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 上野山さんからのリポート
 「解禁という言葉に引かれて」

  方座浦 (三重県)
   2009/12/19

 


2月19日はぐれねっと管理人の下山さん、ゆたきちさん(以下Y君)、リュウト君(以下R君)という豪華オールスターメンバーにての釣行となりました。
私は11月、12月と続いた家電の買い替えで、小遣いは無きに等しいものですが、何とか皆さんと年末に1回くらいは釣りに行こうと思い強行突破で釣りに行くことにしました。
天気のほうは寒波がやってくるということで北西の風が強そうです。
敦賀の予報では土曜日は雪、日曜日は暴風雪注意報が出るということで、滋賀県に抜ける峠越えが心配です。
ぐれねっとの掲示板でも北西の風が強いので、串本あたりはどうかという話もありました。
木曜日にY君から電話があり、「実はR君から連絡があり。今年になって古和浦の隣の釣り場が解禁になったそうです。そこに行こうと思うのですが」ということです。

私は以前Y君、K君と3人で大晦日に古和浦に行き「珍道中の最後はボーズでしめましたなあ」というボーズを食らったことを思い出しましたが、なんとなく解禁という言葉に引かれて「どこでもいいですよ」と答えました。
解禁という言葉だけで釣られてしまうとは、まるでアミエビに群がってサビキで釣られる小鰺のようなものですが、釣れない釣り人としては、なんとか一筋の光明を求めての釣行となりました。
といいますのも、今年は1月から寒グレで2連敗のあと、半夜で2連敗ということで紀東には4回通って1匹もグレは釣っていないのです!!
思えば5年前にこの4人で尾鷲に行って、寺島で大グレをこれでもかと釣ったのが人生のピークだったのかもしれません。

さて、金曜日は自宅に帰ったあと支度を済ませてから少し仮眠を取りました。
R君は忘年会があるということですので大津には12時前に到着すればよいのです。
9時半に起きますと外は雪が降っています。
道路には雪が薄く積もっている程度ですので、峠は楽に超えられそうです。
10時前になり道具を車に積み込んで出発です。
車を走らせながら、こんな吹雪の日に釣りに出かけるなんて、一人ではとても行かないなと思いました。

疋田をすぎて吹雪の中を県境の峠道に差し掛かります。
道は融雪の水が流れていますのですべることはありません。
ところが峠近くまで来たときに、車がガタガタと振動しだしました。
これはパンクかと思いましたが、2車線の道をトラックが行きかいますので車を止めるスペースがありません。
幸いに後続車がいなかったので、振動する車をだましだまし、ゆっくりと峠をのぼりました。
峠の頂上付近に国交省の除雪基地がありましたのでそこに車を入れました。
明るいライトの下で車を降りてみてみますがタイヤはパンクしていません。
おかしいと思って少し車を走らせますがやはりガタガタと振動します。
これはジャフを呼ばないとだめかな、今日の釣りはとてもいけないなと思いましたら、除雪基地から様子を見ていた人が出てきて、「あんた車から変な音がしているね。もしかしたらホイルが外れかけているかもしれんな。一度ナットが緩んでいないか点検してみたらどうや」と声をかけてくれました。
私は雪の中外に出て、かがんでタイヤのホイルを止めてあるナットを見ましたら、右後ろのタイヤのナット5本ともがほとんど外れそうになっていました。
もうタイヤが外れるまであとわずかといった感じでした。
急いで後ろの荷物室の下にある工具を取り出してナットを締めました。
タイヤは12月はじめにスノーに交換したのですが、そのときに交換したスタンドの締めかたがゆるかったものと思えます。
肝心の遠出のときに限ってこんな具合になるものですね。
ナットを締めて運転してみますともう振動は起こりませんでした。
出掛けにトラブルに見舞われましたが、私はなんとかトラブルを乗り越えられたので今回は釣れそうな予感がしました。

12時前に大津に着き、山科で下山さんと合流してR君の自宅によっていざ三重県に向けて出発です。
Y君の話では今回は釣りエサ市場でエサを買うということです。
「エサ市場で渡船の情報を仕入れますわ。どうも解禁磯の情報はエサ市場で出ているようですよ。乗り場やらシステムも分からないですからエサを買うときに聞きますわ」ということです。
出発して2時間もしないうちに車はエサ市場に到着いたしました。
あらかじめY君が頼んでおいてくれたボイルのLとMを受けとります。
私は7号のハリをきらしていましたので、ここでオーナーのスーパーボイルグレ7号を買いました。
何がスーパーか分かりませんが、このハリはハリの途中まで白くコーティングされています。袋に書いてある解説によれば白い軸がボイルと同化して見えにくいそうです。

