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 上野山さんからのリポート
 「オジサン3人の節約釣行」

  梶賀 (三重県)
   2005/05/21
  尾鷲 (三重県)
   2005/05/22

 


5月21日の土曜日は、このところよく釣れている紀東の梶賀に、「ぐれねっと」管理人の下山さん、ゆたきちさん(以下Y君)と3人で釣行しました。
この3人が顔を合わせるのは今年2月の九鬼釣行以来です。
皆さんとは、普段「ぐれねっと」さんの掲示板で書き込みしておりますので、久しぶりに会っても、つい2,3日前に会っているような気になるのが不思議です。
あらかじめ「ぐれねっと」の掲示板で出発時間や宿泊を打ち合わせし、今回は仮眠所泊まりで1泊2日の節約釣行となりました。

金曜日の夜10時30分頃山科駅で下山さんと合流し大台越えで紀東に向かいます。
午前2時過ぎにフイッシング森本に着き私とY君はボイルのオキアミを4枚買います。
下山さんは5枚買ったようです。
「何かアドバイスをお願いします」と厚かましく森本さんにお願いしますと、「やはり際狙いですね。段シズで仕掛けを引きつけて釣ればいいですよ。一番簡単な釣り方ですね」と森本さんは言われます。
店内には50cmオーバーのグレの魚拓が所狭しと何枚も張られています。
魚拓を見ているとなんだか自分にも50cmオーバーのグレが釣れそうな気分になってきます。
我々は「50cmのグレ釣りましたら魚拓お願いします」と希望に燃えて梶賀を目指しました。

梶賀の誠丸の事務所に着きますと仮眠所の前に車を止めるスペースがありました。
仮眠所が空いていましたので私と下山さんは仮眠所で布団にもぐり込みました。
睡眠不足ですのでアットいう間に眠ってしまいます。

「起きてくださいよ」という声で目を覚ましますと時刻は4時前です。
ゆっくり仕度をして受付を済ませて渡船屋さんの軽トラに磯クールを積み込んで竿を持って港に向かいます。
磯クールはオキアミ4枚に氷に飲み物が入って16Kg程の重さです。
こんなに重いものを運ぶのは大変ですので、次回からは荷物を2つに分けた方がいいかもしれませんね。

船に乗り込みますと、釣れているというわりに人が少ないようで釣り人は20人ほどです。
やがて4時45分になり船が動き出します。
梶賀の港を出ると他の2件の渡船も追いついてきます。
やはり榎本渡船さんはお客さんが多いようで船は満員のように見えました。
しばらくして我々の船は解禁磯に近づきます。
ダンゾ、ソコブと下ろした後で我々の名前が呼ばれてダンゾの地に下りることになりました。
ここは2年前にも下りたところです。
2年前と比べると波が無くそうサラシが出ていません。
沖に向かって左の高いところに下山さんが入り、真ん中に私、右側にY君が入りました。

私はガマの2号の竿に道糸4号、ハリス5号、グレ針10号という仕掛けで始めました。
5Bの円錐ウキを50cmほど遊動にして、ウキ下は2ヒロ半としました。
ハリスにはオモリをBと2B、2個打ちました。
この仕掛けを切っていくような大物がかかってほしいものです。

サラシにボイルを撒き足元に仕掛けを入れますがすぐに餌がとられます。
しばらくしてキタマクラが釣れます。
下山さんもキタマクラが釣れたようです。
だれも魚が釣れずに打ち返すだけの時間が過ぎていきます。
20分ほどして「ガシラ釣れました」という下山さんの声で横を見ますと、25cm程のガシラを釣っています。
これは、おいしいおみやげです。

そのうちにエサが残り始めました。
これは大型が釣れるかなと集中しますがウキは入りません。
少しウキ下を深くし3ヒロとします。
「来ましたよ」という声で横を見ますと下山さんの竿が曲がっていますがそう大きくないようです。
自分でタモ入れしたのは30cmほどのグレのようです。

時合いが来たかと集中しますが潮が右に行ったり左に行ったりしてグレの気配がありません。
そのうちサラシに押されて沈んだウキがさらに沈んでいきました。
「オッこれはアタリか」と軽く合わせますと魚がかかっています。
仕掛けがゴツイので強引にリールを巻きますと37cm程のグレが上がってきました。
Y君がタモを入れてくれました。

