をかけます。
「この竿の曲がりはグレでは」とY君は言いますが、何度も竿がたたかれます。

サラシの中から上がってきたのはなんと40cmほどのチヌです。
「ここまできてアンタかいな」と力が抜けますが、とりあえずY君が渡してくれたタモで掬います。
「これはリリースしようかな」と私が言いますと、「K君が持って帰るかもしれません」とY君が言いますので、磯クーラーに海水を入れて泳がせておきました。
「さすがに若狭湾でチヌを釣っているだけにここでも釣りましたね」とY君に冷やかされます。

       左の根の際で釣れたチヌ40cm

「どうして私の時は釣れなかったのでしょう」とY君がいいますので、「たぶんY君の仕掛けは浮き上がっていてタナに入っていなかったのではないですかね」と言っておきました。
その後二人で根の際を攻めますがアタリは出ません。
そのうちY君は小さなガシラを釣りました。
「『ぐれねっと』の釣行記でRyuto君はガシラやメバルが釣れるとアカンと書いていましたがどうしてですかね」と言っています。
その後Y君の竿が曲がりますがまたスグにウキが見えます。
上がってきたのはウマズラです。
「どうもいかんですな。寺島の方が良かったですかね」とY君は落ち込み気味です。

私はもとの場所に戻りますが相変わらずエサが残りません。
潮ははっきり流れずにゆっくり左に流れたり、止まったり、右に流れたりします。
11時頃になり私は買ってきたおにぎりを食べ、反対側で釣っているクラブの人たちの様子を見に行きました。
上から見下ろしますと、「大石のはなれ」の右側は根が出ていて浅そうです。
声をかけますとエサも取られないということです。
大石には狭いところに7人ほど釣り人が上がっています。
スカリが入っているので何か釣れているのでしょう。

釣り座に戻りますとしばらくしてY君の竿が曲がります。
竿はかなり締め込まれています。
これは40グレかと思いタモを持っていきますが思いのほか早くウキがでました。
そして、横に魚が走ります。
「おや、グレではないかな」とY君は顔を曇らせます。
上がってきたのは良型のボラでした。

「これで、ガシラ、ウマズラ、ボラ、キタマクラと外道ばかり釣りましたね。さしずめ外道オヤジといったところですか」と私は声をかけました。
しんばらくして、またY君の竿が曲がりますが今度もウキが早く出てきます。
上がってきたのは30cm程のイガミです。
「5種類も釣って5目釣り達成ですね。これで外道オヤジと命名してもいいですかね」というと、Y君は「外道オヤジですか。どうせ釣行記に書かれるんやろな」と苦笑いしていましたが、腹の中では「何でグレやないの」と泣いているのでしょうね。
不思議とY君ばかりウキが入ります。
やはり左の根の際アタリがポイントなのでしょうか。

私は思いきって竿1本先を6ヒロで深くさぐってみましたが今度はエサがとられません。
Y君に聞くとエサは取られるということ。
タナを聞きますと3ヒロ半ということです。
私はウキ下を3ヒロ半に合わせましたが、たまにウキが10cm程入ってもそれ以上は食い込みません。
10cmほどウキが入ったときに道糸を張って誘いをかけますが、それ以上ウキが入りません。
エサトリの仕業でしょうか。

そのうち、足元で根掛かりし、ついに道糸から切れてしまい、ツインセンサーを流してしまいました。
上ウキはなんとかタモで掬いました。
私は、あらかじめ買ってきた別の3Bの水中ウキを着けて何とか「ツインセンサーもどき」で再開しました。
これでまた2200円とんだかと思うと少しブルーになります。

12時を過ぎて「カレーパンでも食べますわ。今日はもうダメかもしれませんね」とY君が言います。
私も疲れてきましたので買ってきたアンパンを出して食べ始めました。
甘いものを取りますと疲れがやわらぎますね。

最近は磯でアンパンを食べるのがマイブームです。
うちでアンパンを食べようとたまに買ってくると、すべて鬼嫁に横取りされるのでこのところ家ではアンパンは食べられません。
釣行の前には鬼嫁のご機嫌取りにミスタードーナッツなんぞ買ってきて私も1個くらいは食べます。
そして鬼嫁が夢中になって、ぱくついているうちにスルリと家から出るというようなことをやっています。
どんなにドーナッツをたくさん買ってきても、釣行から帰ってくるときれいになくなっています。
恐るべき消化能力です。
このように家ではドーナッツ1ケが、私が食べられる甘いものです。
話がそれました。

潮は少し左に流れ出しました。
私は仕掛けを竿1本ほど前に投入し、片手で竿を出しながらパンを食べ始めました。
ウキがなじむと、ウキが少しはいります。
さっきから10cm程入って止まることが多いのでそのままにしていますと、ゆっくり30cm程入り、加速をつけて入っていきます。
「これはアタリだ」とパンをくわえて両手で竿を持って合わせますと、ゴンと竿に乗りました。
竿が引き込まれ満月を描きます。
これは、大物グレの引きのようです。
魚は下に突っ込みますので張りだした根で糸がこすれないように磯の前まで急いで行きます。

みなさんは、かかった大グレと半分食べたアンパンとどちらが大切に思うでしょうか。
たいがいのみなさんは、かかった大グレと答えると思いますが、このとき何故か私はくわえたアンパンを海に吐き捨てる気になりませんでした。
「かかったよー」とY君に言ったつもりですが実際には「フガフガホー」みたいにしか声が出ません。

