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 Ryutoさんからのリポート
 「おおっ!ここが恩馳か」

  神津島 (東京都)
   2006/12/16、17

 


12/16,17神津に行って来ました。
ぐれねっとの管理人さんも同行してくれることに。
心強い味方です。

今回のメンバーは、私の友人2人とその友人3名の7人のパーティ。
初めての遠征のため、要領を得ず右往左往しながらも海央丸に荷物を詰め込み、船室へ。
みな早々に寝る体制。
途中、オシッコがしたくて外に出たが、自分の目線より高くに水面があるのは、なかなか恐怖心がある。
シッカリとバーを掴み何も掴み用足し。
目を開けてると酔いそうなので、目を閉じてまだ見ぬ神津の磯を思い浮かべているとエンジンが弱まり港に入った。

海央丸は、全力で恩馳に向かう。
やがて船速が落ち、船首に呼ばれた。
「7名降りるぞ!!」荷物リレーでスムーズにとは言えないが、無事渡礁完了。
おおっ!ここが恩馳か。
初めて来て、恩馳に上がれるなんて、なんて感動!!
荷物を高場に上げて、釣座の解説を受ける。
チャカ場とシッポ、先端に分かれようとなり、関西から来た初めての2人は、先端を譲ってもらえた。

            大根

マキエ、竿、タモ、ライブウェルを用意して、釣座に向かおうとした時に、昨日?の状況が伝えられる。非常に渋くて、「ベタ底のベタ際」でやっと食ってきたと。竿2本らしい。
水温は17度。
タフコンディションには違いないないが、紀東でそんな釣りに慣れているので、特に気にもせずに釣座に入った。

管理人さんと先端で準備。
タックルは、竿2.5号、LBDリール3000番、道糸ザイト・フラッシュ磯4号、ハリスザイト・磯フロロ4号を2ヒロ、針オーナー閂マダイX9号、ウキ釣研全遊動X-A(3B)、ウキ下4ヒロ。
マキエは、生のままで様子を見ることにして第1投。
竿2本沖に投入したウキは、右に流れ、本流と交わり神津向きにドンドンと流れ,,,ない。

足元のサラシの切れ目に狙いを変更し、オーソドックスな釣りを展開。
サシエは取られる。
ウキ下をドンドンと詰めて行き、2.5ヒロで待望のウキ入れシャ〜!と渾身のアワセを入れたら、25センチ程のコッパ尾長がヒラヒラと空に舞った。
苦笑,,,。
結構、エサ取りキツイですわとのたまう私と対象に、管理人さんは、まったくサシエを取られないと言う。
2mと離れてないのに,,,。
どうしたもんかなと苦悶しているとチャカ場右の釣座で竿が曲がる。
見ていると40cm程のグレが上がった。
遠投で攻めているようだ。
こっちにはそれらしきアタリもない。
どう攻めれば良いのだろう?

際とサラシ〜切れ目を重点にネッチョリと攻めるがサシエは取られるものの本命のアタリなし。
そうこうする内に管理人さんの竿が曲がる。
余裕のやり取りで上がってきたのは、40チョイの尾長。
続いて、管理人さんが2枚目をゲット。
これは40前後。
さすがに焦る。
迷宮に踏み込んだか?

基本に戻るため、仕掛けを一新し、ウキ下2.5ヒロで足元にウキを浮かべる。
ジーッと沈むウキゴムを見る。
あれ?左に行く。
どうも風で上っ面だけが右に行くが、底は動いてないか若干左に行くようだ。
理想の流れを求めて右に流すようにしていた私には、アタリがなくて当然。
試しに、管理人さんが引っ込んだ隙に左に流してサラシの際で貼ってみると良い感じに馴染む。
来る!
ウキが目にも止まらぬ速さで掻き消え、同時に指が弾かれる。
来たラインを止めて竿を立てる。ベールを返すと竿が伸される。
魚は右のハエ根に走る。
舐めるな!と竿尻を腰に当て、バット部分で溜めに入る強竿をブン曲げてくれたのは、60オーバーのイズスミ。

まぁタックルには自信が持てたし、状況もやっと分かった。
これからが勝負と思えば、管理人さんの竿が大きく曲がる。
暫しのやり取りの後、45cm級の尾長。

さすがに焦る。
アタリがあるのは、V字に切れ込んだ際だけ。
恥も外聞も無い。
素直に負けを認め、入らせてと懇願し、釣座を変わっていただく。
当たっているタナは2〜2.5ヒロ。
仕掛けを軽くして、同様にV字の際を狙う。
サラシに真っ白になる中、流さずに待っているとギューッと竿先を絞り込まれた。
今度こそと思うが、竿先を叩く引きに変わる。
頼むわ〜との祈りも虚しくデカサン登場!