エサを買って車は方座浦を目指します。
「どうも今日は人が多くて2番船も出るということですよ。渡船屋は1軒しかありませんし磯の数は多いそうですから心配はないということです。なんでも前日は5人いて3人が釣って大きいのは48cmということです。水曜日に釣ったメール仲間の話では5ヒロくらいで釣ったということです。エサ取もおおいそうですよ」とY君がいいます。
「5ヒロで釣れるのにエサ取りが多いというのは、何とか、かわして釣っているのですかね。
タナが深いというのは水温が下がっているのでしょうか。」はじめていく釣り場への期待は膨らみます。

古和浦を通りすぎて次が方座浦です。
暗い港の中をゆっくりと進みます。
「知り合いが先に来ていて1台だけで渡船屋の前にいるということですので。渡船屋の前に止まっている車が目印です」ということでゆっくり港を奥に向かいます。
小さい船が多く停泊している港を進みますと、イカダ釣りの案内の看板が所々に見られますが、磯渡しの看板は見られません。
やがて港の最奥部にきてもう道がないというところまで来ましたが渡船は見つかりません。
少し戻って上の道を奥に行きますと電気がついている乗り場があり、ここが渡船乗り場でした。
ここでわれわれは2時間弱仮眠を取りました。
しかし50を過ぎてあまり眠らずに釣りをするというのはこたえますね。

5時半になり周辺の車から人が出てきだしましたのでわれわれも支度を始めます。
用意を済ませて船の横に行きますがシステムが良く分かりません。
息子さんが受付をしてくださいというので受付に行きますと、予約をしたグループごとに受付をしています。
受付で料金を支払いますと人数分のナンバーの入ったカードを配布されます。
「このカードは下船のときに戻してください。乗船と下船の人数を確認するためです」ということです。
やがて6時になり大方の受付が終了しましたがまだ船は出ません。
船長と息子さんが話しているのと聞いていますと、きていない人がいるようです。
初めてではなかなか分かりにくい乗り場ですので港で迷っているのかもしれません。
ようやく遅れていた釣り人が乗り込んで船は出ます。
遅れてきて受付をしていた釣り人をふと見ますとなんと懐かしいK君です。
K君とは古和浦でのボーズ以来です。
K君はその後単独で古和浦に釣行して、そこそこ釣ってもいるようです。
これで今回はグレネットオールスターズの釣行となりました。

船はスローで港を出ますと船長が注意を言います。
「ゴミを磯から持って帰ってください。フグ、木っ端グレなどの小魚も海に返してください。迎えは2時です。10時すぎに弁当配りにきますので磯変わりしたい人は合図してください」というような内容でした。
湾を出ますと船は右手に向かいますが大きな磯が目に付きます。
船長の指名で4人組3グループほどを沖の磯に乗せた後船は地方に向かいます「次にYさんたち用意して」といわれましたので船の舳先に荷物を持って移動します。
舳先では手伝いが2人いて磯には荷物を持たずに渡ってくださいといわれます。
われわれは地磯に近いライオンという大きな磯に渡りました。
船は押し付けで着けてくれるので安全に磯に渡ることができました。
磯に渡る前に船長から「船付から前がいいよ。船付では48cmもでているよ。まわったワンドは小さいけど数はでるよ」という解説までありました。

磯に上がりますとY君は「移動が大変なので私は船付が希望です」ということです。
下山さんは「私は回ったところのワンドでいいです」といいますので私は久しぶりに下山さんと竿を並べて釣ろうと思い、「私もいきますわ」といって私と下山さんがワンド、Y君とR君が船付というふうに分かれました。
磯に上がりますと風は冷たいものの、たまにしか風が吹かないので意外と暖かく感じました。
私はネックウオ―マーを2重にしていましたので首に汗をかきそうなくらいでした。
下山さんはワンドの中央の少し高くなった場所から竿を出すことにしましたが私はその右となりでだらだらと海に磯が落ちている場所にしました。
足元に波が駆け上がってきますので、ピトンを打ってバッカンをぶら下げます。
満潮が8時前ですのでこれからしばらくは足元を波に洗われながらの釣りになります。
私はタモを組み立てバッカンにオキアミ1枚を入れてオキアミを少し撒いてみました。
オキアミは足元のサラシに乗って沖に出ているようです。

私はここでようやく竿の支度を始めました。
竿はこのところ2連敗しているグレスペシャル2号です。
道糸は前日にサンスイ釣具で巻き変えようと思っていたのですが、夕方店に行きましたら吹雪で早仕舞いしたので今回も夏に使った4号です。
ウキは良く見えるようにとスーパーどんぐり3Bを使います。
磯が低いのでハリスは3号を2ヒロ弱とりハリはスーパーボイルグレ7号を結びました。
サルカンを使って道糸とハリスを結びます。
ウキは1ヒロ弱ほど遊動にしました。
足元にオキアミを撒いて第1投です。

