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 上野山さんからのリポート
 「52cmのグレと50cmのイサギを見せつけられ

  二木島 (三重県)
   2009/12/27

 


12月27日は1週間ぶりでゆたきちさん(以下Y君)と二木島に釣行いたしました。
私は1週間前に方座浦の解禁磯で、ようやく12月になって今年初めて紀東でグレを釣ったのですが、その時の久し振りの大物の引きの感触が忘れられずに、この勢いなら2連勝も夢ではないと思い、グレネットの掲示板に27日に釣行予定と書き込みました。
1回釣れると次も釣れるのではないかと思い込むのが釣れない釣師のアサマしいところであります。
掲示板にかき込んだ翌日すぐに「アタリ」があり、Y君から一緒に行きませんかと連絡がありました。
しかし、Y君は19日の方座浦に続いて23日には音海に釣行されていますので軍資金があるのかなと少し心配です。
電話で打ち合わせて、過去の成功体験に基づいて久し振りに二木島に行きましょうということになりました。
私もY君も過去の釣行データーによれば二木島が一番よく釣れているようです。
釣れない釣師としては、過去の成功体験にすがるほかはありません。

27日は日曜日にもかかわらず高速は1000円になりません。
従いまして大宮大台に12時過ぎに到着して深夜半額割引が使えるように、出発は大津を10時過ぎとしました。
さて、今回は雪も無く乾いた道路を大津までトラブルなく走りました。
大津に10時に着きますとY君は銭湯に行っているということで少し待ちます。
銭湯から帰ってきたY君が用意を済ませて大津を出発したのは10時15分ごろです。
「この時間ですと早く大宮大台に到着しすぎるかもしれませんので、しばらく下道を通ります」という相変わらずの節約オヤジのY君です。
以前よく通った水口の辺りを通り、結局関から高速に乗りました。
12時30分ごろにエサ亀でLとMのボイルを1枚ずつ受け取り二木島に向けて出発です。
二木島には2時ごろに到着しました。
出船は6時15分ですので4時間弱車の中で仮眠できそうです。

5時40分ごろになり車のドアを開け閉めする音が聞こえてきましたので、われわれも起きて支度をします。
今日は車の外に出てもあまり寒くはありません。
1週間前の釣行で高速を降りて下道を走ったときに道路に雪が積もっていたのが嘘のようです。
日曜日ですので、そう釣り人は多くはないだろうと思っていたのですが、乗り場には20名ほどの釣り人がいます。
6時15分出船ということでしたが、6時過ぎに釣り人が全員乗り込むと船は定刻前に出船しました。
渡船に乗り込んだ釣り客は20名程度ですので湾内磯を考えれば十分にさばけそうな人数です。

まず船は湾内磯の角に底物の釣り人を一人おろしました。
その後「次は日の丸、オイテケ、誰か乗るか」と船長が言いますが誰も手を上げません。
こうなると「ベンテン」、「ホーロク」、「寺島」、「イガミヤド」だけでは磯が足りないかもしれません。
次に船は「ベンテン」に着けますが、外海に出ますと少し波があったので正面には着けずに、胴に着けます。
ここで2名の釣り人が降りました。
次は「ホーロク」に着けます。
ここでは4名の釣り人が降りました。
次は「イガミヤド」で3名降りました。
残ったのは半数の釣り人です。
「次にタコブチにいくぞ」と船長が言うが早いかY君が「私ら二人行きます」といってダッシュで前に行きます。
私もあわてて揺れる船を前に進みます。
このダッシュに圧倒されたのか誰もほかに手を上げる人がいなかったので、我々は何とか無事に「タコブチ」に降りることができました。
「タコブチでは昨年45cmのグレを釣っているのですよ。成功体験から磯を選んでしまいました。二人ならここしかないと狙っていました」というY君の執念が実りました。

「タコブチ」は「ホーロク」と「イガミヤド」の間にある地続きの釣り場です。
釣り場は横10mほどの岩です。平らなところが4mほどもありますので足場はよい磯です。
左前に根が出ていてそこからサラシが出ています。
荷物を高場において支度を始めます。まだあたりは薄暗くて仕掛けが見えにくそうですのでタモを組み立てたり、オキアミをバッカンに移したりします。
Y君には以前45cmを釣ったという右端に行ってもらい、私はサラシの出ている横から正面に向かって竿を出すことにしました。

