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 上野山さんからのリポート
 「若狭に3回、釣れなさぶりを発揮」

  泊、西小川、泊 (福井県)
   2013/04/29、05/03、05/12

 


4月末のゴールデンウイークに入ってから、1年ぶりに相棒のSさんと若狭のチヌ釣りに3回行きました。
1回目は4月29日に泊に釣行しました。
この日は晴れでしたが、午後から南風が強まるということで、早上がりになるかもしれないので私とSさんは9時出発の2番船に乗り込みました。
いつもは体力を考えて午後からの釣りが多いのですが、今回は9時からということで釣る時間は長くなります。

サンスイ釣具店でオキアミ4枚にチヌパワー日本海を購入し泊の大谷渡船に向かいました。
9時出発の2番船には若狭磯研の会長さんと、合わせて釣り人は全部で4人でした。
われわれは、「ヒナダン」を回った奥にあります「馬の背」という磯に着けてもらいましたが、この磯では開始からフグの猛攻にあい、フグに飲まれたり、切られたりして3時間ほどでハリを10本ほど使ってしまいました。

これはたまらんということで、12時過ぎの見回りの船に合図をして、少し戻って遊覧船が乗りつける「門の鼻」という磯に磯替わりしました。
今日はいつものレイダム1.5号を出して、仕掛けを作ろうとしましたらトップのガイドが取れてしまい、急遽予備の0号の竿を使いました。
大グレが来るかもしれないということで道糸3号にハリス2号、グレ針7号の仕掛けです。
竿が0号ですのでバランスが悪いですね。

この磯は初めて乗る磯で、Sさんが左向き、私は右向きに釣ります。
右側はサラシも出るのでチヌが釣れそうな感じです。
ウキ下は3ヒロほどで開始します。
今度はエサがとられません。
20分ほど経ったでしょうか「オッ。キタ」といってSさんが28cmほどのグレを釣り上げます。
これは左がよかったのかと私も磯を左側に移動します。
タナを聞きますと3ヒロ半ほどということです。
私もタナを3ヒロ半に合わせます。

Sさんは続けて30cmほどのグレも抜いています。
私にもようやくアタリがあり、久しぶりに根の際を流れていたウキがスーと沈みます。
合わせると魚がかかりました。
0号の竿ではなかなか魚は浮きません。
ようやく浮かしたのは26cmほどのグレで、これは大事をとってタモで掬いました。

その後2時ごろにSさんに28cmほどのグレが1匹と40cmほどのチヌが釣れたきりです。
夕方のゴールデンタイムにはチヌもグレも釣れずに22〜23cmほどの良型のガシラが二人に連続で釣れました。
ガシラのアタリですが、最初はチヌのようにゆっくりウキが入りますので「オッきたか」と思いますが、残念ながら沈んでいく途中でウキが止まってしまって「ケッ、またガシラか」と正体が分かってしまいますね。
本当は煮付けにするとチヌよりも美味しいのですが・・・

迎えの時刻は6時の予定でしたが、天気が悪くなるということで船長から私の携帯に早上がりの連絡が有り5時に磯をあがりました。
私は26cmのグレ1匹とガシラが5匹ほどでしたが、2年ぶりに40cmのチヌと30cmのグレを釣ったSさんは、「まだまだ休みはあるし、いつでもスタンバイしているで」とやる気満々です。

この日は他の渡船ですが、「ヒナダン」で49cmのグレが釣れていました。
われわれと一緒に帰った「ヒナダン」のとなりの「千畳」に乗っていた釣り人はチヌの49cmとグレ43cmを釣っていました。
相変わらず「ヒナダン」周辺でいいグレが釣れるようです。

船長によりますと我々の上がりました「門の鼻」は、遊覧船がゆっくりと通りますし、船を桟橋につけて観光客を上陸させたりもして、ガヤガヤしてうるさいのであまり人気はない磯ということです。
そのためか良型のガシラが二人で10匹ほども釣れました。
サンスイ釣具店で最後にガシラが釣れた話をしましたら、「チヌがいなくなってから終了の合図のように次にガシラが釣れてきますね」ということでした。
結局魚が釣れた時合は2時頃から3時頃にかけてということだったのでしょうか。

