TOP 釣行記index 次のページを読む

 上野山さんからのリポート
 「磯釣りで気分転換」

  糠の地磯 (福井県)
   2005/10/30

 


今年の秋はジャズの演奏がいそがしくなかなか磯釣りにいけません。
12月には東京のジャズプレイヤーともコンサートをすることになり、練習にも気合が入ります。
サックスを毎日のように練習しておりますと、どうしても手や指が疲れてきて調子が落ちてきます。
練習のし過ぎで左手のひじも痛くなってきました。
整骨院で見てもらいましたら、手の使いすぎで肘の筋肉が疲れて張っていると言う事です。
少し休養をとるようにと言うアドバイスでした。
釣りに行って気分転換をすればいいのですが、渡船の長時間の釣りでは疲れてしまい、サックスの練習のペースが狂うような気にもなります。

週末の天気予報では何とか日曜日の朝なら竿が出せそうですので、どうしたものかと思案しパソコンで天気予報をチェックしていますと、インターネットのニュースで若手の美人ギターリストが右手神経麻痺でしばらく先まで公演は中止で、現在リハビリ中という記事を見ました。
これは無理な練習がたたって腱鞘炎がひどくなったものかもしれません。
一流のミュージシャンですと1年くらい先まで公演が決まっているのではないかと思われます。
楽器を演奏するうえで手が動かないというのは絶望的な気持ちになるかもしれません。
彼女がまたステージに上がれるように陰ながらお祈りいたしました。

やはり休養は必要だなと思い前線が通過する雨の土曜日は家族と家でたこ焼きを作って食べ、読書などしてごろごろしサックスの練習は休みました。
夕方の天気予報では、30日、日曜日の朝は冬型のような気圧配置で波の高さは2mとのことです。
夕方外に出てみますと北の風が吹いています。
前線通過のときに出た波は落ちていないのではないかと思われます。
しかし地磯なら2mの波では出来るのではないかと思われます。

インターネットで天気予報を見ますと日曜日の朝は南東の微風のようです。
天気図では低気圧が北海道の方にあり北西の風が吹きそうです。
いつものサンスイ釣具店に電話して、若旦那に「明日の朝釣りできるかな。予報では南東の風で穏やかみたいだけど」と聞きますと、「昼の予報では少し南が吹きそうだったけど、夕方の予報では昼よりも等圧線の間隔がせばまっていたよ。朝少し穏やかですぐに北西が吹き始めるかもしれんな。波は2mということやけど、これは行ってみないとわからんで。秋の予報の波高は当たらんからな」とのことです。

私は朝のうち1時間ほどでも竿を出そうと思いサンスイ釣具にエサを買いに行きました。
若旦那は水曜日に越前の地磯に釣行して32cmを頭に何尾かグレを釣ったという事です。
「アジがおらんのでやりやすかったよ。タナは3ヒロくらいで食ってきた。その時の予報も波高1mほどだったけど、行ってみたら2mはあってサラシがけっこう出たよ」という事です。
私は短時間の釣りですのでオキアミ1枚に、D社の5倍増グレを購入しました。
エサ代は1500円ほどです。
地磯の釣りは安く上がりますね。
店には船でハマチ釣りに行くようなお客さんや、イカ釣りのお客さんが入ってきます。

若旦那と世間話をしていますと、最近は船釣りや堤防のアジやイカ釣りのお客さんはそこそこ来るけど、磯にいく人は少ないという事です。
メーカーが大会なんかするとクラブの人たちが集まるので磯釣り人口は減ってないみたいだけど、1人で磯釣りを楽しんでいる人は少なくなってきていると思うということでした。
店をやっているとそういう事は実感として良く分かるのでしょうね。
私と同じ頃に磯釣りを始められた方も、ほとんどの方はもうやっていないようです。

日曜日は朝4時に目覚ましで起きて、犬の散歩を済ませてから4時30分ごろ越前に向かって出発しました。
風は予報どおり弱い南です。
曇ってはいますが雨はふっていません。
越前に向かう8号線は車も少なく5時過ぎには糠に着きました。
車から降りますと、南風は少し強まっています。
海を見ますと、かなり大きなウネリが押し寄せてきます。
いつも歩くゴロタ浜もウネリが押し寄せて白くなっています。
暗いうちは波が大きく見えますが、どうも予報の2mどころではなく3mはありそうです。
少し先では道路までシブキが上がっています。
薄暗い中、私はしばらく海を観察して何とか竿を出せそうだなと判断しました。
ただ、歩くところに波が打ち寄せて足元がよく見えないので明るくなってから磯に下りることにしました。
車の中で仕掛けを作りなおします。
竿にはあらかじめ3Bのウキをセットしていたのですが、大きいウネリの中遠投しなくてはいけないので、遠投1号のウキに交換します。

6時前になり明るくなってきましたので竿を持って磯に向かいます。
沖のウネリを見て波が引いたときに20mほどを一気に早足で渡りました。
途中、岩で手をこすってしまいましたが緊張しているのか痛みを感じません。

高いところに荷物を降ろし、バッカンを出し、タモの用意をします。
足元には20mほどサラシが広がり、時折シブキが飛んできます。
しばらくは竿を出さずにマキエだけをします。
6時10分頃になり、ウキが見えるようになりましたので釣りを始めます。
竿はいつものレイダム1.5号。
道糸2.5号、ハリス2号2ヒロ、グレ針8号、ウキは遠投1号で60cmほど遊動という仕掛けです。
たまに風がおさまる時がありますので、その時に沖に30mほど遠投します。

1投目からエサがとられます。
サラシが広がりグレが釣れそうですが、風に道糸がとられますのでうまく仕掛けが入っていないように思えます。
風が収まってウキがすなおに流れますが、アタリが出ません。
仕掛けを上げますと、今度はエサがついています。
大きな魚が回ってきたのかもしれません。

風が弱まった今がチャンスと同じようなところに仕掛けを投入し、仕掛けが落ち着いた頃に少し糸を張って誘います。
すると、ウキの赤いトップがスッと沈みました。
キタ!!とあわせますとかなりの手ごたえで竿に乗ります。
しかしこの大ウネリの中1人で掬わなければいけないので取れる確率は50%くらいかなと思います。
魚は少し頭を振りますのでチヌかもしれません。

沖のウネリを見ながら慎重に魚を寄せます。
あまり沖で遊ばせてしまうと魚が横になってしまい、浮いた魚が波で打ち上げられて岩の隙間に入ったりするともうどうしようもありません。
魚が泳ぐ力が残っているくらいで足元に寄せた方が、ウネリの高い時は取りやすいようにも思えます。
魚を足元まで寄せてきたところで大きなウネリが来ましたのでリールのレバーを緩めて魚を一旦沖に出し、ウネリを見てタモのタイミングを計ります。
次の弱い波のときに一気にリールを巻いて魚を浮かせタモを出しますと、魚はうまい具合に波と一緒にタモの中に入ってくれました。
これは40cmほどのチヌでした。

針を飲んでいましたので、ハリスを切って針をくくりなおします。
その後、風が弱くなった時に26,7cmのグレを4枚ほど釣り、2枚を持って帰ることにしました。
7時過ぎになり、遠投しても木っ端グレが針にかかるようになりましたので、釣りを終了しました。
1時間ほどの釣りでしたがタモも使いましたので、楽しかったです。
磯釣りをして、いい気分転換になりました。
やっぱり磯釣りはいいですね。
今度は渡船でゆっくり釣りを楽しみたいと思いました。

      本日の釣果 チヌ40cm グレ26,27cm


TOP 釣行記index 次のページを読む