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 上野山さんからのリポート
 「一気に走られて

  中泊 (愛媛県)
   2010/07/07、08

 


7月7日は知り合いのT君と四国の中泊に1泊2日で釣行いたしました。
T君は私と同じく敦賀市の住人で、サンスイ釣具のお客さんでもあり、私よりも1学年下です。
彼が「ぐれねっと」の釣行記を読んでいるということもあり、たまに釣具屋で会うと魚釣りの話をしていましたが、彼の仕事は土日が忙しいということもあって一緒に釣りに行くことはありませんでした。

しばらく前にある会合で顔を合わせて話をしましたら、彼は四国の中泊に50回近く行っているけれども、1回も50オーバーのオナガグレを釣ったことがないという話になりました。
どうにもならないアタリは釣行ごとにあるということですので、オナガの大型は何度か掛けているようですがどうにも取り込めないようです。
私は三重県で念願のクチブトグレの50cmオーバーを釣り上げましたので、次はオナガグレの60cmオーバーを目指そうと思っていた矢先でしたので、それでは近いうちに一緒に行きましょうという話しになりましたが、彼の店は水曜日が定休日ですのでこれはT君とは釣りに行くのは無理かなと思っていました。

T君と会ってから2週間ほどして、敦賀市内で知り合いの自営業の方と話す機会がありました。
私とは昔からの知り合いで1年に1回くらいですが、会いますと世間話をします。
渓流釣りが得意で、よくアマゴを釣ってきますが決して場所は教えてくれません
この方は今年アラスカに2週間行ってきたという話をしてくれました。
もう70歳近い方で、数年前に大きな手術をしたということです。
「アンタ人生でしたいことをしないとアカンで、死んだら何も出来ん。生きているうちに旅行やら釣やらしなさい。少々借金くらいしてもエエヤないか」ということです。
この方は大手術のあとは、したかったことをしないとイカンと思って70歳を前にしてベトナムに旅行したり、アラスカに旅行したり年に数回は海外旅行に行っております。
見せていただいたアラスカ旅行の写真の後ろのほうにスイセン畑も写っていましたので、これは何かと聞きましたら、越前方面に土地を買ってスイセンを植えて楽しんでいるということです。
「作ったスイセンを売るのですか」と聞きましたら「売るなんてせんよ。自分の楽しみのためにやっているんや」ということです。
写真には広大な畑に何百本というスイセンが花を咲かせています。
イヤハヤなんともすごい道楽です。

この自営業の方との会話はインパクトがありました。
私も今年で54歳になります。
ホンマに体の動くうちにしたいことはしなくてはイカンと思いました。

その数日後に再び会合でT君と会うことになりました。
「やりたいことは生きているうちにしなくては」という覚悟の私の勢いに圧倒されたのか、T君とは四国行きの話はすぐにまとまりました。
日程はT君の休みに合わせて水、木の1泊2日です。
私はまあ何とか会社を休むことが出来ました。
あえて平日に四国に釣に行くといいましたらあきれていましたが。

さて、中泊はいつもT君が使っているながはま渡船を利用して、初日は半夜、2日目は朝釣で行こうということになりました。
ながはま渡船は、今年の4月にぐれねっと管理人の下山さんも利用されているようです。
半夜の出船は1時過ぎですので、敦賀を夜の10時に出発して仮眠所でゆっくり寝ようということになりました。
6日の夜はT君の車で出発です、T君はいつも朝の2時ごろ寝ているということですので、夜は強いということで、途中1回休憩しただけで中泊まで運転してくれました。
中泊には朝の7時前に着きました。
ゆっくり走りましたので敦賀からは所要時間は9時間弱です。
平日の深夜割引と高速の無料区間を通ったために、高速料金は6千円弱でした。

仮眠所でビールを飲んで寝ようと思いましたが2時間ほどしましたら目が覚めてしまい眠れません。
運転していて疲れているT君も気が高ぶっているのかほとんど眠れないようです。
そのうち船頭とポーターが弁当を配り終わって帰って来て話していますのでT君が挨拶に行きます。
しばらくして部屋に帰ってきたT君が「沖の磯はサメが出ていて釣りにならないということですので、地方の磯になるそうです」といいます。
コケやノコギリで60cmのオナガグレと渡り合うと意気込んできたのですが、これで一気に意気消沈です。
まあ、地方の磯でもオナガグレは出るでしょうといって気を取り直します。

