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 上野山さんからのリポート
 「ドラグが逆転してジージーと糸が出る」

  二木島 (三重県)
   2011/07/09

 


7月9日の土曜日は、ぐれねっと3人組で久し振りに二木島に釣行いたしました。
二木島は昨年末のクリスマス釣行以来です。
前の初日は強風のなか沖磯に渡り、釣りにならずにサンザンな目にあい、翌日風が弱まったというのにチキンになって、あえて湾内磯にのってコッパという最悪の磯選択となってしまいました。

このところ梶賀で、ゆたきち師匠(Y君)と私がそれぞれ40オーバーのグレを釣ったということで、ぐれねっとチームとしては2連勝です。
喉元すぎれば熱さ忘れると申しましょうか、前回磯の選択を誤って貧果に終わった失敗体験の古傷も徐々に癒えて、今回久し振りに二木島に前回の借りを返しに行こうかということになりました。
紀東方面はこのところエサトリのサバが多いようです。
したがって、釣果はサバがいるかいないかで変わってくるようです。
今週のぐれねっとの週末のおすすめ磯でも、「サバのいないところで釣れている」ということです。

9日の土曜日は下山さんが電車で来るということで大津に6時20分に合流して下山さんを乗せていつものエサガメに向かいました。
エサガメでボイル2枚と板氷をそれぞれ購入して尾鷲のジャスコでいつものように昼食を買います。
二木島には10時30分頃に到着しました。

駐車場が空いていましたので車を入れると隣では若い釣り人一人が仕度をしているだけです。
用意を済ませて港に行きますと、港では60歳くらいのご夫婦の釣り人が1組おられました。
話をしますと先週ご主人がタイラにのって、3回切られたので2週連続で来たということです。
「ハリス何号ですか」と聞きますと「先週は2.5号です」ということです。
「今日は太くするのですか」と聞きますと「先週と同じです」ということです。

私はあえて自分が4号やら5号を使っていることは話しませんでした。
ハリスの太さは人それぞれの、釣りのスタイルや釣りに掛ける思いがあるので、一概に太いとか細いとか言えませんね。
遠投して釣るのでしたら、ある程度やり取りが出来ますので細くてもよいでしょうし、足元の磯際を釣るのでしたら、いきなりの引き合いとなりますので太くないと持たないと思います。
私は今日の夕方は5号でやろうと思いました。

やがて船長が来て「今日は暑いな」と声を掛けます。
三重県は前日に梅雨明けしたということで気温も35度になろうかという暑さです。
港の待合所ではまだ風があるので、長袖シャツにライフジャケットを着ていても、少しはしのげます。
私は顔に日焼け止めを塗り、祭りでもらった豆絞りの日本手ぬぐいを水でしぼって頬かむりをして、その上から帽子をかぶりました。
帽子も充分水でぬらしておきます。
豆絞りの手ぬぐいで頬かむりをした私の姿を見たY君が「とてもジャズを演奏する人に見えませんな」といいますが、この熱さのなかでの磯釣りは格好にこだわっていてはいけません。
下山さんもエサガメで買った麦藁帽子をかぶっています。
半夜の釣り人は駐車場にいた若い釣り人と我々3人組に、このご夫婦ということで、全部で6人です。

船は定刻の11時に港を出ます。
船はベンテンに近づきます。
予報では波は1.5mということでしたが沖に来ますと磯にはかなりシブキが上がっています。
Y君が「ベンテンが空いているそうです。3人で乗りますか」と聞いてきましたので「行きましょう」ということになり3人でベンテンに上がりました。

船はベンテンの胴に着けますが、かなり波で上下します。
ここの船は磯に押し付けないので、船の上下するタイミングを見て一人が磯に飛び乗って、船から荷物を渡します。
もし手伝う人がいないと、一人で道具を両手に持って磯に飛ばないといけないので、波があるときは特に注意が必要です。

「はよう道具渡せよ、もたもたしとったらあかんぞ」と船長がマイクで言いますが、ここは安全第一です。
波を見て確実に道具を渡します。
最後に、私の渡るときになり波で船がずれましたので船が20mほどバックしてもう一度磯につけなおします。
私は竿袋をもってタイミングを見て磯に飛び移りました。
私はこの作業で釣りが半分終わったような気持ちになりました。
二木島の釣り人が少ないのは、この磯渡しがあるからかなと思いました。

「この船着きは以前私が波でバッカンをさらわれた場所です。道具はもう少し上に置いたほうがいいですよ」とY君がいいますので、道具を高いところに移動します。
「今日は下山さんが一番先に釣る場所を決めてください」といいましたら下山さんは先端が良いというので、私と下山さんが沖向きの先端で竿を出し、Y君が船着きということになりました。
         梅雨が明けてすっかり夏の磯となりました ベンテン先端で竿を出す下山さん

先端に移動して竿の用意をします。
竿はいつものグレスペシャル2号に、シマノのレバーブレーキのリール。
今回はドラグのついたスプールで道糸4号です。
5Bの円錐ウキを遊動にして、サルカンをはさんでハリス4号を2ヒロ。
ハリはボイルグレ9号としました。

下山さんの少し後ろ側に釣り場を構えて、ウキ下を.3ヒロ弱にして第1投です。
足元のサラシで押されたウキは磯の左側の先端に向かって流れそのまま沖に出て行きます。
仕掛けを回収しますとエサはついています。
下山さんは足元にウキを落としています。

