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上野山さんからのリポート
「珍しく2人そろって2連勝」
泊 (福井県)
2015/04/26
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4月26日は2週間ぶりにSさんと若狭の泊に釣行いたしました。
前回の開幕戦の音海では珍しく二人ともチヌを釣ったということで、連勝をもくろんで過去の成功体験に基づき今度の釣り場は泊の大谷渡船にお世話になることにしました。
ここは、Sさんが過去に40cmオーバーのグレを釣ったこともありますし、私はチヌの50cmオーバーを釣っておりますので、まあここに行けば勝率5割はあるという目算です。
昨年の秋には「長崎」で30cm前後のグレを、これでもかというほど釣ったこともあります。
(ただしこの日は大量のサンマが家に届いてグレは5匹しか持ち帰りませんでした)
いつも、お昼の見回りの船に乗って夕方までの半日の釣ですので、有名磯は朝からの釣り人にとうぜん押さえられていますので、空いている磯で釣るというのは実はなかなか大変です。
午後からですと釣る時間は短いですが、お客は通常我々二人しかいませんので船頭と相談をして空いている磯に上がれます。
我々二人しかお客がいないので、有名磯を目指して他の釣り客と磯を取り合うことなどありません。
船頭と事務所の前での世間話から始まる、のんびりした交流も私とSさんのお気に入りでもあります。
25日の夜7時過ぎに、大谷渡船に翌日のお昼の見回りに合わせて釣りに行くと予約を入れました。
26日の朝10時にサンスイ釣具店でオキアミ4枚とチヌパワー日本海にアミエビを受け取り、マキエを混ぜて泊に出発です。
前回の音海で予想以上にスズメダイが活発にエサを取りましたので、スズメダイを磯際に集めるために今回はマキエを多めに持っていきました。
天候は快晴で、天気図では日本列島を高気圧が2つ覆っています。
しばらく晴れの日が続くようです。
予報では午後からは弱い南風で波は1mという、磯釣りとしては天気が良すぎるようなコンディションです。
泊に11時20分ごろに到着いたしますと、店の前の軽トラックのところに一人分の釣り道具がおいてあります。
我々が釣り道具を下していますと、懐かしい若狭磯研のYさんが現れました。
「先ほど到着しましたら、見回りの船で上野山さんが出ると聞いて待っていましたよ」といって挨拶されます。
「磯研の友人が長崎周辺に朝から行っていて34cmほどのグレは何枚か釣れているようです」と今日の状況を言ってくれます。
これは期待が持てそうです。
我々は支度を済ませると軽トラックに道具を積み込み港の桟橋まで歩いていきました。
12時前に船は我々3人を乗せて出発します。
船の中で横に座ったYさんから「ぐれねっとは見ていますよ。インターネットのお気に入りの一番上にあります。読んでいて毎回あまり釣れないところが、なんとなく共感を持てますよ。釣れた話ばかりの釣行記はどうもね」と声をかけられました。
Yさんのような名人に、私の釣れないことのほうが多い釣行記を読んでいただいているかと思うと、ほんとうに恐縮します。
しかし、釣れないというところに共感が持てるということは、いつもの釣れない釣行記で、かつ、ゆたきち師匠のボヤキ炸裂などがあったほうが受けて、普通に釣れてしまうと面白くないということではないでしょうか。
釣れない時の釣行記は(私の場合かなり多い)、書くほうにとってはあまり盛り上がらないので面白くないと思うのですが、読むほうにとっては面白いということもあるのでしょうか。
私の場合はたくさん釣れるということはほとんどないので、私が今のペースで釣りをすれば自然とウケル釣行記になってしまうということでしょうか・・・・・
船は港を出て最初の有名磯の「三つ岩」を回りますが、港の近くの磯にはほとんど釣り人がいません。
「手前も奥も同じ料金なら、人の心理として奥の磯に乗りたいと思うのでしょうね。それに奥のほうは大グレの可能性もありますから」とYさんが言います。
船長も「グレ狙いの人が多いので手前のチヌ場はほとんど人が下りません」と言います。
我々は船長のアドバイスで「アゴゴエ」という磯が空いていることですので、そこに下りることにしました。
この磯は大グレで有名な「ヒナダン」、「長崎」などの手前のほうにあり、「二つガメ」と隣り合った磯です。
ここは、以前「千畳」から磯変わりしてここに上がり、チヌを4枚ほど釣った成功体験のある磯です。
まあ、ここに乗ったらチヌの1枚くらいは釣れるでしょう。
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泊のアゴゴエ 広くて足場はよい磯です |
渡船が「アゴゴエ」に近づきましたらYさんが「正面もいいけれども、向かって右側の斜めの岩のところに少し足場があるのでそこから沖向きに少し投げて釣ると、沖に沈み根があるのでいいポイントなんですよ」と解説してくれます。