しかし、次が続かずに誰も釣れません。
ダンゾの裏向きでやっている人も、右となりの磯も竿が曲がりません。
9時過ぎに弁当船が来て私がタモを出して弁当を受け取りました。
各自交互に弁当を食べます。
ここの弁当はオカズが盛りだくさんで、ご飯も温かくてかなり上の部です。
私は弁当を食べた後眠くなりましたので、岩の割れ目で寝ることにしました。
時刻は11過ぎになり、夏のような日が射してきて磯の上はかなり暑くなってきました。
岩の割れ目は斜めで体勢が悪かったですが、陰になっているので何とかそこで寝ることにしました。
寝ている間にフナムシに指を噛まれて何度か目が覚めましたがすぐにまた眠ってしまいました。
Y君は暑すぎて寝られないと言っています。

1時前に起きますとY君が30cm程のグレを1匹釣ったということです。
「3時頃から夕方の満潮にかけてが狙い目ではないですか」と下山さんが言いますので、以前来たときも4時頃に良く釣れたことを思いました。
仕掛けを投入しますが今度は餌がとられません。
Y君は沖の潮目を狙ってウキを投げています。
そのうちに「来た」という声でY君を見ますと竿が曲がっています。
「でもあまり引きません」とY君は言います。
すんなり寄ってきたのはイサギです。
イサギはいい型で35cm程でした。
「よし、私もイサギを狙うぞ」と言って私もウキ下を4ヒロにして沖に振り込みますが後が続きません。
「今日はズット単発でしか魚が釣れませんね。エサも残ってきますので冷たい潮でも入りましたかね」とY君が言います。

どうも餌がとられないと釣れる気がしません。
夕方になってもエサはたまにしか取られません。
どうも今日はダメだなという気になってきました。
「明日はどうしましょう」とY君が言います。
「もう1日ここでやるか、尾鷲の宮城野渡船さんにでも場所変えするかですね」と私が言いますと「この釣れない状態では気分転換で場所を変えますか」とY君が言います。
私も気分転換をしたい気持ちでしたので明日は宮城野さんで出ることにして5時過ぎに磯から予約の電話を入れました。
終了前の6時過ぎにY君が40cm程のサンノジを釣ったのが夕方唯一の魚で我々の釣りは終了しました。

6時30分に迎えが来て港についたあと道具を片づけて料金を払いに事務所に行きますと、船長が釣り客の釣った魚のはらわたを出しています。
我々は、後半はほとんど餌がとられなかったので、どこもぱっとしないと思っていたのですが、ソコブでは50cm弱のグレが釣れていましたし、45cm程のグレを2,3枚持っている人もいました。
フナカクシでは50cm弱のマダイを持っている人もいました。
ダンゾでは表で45cmのグレも出ていました。

「どうも我々の周辺だけが釣れていなかったみたいですね。腕ですかね」と下山さんが言います。
船長は「エサが残るなら4,5ヒロまで落としてやらなくてはいけませんよ」と言っていました。
「そうは言っても我々の近くは魚がいなかったのかもしれませんね。あの釣果を見ますともう1日ここでやりたくなりますが尾鷲を予約してしまいましたから明日は予定通り尾鷲に行きましょう」と下山さんが言います。
我々は梶賀でもう1日やりたいという気持ちもあり、後ろ髪を引かれる思いで尾鷲に向かいました。

「梶賀でもう1日やるとして、明日は別の磯に乗せてもらっても、また釣れないかもしれませんね。そういうときにかぎって逆に我々が乗ったダンゾの地が釣れることもあるので梶賀に残っても磯の選択で迷ったでしょうね」とY君が言います。
これは、もしもう1日梶賀に残ったら皆さん思うことですね。
しかし、釣れている地区でも日によっては釣れない磯もありますね。
偶然我々は釣れない磯に乗ってしまったのかもしれません。
でも3人とも小型ながらグレの顔が見られましたので、良しとしなくてはいけませんね。

その後尾鷲の釣具店でボイルを2枚と氷を買い港の近くの銭湯に行きます。
ここは、子供の頃に町の中にあったような古い銭湯で入浴料金は200円と激安です。
ここの銭湯は小さくて看板がなければ普通の家と思って見過ごしてしまいそうです。
Y君はよくもこんな銭湯を知っているものだなと感心します。
「安いですね」と、お金を払いながら番台に座っているおばあさんに言いますと「それなりのお風呂ですから」と、おもしろい返事です。
こういう地元の人との交流が泊まりの釣りのおもしろいところですね。

銭湯に入った後はY君が良く行くという「鬼瓦」という小料理屋さんに行きます。
ここで、私と下山さんは生ビールを飲みました。
釣りで疲れた後に風呂に入って飲むビールの味は格別です。
ここの板前さんは九鬼の尾崎渡船さんの息子さんということです。
良く知っているのかY君が声をかけますと尾崎船長さんは入院しているということで、渡船は休業中ということです。