そのうち足元から少し先端よりで下山さんがグレを掛けました。
これは30cmほどでしたのでそのまま抜きあげていました。
「ハリス何号ですか」と聞きましたら。下山さんも4号ということです。
5,6回投げたところで大きな波が来て、頭から潮をかぶってしまいました。
これはイカンということでより先端部、下山さんの左側に移動しました。

下山さんは立て続けにグレを掛けますがいずれも30cm前後で放流しています。
今日はラッキーなことにサバがいないようです。
足元を流していたウキが入り私にも30cmほどのグレが釣れました。
これは放流します。
釣れてくるのはクチブトばかりです。
「Y君にこっちが釣れるので来てもらいましょうか」と下山さんが言いますので私はY君の様子を見に行きました。

Y君のところに行きますと、ちょうどY君は30cmほどのグレを締めていました。
「3匹ほどこんなのを釣りました。波がきついので全部抜いています」ということです。
Y君はそのまま釣っているというので、先端部に戻って釣りを再開しますがどうもグレの型は大きくならずに小さくなる一方です、下山さんは10cmほどのグレも釣っています。

ふとY君のほうを見ますと、かなり竿が曲がっています。
下山さんが見に行きます。
「大きいのが掛かったけれどもバラしたということです」と下山さんが報告してくれました。
その後、下山さんはY君の隣に引っ越して行きます。

私も一度Y君の隣に引っ越しましたが、3回ほど頭から潮を浴びて元気がなくなり先端に戻りました。
長靴の中も海水が入ってびしょびしょになってしまいました。
私は戻った先端で竿を出しましたが、時々30cm前後のグレが掛かってきます。
32cmほどのグレを2匹釣りましたので締めて磯クーラーに入れておきました。

                    釣れた32cmのグレ このサイズが多かった

やがて4時ごろになりました。
夕方の一発を期待して私はハリスを5号に張り替えました。
タナはまめに変えていましたが夕方は3ヒロにしました。
エサはとられたり残ったりします。

足元のサラシから出て行ったウキが少し沈んだあと、一気に入ります。
軽く合わせますと、いきなり竿が持ち込まれます。
竿がまったく立たないのですが、のされた状態でリールのドラグが逆転してジー、ジーと糸が出ます。
ドラグ逆転は松の下で54cmのグレを釣って以来です。
何とか少しずつ竿を起こしてリールを巻こうとしますが、引きが強くて巻けません。
魚は足元に向かって走り、磯際に張り付いたような感じです。
私はこの強烈な引きはクチブトなら50オーバー、もしかするとオナガかもしれないと思いました。
竿を右側に倒し、道糸をなるべく足元から出ている根にすれないようにします。
しばらくこう着状態が続きましたが、私はハリス5号を信じて強引に竿を立てました。

グレスペシャル2号は満月以上に曲がっています。
やがて少しずつリールが巻けるようになりました。
この魚は最初の強烈な引きに比べると途中からはあまり引かなくなりました。
この時点で、私はグレでは無いかもしれないと思いました。
ウキが見えてきて、その下からは茶色い魚が上がってきました。
なんと、掛かったのはカンダイでした。
釣行前にぐれねっとの掲示板で、出来れば50オーバーのサンノジが掛かってほしいと書いておきましたが、念願かなって釣れてきたのは、少しはずれて50cm手前のカンダイでした。

まあ、50cmの魚の引きでしたので楽しめました。
水温も高いので魚も元気いっぱいでよく引きますね。

                夕方に来たカンダイ 掛かった時の引きはすさまじかったです

釣れたカンダイは写真を撮って放流しました。
見えている歯が恐ろしいので、口に掛かった釣りバリはペンチではずしました。

その後はタナをいろいろ変えましたがグレは釣れませんでした。
やがて6時になりましたので私は道具をしまって船着きに行きました。

Y君は見えていたバラシ以外にも道糸の高切れによるバラシや、40cmのイスズミを釣りあげたりしてずいぶんと楽しんだようでした。
Y君はバラシの前には41cmのクチブトも釣ったということです。
Y君は30cm前後のグレも5枚持ち帰るようです。
下山さんは38cmまでのグレを4枚持ち帰るということです。
私は32cmのグレ2枚を持ち帰りました。
今回は3人ともグレを持ち帰ることが出来て何よりでした。

「夕方いい感じになってきて、一発大きいのが来るかと思いましたが不発でしたね」とY君が言います。
Y君はシブキを浴びて、全身びしょ濡れですが暑かったので何とか耐えて釣りをしたのでしょう。

         41cmのクチブトを釣ったゆたきち師匠 全身潮まみれになりながら奮闘した

港に戻りますと今日は他の皆さんも30cm程度のグレしか釣れなかったようで、40オーバーはY君だけのようです。
下山さんの電車の時間がありますので、今回は風呂に入らずに帰らなければならないということになりました。
頭から波をかぶった私とY君は渡船場の水道の水で体を拭いて、その場で着替えをしました。
あまりの暑さに、水道の水がぬるま湯になっていたので体を拭くのにはちょうど良かったです。

帰りには草津でカレーウドンを食べて下山さんは大津を11時すぎに出る電車で帰りました。
これで前半戦は終了かと思いますが、Y君は別れ際に「来週は船釣りでだめですが2週後に行くかもしれません。また連絡します」といっております。
40オーバーのグレを釣ってバラシ2回のゆたきち師匠は、より成功体験を求めて2週間後も真夏の磯に行くかもしれませんね。
私も下山さんも、ゆたきち師匠に言われたらきっと付き合うことでしょう。
おじさん3人組の熱い夏は、まだまだ続くかもしれません。


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