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 上野山さんからのリポート
 「釣れすぎて、作業のような釣り

  泊 (福井県)
   2014/10/25

 


10月25日はSさんと久しぶりに小浜の泊に釣りに行きました。
10月は1週目の週末から2週連続で週末に台風が来て、渡船での釣りには行けませんでした。
ですが、10月12日は台風が来るのが予報よりも遅くなったということで、台風がまだ九州あたりにある頃、弱い南風の吹くなか越前の地磯に行き、朝がた1時間半ほど竿をだして今シーズン初めて29cmのグレを釣りました。
夜が明ける前から竿を出したのですが、1投目からエサ取りに餌をとられ、夜が明けてからは連続で手のひらグレしか釣れないなか、ウキをあちこちに投げて何とか持ち帰るサイズを1匹釣りました。
29cmを釣った後は、どこに投げてもエサが残らないという状態でしたので、1時間半で釣りを終了しました。
地磯はいつでも帰ることができるので気楽ですね。 

さて、10日24日の午後7時過ぎに泊の大谷渡船に電話を入れますと、「明日は昼からしか出んけどええか」といいます。
12時出船で夕方5時に磯上がりですと正味の釣る時間は4時間ほどですが、前回の地磯での木端グレを釣っては放流のようないそがしい釣りですと4時間でも充分という感じです。
「中年ですので4時間くらいの釣りで充分です」といって2名の予約を入れます。
渡船の予約を入れた後、8時ごろに携帯電話が鳴りましたので出てみると、ゆたきち師匠からです。
「上野山さん、明日泊りに釣りに行くそうですね。私も予約の電話を入れたので上野山さんが行くことを船頭から聞きましたよ。
でも、イカとグレをやりたいのに、出船が昼からということで時間が短いので私はやめました。
明日は頑張ってください、寒くなりましたらまた三重県に行きましょう」ということでした。さすがに、コストパフォーマンス重視のゆたきち師匠は、4時間の釣りで渡船代が5000円ということで今回は見合わせたのでしょう。 

さて、25日の土曜日は高気圧が張り出して、快晴で微風の釣り日和です。
気温も25度近くなるということです。
我々は10時過ぎにサンスイ釣具店に行き、オキアミ3枚に、アミエビ1枚、遠投用に集魚剤を買い、店の横でマキエを混ぜました。
それぞれの、バッカンにマキエを分けますとけっこうな量になります。
4時間の釣りでこんなにマキエがいるかなと思いますが、まあエサ取りが大量にいる場合に備えてのマキエです。
ただ、磯の周りにアジがたくさんいると何ともならないかもしれませんが。 

サンスイ釣具でマキエを作り、われわれは小浜に向かって出発しました。
泊の大谷渡船には11時半ごろにつきましたが船はいません。
コンビニで買った弁当を食べ終わったころに船頭が戻ってきました。
「今日は魚が入って、定置網が忙しいので午後からしか船は出せんわ。でも上野山さん以外に6人お客さんがおるで、先に早くから来ていた6人を渡したんや」といっています。
我々は支度を済ませてさっそく船に乗り込みます。 

「今日は長崎にいこか。先週はいいグレが釣れたで」と船頭がいい、われわれは長崎に上がることにしました。
海はべた凪で晴れて南風がそよそよと吹く、秋に数回しかないような釣り日和です。
こんな釣り日和にもかかわらず、磯にはほとんど釣り人が見えません。
湾内の筏で釣りをしている人が10名ほど見えますが、磯では大谷渡船の釣り客8人以外は、港を出たところにある三ツ岩に一人の釣り人がいるだけです。
これでは船頭のアドバイスがないと、磯の数が多いのでどこの磯に上がるか迷うところですね。
泊の磯釣り客の減少は、春に4千円から5千円に磯渡しの料金を値上げして以来かもしれません。
我々は、だれも乗っていない磯が続くなか15分ほど船にゆられて長崎に向かいます。
秋の晴れた釣り日和に磯に釣り客がいないのは、なんとも不思議なことです。 

長崎に上がりますと、「船着きで先週は釣ったで」という船頭のアドバイスで、われわれも沖に向いて左側の船着きで釣ることにします。
マキエに海水を混ぜてマキエをシャクに1杯まいて海の中を見ます。
偏光グラスをかけて海中を見ますとエサ取りはスズメダイが少しいるようです。
仕掛けを作りながらマキエをまきますと、だんだんとスズメダイが増えてきます。
マキエをまかないと、グレがあつまらないし、マキエをまくとスズメダイなどのエサ取りが水面まで浮いてくるということで、この時期は遠投のグレ釣りとなります。

今日の仕掛けです、竿は今年友人から譲っていただいたガマカツの競技グレ1.5号です。
道糸2,5号にハリスは2号1ヒロ半で道糸と直結します。
ウキはシマノの円錐型0ウキをヨウジで固定します。
これにオーナーの白いグレ針7号というシンプルな仕掛けです。 