我々は9時頃尾鷲の港に行き宮城野さんの船の前に車を止めて仮眠しました。
渡船屋の仮眠所は11時に開けるということですので2時間ほど車の中で過ごすことになります。
11時20分ほど前になり目が覚めますとY君は外に出ています。
「お二人のイビキがすごいので外にいました」ということです。
やがて11時になり、車の中でもの凄いイビキをかいている下山さんを起こして仮眠所に行きます。
仮眠所に入りますと我々が一番乗りのようです。
「お互いに離れて寝ましょう」と私は言い、下山さんは一番奥、私は一番手前の道路側で寝ることにしました。
なぜかY君は私の隣で寝るようです。
布団にはいると私はアットいう間に眠りについてしまいました。

「起きてくださいよ」という声で目を覚ましますと、もう4時です。電話で予約したときは「4時には船の前にいてくれ」といわれたのを思い出しました。
いそいで外に出ますと釣り仕度を済ませた人たちがお茶を飲んでいます。
これは急がなくてはと、もうろうとしながらも服を着替えます。
何とか着替えを終えて船に乗り込みますとしばらくして船は出ます。
今日は釣り人が少なく10人ほどです。
船はゆっくりと沖合のドマクラを目指します。

「上野山さん達3人先にいっとって準備して」と船長に言われます。
ここは、船長が名前を呼んで磯に渡すので、皆さんのんびりと構えていますが最初に呼ばれるのは初めてですのでビックリします。
磯に渡る前に船長がポイントを説明します。
「みなさん気をつけてやってよ、波が出てきたら電話して。ハリス4号、ハリは10号、集魚材はアカンよ」と言っていよいよドマクラに船を付けます。
ドマクラは真ん中が10m程も高くなっている黒い岩の大きな磯で10人くらいでも竿が出せそうです。
ここに我々3人だけですので、かえって釣る場所に迷いそうです。

今日は弱いウネリで少しサラシが出る程度のナギです。
天気は曇り空で風が無く釣りやすそうです。
私とY君は並んで沖に向いて釣りましたが下山さんは船着きに入ったり、沖向きの釣り場に移動したり色々場所を変わっています。
しばらくして、下山さんが船着きで30cm程のグレをかけました。
その後、また、先端方向に歩いていってサラシの沖でまた30cm程のグレを釣りました。
「よう、歩き回る元気がありますね。また、場所を変わってすぐに釣るというのもすごいですね」と私とY君は下山さんの行動力とポイントを見る目に感心します。

今日はあまりサラシが強くないのでウキは釣研のツインセンサーにして、ハリスは3.5号としました。
足元に仕掛けを投入しますと1投目からエサが取られます。
サラシに押されてウキはゆっくり右に流れますがそこで反対側から出るサラシに押されてウキが潜り始めます。
30分ほどしてY君は下山さんが釣ったワンド方面にウキを投げて良型のメバルを釣りました。
「昨日はイサギ、今日はメバルとおいしい外道ばかり釣りますね」と冷やかしますと「なかなかガツン、ギューンという引きは来ないですね」と言うY君です。

私もワンドに向かって投げますがアテ潮でどうもうまくウキが流せません。
そのうち「来ました」という声に振り向きますとY君の竿が曲がっています。
タモを渡すと魚はすんなりと浮いてきました。
Y君が自分で掬ったのは見た目40cm程のグレです。
「いいグレですね40はあるのじゃないの」と言いますと「さあ、38cmくらいじゃないですか」と言うY君です。
このグレは後で計りましたら44cmということでした。

        相性のいいドマクラで44cm

Y君がグレをシメていると下山さんが「じゃまします」と言って隣にやってきました。
私は磯際にウキを落として道糸を出さずに際を狙いました。
少し横に動いたウキがスット沈みました。
合わせるとゴンと竿にのりますが最初はそう突っ込みません。
ですがかかったのはかなりの重量の魚です。
私は、これは手応えからして50cm近いグレかと思いました。
Y君にも「かかったよ」と声をかけます。
しかし魚はかなりの重量ですがすんなり浮いてきます。
もしかしてこれはグレではないのかもしれないと思います。
「あ、これはイガミですね」と下山さんが言います。
浮いたのは大きなイガミで下山さんが掬ってくれました。
後で計りますとこのイガミは47cmでした。
私がリリースしようかと言いますと、それなら私が持って帰りますと下山さんが言うのでこの魚は持って帰ることにしました。