あたりが薄暗くて海の中はほとんど見えませんので、シモリが何処にあるか、根が張り出しているのかなど何も分かりませんが、とりあえずサラシの沖、竿1本くらいのところにウキを投入してサラシが緩んだときに引き付けます。
スーパーどんぐりはぷかぷか浮きながら流れます。
すこし流れるとすぐに30cmほど戻します。
戻したウキがまたなじんだときにすっと入ります。
「アタリ」と思いあわせますと懐かしい重量感のある引きです。
足元でかかりましたので下に突っ込まれて竿が少し下がりました。
ですが、その次の動きがありません。
どうしたことかと竿を引っ張ってみますと魚は足元の根に入ってしまったようです。
せっかく1投目で良型の魚がかかったのに根に入られてしまいました。

私はR君のほうを向いて、魚がかかったけど根に入られたよとジェスチャーで伝えました。
下山さんはまだ支度をしている最中でした。
私は魚が出てくるかもしれないと糸を張り気味にして待っていましたが魚は動きません。
「あんまり待っても出てこないようでしたら切ったほうがいいですよ」と下山さんに声をかけられて私は道糸をつかんで仕掛けを切りました。
幸い仕掛けはハリのすぐ上で切れましたので、ハリをくくり直すだけでした。
しばらくして下山さんが竿を出します。
サラシや風に押されてウキが左に流れますが、潮の流れはないようです。

そのうち下山さんが30cmほどのグレを掛けます。
タナを聞きますと2ヒロ半の固定ということです。
私にも30cm弱のグレが釣れました。
下山さんがタモを出していますので見てみますと、釣れたグレはそう大きくはないようです。
「どうしてタモ出したんですか」とききますと「よく引くので大きいのがかかったと思ったのでタモを出して掬ってみたらスレで掛かっていたんです」ということでした。
その後も30cm前後のグレを釣っているうちに横を見ますと下山さんの竿が弓なりに曲がっています。下山さんはしゃがみながら引きに耐えています。
これは大きいと思い竿を置いてタモを用意しました。
魚は下に引くようですので大グレのようです。
R君も気がついてみています。
やがて魚はあがってきましたが色が黒くはありません。
私が出したタモに収まったのは40cmほどのアイゴでした。
「安心して下さい。アイゴです」と船付の2人組に声をかけたらホンマに安心した顔をしていました。
「みなさんの注目を浴びてアイゴを釣ってしまいました。竿をたたかなかったのでグレだと思ったのですが」という下山さんです。
しばらくグレが釣れなくなりエサが取られ続けます。

10時ごろでしょうかそれまで沈黙していたR君が35cmほどのグレを釣ってタモに入れました。
「足元はフグだらけで釣りにならないので遠投して5ヒロでやっています」ということです。
Y君も28cmほどのグレを1匹釣ったということです。
「朝から大きいフグ2匹釣りました。エサ取り多いですが船付でがんばります。先のほうの足元に波があがるところで釣るのは嫌です」というY君です。
その後、私もタナを5ヒロと深くし風が出てきましたのでウキを釣研の3Bの円錐ウキに替えました。
少し沖を漂っていたウキが入ります。
合わせますとかなりの引きですが重量感はありません。
下山さんがタモを持ってきてくれました。
魚は足元で横に走ります。
「グレではないとおもいます」といいますと「アイゴですかね」と下山さんが言います。
魚は青く光って見えます。
浮かせますとこれは45cmほどのハマチでした。
魚をシメて、シメた魚は下山さんの買ったドンゴロスに入れさせてもらいました。
下山さんは場所を変わるということで船付の奥に移動しました。

私はずっと立って釣りをしていたので、足がかなりしんどくなりましたので下山さんの釣っていた場所で座って釣りをしました。
撒き餌を足元に撒き沖目に仕掛けを入れます。
ウキはシモリながら左に流れます。
シモッたウキがさらに加速して沈んでいきます。
アタリだと思い強くあわせますと魚は底に向かって走ります。
竿が大きく曲がってやり取りしようとしたときにフッと軽くなります。
仕掛けを見てみますとハリの上アタリから切れています。
座って釣っていたので対応が遅れたのがバラシの原因かと悔やまれます。

