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 上野山さんからのリポート
 「晴れた日に竿が出せるだけでもよいか」

  二木島 (三重県)
   2008/01/04
  須江 (和歌山県)
   2008/01/05

 

2008年1月の4,5日は久しぶりにゆたきちさん(Y君)と三重県方面に釣りに行ってきました。
Y君とは昨年の今頃、須江のしょらさん渡船にいったのが最後ですので、約1年ぶりの釣行です。
昨年は忙しくてなかなか釣りにいけずに悶々としておりましたが、今年は受けていた役も終わりますのでなんとか釣りには行けそうです。

この年になりますと、若いころと違っていろいろ付き合いもあり、なかなか毎週釣りというわけには行きません。
地元の神社の掃除のボランティアや得意先との付き合いなど結構土日に行事が集中いたします。
また、昨年は外国人の留学生のホームステイ先を探さなくてはいけないという余計な役まで引き受けてしまい大忙しでした。
ある人に言わしますと「あんたの忙しさは金を払っても買えるものではないから、ありがたく現状を受け入れなさい。
誰かががんばっているところを見て評価しているで」ということですが、この忙しかった1年間の経験はいつか実を結ぶのでしょうか。
実を結ぶなら早いほうがいいと思うこのごろです。
車の中でY君に「地元の壮年会やらの行事はしなくていいの」と聞きましたら、「オヤジさんが元気でやってくれているので私は年1回の祭りに出るだけでいいんですわ」ということです。
まったくうらやましい境遇です。

さて、今年は休みの関係で7日に始業という会社が多いのではないでしょうか。
私も久しぶりに長い休みを取ることができY君と相談のうえ、得意の車中泊での1泊2日釣行と決まりました。
1日目は二木島、2日目はY君の掲示板仲間の人たちと須江にて釣ることとなりました。
年末に三重県の渡船屋さんのホームページで釣果を見てみますがどこもあまり釣れていないようです。
私は明るい太陽の元で竿が出せるだけでもよいか、という気楽な思いでいました。

3日の夜は10時ごろにY君の自宅に到着し二木島に向けて出発です。
エサ亀で各自ボイルのMを2枚受け取り、二木島には2時ごろに到着いたしました。
早速座席をベッドにして仮眠をいたします。
Y君は用意万端で私の寝袋や毛布も用意してくれていました。
こんなにいたれりつくせりですと、もし私だけが釣ってしまう結果になると悪いなと思ってしまいます。

「昨日予約の電話を入れたときはもう25人いるということでしたので、今日は人が多そうですよ、どこの磯に乗れるかわかりませんが2人ですのでタコブチにでも乗れればいいのですが」とY君は早くも乗る磯の心配をしています。
私はストレス解消に来ていますので、どこででも竿が出せればかまわないという気持ちでした。
6時出船ということでしたので目覚ましを5時30分にセットして寝袋にくるまりますとアッという間に眠ってしまいました。

5時半におきましたが3時間ほどでも熟睡しましたのですっきりと目が覚めました。
釣りの用意を済ませて渡船の受付に行きますと今日は30人ほどいるようです。
今日は息子さんが操船するようで、弁当の有無や希望の磯をそれぞれのグループに聞いています。
Y君が「今日はどこに乗ろうかな」と息子さんに聞きましたが「今日は人が多いんで」とかわされましたのでどうも我々は最後のほうになりそうです。

釣り人の会話を聞いていますと昨日からの泊まりで釣っているお客さんも多いようですのでそういう人たちの希望を聞いているようです。

あたりが薄明るくなった6時過ぎに出船しました。
天気予報どおり海はベタなぎです。
「こんなときは湾内に下りるのは勇気が要りますね」とY君が言います。
私も湾内では若狭の磯と雰囲気が変わらないので、できれば釣れなくても沖に出たいと思っていました。
船は湾内の磯につけますが「がまの口」、「日の丸」など各磯には1人ずつしか下りませんのでこれで30人もさばけるのだろうかと少し不安になりますが、「松の下」までで10人ほど下ろしましたので何とかなりそうです。