12時過ぎになりになり仕度を始めますと朝の釣り人が帰ってきます。
平日ですので釣り人は8人ほどです。
イサキやサバが釣れたということでグレは釣れていませんでした。

仕度を済ませて船に乗り込みますと、1時15分の出船には、釣り人は我々を含めて4人でした。
そのうち一人は通しということです。
船はしばらく走ってナカバエという水道の中にある独立磯の前で止まります。
ジャンケンをしてくださいとポーターに言われてT君が他の渡船とジャンケンをしますが負けてしまいましたので、われわれはすぐ近くのコデ島のコデ西に上がりました。
コデ西の先端は波が通りますので船着周辺で竿を出します。
足場は海にだらだらと落ちていて根が張り出していて大型は取りにくそうです。
仕掛けはいつものグレスペシャル2号に道糸5号、ハリス5号、グレ針11号としました。
ウキ下は2ヒロ半で始めます。
潮はかなり早く右に流れます。
アマリ遠くまでウキを流しても釣れないと思い足元を釣りますが、ウキが沈んであわせますと上がってきたのはハリセンボンでした。
T君もアタリが無いようです。
エサも残ってくることが多いのでエサトリもあまりいないようです。

やがて5時前になり潮が今度は左に流れ出しました。
潮に押されてもぐったウキがさらに入りましたのでアワセますと何か魚が掛かりましたが、一気に竿を伸されるような引きではありません。
竿を立ててためているとハリはずれでバレてしまいました。
エサを付けなおしていて、ふと横を見ますとT君の竿が曲がっています。
しばらくして浮いてきたのは30cmほどのイシガキです。
T君は抜き上げて、これは放流しました。
「やはり潮が流れると食ってきますね」とT君が言います。
私はこの後も磯際を攻めますが今度はエサが取られるばかりでウキにアタリが出ません。

オッという声に横を見ますとT君の遠征2号の竿がかなり曲がっています。
2.3秒ためて一段したに下りたときに竿が跳ね上がります。
これは何か大きな魚のようでした。
オナガグレかイシダイかそんな魚でしょうか。
「4号道糸から根ズレで飛びました。足元で出て行こうとするウキを戻しているとアタリがきました」ということです。
「ウキ下は何ヒロ」と聞きますと「2ヒロ半ほどです」ということです。
T君の大バラシの後は二人ともアタリも無くなり6時40分に迎えの船に乗りました。
港に帰りますと、他のお客さんは、イサギは釣ったけれどもグレは釣れないということでした。

私は隣で4号道糸が切れるバラシを見て、四国に来たのだなあという実感がわいてきました。
道具を片付けた後は宿毛でエサを買って給油をして食事をしました。
帰りに風呂に入ろうと思いましたが風呂に着いたのは9時で、風呂の営業時間が9時までではいれなかったので、船長に連絡して仮眠所のシャワーを借りて汗を流しました。
翌日は5時に出船ということでしたので、仮眠所に戻りシャワーを浴びましたら私はすぐに寝てしまいました。

中泊の2日目です。
4時に目覚ましの音で目が覚めます。
私は起きると着替えをしてパンを食べました。
ゆっくり用意をしていますと釣り人がやってきますが、朝は我々を入れて7名でした。
弁当を頼んで船に道具を積み込みます。

                朝5時出船のながはま渡船 45人乗りの大型

船は昨日と同じナカバエに到着してまた他の渡船とジャンケンになりました。
ここは3人組の一人がジャンケンに行き3船でジャンケンして我々の船が勝ちました。
ここにはジャンケンをした3人組が上がりました。