再度、釣座に割り込ましていただき、際に仕掛けを入れる。
吸い込まれる波に追いマキエを打って、仕掛けを流さずに待っているとギュンと入った。
やっときた〜と思ったが、あっさり浮いてきたのは、35cmクラス。
しかし、初めての本命にちょっと安心もする。
これから!と自分に言い聞かせて、同様に攻める。
きっと負のオーラが出てたんだろうなぁ、管理人さんはチャカ場やシッポで竿を出してみますと移動された。
目を三角にして、神津まできて恩馳でボッはありえないと意気込む。
ガツンッとアタリをくれるのはサンノジ、三ノ字、さんのじ、ほんま、どうなってるネン?何が悪いねん?

泣きそうになりながら、仕掛けを作り直す。
三ノ字が連発する以上、仕掛けが立ちすぎているとしか思えない。
グレセンサーFの0にして、ハリス2ヒロ、遊動20cmで磯際を攻める。
吸い込む波にサシエを入れてウキを際に引き付ける。
馴染んだところで追いマキエを1発。
じわ〜とウキが沈む。
30aほど沈んだので、ソッと聞くとギューンと乗ってきた。
ようやく来た。
この引きは、イズスミでも三ノ字でもコッパでもない。
尾長の引きだ。
嬉々と楽しんでいると針外れ。
食いが浅いのか?同様に攻めるとまったく同じアタリ。
今度は魚が走るまで待って合わせた。
慎重に慎重に浮かすと40cm前後の尾長グレが浮いてきた。
ようしタモと思ったら、竿からテンションがなくなった。
今度はハリスを噛み切られた。
時間を掛けすぎたか。

食いが渋くて、でも走るまで待つと飲まれるなら、飲まれない針にするか、瞬時に掛け合わせるかのどちらかである。
ウキをG5に変更し、残存浮力を残した状態でかすかなアタリを取るようにした。
針も速手グレXに変更して、掛け合わせを心がける。
1投目、5cm沈む。
あわせたが、素張りを引いた。
ウキ下を1.5ヒロに詰める。
2投目、5cm沈む。
あわせる。
竿が止まる。
ガガガガッ、首を激しく振るのが分かる。
ヨシッ尾長や身構えると底に向かって締めこんで行く。
慎重に、でも遊ばせることなく浮かせると40cmオーバーの尾長が際に浮いてきた。
タモ網に入れて、ヨッシャーと小さく叫んだ。
紀伊半島ならイザ知らず、恩馳でこのサイズではね。
でも一時はボッも覚悟しただけに嬉しかったよ〜!

それからと言うもの、尾長の連発連発連発。
サイズは33〜38cm。
紀伊半島では、最高の状態であるが、「またこのサイズか」と不平不満も出る。
どうしたら40オーバーが出るのだろう?もちろん、深く探ったり、際から外してみたりしたが、逆にサイズダウンする。
しかし、そんな贅沢な状態がそれほど続く訳もなく、昼過ぎにはアタリが遠のいた。
不思議と潮が右に動き出したにも関わらずだ。どうしてだろう?

際でアタリが出なくなったので、ウキ下を3ヒロ取って、潮に乗せる。
30mほど流したところで、スポンとウキが入って35cmが釣れてきた。
ようやく沖にも魚が浮き出したのだろうか。
ちょうどその前から風も強まったので、沖を攻めるのを切っ掛けに道糸を3号に落とす。
ハリスも3号にして、針は剣華グレ8号にした。
更に風対策にツインセンサーBに変更、ジンタンを追加し、潜り潮があればジワジワと沈むように調整した。
コレが良かったのか、たまたまなのか、アタリは連発。
マキエを潮筋に遠投し、仕掛けを投入、その潮上にマキエを入れる。
張らず緩ませずで流していくとスルスルスル〜と道糸が走るアタリが続いた。
ただしサイズは38cmまで。
1つだけ、走るラインを止めて竿を立てたところで噛み切られたアタリがあったが、手応えを感じる前の出来事だったので、デカバンかどうか、、、。
結局、大したドラマも無いままに4時前に納竿。