船は「弁天」、「寺島」、「イガミバエ」、「ホーロク」と下ろしていきますがなかなか我々には声が掛かりません。
最後に4人になったときに「タコブチ」の横にある磯か「弁天の裏」で3人やりますかといわれました。
結局一人できている釣り人が分かれて我々と「弁天の裏」に一緒に下りました。
「弁天の裏」にはY君は何度も上がって釣ったこともあるということですので悪くはないようです。
3人で磯に下りましたら船付がポイントですので3人は少し狭いようでした。
もう一人の奈良から来ているという釣り人は遠慮して少し先端よりで竿を出してくれることになりました。

磯に上がって道具を出していますと、「もしかしてぐれねっとの人たちですか」と声をかけられてびっくりしました。
「そうですが」といいますと「Uさんの緑色の帽子を見てひょっとしたらと思いました。いつもホームページを見ていますよ。一昨年でしたかUさんは二木島で大きいチヌを釣ってリリースしたのを読んでシブイと思いましたよ。釣行記はいつも楽しく読んでいますよ」といいます。
まさか同じ磯の上でぐれねっと愛好家の人と出会うとは思っても見なかったのでびっくりいたしました。ぐれねっとの掲示板には常連しか書き込まないのでホンマに見ている人がいるのかどうかはわかりませんでしたが、こうやって実際にあってみると私のつたない釣行記も書きがいがあるというものです。振り返ってみますと昨年は3回しか釣行記を書いていませんね、今年はもう少し書きたいと思いますが体力が持つかどうかが心配です。

さて、船付の左にY君が右に私が場所を決めて竿を出します。
船付は足元に少し根が張り出していますが、沖はどん深の磯のようです。
当日の仕掛けですが竿はいつものレイダム1.5号に道糸3号、釣研の円錐ウキのBを誘導にして3号のハリスを2,5ヒロとり、針はボイルグレ7号、ウキ下は3ヒロから始めます。
最初はたまにエサをかじられましたが、1時間ほどしてからは餌がとられなくなりましたので浮き下を少しずつ深くしていきます。
4ヒロほどまで下げた後はBのウキでは仕掛けがなじむまで時間が掛かりますのでツインセンサーの2Bにウキを変えました。

Y君は「もう少し奥が気になりますわ」と言って20mほど移動しました。
船付ではウキは右に流れたり、左に流れたり一定しませんが右に流れると少しシモリます。
ウキがシモッて見えなくなったところで、いきなり竿が引き込まれましたがこれは合わせられませんでした。
針はずれで仕掛けが戻ってきました。
朝から初めてのアタリでしたがとりあえず魚がいるのがわかってやる気が出てきました。
このときのウキ下は4ヒロ半ほどでした。
その後はウキが沖に出て行くのにハリスが根掛りするという最悪の潮となりどうも釣れる気がしません。
先端付近で竿を出しています奈良の釣り人を見ても根掛りを連発しているようです。
Y君が戻ってきて「どうも生命反応がありませんわ。今日はだめかもしれません」とぼやきますので、さっき1回アタリがあったことを言いますと少しやる気が出たようです。

1時を過ぎてもう今日はだめかなと思いましたが私はとりあえず竿2本までウキ下を下げて少し沖を流しました。Y君は「あまりに根掛りしますので3ヒロで根の上あたりを流してみますわ」といって仕掛けを投入します。
するとまもなく「来ましたサンコです」といってY君が強引に竿を立てて高速でリールを巻いています。
1年経っても相変わらず強引なやり取りだなと見ていますと、「アリャ、グレでしたタモをお願いいたします」ということでしたのでタモをいれましたらこれは40cm弱のマアマアのグレです。
「竿をたたくのでサンコかと思って強引にいってしまいました」といっていましたが顔は満面の笑みでした。