                   ナカバエの前で他船とジャンケンをする

ナカバエに3人をおろしますと船は猛然と大三角方面にむかいます。
我々は大三角の横にあります、大三角の奥という磯に上がりました。
「ここは有名磯ですので、土日にはめったに乗れませんよ」とT君が言いますが磯に上がりましたら前日のマキエが散乱していて臭くて仕方がありません。
まず、水汲みバケツを取り出して磯を洗うことからこの日の釣は始まりました。
昨日の磯でもアオブダイやらフグが磯の上に放置されていて悪臭を放っていました。
人が毎日乗るような有名磯ではこのようなことはつき物かもしれませんが、次の人のことも考えていただきたいと思いました。

さて、この日はハリス5号で始めましたがほとんど潮が動かずに餌がとられません。
隣の大三角ではポツポツと30cmほどのイサギが上がっています。
9時の弁当船まで二人ともオジサンを1匹ずつ釣ったきりです。
私は弁当を食べた後に仕掛けを換えました。
道糸を4号、ハリスも4号と一回り細くします。
ハリスを4ヒロ取り、道糸と直結して小さめの黄色の0ウキをヨウジで固定します。
ウキ下を3ヒロ弱とりました。
ウキの下40cmほどのところに潮受けゴムを着けます。
ハリはスーパーボイルグレの8号とします。

この仕掛に換えてサラシに乗せてウキを流していますとウキが入ります。
あわせますとかなり引きますが、魚は横に走ります。
これは40cmほどのサバでした。
T君にタモ入れしてもらって、ハリをはずして放流しました。
隣の大三角でもサバが掛かっています。
これまで私に釣れたのはこのサバとオジサンだけです。

足元からは2,3分に1回ほど大きなサラシが出ます。
ウキをサラシに乗せて流していくとサラシの切れ目でウキがもぐっていきます。
ウキが見えなくなって糸を張りぎみにしていますと、いきなり糸が引っ張られます。
これは竿を立てるまもなく切れてしまいました。
仕掛けを上げますとハリのチモトから切れていました。

タナを深く取っていると、大物が掛かかったときにはバラス確立が高くなりますが、アマリにもアタリが無いので針をくくり直して同じ仕掛けでウキを投入します。
バラした後5投目くらいでしょうか、ウキが沈んで張り気味にしていた道糸が走ります。
今度はしっかりあわせて竿が立ちそうになりますが、やはり一気に走られて竿が充分に立つことが無く仕掛けが飛びました。
今度は道糸とハリスのつなぎ目から仕掛けが飛んでいました。
見てみると道糸がグニャリとねじ切れていました。
普通、両手で引っ張っても4号どうしの結束部は切れませんが、これが一瞬で切れるとはどういう力が掛かっているのでしょうか。
ちょうどバラシを見ていたT君が「かなり大きそうですね。タナを深く取るとバラシの確立は高いですね」と声を掛けてきます。
まあ、私も取れる気はしませんでしたが、2回大物のアタリを楽しめたということでやや満足でした。

ウキ下を浅くするとアタリが無い、深くするとバラスというのはオナガ釣ではつき物かもしれませんが、ホンマにオナガ釣りは忍耐と根気が必要ですね。

その後は二人とも1回のアタリもなく12時20分の迎えの時間になりました。

         隣の大三角の釣り人    暑いので麦藁帽子をかぶって釣りをしていた。

港に帰るとさっと道具を片付けて、船長にまた来ますと挨拶をして家路に付きました。
帰りは道沿いにあります津島やすらぎの里という温泉に入り、淡路島で食事をしてゆっくり走って11時前に敦賀に到着しました。
沖ノ島と比べますと、島から宿毛までの船に乗らない分早く着きますね。

ながはま渡船の待合所には、60cmオーバーのオナガグレの魚拓が10枚近く貼ってありました。
船長の話では「取れるのは運がいると思うよ」ということですが、魚拓を見ていると自分も取れそうな気になってしまいますね。
三重県で大グレを釣りましたので、「次は四国でオナガも」と勢い込んで乗り込みましたが見事返り討ちに会いました。
掛かったお金を計算してみると高速料金が片道6000円弱でしたので、家と会社のお土産も入れて全部で4万円弱でした。
週末の1000円料金で行けばもう少し安くいけそうですね。
次回はぐれねっとの皆さんを誘って四国にオナガ狙いで釣行しようともくろむ私です。



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