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上野山さんからのリポート
「釣れても釣れなくても磯釣りは楽しい」
甫母 (三重県)
2013/02/16
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「ぐれねっと」の釣行記を最後に書きましたのが、昨年7月の越前の船釣でした。
その後は鮎釣りには何度か行きましたが、磯釣は秋に越前の地磯に1回行ったきりで、いろいろ忙しくて磯釣りに行っていませんでした。
このまま、今シーズンはグレの顔を見ないで終わるかと思っていましたが、1月にゆたきち師匠(以下Y君)から釣りのお誘いがあり、都合をやりくりして2月16日に三重県の甫母に行くことになりました。
こういう誘いがないと、ここ4ケ月近く竿を出していないので、とても自分から寒い中一人で車を運転して釣りに行く気は起こりません。
今回はありがたいお誘いですが、ゆたきち師匠と釣りに行くのもなんと1年ぶりです。
甫母に行くのは今回で2回目です。
前回Y君といつ行ったのかと「ぐれねっと」の釣行記で調べてみますと、08年の1月(磯釣りやめます、来週だけ)ですので、あれから5年が経ちます。
この5年間、リーマンショックや東日本大震災など大変なことが起こりました。
振り返って見ますと、お互い子供を大学にやって、なんとかリストラもされずに荒波に揉まれながら「失われた20年」をよく生きぬいてきたものだなと感心します。
50半ばを過ぎても普段は仕事をして、週末には磯釣りにいけるということは、ホンマに幸せなことだとしみじみと思われます。
さて、打ち合わせの結果、二人で大津を金曜日の夜の10時頃に出発するということになりました。
天候は前日に低気圧が太平洋側を通過して16日は北西の強い風が吹くということです。
かなり寒そうですが、三重県は風裏になリますので、波も収まるだろうということです。
今回どうして甫母になったかといいますと、前日Y君がお昼と夕方に二木島の渡船屋に電話をかけましたが、誰も出ないということでひとつ手前の渡船区の甫母にしたということです。
敦賀を8時過ぎに出発し、10時前に大津について、ゆたきち号に荷物を積み込みいざ出発です。
12時までに高速のインターを出てしまうと夜間割引が使えなくなるということですので、途中サービスエリアでは長めのトイレ休憩をとり、時間調整をして紀勢大内山インターを12時5分頃に出ました。
大宮大台のインターからですと、夜間では100円しか高速料金が違わないということで、今回は紀勢大内山インター出口の釣り餌市場でボイルのオキアミを購入しました。
例によって私はLを2枚、Y君はMを2枚です。
釣り餌市場は深夜なのにレジには女性が二人います。
Y君が名前を言いますと、女性の店員さんが解凍したオキアミを出してくれました。
オキアミは1枚1200円でしたので、価格はえさガメと同じではなかったでしょうか。
ここは、店も明るくて繁盛しているような感じがしました。
Y君は12月からしょっちゅうこちらに釣りに来ているということですが、釣れる日もあれば釣れない日もあるようです。
しかし、釣れた日では人生に一度あるがないかの爆釣もあったようです。
やはり、釣りにいかないことには魚を手にすることはできないですね。
Y君の話を聞いておりますと、このところの水温の上がり下がりが釣果に影響しているようです。
2連敗のあと水温が上がって3日目に釣った体験もされているようです。
しかし、前回の釣行では2日間ともグレは釣れなかったということです。
Y君の運転で我々は2時頃に甫母に到着いたしました。
途中の尾鷲に入る道には新しいトンネルが開通しており、これで10分ほど所要時間が短縮されるようです。
今年度中には紀伊長島まで高速が伸びるということですので、餌屋さんが紀伊長島にできるかもしれませんね。
甫母では港に車を止めてくれということですので、車を港に入れて寝袋で仮眠をしました。
5時過ぎに起きるということですので仮眠は3時間程度です。
50代半ばを過ぎてこんなハードな釣行はいつまでできるかなと思ってしまいます。
5時半になり、なんとか起きて車を晴洋丸渡船の駐車場に移動します。
釣りの支度をしているとやがて船長がやって来ます。
今日の釣り人は2人組が3組ですので、全員で6人と少ないようです。
船に道具を積み終えると6時10分に出船となりました。
ほかのグループは「ほとけ」と「中ノ島」希望ということですので我々は2番目に付けた「コバエ」に下りました。
「コバエ」は「ホトケ」と「中ノ島」のあいだのやや奥まったところにある大きい釣り場です。
「水温が昨日より2度上がったということですので今日は釣れますよ。コバエは過去の成功体験から選択しました」というY君ですが、私は以前一度下山さんと乗って20cmほどのコッパグレを数匹釣っただけでしたので、「コバエ」にはあまりいいイメージを持っていません。