2人で38aまでをリリースしまくって、管理人さんは40、44、44cmと37〜8cmを3枚を、私は44cmと37〜8cm2枚をお土産にキープした。
大根全体では、47cm2枚を天に40オーバーは軽く2桁。
やはり調子が良かったのは、チャカ場であった。
決して潮が良い状況では無いにも関わらず、この釣果は「流石」としか良いようが無いと関心したが、恩馳の実力はこんなものではなかった。
沖のエボシでは、実寸61.5cmが仕留められていたのである。
しかも氷で締められ完璧に死後硬直した状態で、それだったらしいから、生きていれば63センチは軽くオーバーしていただろう。
恐るべし、恩馳。

その晩、どこに乗りたいと聞かれた。
磯を知らないので分からんわ〜と言いながら、同じ場所か、61.5が出た沖のエボシ、それと強烈なバラシがあったと聞いた明神下に行きたかった。
明神下は、廻りではないらしいので断念。
相手の船がどう付けるかで、決めようとなっていた。
磯割りすれば良いのに,,,。

翌日は、長ン根のシッポに我々2人が降りた。
その後、再び大根に着けて残り全員が降りたようだ。
他船も大根に着けて、それから陸のエボシに着ける。
沖のエボシは空いたまま。
管理人さんと勿体ないですねとのたまう。
とは言え、長ン根のシッポも実績場らしい。
海央丸が戻ってきて、「ちょうど良い速さだね、向かいの磯の際をやって!」とアドバイスをくれた。

早速タックルの準備。
時折り強烈な風が吹き付けていたので、始めから道糸3号を通した。
ハリス5号にマダイ針を結ぶ。
0号のウキに遊動20センチ、ハリスにG5,G7を段打ちして際から流す作戦。
マキエは、とりあえず生のみで様子を見ることに。

水道の一番細くなったところに釣座をとる。
足元のサラシが強く出るタイミングを計って、極力対岸の際を流すようにするのだが、なかなか仕掛けが安定しない。
オモリを追加して、強制的に沈めるもののアタリは無い。
サシエも取られない。
大根ではマキエが効き出すとタカベや良型の魚影も見えたが、ここではまったく見えてこない。
そうこうする内にデベソの釣人が竿を曲げて40センチほどのグレを取り込んだ。
見ていると天狗ウキで潮筋を流しているようだ。
少し流してみるか。

その釣人の仕掛け投入のタイミングに合わせて仕掛けを入れる。雨風が強くなってきたので、添加剤を混ぜる。先にマキエ3つ、投入後に4つ。本流とまでは言わないが、そこそこの流れで道糸が出て行く。ある程度流して仕掛けを回収した。ウキは長ン根のハナレ磯との水道から出てきた。大根向きに流れてくれた方が、沈み根がある感じなのだが,,,。不意に管理人さんが竿を曲げた。余裕のやり取りで35センチ程のグレを引き抜いた。

流してもアタリがないので、再度際を攻めることに。
ちょうど、一瞬だけマキエに反応する大型の姿が見えた。
時間は既に10時。
2時には上がる予定なので、少々焦る。
底まで見える状況で、ハリス5号では食わす自信がないので、思い切って3号に落とす。
食わせてから考える作戦。
ウキも沈めることをやめ、G5のウキにG7の段打ちで張りながら流す。
スッと変化が出たので、力強くあわせる。
グンッと竿が止まり、魚がギラッと翻るのが見えた。
足元に締めこむ。化けろ化けろと願うが、予想通りにイズスミ登場。
次は尾長グレだと打ち返すが、再び気配が無くなった。
途中、あんドーナツを咥えたりしたのだが。

潮は一本調子で流れる。
その潮に乗せて流すが、アタリはない。
デベソ周辺の釣人が休んでいるのを良いことにドンドンと流す。
しかし、50メートルも流すと弱くなる。
教科書通りならここらでバシッと来るのだが。
どうも打ち寄せるウネリが狭い水道を抜けるのに速くなってるだけで、潮全体が動いている感じではない。
まいった。
どうするか?試しに水道を越えて仕掛けを入れると間の道糸だけが右に流れる。

