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 上野山さんからのリポート
 「二木島の一級磯 寺島」

  二木島 (三重県)
   2006/06/24

 


6月24日は1年ぶりに「ぐれねっと」管理人の下山さんと釣行しました。
いつものY君、K君を加えて4人で好調が続く三重県の二木島に場所を決めました。
体が楽なように半夜で行こうということになり、大津には朝の5時40分に集合いたしました。
このメンバーでは先週も私以外の3人はR君と二木島に釣行しています。
先週は、下山さんは45オーバーのグレ、R君は50オーバーのグレをものにしたということですが、Y君は40手前のグレ2匹、磯釣り初心者のK君はキタマクラのみということでした。

Y君は毎週のように二木島に通っているので、奥さんの機嫌とお金はだいじょうぶかと聞きましたら、奥さんは旦那の釣りはあきらめていて、ボーナスの前借りを奥さんからして釣行費に当てているということでした。
Y君はこのところ毎回魚を釣っては、オカズの下ごしらえをしていると言うことですので、まあ奥さんもそれほどにはあきれてはいないのではないかと思われます。
下山さんも今回は2週連続ということですが、結婚してからは釣行費を捻出するのに苦労されているようです。

さて、車は順調に走り、10時過ぎには二木島に到着しました。
途中のエサ亀では各自ボイルのオキアミLとMを一袋ずつ購入いたしました。
仕度をしまして、港にあります渡船店の受付にある椅子に座って、各自コンビニで買った昼食を食べていますとだんだん釣り人が集まってきます。

11時前になり船長とポーターを勤める息子さんがやってきて船に乗り込みます。
満潮が6時という事ですので、船に乗り込む時には海面はだいぶん下がっています。
午後の釣り客は全部で12,3名です。
私が船の後ろのほうに座っていますと、なにやらニコニコ顔の下山さんが近づいてきて「寺島にのれそうですよ」と耳打ちします。
「寺島」は二木島を代表する大きな磯で尾長グレの大型も出るという場所です。

船は笹野島の「べんてん」に釣り客2名を下ろし「寺島」の裏側に向かいます。
ここでは我々のグループ4人が下りることになりました。
連続で二木島に来ているY君が船頭さんに顔を覚えてもらったのか、「4人なら寺島はどうか」と声をかけてもらったそうです。
Y君の執念の連続釣行は釣果以外でも成果が上がってきましたね。
我々は寺島の裏側から荷物を担いで5分ほど掛けて前まで歩いていきました。
波の高さは1.5mということですがかなりのウネリが押し寄せます。
まずジャンケンで釣り場を決めます。
下山さんはホーロクよりの少し離れた磯で釣るということですが、足元にハエ根が出ており釣りにくそうです。
「今日はオナガが出るかもしれませんから。ハリスは4号を使います」と下山さんは大物狙いのようです。
私は正面のサラシのきついワンドで釣ることにしました。

 寺島からホウロクを見る 道具が置いてある磯は最初下山さんが釣っていた磯

ワンドを挟んで右側にK君、左の高いところにY君が入ります。
私の仕掛けです。
大物の雰囲気充分の場所ですので竿はグレスペシャル2号。
道糸3号、ハリス3.5号、針はグレ針9号、3Bの円錐ウキを60cm程遊動にしてウキ下は3ヒロ弱でスタートしました。
サラシにオキアミを撒きサラシの中を釣ります。
尾長グレがいたら食ってきそうな雰囲気ですが、釣れてくるのは手のひら尾長グレばかりです。
前回いました小サバはいないようですがエサはほとんど残ってきません。
ハゲ系のエサトリがいるのかオキアミがボロボロになって上がってくるときもあります。
開始してしばらくして、ふと下山さんのほうを見ますと竿が曲がっています。
すぐにウキが出てきましたのでそう大きくないようです。
下にハエ根が出ているので苦労しながらタモ入れしたのは30cm程のグレです。
「タモいらないんじゃないの」と冷やかしておきました。

正面は釣れそうな感じですが誰も釣れません、私はキタマクラも釣れてきました。
両側の二人もエサが取られるばかりということです。
これは、大きい魚が食い出すまで我慢の釣りかと思います。
これほどエサトリがいると、オキアミ2枚では足りなかったかなと少し悔やまれます。
しばらくして下山さんが「足元の根がじゃまで釣りにくいので引っ越してきました」といってK君の横に移動して来ました。
そのうち足元でウキが入り28cm程のオナガが釣れましたが後が続きません。
この魚は針を飲んでいましたので持って帰ることにしました。
そのうち、下山さんの竿が曲がり40cmほどのクチブトが釣れました。
皆さん気合いが入りますが、後が続きません。
そのうちにK君の竿が曲がりましたがこれは35cm程のサンノジです。