私はポイントを解説していただいて、荷物まで渡していただいたYさんに感謝して磯にわたりました。
Yさんは奥のほうの空いている磯を捜して乗るようです。
迎えは最終の6時としましたので、釣る時間は6時間ほどあります。
「アゴゴエ」は広くて足場が良い磯です。
前回は磯の右側の出ている根の際でよくウキが入ったように思いました。
Sさんにはその場所で釣ってもらい、私はYさんが勧めてくれた、沖に向かって磯の左側から竿を出そうと思いました。
実際に磯にあがって見てみますと磯の左側はかなり狭く、マキエのバッカンを置く場所と竿を出せる足場はあるのですが竿袋などは置けません。
私の釣り場は少し岩を下りて釣る感じになりますので、磯の左右に分かれて釣るのではお互いタモを出しに行くのが面倒ということで、今回はSさんと各自でタモを入れようということにしました。
磯の左側はかなり海に向かって斜めに下がっていますので、釣る場所から道具を上に置いてある場所までの行き来が大変です。
私はバッカン、タモ、竿などを1回ずつ持って磯を慎重に下りました。
これで魚が釣れたらまた磯を上り下りしなくてはなりません。
これでは、明日は体中痛くなるのではないかと思いました。
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アゴゴエ左側の私の釣り場 マキエのバッカンの後ろに立って竿を出しました
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私がふうふう言って準備をして竿のガイドに糸を通しているときに、「オーイ」という声で横を見ますと、先に竿を出していたSさんの竿が曲がっています。
「これは大きい」とSさんが言いますので、仕掛けを作っていた竿を置いて、また磯をのぼってタモを出しに磯の右側まで行きます。
少しして海面に上がってきたのはチヌです。
差し出したタモにすんなりと入ったのは35cmほどのチヌで「これは、大きいと叫ぶようなサイズではないですがな」と言いますと「掛かった時はよく引いて大きいと思ったんだけど」とSさんはムニャムニャと言いますが、開始早々にチヌを釣って今日はボーズがないということでなんだか嬉しそうです。
何でも2投目に右側の根の際でウキが入ったということです。
タナを聞きましたら3ヒロ半ほどということです。
今日は釣れそうな気がしましたので、あらかじめ活かしバッカンには私が海水を汲んでおきました。
Sさんは魚を入れてから「もう少し活かしバッカンを海から離すか、ふたの空け口を陸側に持っていかんと、これでは魚を落としたら海に逃げてしまう」と早くも次の魚を釣った時のことまで心配しています。
まったく1匹釣った釣り人は鬼の首を取ったような元気が出るものですね。
私は磯を下りて再度仕掛けを作りはじめましたが、こんどはSさんがエアーポンプのスイッチが入らないというので、スイッチを入れにまた磯を上がり下りしましたので、なかなか仕掛けを作れません。
少し焦る気持ちもわいてきました。
さてようやく私の仕掛けができました。
ここまで、磯に上がってから20分以上たったのではないでしょうか。
今日は前回の音海と同じ仕掛けです。
竿はレイダムの1.5号で、3Bのウキを遊動にして、ハリス2号、グレバリ7号でウキ下3ヒロ半から始めます。
足元にマキエを打ちますがスズメダイは見えません。
Yさんに言われたように竿4本ほど沖にもマキエを打ちます。
沖に仕掛けを投入しますとウキは手前に寄りながらゆっくりと左に流れます。
ウキが10mほど流れたので仕掛けを上げますとエサは付いています。
今度はもう少し手前にウキを投入します。
しばらくして仕掛けを上げますとエサが取られています。
そのうちにスズメダイが足元に見えはじめましたが、前回の音海の時のように水面まで浮いて来ることはなく、底のほうでゆっくりマキエに寄ってきます。
前回よりはスズメダイの活性は低いようです。
4投目だったでしょうか、竿3本ほど先を流れていたウキが入ります。
偏光グラスを通して潜ったウキが見えなくなってから合わせますと、掛かりましたがチヌのようには重くありません。
上がって来ましたのは、日本海では久しぶりのグレです。
このグレは、白っぽくて黒い斑点が強いようなグレでした。
サイズは23cmほどでしたので放流しました。
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1時ごろ釣れたグレ 23cm
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このグレの親もどこかにいると思いますが、これはなかなか私には釣れませんね。
その後同サイズのグレが掛かりますがエサもひんぱんに取られます。
足元にマキエを打つと、寄ってきたスズメダイの回りに白いものがチラチラ見えますので、グレが浮いてきているのかもしれません。
しかし、このサイズではタナを浅くして釣る気にはなれません。
この大きさのグレを5枚ほど釣りましたら、急にグレが釣れなくなりました。
