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 Ryutoさんからのリポート
 「くやしすぎる」

  紀伊長島 (三重県)
   2005/06/27

 


梅雨入りしたそうだが、一向に雨が降らない。
土曜日は37度!だったらしい。
ここのところのハードワークで身も心もボロボロなのだが、頭を真っ白にしてくれるような奴と渡り合いたい。
寒も口太狙いももちろん楽しいが、茹だる様な太陽の下、少し陽が傾き、ウキが見づらくなるぐらいに、一瞬にウキが掻き消え、竿にガツンと衝撃が走る。
ここから寒グレでは決して味わえないパワーフィッシングが展開される。
そんな釣りがたまらなく好きだ。
27日に紀伊長島を目指した。
狙いは、もちろん尾長グレである。

尾鷲や梶賀でも釣れているようだが、口太主体。
この時期、はっきり言って口太には興味がない。
狙うは、上手周りの磯である。
8時頃に自宅を出て、ゆっくりと車を走らせたが、11時過ぎには紀伊長島についてしまった。
道中で買ったサンマ寿司とビールを飲み、渡船屋で昼寝していると、午前の釣人が帰ってきた。
あまり状況は芳しくなかったようだ。
のろのろと用意をして、1時45分に出港。
底物狙いの方がいるようで、船は、大島に向かう。
上手にいきたいなぁ。
例年は、尾長もでるんだけど、今年の大島は口太だなぁ。
と思っていると、午前に比べてうねりが出てきたようで、急遽上手に向かうことになった。
しめしめである。

結構、ウネリが出ていて、磯の周りはサラシだらけ。
状況は良さそうである。
最初に西穴のハナレに付けて、続いて浅島。
浅島に下りたかったが、常連さんが下りられた。
続いて声がかかり、西穴の奥のハナレに乗りかけたが、急遽、黒島に船が移動した。
他の渡船屋が高場に1人しか乗せなかったので、低場に釣友と2人で渡礁。
潮は底潮と呼ばれる湾内向きに流れる潮。
サラシ、潮の状態は申し分ない。
右に私、左に釣友が入った。

当日は、3時干潮だったので、5時ぐらいからが勝負と読んでいた。
なので、まずは様子見で、タックル準備。
2.5号ロッドに2ヒロちょっとのハリス3.5号、針グレ10号を結ぶ。
ウキは、G2を30cmほど遊動でセット。
マキエ、サシエはもちろんボイルオンリーだ。
ウキ下は2.5ヒロとした。
足元のサラシにボイルをパラパラ撒いて、仕掛けを入れる。
スルスルと1投目からウキ入れ。
合わせると赤ジャコが飛んできた。
続いて小ムツ。
エサトリがキツイ。
手前はエサトリで釣りにならないので、沖に投げサラシの向こう側を攻める。
幾分エサトリはましになったが、状況は変わらず。
潮の動き、サラシは良いので、エサトリさえ居なければ、今にもきそうだ。

エサトリの少しでも少ないところを釣ろうと、ガチャガチャに根の張った右側に移動し、ドサラシの中を釣ることにする。
ウキを3Bに変更し、ハリスの真中にBを打つ。
そんな仕掛けを強烈なサラシの中で張っているとドンと乗ってきた。
咄嗟にアワセを入れたが、手応えは軽く、、、
20cmほどのコッパ尾長が釣れてきた。
このまま良型がかかるを待つかなと振り向くと、釣友の竿が極限まで曲がっている。
伸されそうになるのを腰だめでしのぐ。
普段、人が魚を掛けてもタモを持って駆けつけることなどしない私だが、さすがに竿を置きタモをもって近寄る。
それほど強烈に引いていた。
私の釣り座の足元のオーバーハングにもぐりこもうとする奴を強引に浮かし、ウキが見えた。
「獲れる」きっと釣友も私もそう思ったに違いない。
その瞬間、竿はテンションを無くした。
巻き上げると3.5号がスッパリと切れていた。
あまりにも惜しいバラシだ。
釣友はもちろん、見ていた私まで興奮で震えそうだった。
そうこれこれ!
こいつに逢いたくて来たのよ!!

