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 上野山さんからのリポート
 「引きが強い外道を釣るオヤジ」

  二木島 (三重県)
   2012/01/08

 


今シーズンを占う初釣りは、1月8日にゆたきちさん(Y君)と二木島にて、ということになりました。
1月7日の土曜日は、私が夜に京都で用事があります。
用事が終われば、そのまま夜11時ごろに大津まで戻って、Y君と合流して釣りに行くという強行軍ですが、これを逃すとなかなか次に行く機会がないということで、少し無理をしてスケジュールを組みました。

7日は夜の11時前にY君と合流してゆたきち号に荷物を積み込み、いつもの餌ガメには1時前に到着しました。
餌ガメでは各自ボイルを2枚ずつ受け取り、一路二木島を目指します。
「神前浦ですと餌を受け取ってから30分強で到着しますので、神前浦が釣れるのでしたらこすごく楽なのですがね」とY君がいいます。

私は前回パーフェクトをやられた神前浦はさすがに行く気にはならずに私のリクエストで今回は二木島にしました。
3時前に二木島に到着しますと駐車場には1台の車もありません。
「これは泊まりの人もいないのかもしれませんよ。意外に人が少ないのではないですか」とY君と話しましたが、夜が明けてみましたら渡船場は30人ほどの釣り人であふれかえっていました。
今日は人が多い為か弁当が出船前に配られます。
各自弁当を受け取りますと船長が船を岩壁に付けます。

「この人数ではなかなか希望の磯に上がれませんね、あとのほうで降りますか」とY君と話していましたが、荷物は船の真ん中あたりに下ろしました。
やがて6時半の定刻になり船は出ました。
天候は晴れで、ベタナギです。
風は弱い北風のようですので絶好の釣り日和です。
ただ、潮周りが大潮です。
「今日は大潮ですね。私は大潮ではあまりいい目はしていません。あんまり釣れる気はしないですね。満潮は6時ですので磯に上がってからは、引きにかかっての釣りですね」とY君がいいますが、私は、このところ潮回りにかかわらず釣れていないので、釣れるまで釣りを続けるしかありません。

船はまずガマの口に2人を下ろし次の長磯にも2人を下ろします。
「日の丸、オイトケおるか」と船長がマイクで言いますが前に乗っている釣り人は誰も手を挙げません。
私は一瞬これなら日の丸にでも、と思いましたがY君が動かないので見送りました。
このあと松の下に2名を下ろして船は外海に出ます。
弁天で3人と寺島で4人を下ろしホーロクで3人を下ろします。
これで釣り人の約半分はさばけました。

次にタイラに船が向かう時にY君が船長に下りたいといいますが、すでに希望の方がいるようです。
ここは2名が下りました。
前に出ていた我々はなんとか次のタコブチに下りることができました。
「第二希望でしたがなんとか下りられてよかったですね」とY君と声を掛け合います。
船長の天の声が無い渡船システムでは、希望してもその磯に下りられるとは限らないので、下り損なったときに次にどこに行きたいかなど考えておかなくてはいけないので、第二希望の磯でも下りることができると、それで半分釣りが終わったような気になってしまいますね。

Y君が沖に向かって右側、私が左側で釣ることにします。
ベタナギですので磯の左の根のあたりから弱いサラシが出る程度です。
前回Y君とここに上がったときには1投目からグレが釣れましたので、今回もマキエを打ちながらタモを組み立てて、仕掛けをつくります。
今回の道具立てですが竿はグレスペシャルのガイドが外れましたので、今回はレイダムの1.5号に、道糸4号、ハリス3号です。
ハリはオーナーのスーパーボイルグレ8号に、ウキは釣研の円錐ウキ5Bです。
オモリ3Bをハリスに打ち、ウキは1ヒロ弱遊動にしてウキ下は竿1本から始めます。

1投目は足元にウキを落としますが、ウキは手前に寄ってくる感じです。
しばらくして仕掛けを上げますとエサがついていません。
前回の神前浦ではエサがついたままの時間が長かったので「釣りはこうでなくては。やはり二木島は釣れそうやな」と思ってします。
しばらくして始めたY君は「ウキが手前に寄ってきます。かなりの速さで左に流れていますね。すぐにエサもとられます」といいます。
 