Y君は「このオッサンなんのパフォーマンスしとるんや」見たいな顔してこちらを見ましたが、竿の曲がりを見てようやく事態に気づいてくれたようです。
私はくわえたパンを口からはずしてほしかったのですが、Y君はタモを持ってきてくれました。
磯を移動したり、竿を操作してやりとりをするのはけっこうな運動ですね。
パンをくわえて鼻で息をしているので息が苦しくなってきました。
このとき初めて分かりましたが、口を開けているので体に力が入りません。

半分食べた100円のアンパンですので価値は50円ほどですが、何故かかかった大グレと同じように大切に思いました。
小さい頃から食べ物を大事にするように教育されたためでしょうか。
大グレとアンパンと、どちらが大切かなど考えた事はなかったのですが、今はどうするか考えなくてはなりません。

私は比較的磯の乾いた所を見つけて竿から片手を離して素早く口からとったアンパンを置きました。
しかし次の瞬間リールのレバーがゆるみブーンとハンドルが逆転し5,6mほど糸が出てしまいました。
バラしたかと思ってリールを巻きますと魚はついているようです。
ゆっくり浮かしますといい型のグレです。
磯の高いところに移動してY君に掬ってもらいました。
糸が出たときに根で擦れたためかハリスはザラザラになっていました。
釣れたグレは良く太ったメスで42cmでした。

  釣れたグレと半分食べたアンパン。 このあとパンは食べました。

その後はクラブの会長さんに30cm程のグレが釣れて終了時刻の1時30分となりました。
この日「大石のはなれ」では6人で私のグレと会長さんの2枚のグレのみの釣果でした。
会長さんの右に入った二人の方はエサも取られなかったといっていました。
ほんの少し離れたところで全然状況が違いますね。
この時期全員が良い釣果を得るのはなかなか難しいですね。

帰りには渡船屋さんからおみやげにサンマをいただきました。
「寺島」に渡った方たちは全員ボーズということでしたので今回は「大石」方面が良かったようです。
週の中頃は「大石のはなれ」で20枚ほど釣ったという情報もあったようです。
また、昨日も須賀利の別の渡船で渡ったお客さんがここでグレを釣っているようです。
結果的には「寺島」に渡らなくて良かったということでしょうか。
「大石」に船が3隻も集まったのはあの周辺が食いだしたからなのですね。
黒鯛は持って帰ったのですがK君は料理が面倒なのでいらないようです。

道具を片づけて前回寄りました尾鷲のミカン屋さんに今回も寄り道しました。
今回はネーブルが出ています。
K君は試食させてくださいといってネーブルにかぶりつきます。
私もついでにネーブルをいただきましたが皮が剥きにくくて手がべとべとになりました。
店のお姉さんは「ネーブル試食する人ははじめてやわ」と言ってあきれています。
年配の従業員の方がネーブルを買ったときにおまけしてくれましたので、私は思いついて「今日釣った黒鯛ですけどいりませんか」といいますと、「アラ、嬉しいわ」といって店のおばさんが黒鯛を引き取ってくれました。
そして「私のおごりです」と言ってポンカンを一包みくれました。
黒鯛とポンカンを物々交換したようなことになりました。
尾鷲のミカンやさんと思いがけず交流したりして、今回の釣行もいろいろ話題豊富な釣行となりました。

店ではK君はポンカンやら伊予かんやら、やたらに次々と試食していますが店のおばさんは黒鯛をもらったためかあきれて見ているだけです。
「その元気が釣りの時にあれば」と言いますと「タダですと食う気が出るのですよ」とK君は言います。
「それならお金払って磯に渡ったのですから魚を釣らなくては」と言いますとK君は一本取られたような顔をしていました。
K君は仕掛けが軽かったためか、いい場所に入ったのにうまくタナがとれずにボーズだったようです。
K君の両隣で釣れましたので、じゅうぶんK君にもチャンスはあったと思われます。
K君も仕掛けの研究をして、ぜひ40オーバーのグレを釣ってほしいものです。

店を出たあとでY君に「ミカン屋のおばさんがくれたポンカン、どう見ても7,8個ほどでしたよ。金額なら300円ほどやね。
40センチのチヌは300円という事ですか」と冗談半分でいいますと、「釣るだけでなく温泉に入ったり、ミカンを値切ったり、渡船屋のおやじさんからサンマをもらったり、現地の人とのこういった交流が楽しいものなのですよ」と言っていました。

ネット時代の到来で情報が早いので、釣れている地区を目指して釣行するのもいいのですが、釣果にこだわらず、地元の人と交流して行程をのんびり楽しむような釣りも、また一つの釣りのスタイルだなとあらためて思いました。

各自ネーブルを買った後は交代で運転をして8時過ぎに大津に着き10時過ぎに自宅に戻りました。

尾鷲では風が冷たかったですが、太陽が顔を見せると春のような天気でした。
大津からの帰り、敦賀の手前の峠では雪になり、自分の住んでいるところではまだまだ春は先だなと認識させられました。

鬼嫁にチヌとポンカンの話をしましたら「フーン、それはファインプレーやな。うちはグレだけでじゅうぶん」と言って早速ポンカンを食べていました。

今回も相変わらずのドタバタした釣行でしたが楽しい1日を送れました。
また、みなさんとワイワイ言いながら釣行したいですね。

                 釣ったグレとチヌ


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