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上野山さんからのリポート
「前回の借りを少しは返した、1日目」
御五神 (愛媛県)
2011/02/23
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1月末はサンスイ釣具店の若旦那と平日に1泊2日で四国の御五神に行きましたが、私はようグレを釣ることはできませんでした。
我々は、泊まり客ということで2日目はA級磯の「ニシキバエ」に上げていただきました。
若旦那は40cmまでのグレを2匹釣りましたが私はボーズでした。
帰りには、若旦那が40cmと35cmと2枚釣ったグレのうち、小さいほうをお土産に頂くという、釣師としてはかなり屈辱的な釣行となってしまいました。
その時の釣行記には「この借りは必ず返すぞ」と書いたのですが、その後は風邪をひいたりして「借りを返し」には行けませんでした。
2月半ばになりようやく咳もおさまりましたので、サンスイ釣具に遊びに行きますと店の前にガマカツの車が止まっています。
店には若い女性が一人でいましたので「ガマカツの社員さんですか」と聞きましたら「そうです」ということで、思わず「私の使っている20年ほど前に購入したグレスペシャル2号は穂先を1回も折っていないけれども、レイダム1.5号は5回ほども穂先を交換しているんです。最近の竿は軽いけれどもよう折れますね」と聞くと、営業のうら若き女性は「レイダム、グレスペシャル2号ってどんな竿」という顔つきです。
ガマカツの営業の女性は25、6歳に見えましたのでグレスペシャルが発売された頃は5歳ほど、私がレイダムを購入したのは15歳頃ではないかと推察されます。
私の最近の竿といっても、レイダムを購入したのが10年前ですので自分ながら「おじさん振りに」あきれてしまいますね。
営業の女性は「最近のアルマとかは穂先が折れにくいですよ」などと言っていましたが、私はグレスペシャルを使って三重県で大グレも釣り上げておりますので竿はこれでよいかなと思っています。
若い女性に向かって、私がさらに23年前にはガマ磯1号で86cmのマダイを釣り上げた自慢話をしていますと「上野山さん、前回の御五神ではウキがもぐり潮で潜っていって出てこなかったでしょ。
対策として久し振りに発泡ウキを作りました。
小さいけれども5B以上のオモリの負荷です」といってサンスイ釣具の若旦那が20個ほど手作りウキを出してきました。
「よかったら次回のために10個ほど持っていってください。プレゼントします」といいます。
「次回というと近々四国に行くの」と聞きますと「来週の火曜日、水曜日に1泊2日で行く予定です。天気も今回はいいと思います」という若旦那の話です。
若旦那が御五神島仕様のウキを私の分まで用意してくれたとあっては、ここで行かねば男がすたると思い「私も都合がつきそうでしたら電話します」といってさっそく来週の土曜日に仕事を入れて、火曜日と水曜日は土曜日の仕事の前に代休を取るという強行採決で、なんとか釣りに行くことにいたしました。
その代わり会社の女性からは四国の高速のサービスエリアで買えるお土産のリストを渡されましたが・・・
渡されたリストには5品目も書いてありました。
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サンスイ釣具の若旦那からいただいた手作りウキ 小ぶりだが全て5B以上 |
2月22日の月曜日の夜の7時過ぎにサンスイ若旦那(以下M君)がボルボのワゴンで迎えに来てくれました。
今回は前回忘れた着替えの入ったバッグを忘れないように気をつけます。
1月に四国に行ったときは、道中はかなり雪が降っていましたが今回は快晴です。
M君は快調に一人で運転をしてくれて、宇和島を過ぎてからコンビニによって朝ごはんと、昼ごはんを買い求めて朝の3時には石橋渡船さんの駐車場に入りました。
平日の朝というのに10台ほど止められる駐車場はほぼ満車です。
今回はM君以外に、敦賀に住んでいるFさんという私よりも3歳ほど年配の釣人も御五神で合流することになりました。
Fさんですが、前日は一人で中泊のながはま渡船で竿を出して、今日は石橋渡船で我々と合流することになっています。