その後、磯の右端に移動して仕掛けを入れてみますがたまにエサがとられるばかりでグレは釣れません。
R君も20分ほど横に来て竿を出していましたが元の場所のほうが潮が流れるということでまた場所を変わりました。
私はまた下山さんの釣っていた場所に戻ってウキ下5ヒロ半で流しました。
サラシに押されてウキがシモッテいき、わずかに見えるかどうかというときにいきなり道糸が走ります。
あわてて合わせますといい引きで底に向かって走りますが、竿を立てすぎると足元の根でこすれそうです。
魚は足元の根に沿ってもぐりこもうとしますが強引に浮かせます。
R君がタモを持って来てくれました。
サラシの中から魚を浮かせますとグレでした。
タモに収まりましたのは40cmほどの太ったグレでした。
丁度このときR君もグレを釣ったようで、タモに魚を入れたときに私にグレが掛かったようです。
R君はその後もグレを掛けたようです。
R君の横に移動した下山さんもグレを追加したようです。
やがて2時前になり我々は道具を片付けました。

道具をしまって船付に行きますとY君がしょげています。
「私は磯釣りに向いていません。もうやめます」というのでいつものボヤキが出たーということで私と下山さんは大笑いです。
Y君と並んで釣っていたR君は41cmほどのグレを頭に6枚釣ったということです。
その横で釣っていたY君は28cmのグレ1枚ということで「同じところをウキが流れていてR君ばかり釣れます。私のような運でしか釣れない者はダメです」といいます。
「今日は1匹釣ったし。ボーズではないのでは」といいますと「こんなのはボーズと同じです」といいますので「今日は自分に厳しいですね」と冷やかしました。
下山さんは30cm前後のグレを4匹持ち帰りました。
私は40cmのグレ1匹にハマチ45cmに30cmほどのグレ1匹を持ち帰りました。

2時すぎに迎えにきた渡船は30人ほどの釣り人を回収して港に向かいます。
一部帰りの船に乗らなかった釣り人もいましたので2番船も出たようです。
港に着きますと47cmほどのグレを持っている人もいましたし、ほとんどの釣り人がグレを釣っているようです。
K君に聞きますと42cmのオナガを釣ったということです。
「2回バラシたけど3回目に釣り上げることができました。乗ったのはウメボシとかいう小さい磯でした。同行のケンコバ君はボーズでした。釣れたタナは深くて5ヒロでした」ということです。
K君はよく磯に行っているためか、少し風格が出てきたような感じさえしました。
もと弟子のK君の釣果をY君に報告しますと「私は師匠の資格はありません」とY君はしょげています。
港では氷のサービスがあり、船長がそれぞれの釣り場の釣果をノートに記入していました。
寒気が来てこれだけコンデションが悪い中でもほとんどの釣り人がグレを釣っているということですので、やはり解禁磯は良く釣れるようです。

帰りの車の中でまた来るかという話になりましたら、R君は「のんびりしているのでまた来てもいいですね。でも常連が多そうですので平日でないと沖の磯には乗れないかもしれませんね」といいます。「私のメール友達は地磯に乗って丸ボーズということです。腕はよくて梶賀にもよくいってよく釣っているのですが。竿2本まで落としたけれども釣れなかったそうです」とY君が言います。「よく釣れるといっても場所はあるでしょうね」と下山さんが言います。
帰りの車の中ではY君のいつものボヤキが出て久しぶりのグレネット釣行らしくなりました。
「私は仕掛けを入れたらすぐ釣れる泊のような場所しか釣れません。紀東は難しいです」とY君がいいますと、「今年は若狭で40オーバーを3枚釣っている名人ではないですか」とR君が言います。
「今日は皆さんにボヤキを聞かせるための仮の姿で、本当は1.5号ハリスで45cmのグレを釣る釣り名人ではないのですか」と冷やかしますと「そんなことは遠い昔です。やっぱりアングラーズの500円のウキでは釣れんですわ。何で隣は釣れるんでしょうか、やっぱり腕ですかね。皆さん、魚の引きを楽しめてよかったですな。それに引きかえ私は・・・。私は新しい竿を買おうと思うんです。今使っている5mよりも5.3mがいいのではないかと思うのですが。アッ、釣れなければ竿がよくてもダメですね、ワハハハ(笑い)・・・・(涙)。私は磯釣りやめますといいましたが、やはり23日にリベンジに行こうと思います」という具合にY君のいつもの名調子のボヤキを楽しく聞きながら帰途に着きました。

R君、Y君、下山さんとは次回の釣行を約束して楽しい1日を終えました。
楽しいのは始まるまでで、始まってしまえば楽しい時間はあっという間に終わってしまいますね。また、これからも皆さんと楽しい釣りができればと思います。

                     久しぶりに釣れた40cmグレとハマチ


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