釣友からポイントは際と沖のシモリと聞いてたので、沖のシモリを直接狙うことに。
水面下で仕掛けを安定させるためにツインセンサーに変更。
遊動を2ヒロ取って、遠投する。
マキエもウキに被せる様に打つ。
なんだか、若狭の釣りみたいだな〜

道糸を潮上に振って、表面張力を取り沈めながらラインを出す。アワセが遅れるのを覚悟でウキを引きずらない様にドンドンと道糸を出す。ポイントにウキが留まっているのは、20〜30秒だが、グレが食うには十分な時間である。食いそうなんやけどなぁ!?くっ食わない,,,「ボ」が過ぎる。

そうこうする内に、流れの角度が少し変わった。
長ン根に平行に流れていたのが、少し大根の先端向きに流れ出した。
チャンスか!?マキエを多めに入れて潮に乗せて流す。
20m、30m、40m,,,やっぱり来ないか?と思うと、ほんの少しラインに重みが乗った。?????
半信半疑で竿を立てる。
重い!でも引かない。
ガシラでも掛かったかも知れませんなどと言いながらポンピングを繰り返す。
途中、グーッと引いたので、どうやら魚のようだ。
足場を移動しながら浮かせると37〜8センチの尾長が浮いてきた。
念のためタモ入れ。
はぁ〜ヤレヤレである。
このパターンで続くかと思われたが、続かない。
流れも角度を変えた。
再び沈黙の時間。

なんぞ底に居るモンでも拾らったろ!と思って、ツインセンサーに0.5号のオモリを追加する。
水道の際から、もっとも速い潮筋に仕掛けを入れて仕掛けを流す。
ウキは当然のように沈むが、この速さなら根を掻く事は無いだろう。
張りを調整しながら、流していく。
管理人さんも流石に、あんドーナツを咥えながら「ちょっと萎えてきました」と弱気な発言があった。
もうとうに萎えていた私が、「もうどうしていいか分かりませんわ〜」と返したかどうかでバリバリバリッとラインが走った。
スプールに手をかけて竿を立て、ベールを返したつもりが、ラインがローラーに入らずにブリブリと出る。
罵りながら正し、アワセを1回、2回、3回。
目一杯にリールを巻き、腰溜めで魚のサイズを測る。
残念ながら2.5号の竿を絞り込むパワーは無いようだ。
潮の中をゆっくりと誘導してタモに入ってもらったのは、37〜8センチ。
「どうして良いか分からんけど、なんで食ってきたかもわかりませんわ〜」と苦笑い。
その後、再度気合いを入れて頑張ってみたけど、アタリはなかった。
大根では46センチを頭にそこそこ釣れていたが、昨日より状況は悪かったとのこと。

一度港に戻るのかと思っていたが、そのまま下田へ向かうと言う。
船底に磯クーラーとロッドケースをいれ、船頭からはグローブとライジャケ、カッパも入れるようにと指示。
戸惑ったが、すでに通い慣れた人は、股引姿になって船室に向かう。
船室が塩水で濡れるのが嫌なんだろうなぁ。
郷に入らば郷に、、、流石にカッパは脱がなかったが、ライジャケを船底にしまいこんだ。

帰りは、行きより更に揺れたが、明るいのと疲れでウトウトしてたら下田に着いた。
荷物を岸にあげ、神津釣行が終わった。
決して、満足のいく釣果ではなかったし、離島の釣りを満喫できたわけでもなかったが、不思議とまた行きたいと思った釣行であった。

世話をしてくれた釣友2人に感謝!
1級ポイントを譲ってくれた関東の釣人にも感謝!
お付き合いいただいたぐれねっとの管理人さんにも感謝!!

春〜初夏にかけてが、一番の狙い目らしい。
是非とも行きたいモンである。


■使用したタックル
竿:2.5号
リール:3000番LBD
道糸:ザイト・フラッシュ磯3〜4号
ハリス:ザイト・磯フロロ3〜5号
ウキ:釣研全遊動X−A(0〜3B)、グレセンサーF(0〜B)、ツインセンサー(B、+0.5号)
針:オーナー閂マダイX9〜10号、剣華グレX8〜10号、速手グレX(7〜10号)

前回、掲載していただいている釣行記の最後に「次回の釣行は、いつになるか分かりませんが、また同行お願いします。」と記載しました。
ひょっとするともう磯に立てないかもと覚悟していましたが、なんとか元気に釣りをすることができています。
健康と安全に注意して、これからも楽しい釣りを続けたいものです。


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