これだけ車があれば朝はガヤガヤして目が覚めるだろうし、Fさんが先に来て泊まっているので大丈夫でしょうとM君といって我々は目覚ましもかけずに寝ました。
車の中で熟睡していてふと目を開けると6時です。
1月に来たときは、確か出船が6時半だったと思い、急いで着替えていますとFさんと船長が小走りで車のところにやってきます。
「今日は6時出船ですが港を出ようとして人数が足りないと思って見に来ました。すぐに用意してください」といいます。
竿ケースやら磯クーラーは船長とFさんが運んでくれました。
M君はトイレに行っていていません。
大慌てでカッパを着て磯グツを履きます。
トイレから戻ってきたM君はカッパを抱えて船に向かっています。
ドタバタしてなんとか船に乗りこむとすぐに出船です。
船が出てすぐに忘れ物に気がつきました。
コンビニで買った昼食を車の助手席に忘れたのです。
M君に「車に昼飯忘れた」といいましたら「私もです」ということです。
「先月来たときに飲まなかったココアの飲み物が1個だけあります。喉が渇いたら持ってきた氷を砕いて飲むしかありませんね」とM君がいいます。
とりあえず魚用の氷とココア一缶が2時まで我々に与えられた飲み物です。
Fさんに弁当忘れたといいましたら「わしは昼食用にカップヌードル1個だけしか持っていない」ということです。
Fさんは前日、中泊で40cmまでのグレを1匹釣ったということです。
「まあ、忘れ物をしたときは釣れる時ですけど」と私はM君に言いました。
何故か、タモとかスカリとかを忘れたときはよく釣れるものです。
「今日は食べずに釣りに集中しろということですかね」とM君が言います。
今日はもう少しで寝坊をして船に乗れないところでした、前回の長靴が飛んでいったことといいM君とは珍道中が続きます。
船はいつもの寝床の抽選場に着きます。
天気は晴れですがややきつい北東の風が吹いています。
船の中のお客さんは15人ほどです。
寝床周辺から船長が名前を呼んで順番に下ろしていきます。
「ミズバエとオオバエだけはいやだけど、与えられた磯は運命と思って受け入れるしかないです」とM君は殊勝なことを言っています。
やがて船は御五神本島を通り抜けます。
「Mさんたち3人ですね。次用意してください」と言われ、船が向かったのは「ササバエ」です。
「ササバエ」は大きな磯で沖を本流が流れています。
「沖に向かって右に二人と左に一人でやってください。ハリスは太めですよ。食いが渋いので竿2本までやってみてください」と船長に言われます。
磯では私とM君が右側に乗りましたFさんが左側です。
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ササバエの右端で竿を出すM君 |
ササバエでは背中から風を受けることになりました。
私はM君の左側、磯の中央よりで竿を出しました。
今日の仕掛けですが、竿はグレスペシャル2号、シマノのレバータイプのリールに道糸は4号、サルカンをはさんでハリスを4号を2ヒロ半とります。
ウキはM君手作りの小型のもの、オモリは5B、ハリはボイルグレの9号です。
この仕掛けですと60cmのオナガが来ても少しは持つでしょう。
タナを4ヒロにして、ボイルのオキアミをハリに付けてウキを投入しますと、早い勢いでウキは左に流れます。
私が足元を流し右側のM君が少し沖を流します。
1投目はエサがついて上がってきます。
ウキ下を半ヒロ落として投入しますが、またエサが付いてきます。
沖の鏡になったような潮が近づいたり離れたりするたびに流れ方が変わるようです。
御五神は潮を読んで仕掛けを考えなくてはいけないので難しいですね。
8時ごろになりFさんが「差し入れや」といって干しイモの袋を持ってきてくれました。
私とM君はありがたくいただき、少しずつ惜しむようにかじりました。
タナは竿2本ほどまで落としましたが、たまにエサがかじられる程度でアタリはありません。
9時ごろにココアをM君と二人で分け合った飲んだ後、私は喉が渇いたので磯クーラーに入っている氷をナイフで削って口に含みました。
10時ごろになり30mほど沖を流していたM君が「キタよ、今日はボーズ無しです」といってグレを釣り上げます。
「何であんな沖で掛かったの」と聞きますと「足元に撒いたオキアミが沖に流れてどうもあのアタリでたまっているように思ったからです。実際ウキが引き込まれる潮でした」ということです。
M君が釣ったグレは35cmほどでした。
