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 上野山さんからのリポート
 「中泊2日目、オナガ来ず」

  中泊 (愛媛県)
   2011/12/22

 


中泊2日目です。
朝6時前に起きますと、外はかなり北風が吹いています。
服を着替えて下に降りていきますと、今日は車も少ないようです。
6時45分の出船には12人ほどの釣り人が船に乗っていました。
今日はこの風の中、韓国からも釣り人が2人来ているという事ですので,ここのオナガグレ釣りは国際的にも有名ですね。
「今日は北風が強いので、源氏の取り合いになると思いますよ」とT君が言います。
船は昨日と同じく源氏の横のインキョまで全速力で走ります。
えひめ渡船もすぐ横で待機しています。
磯着けが始まりますとえひめ渡船と交互に源氏の磯につけて、次は我々の番という時に船は向きを変えます。
「カッパのフードかぶって」というポーターの注意でカッパのフードを被ると船は全速力で波しぶきを上げて方向転換して走ります。
船はすぐに風裏の大きな磯につけてくれました。
ここは後で聞きましたら「小横島のウロ」とか言う磯で底物場のようで磯にはピトンを打った跡がたくさんあります。

我々の乗った 小横島のウロ 中央の窪んだ場所です

ここは全く風が当たりませんので極楽のような磯です。
私が船着きに入り、右にT君、左にM君が並びました。
足元から切れていてどん深の磯です。
仕掛けは昨日と同じですが、ウキはサンスイ釣具のM君手作りの5B相当の小さい発泡ウキとしました。
ウキ下は3ヒロ半です。
T君がハリスにオモリを打ったほうが釣れると力説しますので、今日はハリス4号の真ん中にジンタンを打ちました。
私は昨日の源氏よりも釣れそうな感じがしましたので、今日はやる気満々で1投目から集中しました。
エサは1投目から取られますので魚の活性は高いようです。
アタリはないのですが今にもウキが沈みそうな気がしてリールのレバーを握りしめていつでもオナガのアタリが来てもいいように構えました。
潮はゆっくりと左のM君のほうに流れます。
風裏の磯ですのでベタナギ状態でサラシは出ません。
私は足元から50cmほどの所にウキを投入しますがたまに根掛かりもします。

8時前になりM君にアタリがありました。
割合すんなりと上がってきたのは47cmほどのクチブトです。
タナを聞きますと4ヒロ弱という事です。

       クチブト46cmがかかったM君 オナガに備えて竿が硬いのであまり曲がっていない

タモに入ったグチブトはスマートな魚体でオナガグレのような感じでした。

次に中泊に来て今回はじめて私のウキガ入って30cmほどのサンノジが釣れてきました。
これは30cmほどでしたが一瞬オナガが来たのではと思うような引きでした。
このサンノジは「もっと大きいのをつれて来い」といって放流しました。
外道ですが魚を1匹釣って、ようやく私は少し楽しい気分になりました。
サンノジはよく引きますので、釣り味だけで比べるとクチブトの数倍も面白いですね。

そのうちに「オッきた」という声で振り向きますとT君の竿が曲がっていますが、既にウキが海面から出ています。
上がってきたのは45cmほどのイガミでした。
T君は少し高いところで釣っていますので、魚を私の足元に魚を寄せて私がタモを入れました。
T君に「イガミくらいではきたといわずに、もくもくと黙って取り込みなさい」と言いますと、T君は「すんませんご迷惑をおかけしました」といって笑っています。
敦賀を出て来る時にイガミが釣れたら持ってきて欲しいという料理屋があったので、これはシメて持って帰ることにしました。
M君は次にイサギを釣りあげました。
どうもM君は竿1本ほど沖の泡のあるアタリで掛けているようです。
私も少しウキ下を下げて4ヒロにして、竿1本沖に仕掛けを投入しました。
ウキは仕掛けが馴染むとゆっくりと左に流れます。
私は足元と竿1本沖を交互に流しました。
4投目くらいでしょうか、M君の前アタリまで流れたウキが物凄いスピードで入ります。
これは大物のアタリだと思いレバーを握りしめて合わせますと、合わせた瞬間に竿は海に突っ込みそうになります。
同時にドラグが逆転してジージーと糸が出ます。
私は竿の弾力をいかそうと一度糸を出して竿を起こして、なるべく角度をつけて構えました。
横で見ていたT君は竿が「つ」の字みたいになっていましたよと後で言っていました。