タナを聞くと2.5ヒロ。
飲まれていたのか。
思えば、この時に4号、いや5号にしなかった私が悪い。
遊動を10cmにして、ハリスを詰めて2ヒロ弱でサラシに投入。
切れ目に達したので、張りを作る。
来る!!
ジワジワと赤ジャコのようなアタリでウキが30cmほど押さえられた後、スーと海中へ。
既に腰だめの臨戦態勢で渾身のアワセを入れる。
ガッ、根掛かりのような衝撃の後、バーンバーンと竿を振られる。
よっし掛けたと思った瞬間、
竿はテンションを無くす。
ムキーッ、声にならない叫びを上げて回収するとチモトからスッパリ。
うーーん、、、、。

興奮する手でハリスを4号に張りなおし、針を尾長4号にアップして直ぐにポイントに入れる。
ウキが馴染みと同様のアタリ。
再度渾身のアワセを入れて、やり取りを開始。
今度の奴は素直に寄ってくる。
足元で少々の抵抗があったが、28cmほどの尾長が浮いた。
エアーを入れたバッカンに放り込み、直ぐに続きを狙ったが、赤ジャコが蔓延していた。
時合いは本当に短い。

エサトリが出だすとサラシの切れ目は釣りにならないので、再度段シズ仕掛けで足元を狙う。
磯ベラやガシラ、コッパなどは来るものの期待の奴は来ない。

そうこうするうち、また潮の動きが良くなってきた。
ハリスのシズを直結部分にたくし上げて、沖を狙うとジワジワと押さえられた。
合わせるかと思ったが、スーッとウキが浮いてくる。
回収すると頭だけが盗られている。
グレか?
同じポイントを攻める。
ジワジワとウキが沈むのでアワセを入れると素針で、ウキが飛んできて磯にゴチン。
そんなことが何度もあった。
寒グレならこんなアワセはしないのだが、、、。

食い渋りかと0号のウキに変更し、2ヒロの完全フカセで同じポイントを攻める。
サラシに押されて沖に出たウキが右に動き掛けた瞬間、加速して沈む。
来た!!
渾身のアワセが決まる。
バッチリ!
竿は胴から曲がり、バーンバーンバーンと揺すられる。
アドレナリンが噴出したが、ふっと軽くなった。
地団駄を踏み思わず太ももを殴ってしまった。
回収すると針外れ。
どうして、しっかりとアタリを見てタイミングもバッチリだったのに、、、。

針を尾長5号にアップし、続きを狙ったが先ほどと同じサイズの尾長までしか来ない。
怪しげなアタリもあるが、針に乗らないアタリも多い。
迷った挙句、ハリスを3.5号に下げ、針上20cmを4号にした。
すると一発で食ってきた。
まずまずの手応え、右のシモリに走るの強引に止めると今度は足元に締めこむ。
決してラインを与えることなく、耐える。
しかし少し引きがおかしいような、、、。
しばらくして45cmほどの魚がギラッと光った。
グレに化けろを祈ったがをウンコ垂れながら嫌な目つきの奴が浮いた。
脱力すると足元のシモリに突っ込み、ハリスが切れた。
タモを汚さずにすんだようだ。

まだまだこれからと意気込んだ2人だが、肝心の夕方はウネリが大きくなりすぎて、ポイントを攻めきることができなかった。
また、エサトリも切れることがなかった。

意気消沈して船に乗り込むとやはり釣る人は釣るのだ。
船頭に2人で3回のバラシと告げる。
常連に聞かれたので、釣友がタックルを応えると「そら細い」、今度はハリス5号、針12号でやってとアドバイスされたらしい。

渡船屋では、前回に引き続き良型の尾長を見せ付けられた。
46.5cmは、それはそれはすばらしいプロポーションをしていたし、口太とは言え53cmも見せ付けられて、すっかりしょげ返った2人だった。
この借りは必ず返してやる。
皆さんもどうですか、頭が真っ白になりますよ。
仕事の方は、あいも変わらず忙しく、月曜から明け方まで働かされてしまったが、残業料金で3号の竿と大型のリールを買おうかと思っている。


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