K君は両手でリールの付近を握って、かなり腰が引けた状態でやりとりしています。
「そんなへっぴり腰ではあかんよ」と冷やかしますと「腰痛持ちなんです」とごまかしていましたが、普通にコッパグレを釣ったときの体勢でやりとりすれば良いのにと思いました。
また、両手でリール付近を握っているためにうまく竿に力が伝わらないのでしょうね。
今後も大物をかけて取り込みの練習をしてほしいものです。
K君は日々修行ですが、初心者にはなかなか竿がのされるような大物は掛かりませんね。

私にも30cmほどのサンノジが釣れましたが、その後はウキ下を浅くしたり、ハリスにガンダマを打ってウキを沈め気味にしてサラシの中を釣ってみますがアタリは出ません。
私は疲れてきましたので、竿を置いて磯クーラーから飲み物と甘いパンを出しました。
パンを2口ほど食べたところで下山さんが「上野山さん、休憩ですか。今エサ残っていますよ」と私に声をかけます。
私は「オオ、チャンス到来か」と思い、パンをくわえたまま急いで竿を持ちました。
ライフジャケットに着けているエサケースからつけエサを取り出し、針に刺して下山さんのウキから左側2mぐらいの所に仕掛けを投げ込みます。
仕掛けがなじむと同時にゆっくりとウキが入っていきます。
軽く合わせますと、魚が乗りました。
これはマアマアのサイズと思い、やりとりしようと思いますが、パンをくわえているために力が入りません。
片手で竿を持ち、もたもたしながら口からパンをはずし、はずしたパンを比較的乾いた磯の上に置いてやりとりを開始します。
いつもながら、貧乏性のために半分食べたパンを吐き出すことが出来ません。

幸い掛かったのはクチブトグレでしたのでこんなにドタバタしても逃げずにちゃんと竿の先に着いていてくれました。
K君がタモを入れてくれたのは40cm程のクチブトグレでした。
「前回もこの3人で尾鷲に行ったときにパンを食べている時に魚が掛かったのですよ。パン食い釣法を下山さんにも披露できました」といいましたら笑っていました。

魚釣りをしていると、不思議と人が弁当を食べているときに釣れたりすることがありますが、私は自分がパンを食べながらグレを釣るということを2回もやってしまいました。
紀東ではパンを食べながらですと殺気が押さえられて魚が釣れるのかもしれませんよ。
皆さんも紀東に釣行の折にはためしてみてください。

この後、Y君がこちらばかり釣れるので引っ越してきました。
Y君は下山さんの横で釣りを始めました。
「オー」という声に横を見ますとY君に1投目で魚が掛かったようです。
竿は上を向いていますので捕れるかと思いましたら、竿が次第に下がりバラしたようです。
根ずれということですので、もう少し磯の前に行けば良かったのかもしれません。
「申し訳ないです。魚を散らしたかも知れません」と言って仕掛けを直したY君が振り込みますと2投目もまた魚が掛かったようですが今度は磯の前に行きましたがまた切られたようです。
見ていますと、Y君の竿は魚を掛けた時には2回とも上を向いていましたので、捕れるのかと思いきや、魚の力で徐々に竿が下がっていき走られてバラシというパターンでした。
竿が下がりきる前にリールのブレーキをゆるめて少し糸を出して竿を横に倒すなどして、魚の力をそらすようなやりとりも勉強してみてはどうかと思いました。

Y君の釣りかたは、体格にものをいわせて糸を出さずにひたすら魚と引きあいをするスタイルですので、レバーブレーキのリールよりもドラグタイプのリールとかたい竿で勝負する方が良いのではないかなとも思いました。
魚の引きを楽しむということではそんな豪快なスタイルもあって良いのではないかと思いました。
さて、Y君の2バラシの後はK君にシマダイが掛かりました。
30cm弱ですので「そんなもんタモはいらんわ。抜きなさい」とアドバイスしましたらK君は無事に抜き上げました。
初心者ですと、どこまでの大きさまで抜いて良いかなどがわかりませんね。
下山さんのようなベテランでもハリス4号で30cmのグレにタモを入れていましたからね。

その後下山さんに足元で魚が掛かりましたが、やりとりをしている最中にダイワの竿が中央付近から折れてしまいました。
魚は47cm程のグレのようです。
これはK君が膝まで波シブキでぬれながら糸をつかんでタモ入れしました。
その後、K君には40cm程のブダイが掛かったりしてボツボツ魚は掛かりますが、狙いの尾長グレの大型はなかなか来ません。