しばらくして、下山さんの竿が曲がります。
「これは大きいのではないですか」といいますと、「もしかするとグレではないかもしれません」と下山さんが言います。
下山さんの予想通り浮いたのは40cm程のカンダイです。
これは放流します。
時合いが来たのかいろんな魚が釣れます。
しばらくして、また私に35cm程のイガミがかかりました。
これがそれぞれグレだったら文句のないところですが、グレはY君の1匹だけです。

このころから天気が悪くなり雨が落ちてきました。
潮が右に流れているようなので、下山さんが潮の引いた右端に行きそこで釣り始めました。
下山さんはすぐに35cm程のグレを3匹追加します。
その後は場所を変わってもらって私が右に移動しましたがアタリはありませんでした。
12時になり半夜のグループを乗せた宮城野さんの船がやってきました。
日曜日なのに半夜釣の釣り人のほうが朝より多いようで、20人近く船に乗っているようです。
我々のドマクラにも4人下ろし、先端方面でやるようにマイクで言っていました。
12時30分を過ぎて根掛かりしてハリスを切ったのでそこで私は道具をしまいました。

結局尾鷲では私はグレを釣ることは出来ませんでした。
帰りの船に乗ったのは我々を含めて5人です。
二人連れの方に聞きますと今日はボーズということでした。
「ところで仮眠所の奥で寝ていたのはお宅さん達のグループですか」と二人連れが聞いてきます。
「ええそうです」と私が答えますと「奥の方のイビキはスゴイですね。私は病院に行った方がいいと思いましたよ。表の方もかなりでした。両方からイビキが聞こえて寝られませんでした」と苦笑いしていました。
初日の通し釣りで疲れが出たのか、我々は大イビキをかいて仮眠所の皆さんに迷惑をかけたようです。

荷物を片づけていますと宮城野渡船の船長が「どうやった」と聞いてきます。
Y君が44cmのグレを釣ったというと、写真を撮らせてくれということになりました。
グレを取り出そうとバッカンを開けると「ほお、大きいイガミやね。これも写真に撮るわ」というので、私もイガミを持ってさえない顔で写真を撮られました。
Y君には「今日はイガミオヤジですな」と冷やかされました。

帰りはいつもの尾鷲のミカン屋により、おみやげにデコポンを買いました。
その後、海野古里の温泉に入り疲れを癒して大津には8時頃到着し、下山さんと別れ自宅には10時過ぎに着きました。
仮眠所で1泊しましたので、日帰りの釣行よりはいくぶん身体は楽でした。
今回の節約釣行でかかったお金ですが渡船料金が、1日目通しプラス弁当で8、100円、2日目は午前で4、500円。
オキアミは都合6枚で6400円、氷400円、飲み物と食費で約4500円。
風呂と温泉で700円、交通費が3000円。
デコポンが1000円で合計28,600円ほどの出費でした。
まあ、釣った時間は釣行3回分ほどでしたのでかなり安くついたかもしれませんね。
下山さんは先週、いつも情報を送ってくれているフイッシングオザキさんの大会があるということで、一人で高速を運転して和歌山県の口和深に行き2万円以上使ったということですので、それに比べると今回の釣りはかなり安く上がったのではないでしょうか。

今回のオジサン3人の節約釣行ではそう大物は出ませんでしたが、楽しく2日間を過ごすことが出来ました。
私は「ぐれねっと」の掲示板に「皆さんと一緒に釣りをするのが目的ですので釣果は35cmのグレ1匹でいいです」と書き込みしましたら、その通りになってしまいました。

今回、下山さんが魚を生かしておくためのブクブクや、検寸用の大きなメジャーを持っているので、「なんだかトーナメンターみたいですね」と冷やかしましたら「そんなつもりじゃありません」と言っていましたが、どうも2年前に磯でシメて持ち帰ったグレがあと3ミリで50cmでしたので、今回は50cmのグレなら活かしてグレを持ち帰ろうという魂胆のようでした。
この話は「ぐれねっと」釣行記、NO.74「三者三様太ハリスで魚と引きあい」で詳しく書いてありますので、またついでの時にでも読んでみてください。
下山さんも今回は交流が目的なようですが、実は50cmオ−バーのグレを狙っていたようでした。
そういう私も、掲示板で35cmのグレが目標と書きながらハリス5号でやっていましたが・・・

二日間を通じて、ふだんネットで書き込みしている仲間が、たまには一緒に集まってワイワイするのは楽しいものだなとあらためて思いました。
小遣いをやりくりして、紀東が釣れているうちになんとかしてもう一度行きたいものです。


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