4ヒロ近くでやっていてリールが逆転して糸が出ましたので、これ以上糸が出たら仕掛けがもたないかもしれないと思い、私はリールを逆向きにしてリールのスプールを掴んで逆転を止めました。
竿は極限まで曲がりましたが、魚は止まりました。
ですが魚はかなり潜っているようです。
私は時間をかけて竿を起こしてはリールを巻きました。
私は、最初オナガかと思いましたが、魚が止まってからはオナガのようなしつこい引きがないのでこれは違う魚かも知れないと思いました。
やがてウキが見えてきて上がってきたのは50cm近いサンノジです。
T君が「オナガグレがサンノジに化けましたね」と言ってタモを入れてくれました。
「最初に小さいサンノジを放流する時に、もっと大きいのを連れてこいといったら本当になりました」といって私は苦笑いをしましたが、サンノジを取り込むのに5分ほどもかかりましたのでひと汗かいてしまいました。
これが続けて掛かれば腕がパンパンになりそうです。

                       サンノジ48cm よく引きました

私は「ぐれねっと」の掲示板で、よく狙いは50オーバーのサンノジですと書いていますが、50cm近いサンノジの引きは凄まじいですね。
特に最初の突っ込みはオナガグレと同じくらい引きますね。
引きだけでいうと私はオナガグレについでサンノジの引きは好きです。

糸が出たためかハリスが根に擦れてザラザラになりましたので私はハリスを替えました。
ハリはグレメジナの9号です。
サンノジの引きでウキ止めが上にずれていましたので、ウキ止めを4ヒロに合わせて再度竿1本先に投入します。
「今度は50cmオーバーのサンノジが来ますように」と言いますと、またウキが入りましたが今度はさっきほど引きません。
「あまり引きません。頭を振るので下品な引きですわ」と言いながら楽に魚を寄せてきましたら、下からは白い魚体が浮いてきます
「なんやアイゴですか」とT君が聞きますが上がってきたのはマダイでした。

     すんなり上がってきたマダイ45cm、これは放流しました。  とてもきれいな魚体でした

Mに「サンノジの後に掛かったためかマダイは何とも引かない魚ですね。掛かったのは30cmほどのアイゴかと思いました」といいますと「まあ、チヌと変わらん引きでしょう」とM君もいいます。
このマダイはサンノジと比べると大きさは3、4cmほどしか変わらないのに引きはサンノジの5分の1くらいしか引きません。
魚をシメようかと考えていましたら、様子を見ていたM君に「上野山さんマダイを持って帰るのですか」と言われ、「このマダイはオナガ釣りの外道という事でこれは放流しますわ」と言って私はマダイを放流しました。
T君は、自分はイガミをもって帰るのにマダイは放流ですかとあきれています。

その後はM君に45cmほどのクチブトが釣れました。
タナは6ヒロという事でした。
1時ごろからは潮は左によく流れましたが誰にも当たりはありませんでした。
今日は風が強いという事で少し早く2時に迎えが来るというので、我々は1時45分ごろには竿を片付けました。

                    T君の釣ったイガミとあとはM君の釣果

私は昨年から延べ4回中泊の磯で竿を出してまだ1匹もグレを釣ることができません。
まあ、サンノジやらマダイが釣れましたのでもう一歩かもしれませんが、オナガグレを釣るというのはハードルが高いですね。
オナガグレに備えて常にリールをフリーにしてブレーキに指をかけての釣りは緊張しますが、1日ウキに集中するのは大変に疲れますね。
60cmのオナガグレが潜んでいる中泊は魅力的な磯ですが、釣り上げるまでに何回通わなくてはならないのでしょうか。
待合室で船長が「皆さんに60cmが釣れて欲しいですが釣れてしまって納得してしまって釣りに来なくなるのも困りますので、大きいのをバラしてもらって、又来てもらうほうがこっちはありがたいです」と笑って言っていましたが釣り人もその通りですね。
60cmを釣ってしまったらもう釣る気が無くなってしまうかもしれませんね。
オナガ釣りは釣れないから又行きたくなるのですね。

初日にハリス5号でやって切られたT君ですが、竿を持った体勢もまあ大丈夫そうでしたので、横から見ていて慌ててリールをゴリ巻きしなければ捕れたようにも思えました。
捕るかバラスかは掛かった時の一瞬の判断ですね。
頭が真っ白になるようなオナガの引きを味わえたT君は幸せですね。
T君はこのあとは仕事が忙しくなるので、もうしばらくはいけないという事ですので、M君ともう1回は中泊に行きバラシでもいいので大型オナガの引きを味わいたいものです。


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