                   下山さんに釣れたグレ 47cm

4時半頃になり満潮が近づいたためにかウネリが大きくなりましたので、Y君と下山さんは裏の船着きに移動しました。
私とK君はチャラン棒にバッカンをぶら下げて、足元までシブキが上がるなか後1時間ほど釣ることにしました。

5時過ぎになり、K君にアタリです。
見ますとかなり竿がのされています。
これは何か大きな魚のようです。
竿がのされる一方ですので、「ブレーキ解除で糸だして」とアドバイスしますとK君はリールのブレーキを見ながら少し糸を出して、竿の角度をなおしています。
後で聞きましたら、今日初めてK君はリールのブレーキを使って糸を出したそうです。
大きい魚が掛かったのに、初心者にしてはここまではまずまずです。
K君は右に左に走り回る引きに必死に耐えています。
私はもしかしてこのしつこい引きは良型の尾長グレかもしれないと思いました。
初心者のK君がいきなり50cm程のオナガを釣ってしまって良いものだろうか、釣ってほしいような、ほしくないようななんとも言えない心境で私は見守りました。
そのうち引きが弱くなりましたので「そこでリールを少しまいて」とアドバイスします。
K君に竿を立てるように言うとようやく魚が見えました。
海面に姿を現したのは45cm程のサンノジでした。
これは私がタモに入れて針をはずして放流しました。
「アラー、サンノジでしたか」と言ってK君はがっくりしています。
「やりとりしながら、尾長グレであってくれと祈っていましたが、なかなかそううまくはいきませんね」とK君が言います。
「私も最初は尾長グレかと思いました。初心者のK君がいきなり良型の尾長グレを釣ってしまうなんて、こんな事は起こっていいのかと思いましたよ」といいますとK君はいかにも残念そうです。
今日は師匠のY君は2バラシですのに、もし弟子のK君が良型尾長グレを釣り上げたらY君の頭から湯気が上がるどころか、お湯が沸かせるくらいになるかもしれませんね。

6時まで粘りましたが、最後まで私には尾長グレのアタリはありませんでした。
道具をしまって裏の船着きに歩いていきますと下山さんがいたずら小僧のような顔をして「裏で何匹釣ったとおもいますか」と聞いてきます。
「おっ、ここで釣りましたか」とクーラーを見ますと魚がごちゃごちゃいます。
「グレ1匹に、コロダイ1匹に、ヘダイ2匹」釣りましたといいます。

    魚だらけの下山クーラー          私の釣果              渡船屋の前で

「Y君は」と聞きますと、Y君にはアタリがないようで下山さんだけが釣ったようです。
我々が話していますと釣りをしているY君の竿が曲がります。
また竿が上を向きましたので今度は捕れるのかと思いきや、前回と同じように竿が下がっていき最後はチモトで切れたと言うことです。
合わせた後、竿が立ってしまうので、あいてはそんなに巨大な魚ではないと思うのですが、どうしてもバラしてしまうようです。
Y君も取り込みの工夫をしていろんな大物を釣り上げてほしいものです。
取り込みの練習をするためには、ますます磯に通わなくてはなりませんね。
オット、Y君はただでさえ毎週のように行っているのであまりこういうことを書きますと奥さんに怒られてしまいますね。

   納竿を前にして 3バラシのゆたきちさんは背中が寂しそう

港に帰りますと下山さんが竿頭のようです。
我々の釣果は下山さんがグレ47cmまでを4枚、50cmほどのコロダイ、ヘダイ2匹、私はグレ38cm1匹、K君シマダイ30cm1匹、イガミ40cm1匹でした。
他の磯に乗った方に聞きますと、コッパ尾長とサンノジしか釣れずにボーズという話もあり、今日はどうもどこもあまり良くなかったようでした。
その中でも少ないチャンスにグレを釣る下山さんは大したものです。
今日はまさに下山デーでした。

帰りは尾鷲の風呂屋でサッパリして12時過ぎに大津に着き、敦賀には2時頃帰りました。
今回はオジサン4人の魚釣りですが、私もみなさんも子供に帰ったようになれるのでホンマに楽しいですね。
下山さんとは、次回は南紀にも行こうと約束して分かれました。
ボーズのY君は金曜日に電話が掛かってきたときには「二木島にカッパを忘れたのでどうしても行かなくてはならないんです。カッパを取りに行くために今週も行きます」と言っておられましたがホンマにカッパを取りに行くだけの釣行となってしまいましたが、大物が3回来ましたので、まあ気はすんだことでしょうね。


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