私も沖に投入しようと思いましたがM君作成の小さい発泡ウキですので飛びません。
それでも竿1本ほど沖に仕掛けを投入してウキの頭にマキエを打ちます。
タナは竿2本です。
仕掛けがなじんだと思った頃にウキがスーと入ります。
合わせますと魚が掛かります。
久し振りの引きで上がってきたのは同じく35cmほどのグレです。
四国では昨年のT君との釣行以来4連敗中ですので、久し振りのグレに顔がほころびます。
さきにサカナを始末しているM君の横にサカナを持っていって、ナイフでシメて私の磯クーラーに入れます。
この後連続で来るかと思いましたが後が続きません。
30分ほどして足元を流れていたウキが少しシモリます。
根掛かりかとあげてみると魚がついています。
10秒ほどやり取りしましたが、これはハリはずれでバラしてしまいました。
「グレっぽかったね」とM君に声を掛けられます。
やはりちゃんとアワセを入れないとハリが外れますね。
しばらくして沖に潮が出だしました。
M君の例もあるとそのまま沖にウキを流していきますと30mほど流れたウキが入ります。
今度はちゃんとアワセを入れましたので魚はついています。
これは38cmほどのグレでした。
11時ごろになり潮が緩んで今度は右に流れ出しました。
私は釣れるタナが深いので、M君の手作りウキの中からもうワンサイズ大きなものに変えてオモリを大きくしました。
少しでも仕掛けがなじむのを早くするためです。
今度は足元を流れていたウキが右前に行ったあたりで潮に押されて潜ります。
潜ったウキが見えなくなりましたので、道糸を張り気味にしていますと竿に直接ゴンゴンとアタリが来ました。
これは根の前で掛かりましたので捕れるかどうか心配でしたが、ハリス4号ですので強引に根をかわして引っ張り上げたのは40cmほどのグレでした。
私はグレを3枚釣りましたので、まあ前回の借りを少しは返したでしょうか。
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私が釣ったグレ 40cm |
これまで釣れていなかったFさんも1時過ぎに6Bのウキに6Bのオモリを2個つけて沈めて釣るというやり方で何とか40cmのグレを1枚釣り上げました。
これは無理やりに食い渋るグレの口元にエサを運ぶというような釣り方ですね。
潮が右向きに変わってからは、私は餌もとられなくなりアタリは出ませんでした。
やがて2時前になり迎えの船がやってきました。
今日の釣果は私がグレの35cm、38cm、40cmの3枚。
M君がグレの35cm1枚、Fさんがグレの40cmを1枚です。
私は、今回M君の手作りウキを使ってグレを3匹釣ることができました。
M君に感謝です。
そうそう書くのを忘れていましたが12時前に私の右で釣っていたM君の「アッ切られた」という声で振り向きますとM君の道糸がヒラヒラしています。
「どうしたんや」と聞きますと「8ヒロで遠投していたら仕掛けがなじんだ頃に竿をひったくられました。たぶん青物と思いますが糸を出している最中にサルカンのつなぎ目から切れました。とてつもない手ごたえです。ブリの大物かもしれません」といいます。
M君も私と同じく道糸、ハリス4号でやっていましたので、それを一瞬で切っていく魚がいるとはさすがに四国ですね。
M君は、バラシはしましたが、久し振りの大物の手ごたえに満足そうでした。
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ササバエから見た日振島 そう風も無く暖かくていい天気でした。潮が白波を立てて流れています |
宿に帰り道具を片付けて、温泉で汗を流して部屋でゆっくりして6時から夕食を食べました。
夕食は前回同様オカズが多くて食べ切れませんでした。
今回の刺身はカツオでした。
泊り客は我々3人だけのようです。
「明日のお客さんはどうですか」と料理を運んでくれるお姉さんに聞きましたら「明日はお客さん18人ほどですので船は2隻出します」ということです。
平日でも四国はお客さんが多いですね。
部屋に戻って、私は疲れもあって地元の釣り雑誌を読みながら7時過ぎには寝てしまいました。
今日は久し振りにグレを釣ることができましたので、明日は余裕を持って釣ることができるかなと思いました。
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