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 上野山さんからのリポート
 「木っ端グレ、釣っては放しの連続」

  西小川 (福井県)
   2006/12/23

 


12月23日は久しぶりにAさんと磯釣りに行くこととなった。
22日の夜は私に飲み会があり、中年親父には寒さの厳しい夜明け前に二日酔い状態ではとても寝床を出られないということで、朝起きて天気を見てから場所を決めようという、なんとものんきな釣行となった。

23日の朝8時ごろに起きて海を見に行くと、天気予報では1mの波であったが見たところ1.5mほどのウネリがテトラポットに当たって波しぶきをあげていた。
予報では1mのち2mであったので、この後ますますウネリが高くなると船は無理かもしれないと思った。
Sさんはわざわざ東京から釣りをしに帰ってきたので、せっかくなら渡船で釣りができないかと西小川のすみや渡船に電話をしてみたら、「朝は出たよ。天気がどうなるかわからんので、早上がりになるかもしれんけど、それでよかったらきて」という返事であったのでわれわれは急いで仕度をして、サンスイ釣具店に駆けつけた。
予約した生オキアミ2枚とアミエビ、集魚材、ボイルを1枚受け取ると急いで生オキアミと集魚材をスコップでかき混ぜた。
私はこのところ生のオキアミにさわると手の皮がむけるので、ボイルを付けエサに使っている。
今回、Sさんは生オキアミを付け餌に使うようだ。

11時に西小川に到着すると出るのはわれわれ二人だけのようなので、仕度を済ませてすぐに船に乗り込んだ。
沖に出るとかなりのウネリで「子ぼらグリ」のような小さい磯はとても乗れそうになかった。
「平床」、「ぼらグリ」や「横グリ」に釣り人が見えたが皆さん高いところから竿を出しているので、西風が強くやりにくそうである。
空いていた「エボシ」で水道向きと高いところに分かれて、二人で風を背中にしてやるかといわれたが、かなり前下がりの磯なので、磯を見たSさんが「とてもあそこではできない」というので、われわれは空いていた「タタミの裏」にあがることにした。

「タタミの裏」は「タタミ」という高さ6m長さ15mほどの大きな岩の後ろにある小さな磯であるが、西風がさえぎられるので釣りやすそうであった。
「ここのタナですが、正面右向きは4ヒロまでですよ。チヌもよくでます。タタミ側はもう少し深いかな。先週からようやくアジがいなくなりましたよ。上がりですが4時30分予定ですが、荒れてきたら早上がりをしますよ」といって船長がアドバイスしてくれた。

仕度する前に、私がおにぎりを食べていると先に仕度を済ませたSさんが撒き餌をしたが何もいないということであった。
しばらくして、スズメダイがでてきたようである。
風が強いのでウキはツインフロートを使い、ハリス1.7号を2ヒロ取り、針はグレメジナ6号、ウキ下は3ヒロの仕掛けでスタートした。
竿1本先に投入した仕掛けがなじみ、ウキが立ったと同時に沈んでいった。
軽くあわせると手のひらのグレが釣れてきた。
釣れたグレを放流し再度ウキを投入すると、また仕掛けがなじむと同時にウキが入った。
今度はもう少しましなグレで28cmほどあったので持ち帰ることにした。
私は、この調子では30cm前後のグレの入れ食いになるかと思った。
だが、その後は木っ端グレ20匹に27,8のグレが1匹混じるくらいの割合でグレの入れ食いが続いた。

グレの食う棚がだんだん浅くなり、私は2ヒロ弱まで棚をあげたが、ハリスが落ちるまでにウキが斜めに入ったりした。
遠投しても、足元でもどこでもウキがすぐに入り、木っ端グレが食ってくるので釣っては放しの連続となった。
途中あまりに忙しいので休憩しながら釣ったが、4時ごろまでは良型の入れ食いにはならなかった。

この日の天気は時雨模様で、12時過ぎてからは、いっとき雨も降り、西風も強まり、波も2mほどになったが撤収するまでにはいたらなかった。
4時10分を過ぎてもう少しで終了というころになり、私に足元で30cm弱のグレが釣れた。
針を飲んでいたので針をくくりなおし、仕掛けを投入するとまた28cmほどのグレが釣れた。
次もいい引きのグレが掛かったが、足元の根に走られたところで今度は針はずれでバラした。
良型の入れ食いになったところで撒き餌が無くなり、時刻も4時20分となったので終了とした。
もう少し時間と撒き餌があればと思ったが、たくさん釣れすぎてもしまつに困るのでこんなところで十分かと思った。

Sさんも久しぶりに磯釣りが楽しめたようであった。
結局この日は、二人で26cmから30cm弱のグレを7匹という釣果でタモを使うことも無かったが、久しぶりに友人と冗談を言いながら釣りができて、1日楽しく遊ぶことができた。
Sさんは付け餌に生オキアミ、私はボイルを使ったが釣果はほぼ同じであった。

釣ったグレは翌日に刺身で食べたら甘く上品な味であった。
アジがいなくなって、ようやく釣りやすくなったので時間があればまた若狭の磯釣りに行ってみようと思った。


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