その後私もウキ下を上げましたが私は釣れずに、終了間際にまたしてもY君が34cmのオナガを釣り上げました。
港に帰りますと寺島では何匹か30cmそこそこのグレが釣れていました。
湾内でも同サイズが釣れていましたが、湾内の「日の丸」の横に乗った釣り人が持っていた44cmのグレが最長寸でした。
釣り人は30人ほどいましたがグレを持っていた人は数人でしたのであまり状況はよくないようでした。その中で釣ったY君はなかなかのものです。
奈良から来た釣り人はアタリもなかったということですが、3連休の間ずっと二木島でやるということでしたので翌日からの健闘を祈って分かれました。

さて、翌日は須江ということですので我々はエサを仕入れて、食事を済ませてあとは勝浦のサンゴの湯に入って須江に向かいました。
須江には8時ごろ到着し9時には寝袋にくるまって寝てしまいました。
翌日は朝5時に起き支度を始めます。5時半には湾内の渡船が出るということです。
隣の車にはY君の知り合いの3人組がいましたので挨拶をします。
今日は「セシマ」狙いということですので最初に船を下りることになるそうです。

中の一人が「Uさん今日もツインセンサーですか。みかん屋でチヌとみかんと交換した話など面白かったですよ」と言ってきました。
この方もぐれねっとのファンのようでしたが私は「ああ、そうですか」と何といっていいかわかりませんでしたので適当に相づちを打ってしまいました。
いろんなところにぐれねっとのファンの方はいるものだなあと、ぐれねっと管理人さんのホームページを継続する努力を、間借り人の私としましては尊敬する気持ちでいっぱいです。

さて時間は6時過ぎになり湾内に釣り人を下ろして渡船は港に戻ってきます。
我々は最初に下りやすいように後から船に乗り前のほうに位置を構えますがY君は奥まで入ってしまいました。
港にいた釣り人は湾内組も含めて全部で70人近くいたのではないでしょうか。
釣り人を満載した船は6時過ぎに再度出船しました。

船はスローで進みますと、まず「セシマ」に付けます。
私と3人組はさっと下りましたがY君は奥にいたためにドタバタして人を掻き分けて下りました。
その間に他の釣り人も3人下りましたので全部で8人が磯に下りました。
暗い中を3人組の人に場所を聞いて磯に荷物を置きましたがY君はどこにいるのかわかりません。
これでは並んで釣れないと思い「Y君、こっちですよ」と呼びますが声が届かないのか、私の隣には後で上がった二人組みの一人が入ってきました。

薄明るくなると皆さんの位置がわかりました。
「セシマ」は平べったい大きな磯で表向きには20mほど沖に大きな沈み根があり水道になっています。
ポイントは水道と船付あたりのようです。
水道にはY君の知り合いの3人組が入り、一番右側に7mの竿を持った地元の人、船付には後から乗った二人組みのうちの1人とY君、「セシマ」の裏向きの「ヤマザキ」向きの先端に私、その横に後からあがった2人組のうちの一人が入りました。
結局2人組同士がバラバラになってしまったということです。

6時30分ごろになり釣りをスタートします。
今日はツインセンンサーでウキ下3ヒロからスタートします。
水汲みバケツで水を汲みますと暖かく感じられます。
昨日の潮は下りだそうです。
下りのときには、潮は船付に向かって右に流れるといわれて言われていましたが、潮は逆に左に流れます。
私の釣り場の足元は切れ込んでいますが、左手には大きな根が張り出しており、それを超えた波がサラシになりますので、足元から左に流れたウキはサラシでもまれて沈んでいきます。
開始してすぐに隣の釣り人の竿が曲がりましたがこれはオジサンでした。