オキアミをバッカンに入れますと私は少しサラシにマキエを打ちました。
少し明るくなってきましたので、竿を取り出しリールを取り付けます。
仕掛けを作る間も少しずつマキエを打ちます。
今回も竿はグレスペシャル2号です。
リールはシマノのレバータイプに道糸はサンスイで巻いたばかりの3号です。
ウキは前回アタリがあった釣研のスーパーどんぐり3Bです。
ウキは1ヒロ弱遊動とします。
サルカンの手前にキザクラのJクッションを入れ、サルカンをはさんでハリス3号を2ヒロとりサルカンの下に2Bのガンダマを打ちます。
ハリはオーナーのスーパーボイルグレ7号です。

用意ができましたがY君はまだ仕掛けを作っています。
仕掛けを作っている間も時折マキエを打っていますので磯に上がってから仕掛けを作るまでにマキエは7,8回くらい撒いています。
マキエを足元に打って、第1投です。
薄明るい中での第1投はいつも少し期待と緊張が入り混じった気分になります。
まだ暗い海に浮かぶウキは今にも引き込まれそうに思えます。
サラシに押されて右に出て行くウキを戻して仕掛けがなじむのを待ちます。
仕掛けがなじんだころにまたサラシが出てウキが右に押されます。
押されようとするウキを戻そうとしていると竿にアタリが来ました。
そのままあわせますと魚は下にもぐりこみますが磯の前に出てやり取りをします。
前回も第1投目でアタリが来ましたが、足元の根にもぐられて糸を切りましたので今回は強引にやり取りをします。
竿が2号ですので意外に簡単に上がってきたのは34cmのグレでした。

振り向くとY君はまだ仕掛けを作っています。
魚がかかったのに気がついたY君が「もう釣ったんですか」といいながらタモを出してくれました。
釣った魚をバッカンに海水を入れて泳がせておこうかと思いましたが、Y君がドンゴロスを持ってきていたのでそれを借りて魚をシメて入れさせてもらいました。
私が魚をシメていますとY君も30cmほどのグレを釣ります。
今日はいったい何匹釣れるのかと思っていましたが、その後はエサがとられ続けます。

Y君のほうは足元から深くなっているので釣りやすそうですが潮が左に流れます。
私のほうはサラシに押されて右に流れますので磯の中央あたりで潮がぶつかる状態です。
沖に遠投しますとウキは右に流れますので磯の右側は沖に流れる潮に引っ張られている状態なのかもしれません。
ウキは磯の中央に流れると引き込まれてしまい、見えなくなるほどにもぐりこみます。
沖の潮目に投入してもウキはもぐりこんでしまいます。
毎回餌がとられますし、ハリのチモトがかじられますのでフグ系のエサトリがわんさかいるのでしょう。
そのうちウキが入りなんとスズメダイを釣ってしまいました。
こんな魚が3ヒロで釣れるという事はグレの活性が低いかエサを入れる場所が悪いかのどちらかでしょう。

やがて9時になり弁当を船が運んできました。
Y君はあったかいうちに食べるといっていますが、二人同時に食べては時合いがきたのを逃してしまうかもしれないと思い私は釣り続けました。
Y君が弁当を食べ終わったので交代で私が食べます。
雲ひとつ無い青空ですし風も無いので暑いくらいです。
私は防寒用の上着を脱ぎカッパの下はシャツだけにしました。
晴れて無風の二木島は南国のようですね。
冬にこんなに強い日差しの下で釣をできるのは幸せなことです。

私は気分転換に磯の左端から竿を出して見ました。
ここは足元に根が出ていますので遠投して魚を掛けて弱らせてから取り込まないととても取れそうに無い場所です。
ウキ下5ヒロで沖目にウキを投げますがエサはとられます。
一度ウキが入りキタマクラを釣ってしまいました。
Y君が「釣れましたよ」と声を掛けてきましたので、見ますと30cmほどのグレを持っています。
サラシの中で仕掛けを張っていたら竿にきましたということです。
Y君は2匹連続で釣ったそうです。

私は左の釣り場に見切りを付けてもとの場所に移動しました。
しかし時合いは終わったのか、また餌がとられるばかりです。
この餌をとられ続けるという状況を打破しようと思い、ウキを小さいものに変えてみたり、0ウキのスルスルにしたり、遠投したり、サラシの中を釣ったりしましたが状況は変わりません。ただ大型が来てバラスといやなのでハリスは3号のままでした。