さて2回目ですが、5月3日に泊の手前の西小川に釣行しました。
この日は晴れていましたが前日からの北風がやまずにウネリも出ているようです。
朝に泊の大谷渡船に電話しますと「6人ほど乗せたけれども3つ岩までしか行けんから、乗る磯は無いな。湾内の磯もそう釣れてはいませんし」ということです。
これは西小川にいくしかないと思いスミヤ渡船に電話しますと「11時半の見回りで出れるで」ということですのでSさんと西小川に向かいます。

11時半の見回りで出たのはわれわれ二人です。
天気予報では波は1.5mのち1mでしたが北風ですのでウネリは落ちないようです。
「ボラグリ」などの水道周辺の磯は波しぶきが4、5mほども上がっていてとても乗れそうにありません。
船は「オカブト」を回って「クログリ」に着けてくれました。
途中の磯には釣り人の姿が見えませんでした。
今日はわれわれ二人以外に「シラタキ」から奥に乗っている釣り人が4人ほどいるということですので、釣り人は西小川全体で合計6人ほどのようです。

「クログリ」は回りに根が結構ありますし、サラシが出ますのでチヌが釣れそうな感じです。
竿はレイダム1.5号に道糸3号、ハリス1.7号、グレバリ7号、ウキ下は3ヒロで始めます。
足元に撒きエサを打ちますとスズメダイが出てきます。
この磯のスズメダイは撒きエサを追って沖に出ますので、撒きエサは足元に打ちます。
今回はウキ下3ヒロではじめましたが毎回エサがとられます。
Sさんは遠投して25cmほどのグレを3匹ほど釣りましたが、これは放流します。

結局この日は迎えの6時までエサがとられ続け、私はウキが入ると釣れてくるのはべラやフグで何のドラマも無く二人ともボーズという結果でした。
ほかの釣り人の釣果をみましたら、28cmほどのグレを3匹ほど釣っている方がいましたがこれが唯一の釣果のようでした。

3回目ですが5月12日に再び泊に釣行しました。
朝8時過ぎに大谷渡船に電話しますと電話に出ません。
磯渡しで忙しいのかと思い9時過ぎに電話しますとようやく電話に出ました「今日はウネリが残っているのでいい磯はほとんど乗っていますよ。小山までなら乗る磯があるかもしれんけど」ということです「今日はチヌ釣りをするので小山まででもいいですよ。見回りで乗せてください」と頼みますと「それでよかったら12時に来てください」ということです。
Sさんといつものサンスイ釣具店に行き、オキアミ3枚とチヌパワー日本海を買って店先の洗い場でタライを借りてスコップで混ぜます。

今回は12時の見回りで出るのはわれわれ2人だけのようです。
「船が小さいのでウネリがあるときは20人以上のお客さんは受けられんわ。昨晩は10人ほど断りました」と船長が言います。
この釣業界が不況なときにも、この大谷渡船は人気があるようです。

われわれは見回りの帰りに磯につけてもらうということで、渡船区の一番端の「馬の背」まで順番に釣り人の釣果を聞いて回ることが出来ました。
12時の時点では釣り人が20人近くいて、グレは全く釣れずに、全部でチヌが2、3枚ということでエサもとられないという場所もあります。
「タキゾメ」で46cmのチヌを釣ったという釣り人が船長に「もっと釣れる磯に替えてくれ」といいますと「ここが一番釣れる磯や」と船長が返すというやり取りなども交わされていました。
われわれは「今日はどこも釣れていないので二つ岩まで戻ってチヌ釣りしますわ」と船長に言いました。

船長に「グレ釣りのお客さんのほうが多いんですか」と聞きますと「おおかたグレ狙いやね。チヌ釣りの人は釣り道具屋のチヌ釣り大会に出ている人くらいかな」ということです。
やはりこのところ、「ヒナダン」周辺で40cmオーバーのグレが釣れるという情報が出ているのでグレ狙いの釣り人が集まってきているのではないでしょうか。
確か「ヒナダン」は関西の釣りでも取り上げられたのではないでしょうか。
Sさんも3年ほど前に「ヒナダン」では40cmオーバーのグレを釣り上げています。