そのうち「バラシター」というY君の声です。
後で聞きますと何でも大きいのが掛かり、いつものチモト切れをしたということでした。
ハリスは2.5号だったそうです。
その後は沈黙の状態が続きます。
私も1投ごとに餌がとられますので、魚の活性は高そうで釣れそうですが、本命のアタリがでないまま時間が過ぎていきます。
水道の左端で釣っていたY君の仲間が「アテ潮でウキがすぐに足元に寄ってくるので釣りになりませんわ。
Uさんの前は切れ込んでいて三重県ならねらい目の場所ですね」などといって磯をうろうろ歩いています。

その後水道の右端で釣っていた方にアタリがあり、やり取りをしていましたので見に行きましたら40cmまでのグレを2匹にサンノジを釣ったということです。
水道ではサラシでウキがもまれるのでウキを沈めて釣っているということでした。
この方はサンラインのフィールドテスターと書いたライフジャケットを着ていましたのでテスターの方なのでしょうか。
サンノジが掛かった時のスムーズなやり取りを見ていても釣の腕の確かさは伝わってきました。

その後は長竿の釣り人が大物をかけました。
一回は根に入った魚が出てきましたが再度根に入られハリスを切られたようです。
長竿全体がしなって魚の引きをこらえるというのは初めてみましたが、なかなか迫力がありますね。
お昼過ぎになり私はウキも沈まないのに釣れたカワハギ1匹だけというさえない結果です。
後は長竿の釣り人が30cmほどのグレを2枚、3人組の右側の人がグレを2枚というところでしたが、Y君の隣の釣り人が、潮が引いた磯に移動してなんと連続で4枚、40cmまでのグレを釣り上げました。

時間は1時になり私は同じ場所で釣るのに飽きてきましたが、ここではなんだか釣れそうな気がしたのと、移動する場所もないのでウキを落とし続けました。
休憩でパンを食べた後でハリスを落とそうと思い、ハリスを2.5号とし、針は6号としました。
気持ちを新たにしてエサを落としますと相変わらずウキは左に流れてサラシにもまれて沈みます。

ハリスを変えてから3投目ほどでしょうか。
目の前を流れていたウキがスーと引き込まれます。
これはアタリだとあわせますと、魚は一気に左の根に向かって突っ込みます。
これは大物の引きです。
低い磯の上で釣りをしていましたので、ウキから穂先まで1mも糸を出していませんでしたので強い引きで穂先から2番アタリまで竿が海にささります。
これでは角度を保てないと思いレバーをゆるめて糸を出しながら磯の低いところまで走りますが、再度のつっこみでこらえていた竿が跳ね上がります。
ハリス切れかと思いハリスを見ましたら針がついていますので針はずれでした。
6号の小さい針に変えたのですっぽ抜けたのかもしれませんね。
ともあれ、朝から7時間竿を出して初めてアタリが出ましたので、バラしはしましたがなんだか報われる思いでした。

その後はY君の隣にいた釣り人が46cmのグレを釣り上げました。
結局「セシマ」にあがった8人のうち4人がグレを釣ることが出来ましたが、私とY君、3人組のうちの一人が大物をバラしてボーズということとなりました。

港に帰りますと湾内では数が釣れた磯もあったようですが全体にはもうひとつという感じでした。
3人組には再会を約束して5時過ぎに帰途に着きました。
大津には12時前に到着し我が家には2時前の到着となりました。
2日間釣ってアタリは2回しかありませんでしたが、食い渋っていることを考えますと2回でもアタリがあったことはよかったといっていいかもしれませんね。

「これに懲りずにまた行きましょう」とY君がいっていましたが、私はぜんぜん懲りてはいません。
Y君またいっしょに竿を出しましょう。
釣れなくても、晴れた日に磯の上で1日過ごせるだけでも楽しいと思うのはボーズ釣り人の強がりでしょうか。
次回は釣れたよという釣行記を書ければよいのですが、ボーズは続きそうな感じがいたします。
本年もぐれねっとファンの皆様と面白い磯釣りが出来ればと思いボーズ釣行記の筆をおきます。


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