最後の手段とばかりに釣研の3Bの円錐ウキに交換して、Jクッションをはずしハリスにジンタン6号を2個打ちました。
この仕掛けにかえてウキ下4ヒロで沖の潮目に遠投しました。
仕掛けがなじんでしばらくしますとウキがもぐり始めます。
ウキが見えなくなってしばらくしていきなり竿が引っ張られました。
久し振りのいいアタリに、「よしきた!!」とばかりに合わせを入れますが魚はそう大きくはないようです。
タモを使わずに抜き上げたのは30cmほどのグレです。
同じようにしてもう1匹追加しますが今度は26cmほどですので放流します。

午後からは1時の満潮に向かって潮が満ちてきましたがアタリは出ませんでした。
結局私が34cmと30cmのグレ2匹、Y君が30cm前後のグレ3匹でした。
2時になり船が迎えに来ました。

港について他の方の釣果はどうかと見渡しますと、寺島の高場で釣っていた若い釣り人が52.6cmの立派なグレに50cmのイサギを釣っていました。
ホーロクに乗った方も42cmのグレを釣っていました。
帰りに氷を買いに行ったときに先に買っていた方に「釣れましたか」と聞きましたら「甫母の磯に乗って釣ったよ」ということでバッカンを開いてくれました。
バッカンの中には45cmほどのグレや40cmほどのチヌが入っていました。
「グレのタナはどれくらいでしたか」と聞きますと「グレは朝乗ってすぐに釣れた。タナは2.5ヒロだった。ここはよく来るけど磯の取り合いがいやなので最後に甫母の磯につけてもらうんや。たいがい、そのパターンが多いね。よほど人が少ないと磯を指名することもあるけど。それなら甫母の渡船で上がればいいと思うけど、よほどのナギでないと渡船がでないんや。今日は珍しく甫母の渡船が出ていたね。甫母の磯もよく釣れるよ。」ということです。
これはなるほどと思いました。
最後まで待って甫母の磯に乗るのも手かなと思いました。

私が確認しただけでも20人で40cmオーバーは3枚見ました。
他にも35,6cmのグレを持っている人を何人か見ましたので、ほとんどの方がグレの顔を見たのではないでしょうか。
乗船場で船長が50オーバーを釣った釣り人にタナを聞いていました。
「確か7ヒロくらいで70mほど流して釣りました。イサギは100mほど流しました。ハリスは3号使っていたので根にこすれながらも取り込めました」といっていました。
「今日はおおかた4ヒロ前後で釣れているし、昨日は7ヒロ前後で釣れたみたいや。釣れるタナは毎日かわるな」と船長が言っていました。

釣っていた感じではまだ水温が20度近くあって寒グレというよりは秋の磯のようでした。
若い釣り人の52cmのグレと50cmのイサギを見せつけられて、オジサン2人組は尻尾を巻いてタメ息とともに二木島を後にしました。

「上野山さん。ドンゴロス買わなくてはいけませんよ。釣った後のことも考えなくては」と車の中でY君に言われて私はハッとしました。
私は若狭でも紀東でもあまりに釣れないので氷などを持っていくという発想が浮かびませんでした。
「前回も下山さんのドンゴロスにハマチを入れさせていただいたので、次回からは氷を持っていこうかなと思います」といいますと「私は専用の活かしバッカンを買います。52cmを釣っていた人が持っていたのはガマのやつでしたね。私はもう少しリーズナブルなやつにします。ブクブクも2個付けられるようなやつです」と宣言するY君です。
私はもう少しで「50cmのグレを入れるためですか」と聞きそうになりましたがY君なりに闘志を燃やしているのでしょう。

形から入るのなら私も50cmのグレが入るような活かしバッカンを買いたいですが、ブクブクのスイッチを入れる日が来るのかどうかさえ危ぶまれますので今は自重でしょうか。
しかし心の片隅で2連勝したからには3連勝の目はあるぞと悪魔のササヤキが聞こえてきます。
釣り場に行けば誰もが50cmのグレを手にする権利はあります。
あとはチャンスをものにするかどうかだけですね。
次回の釣行では私も活かしバッカンをもって颯爽と磯に立ちたいものです。
そんなもん買った後ホンマにブクブクのスイッチを入れる日は来るのでしょうか。
一度も使わずに電池が放電してしまうことは無いでしょうか。
アッこんなに弱気では磯に立つ前から負けていますね。

どうにかこうにか今年の最後の釣行は2連勝で締められました。
来年もぐれねっとの皆さんと楽しい釣ができることをお祈りして筆を置きます。


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