                     磯の右側で竿を出すゆたきちさん

私もその後はエサがずっと取られます。
ウキはエサトリのアタリでゆっくりと根掛かりのように沈みますが、何度あわせてもエサとりは掛かりません。
そのうちにY君は磯の左側で竿を出すといって、私の後ろを回って磯の左側から寺島向きに竿を出しました。
私は30cmほどタナを上げましたがエサは毎回取られます。
そのうちにY君は「向こうは裏になるのか潮が流れません。エサは取られます」と言って戻ってきます。
Y君は「私はもう弁当を食べます」といって9時ごろですが弁当を食べ始めました。
私も食べたいところですが、2人一緒に食べては時合いを見逃すといけないと思い私は釣りを続けました。
潮は相変わらず手前に当ててきて左に流れます。
足元を釣ると根掛かりしますが、どうも足元が釣れる様に思えます。
Y君が弁当を食べ終わりましたので交代で私が弁当を食べます。
ここの弁当は700円ですが、ポットに入った温かいお茶もついているうえにオカズが盛りだくさんですので値打ちがあります。

 
               日が昇ってからは春のようでした ホーロク、寺島方面を見る

朝は放射冷却のためにかなり寒かったのですが、日が射してからは暑いほどですので、私はネックウオーマーとカッパの下に着ていたダウンのジャケットを脱ぎました。
私が弁当を食べ終わる頃に「アッ、バラシタ」というY君です。
「自分の前まで流れてきたウキがエサトリのアタリみたいにゆっくり入っていきました。どうせエサトリやろとおもって見えなくなるほど沈んでから軽くあわせると、いきなり竿を引きこまれました。完全に後手でしたので、体勢を作る間もなく動かれてハリスから切れました。ヤッパリ油断したらアカンですわ」ということです。
やはり大きい魚は足元にいますね。

弁当を食べ終えた私は潮が左に流れるので、2人で並んでは釣りにくいと思いY君が釣っていた磯の左側に引っ越しました。
磯の左側、寺島向きは足元から切れていて釣れそうな感じです。
ウキを投入しますとこちらは潮裏になるのかウキは流れません。
ここもエサトリにすぐにエサが取られます。
弁当を食べ終わった頃に見回りに来た船長が隣の磯で「今日は水温が上がった」と言っていたのを思い出します。
水温があがってエサトリは活発なのでしょう。
本命のグレの活性も高まって欲しいところです。

やがて足元で根掛かりの様な感じでウキが入ります。
合わせますと何か魚が掛かりましたがそう引きません。
上がってきたのは不吉なタカノハダイでした。
この魚のサイズは35cmほどでした。
 
                      磯の左側で釣れたタカノハダイ

私がY君にタカノハを見せて、しばらくしてY君が「釣りましたよ。小さいですけど」といって33cmほどのグレをタモに入れています。
魚が釣れても、こっちはタカノハで、向こうはグレという事ですので、私の釣運の下降線を感じるところです。
そのうち「又釣りました」という声で向こうを見ますと今度は35cmほどの魚をタモに入れています。
「これはタカノハではありません。フエフキダイの様な魚です」といってY君は魚を放流します。
私はこの場所では釣れないと思い又磯の正面に移動しました。

左の根の近くでウキを流しますと、ハリスが浮き上がっているような感じになりますので私は浮力の強いウキに替えて、ハリスにBとジンタンを2個打ちました。
この仕掛けで足元から根の際に流しているとウキが沈み20cmほどのオナガグレが釣れました。
グレが釣れたのはあまりにも久しぶりでしたので、一瞬持って帰ろうかと思いましたがこれはハリを外して放流しました。

やはりこの釣り方だと思い、根に向かって流れるウキをとめて30cmほど引いて、又流すという事をやっていますと、根の際でまたもウキが入ります。
前回の20cmのグレで油断したわけではありませんが、合わせますと強烈な引きです。
竿を持って磯の前に出ながら、沖に竿を出そうと操作しますが魚は手前に突っこみます。
動作が遅れた為にハリスが根に触れたのか一瞬で竿が上を向きました。
この間5秒ほどでしたでしょうか。
私は力をこめて踏ん張っていましたので、糸が切れたひょうしに思わず後ろにひっくり返ってしまいました。
「よく竿は曲がっていたのに残念でしたね」とY君が言います。

バラしたのは残念ですが、さすがに二木島は大きい魚がいますね。
「グレだったら相当な大物ですよ。ハリスにオモリを打って根の際で留める釣りをしています。この釣り方でアタリがでました」と私はY君にいいました。

ハリをくくりなおし、仕掛けを再度投入します。
一瞬Y君の方を見た瞬間に竿が引っ張られました。
今度は完全に後手ですが、今回は磯の前の方に立っていたのと、リールのドラグが機能したおかげで、海面スレスネまで竿を伸されながらも、ハリスは根に当たらずに、ドラグの為に糸が出て最初の引っ張り合いでは糸は切れませんでした。
糸が出たおかげで走った魚は足元の根に張り付いたようですが、竿を沖に突き出して沖から魚を引き剥がすようなイメージで竿を操作しますと魚は動きました。
シメシメと思って竿を立てますと魚はよく引きますが徐々に上がってきてやがてウキが見えました。
根にハリスが当たらないように注意して魚を浮かせますとこれもグレではありませんでした。
先ほどY君が放流したフエフキダイの少し大型で42cmほどありました。