12時半ごろに船は戻って二つ岩の手前の磯に付けてくれました。
Sさんとは「遊覧船に乗ったようなもんやったね」といって、われわれは夕方狙いでチヌ釣り場の磯に乗りました。
ここは右側に沖から根が張り出している上に、左側にも根がありますので二人では少し狭いような磯ですが、ほぼ正方形のような形ですので足場はよかったです。
私の今日の仕掛けはレイダム1.5号に道糸3号、ハリス2号にチヌバリ2号という仕掛けでチヌ狙いには少し太いものです。
隣の二つ岩では数年前に一度仕掛けを切られております。

足元に撒きエサを打ちながら仕掛けを作ります。
潮は澄んでいて根の際まで見えます。
ウキ下は3ヒロと少し取り足元にウキを投入します。
1投目はエサが残ってきます。
同じようにウキを足元に投入してウキの頭に撒きエサをうち、仕掛けがなじんだころに少しサソイをかけます。
するとゆっくり左に流れていたウキがゆっくりと沈んでいきます。
ウキは途中から加速したように入っていきます。
これは、今まで散々釣ったベラやフグやガシラの入り方ではないと思いました。

Sさんに「ウキが入りましたよ」といって一呼吸おいて合わせますと、魚は強烈に下に突っ込みます。
すごい引きにビックリして、竿が伸されますので、あわててリールのブレーキを緩めますと魚は止まらずにドンドンもぐっていきます。
これ以上糸を出してはイカンとレバーを握りますと一瞬魚が止まったような気がしましたがフット軽くなりました。
仕掛けを上げますと2号のハリスがこすれてザラザラになって切れています。

2年ほど前にも、このすぐ横の「二つ岩」に乗ったときにもハリスを切られたことを思い出します。
泊には毎年2、3回しか来ておりませんがハリスを切られたのは3回目です。
私はここでも高確率でハリスを切っていく大物に出会います。
「ようバラスな。糸出しすぎじゃないの」とSさんに言われます。
私の仕掛けに食いついたのはチヌではないと思います。
足元で掛かって底に向かって走っていった強烈な引きからしますとカンダイではないでしょうか。

その後はSさんに25cmほどのグレが3匹釣れましたが、私にはコッパグレも釣れませんでした。
今回、Sさんは釣ったグレは全部放流していました。
4時ごろに右側のほぼ根の上でウキが入り合わせますとチヌのような感じの引きでしたが、竿でこらえているうちにハリが外れてしまいました。

夕方、釣り人を迎えに行く船が通りがかりに「どうや」と聞きますので「バラシタ。切られたー」と叫びますと、船長と一緒に乗っていた磯研の方が「切られたー?」と聞いてきましたので「カンダイかもしれません」と答えました。
「そりゃ残念。がんばってくださいよ」と船長は言い残して行きました。
夕方の迎えは4時半、5時半、6時半とあるようです。
われわれは最終の6時半まで粘りましたが、夕方はいつものようにガシラが釣れて終了となりました。
途中で私は25cmほどのカンダイの子を釣って放流しましたので、やはり糸を切っていったのはこいつの親ではないでしょうか。

帰りの渡船ではよく会う滋賀県の若い釣り人のY君(ゆたきちさんではありません)が30cm前後のグレを数枚釣ったといっていました。
「夕方まで何にも釣れませんでした。グレが釣れだしたのは6時頃からでした」ということです。
Y君に切られてバラした話をしますと「上野山さんはよくそういう目にあいますね。私はここでは切られるような魚は来ませんよ。最近釣行記かかれませんね。ドラマが無いからですか」といわれました。
いろんなところにグレネットのファンの方がいるのだなと改めて思いました。

帰りの渡船の中では別の方からも「上野山さん、武者泊ばっかりで、最近若狭の釣行記はないですな」といわれてしまいました。
そういうこともあって、いつものボーズ続きの釣行記を再び書こうと重い腰を上げたというわけです。
私は好シーズン到来にもかかわらず、3回釣行して26cmのグレ1匹という、いつもの「釣れなさ」ぶりを発揮しております。

他人の釣行記を読むときに、釣れたというより、ボーズやバラした話のほうが面白いというのであれば、私の話は面白い部類に入るかもしれませんね。
なんとか次は大物を釣ったという釣行記を書いてみたいものです。
できれば次回は二ツ岩で60cmのカンダイを仕留めてみたいものです。


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