船長はあまり先端に行かなくても途中で二人分かれて釣ればいいとアドバイスをくれます。
私が先端で、Y君がそこから5mほど下がった場所で竿を出すことになりました。
Y君は竿を新調したということで、今日はアテンダーの1.5号を使うということです。
私はいつものレイダム1.5号に道糸4号、ハリス3号にグレバリ8号です。
ハリスを2ヒロとり、サルカンで道糸と接続します。ウキは釣研の円錐ウキの5Bでタナは4ヒロ弱からスタートします。
足元にマキエを打って竿1本ほどのところに仕掛けを投入します。
仕掛けが馴染むとウキは右沖に出ます。
なんだか釣れそうな感じです。
しばらくして仕掛けを上げますとエサが付いています。
ウキ下を30cmほど下げて再度投入します。
4投目くらいでしょうか、今度は馴染んだ仕掛けが2mほど流れたと思いましたらウキがゆっくりと沈みます。
これはアタリと合わせますと魚が乗っています。
実に久しぶりの感覚です。
竿は曲がりますがすぐにウキが出てきました。
魚は大きくはないようです。
釣れたのは27cmほどのクチブトグレでした。
合わせが遅かったためかハリを飲んでいましたのでこれは締めて磯クーラーに放り込みました。
入れ食いになるかと思いましたが、このあとは二人とも沈黙です。
そのうち餌も取られなくなりましたので私はタナを5ヒロまで落としました。
釣り始めて40分ほどしてようやくY君の竿が曲がりこれも同型の28cmほどのグレが釣れました。
その後はお互いポツリポツリと26cm前後のグレがかかりますがこれは放流します。
私は同じ場所にウキを投入することに飽きてきましたので、10時頃にY君と場所を替わりました。
先端では餌がほとんどとられませんが、5mほど下がった中ほどでは1投ごとに餌がとられます。
ウキが斜めにピューと入り手のひらサイズの尾長も釣れてきます。
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コバエ先端で竿を出すゆたきち師匠 |
お昼前にはお互い26cmほどのグレを5、6匹釣ったでしょうか。
Y君は全部放流しているようです。
私はカツカツ30cmのグレを1匹釣りましたのでこれはもって帰ることにしました。
あと、ハリを飲んだグレも2匹持って帰ることにしました。
その後はウキ下を6ヒロほどまで落としますがアタリはありません。
竿1本ほど沖ではコッパが釣れますので足元狙いで磯際を狙いましたが6、7回根がかりしてしまいました。
なんとか足元に仕掛けを入れても釣れるのは26cmほどのグレです。
1時頃には餌も取られなくなり潮も引き、どうにも釣れないような感じになりました。
迎えが2時ということですので、我々は1時30分に道具を片付けました。
「いやー、考えてみましたらコバエでの成功体験はほとんどが初夏でした。冬は少し条件が違いますかね」とY君は申し訳なさそうに言います。
「久しぶりにウキが入ったので楽しかったですよ」と私はY君に言いました。
私の住んでいる敦賀の冬の天候は、しぐれてほとんど毎日雨か雪です。
1日中晴れが続くことは滅多にありません。
それに比べるとここの天気は日差しが明るくて春のようです。
こんないい青空の下で竿が出せるだけでも幸せというものです。
2時の迎えの船に乗り港に戻りますと「ホトケ」の2人組は35cmほどのグレを頭に25、6cm前後のグレを7、8匹持っていました。
「中ノ島」の2人組は40cmほどのチヌと27、8cmほどのグレを5、6匹持っていました。
今日は水温が上がったということで小さいグレの活性が上がったようです。
道具をしまって帰りに尾鷲のみかん屋によりますと懐かしいR君と会いました。
R君は尾鷲に釣りに行き、やはりコッパグレしか釣れなかったということです。
同行者が50cmオーバーのカンダイを釣ったということでした。
R君と別れて、我々は途中のサービスエリアで近江ちゃんぽんを食べて大津には6時過ぎに到着しました。
大津からの帰り道では雪で途中の湖西道路が渋滞したこともあり、敦賀には9時過ぎに到着しました。
軍資金の豊かなY君は今週末も行くと言っています。
私は次回行けるのは3月の末頃でしょうか。
ともあれ、釣れても釣れなくても磯釣りは楽しいですね。
持って帰った魚は日曜日に刺身にして食べました。
久しぶりに自分で釣ったグレはほっぺたが落ちそうなくらい美味しかったです。
お誘いくださって、渡船、餌など段取りをしていただきましたゆたきち師匠に感謝して家族で美味しいグレの刺身を食べました。
また、ゆたきち師匠、下山さんと珍道中で釣りができることをお祈りして、このへんで相変わらずの釣れない釣行記の筆を置きます。
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私に釣れたグレ ハリを飲んだ26、7cmが2匹と30cmが1匹 |
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