釣りを開始しましたのは12時半頃です。
足元にマキエを打ち、スズメダイが集まったころを見て沖にウキを投げます。
10秒ほどして仕掛けが落ち着きましたら、マキエをウキの頭めがけて投入して、少しサソイをかけます。
1投目はウキが入らずに付けエサが無くなりました。
同じような釣り方で5回ほど沖に投げたときでしょうか、ウキが入り25cmほどのグレが釣れます。
今日はアウラの活かしバッカンを持ってきていますので、海水を入れてブクブクのスイッチを入れます。
先月の健康診断で、HDLを含む魚を食べるようにと指導を受けましたので、今日はグレを5匹ほど持って帰るつもりです。
私には同じ釣り方で25〜28cmのグレが連続で釣れます。
横で釣っているSさんも同じように釣っていますが、沖に出たスズメダイを足元に寄せる前に仕掛けを投入しているのか、エサがとられてばかりです。
タナが深いのかもしれません。
「タナは1ヒロ半ほどですよ」と声をかけます。
足元を見ますと、スズメダイの下にも25cmほどのグレがうろうろしていますが、これを釣るのは難しいと思います。
足元のエサ取りはスズメダイのほかに、手のひらシマダイやウマズラの小さいのも見えます。これが、マキエを打ちますと一斉にマキエに群がって乱舞します。
これでは、足元から竿1本先くらいに投入してもエサが残る可能性はありません。

Sさんは「この大量のエサ取りではマキエが足りんかもしれん」といいます。
我々は、交代で足元にマキエを打ち、沖に仕掛けを投入します。
沖には足元の1/3ほどしかマキエを打ちません。
釣れてくるグレは25cm前後で、中には30cmほどのものもいてタモも3回ほど入れました。 

足元にマキエを打って遠投しても、沖にマキエを打たないと付けエサだけがとられます。
3時前ごろからは沖に5cmほどのアジも出てきて、ますますエサがとられて忙しくなります。
ただグレが食いあがってくるときはアジが釣れません。
グレ5匹にアジが1匹くらいの割合です。
活かしバッカンがいっぱいになってきましたので、25,6cmのグレはもうすべて放流します。
グレの入れ食いになりましたが、これは1ヒロ半という浅いタナなので、勝負が早くてグレが食えばウキが入るのではないかとおもいます。 

3時半ごろ釣りをしている最中に電話が入り、自宅に岩手県から氷入りの荷物が届き、中身はサンマが入っているということです。
サンマは20匹以上入っているということですので、近所や知り合いに配るように言います。また、妻には「こっちはグレも大漁だ」とメールを送りましたら「ヒエー」と返事がありました。
これでは、グレをたくさん持ち帰っても食べきれないと思いました。
やがて4時ごろになりました。
魚を釣り続けてかなり疲れてきました。 

タナが1ヒロ半ですので、仕掛けが馴染んで魚が食えばすぐにウキが沈みます。
足元にマキエを打ち、沖に仕掛けを投入、魚を釣り上げて外すという動作が2分ほどですので、これを1時間やれば、毎回針にかかれば30匹の魚が釣れます。
空振りもありますので1時間に15匹釣ったとしても4時間ではグレやアジを60匹釣ったことになります。 

4時40分ごろになり30cmほどのグレを釣ったら、針を飲まれてしまい、ハリスを切ったところで終了としました。
マキエも全部使い切りました。
「忙しい釣りですので中高年には4時間で充分ですね、もうしんどいですわ」とSさんと話します。
今日、Sさんは25cm以上のグレを10匹程度、私は30匹近く釣りました。
海の中ではエサ取りの下にはグレだらけという状態だったのでしょう。 

あまり釣れすぎるというのも作業のような釣りになってしまい、ウキが海中に引き込まれるのを見て合わすという、ウキふかせ釣りのおもむきがありませんね。
これは、ボーズが多い私にとってはかなり贅沢な感想ですね。 

迎えまで時間がありましたので、活かしバッカンの魚を放流することにしました。
バッカンにはSさんは5匹ほど入れて私は12,3匹ほど入れましたので、たくさんのグレが入っています。
28〜30cmほどのグレ5匹を残して後は海に帰しました。
Sさんは「30cmのグレだったらスーパーで400円ほどするのでもったいないことや」と言っております。 

よりによってグレ大漁の日にサンマガ届くとはタイミングが悪いですが、人生こんなことってよくあるものでしょう。 

30年近く若狭に一緒に釣行してきましたSさんも、来年は故郷の秋田に帰り兄弟の近くで暮らすということで、あと何回一緒に釣りに行けるかなと思います。
Sさんは泊で40cmオーバーのグレを釣り上げたりして、グレネットでの私の釣行記にも最初のころから登場している方です。
思い返せば、Sさんと最初に釣りに行った頃私はまだ20歳後半でした。 

時の立つのは早いものだなと思うとともに、いつも一緒に釣りに行く人が、いずれは会えなくなるということもあるのだなと、しみじみと思いました。 

ともあれ前回の地磯の29cm1匹に続いて、今回は私には珍しくグレの大漁で2連勝としました。
この勢いで、3連勝目指して次回もグレを釣りたいものです。 

昨日夜の8時ごろ、ゆたきち師匠から電話があり「泊ではグレ釣れましたか」ということです。
やはり結果が気になっておられたようです。
「グレは大漁で、釣行記も書いたよ」と言いましたら「私はイカ釣りで撃沈でした〜。こんなことなら泊でグレ釣りするんやった。釣行記は読ませてもらいます〜(涙)」と久しぶりの師匠のボヤキが聞けました。

持ち帰ったグレ5匹のうち3匹です。よく脂がのっていました
    



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