ハリスはザラザラになっていました。
魚が走った時に岩にオモリが引っかかったのでしょうかBのオモリの位置が50cmほどずれていますし、均等に打ったジンタンは2個が引っ付いてしまっています。
このファイター君は写真を撮って放流しました。
帰ってからサンスイ釣具に寄って、写真を元に魚類図鑑で調べましたら、これはハマフエフキではないかという事です。
 
                    ハマフエフキ42cm 最初の引きは強烈でした

「フエフキでしたがよく引きました。コッパオナガも釣っているので今回はパーフェクトでは無いですね」とY君に言いましたら「まあ、上野山さんパーフェクトは逃れましたが前回のサンノジ、マダイに続いて今回の、タカノハ、フエフキという事で外道オヤジ命名ですな」とY君に言われてしまいました。
よく考えて見ましたら前回のグレネット釣行では夏に二木島でカンダイを釣っていますので、まあ「引きが強い外道を釣るオヤジ」でもいいかなと思いました。
こうなったら引きの強い外道釣りに精進してやるワイ。
こんな事を書きますと、グレネット常連のいとうさんから四国のお誘いが来そうですね。

その後も足元を狙いますが、足元の根で私は何度も根掛かりをしてしまいました。
どうもアタリがあるのは足元と左の根の際ですが潮が当たってくるので、ギリギリを狙うとウキは少し沖にあっても仕掛けは足元に寄ってしまって根掛かりするというパターンです。
ハリスにオモリを打っているのでよけいに根掛かりするのかもしれません。
こんな潮の時の釣りは難しいですね。

1時を過ぎますと2人ともエサが取られなくなりました。
タナを下げてもエサが取られません。
冷たい潮でも入ったのでしょうか。
30分ほどエサが取られなかったですが、終了前にはまたエサが取られ出し、Y君はキタマクラを釣り上げてしまいました。
やがて1時45分になり我々は道具を片付けました。
港に戻りますと、タイラに乗った若い釣り人が45cmのオナガグレを釣っていました。
目立った釣果はこれくらいでしたので、水温が上がったとはいえグレの食いが上がったわけでは無いようでした。

帰りはいつものY君なじみのミカン屋に寄って、さんざん試食をして、私はポンカンをお土産に買いました。
亀山のインターチェンジ手前で少し渋滞に会いましたが、土山でチャンンポンを食べて大津には7時30分頃には着きました。
Y君には行き帰りともに運転していただき大変お世話になりました。
今回は早い時間にY君にグレが釣れたためか、残念ながら恒例のボヤキはありませんでした。
Y君に釣れたグレがあと5cmほど小さかったなら、さぞかし名ボヤキが聞けたことだったでしょう。

そうそう、われわれの下りましたタコブチですが、磯に前日に乗っていた人のゴミが落ちていました。
我々は帰るときには前の人の残したゴミも拾って帰りました。
前の釣り人のゴミは、ワンカップとビールの空き缶にグレパワーの袋です。
ハリスの切れはしもかなり落ちていました。
渡船が見えるギリギリまで釣りをせずに、次に磯に下りる人の事を考えてゴミを拾って帰るというマナーを守って欲しいものです。
磯にゴミを残して帰る釣り人も、自分が磯に乗った時に磯がゴミだらけでは気分が悪いと思うのですがいかがなものでしょうか。

私は今回で4回連続グレを持ち帰っていませんが、引きの強い外道が釣れているのでソコソコ釣りを楽しんでいます。
ですが、あまりにもグレが釣れないので、グレの引きってどんな感じだったかを忘れてしまいそうです。

このサイトを見ておられるみなさんも、毎回グレが釣れない釣行記にお付き合いいただきましてご苦労様です。
私がフィールドテスターならボーズ釣行記だらけでは、とうの昔に首ですね。
しかし、まあ、なんといってもグレ釣りは難しいですね。
特にグレボーズが続きますとなおさらに難しいと思いますが、ここでハリスを落としますと、切られてのバラシがありそうですので、ハリスは3号よりは落さないようにして次回も望むつもりです。

下山さん、ゆたきちさん、次回は仕掛けを投げ込んだらすぐにお手軽に40cmほどのグレが釣れるような場所にご案内いただけないものでしょうか。


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