エサが残りましたのでタナを少し深めの4ヒロほどとして、竿4本ほど沖にウキを投入しましたら、仕掛けが立った頃にウキが入ります。
お昼時ですので、ほぼ真上から太陽の光が射すなか、海の中を見下ろすような感じで釣っていますので、偏光グラス越しに沈んでいく赤いウキがよく見えます。
まあ、ウキフカセ釣の一番楽しいときですね。
一呼吸おいて合わせを入れますと、魚は掛かりましたがチヌとは違うなんだか暴れる様な引きです。
足元に来て少し突っ込むのを、竿を横に倒していなして浮かせますとなにやら白い魚です。
海面に浮かせますと、これは36cmほどのきれいな真鯛でした。
魚を寄せて自分で掬います。
磯から真鯛を釣るのは久しぶりです。
時刻はまだ2時過ぎです。
今日は晴天の昼間というのによく魚が釣れます。
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2時ごろ釣れた真鯛 36cm
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釣った真鯛をタモに入れたまま磯を上がって、活かしバッカンに入れました。
私は少し休憩をしようと買ってきたオレンジジュースを飲みました。
天気予報では南の風ということで、磯に上がった時は暑いくらいでしたが、2時ごろから北の風が吹き出してシャツ1枚では寒いくらいになりました。
私はカッパの上着を来ました。
Sさんも風が冷たくて寒いと言っています。
北風が吹き出してから、ウキが風に押されますのでハリスにジンタンを1個打って、ウキを少しシモリ気味にしましたら真鯛が釣れました。
ジンタンを打たなくても釣れたかもしれませんが、なにかハリスのなじみ具合などチョットしたことで魚が食う、食わないがあるのではないでしょうか。
その後同じようにウキが入り、30cmほどの真鯛を1匹追加いたしました。
Sさんは、開始早々に釣りましたので、今日何匹釣れるかと思いましたが、その後はフグやベラばかり釣っております。
3時ごろになりまたもやいい感じでゆっくりとウキが入り、ウキが完全に見えなくなってから合わせました。
今度は頭を振る引きで43cmのチヌが釣れました。
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3時ごろに釣れたチヌ43cm |
その後Sさんにもチヌが掛かりましたが、今度は30cmほどだったので強引に抜きあげていました。
4時過ぎになり、北風が収まり、今度は無風状態となりました。
風がやむと急に暑く感じましたので、私はカッパを脱ぎました。
風がやみましたら左にゆるく流れていた潮も止まり、今度は反対側の右にゆるく流れ出しました。
何故か潮が変わってからは二人ともアタリが出なくなり、エサも残るようになりました。
私はウキ下を浅くしたり深くしたりしていろいろ変えましたがアタリは出ません。
足元を釣ってみようと、竿1本ほどのところに仕掛けを投入しましたら仕掛けが馴染んですぐに、久しぶりにウキがゆっくりと入りました。
今度はウキが一気に入らずに30cmほど入って止まっています。
根掛かりかなと軽く合わせますと魚がついています。
これは35cmほどのチヌでした。
やがて時刻は5時になりゴールデンタイム到来かと思いましたが、エサもあまりとられなくなり5時以降は終了の6時前まで魚は釣れませんでした。
結局よく釣れたのは北風が強くなった2時から4時ごろまででした。
5時以降はもしかしたら大きい真鯛でも寄っていてエサが残ったのかもしれません。
本日の釣果はSさんがチヌの35と30cm、私が真鯛の36、30cmチヌの43、35cmということで、楽しい半日の遊びとなりました。
やがて6時になり10人ほどの釣り人を乗せた船が迎えにやってきました。
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夕方6時、夕焼けの最終便 まるで池のようなベタ凪だ |
港に帰り、道具を船から下して軽トラに積んでいましたら「上野山さんですね。ぐれねっとの釣行記いつも楽しみに読んでいます。いつか会えると思っていました」と声をかけられました。
「どうして名前がわかったのですか」と聞きましたら「竿袋に名前が書いてあったので」ということです。
「今回も釣行記を書かれるのですか」と聞かれましたので私は「今日は真鯛が釣れましたので書きますよ」と返答しました。
歩きながら話をいたしましたら、この方は京都の方で今日は「千畳」に乗ったけれども大グレには出会わなかったということでした。
今日は「ぐれねっと」を見ていてくれる方2名と話すことができました。
「ぐれねっと」ではSNSのような交流は無いのですが、日本のどこかで誰かが釣れない釣行記を見ていてくれて、たまに竿袋の名前で気が付いて声をかけていただくという、非常に浅いアナログの交流がずっと10年以上続いています。
また、釣場で竿袋の名前で私を見つけたら声をかけてください。
冬はミドリ色をした大昔のガマカツの帽子をいつもかぶっています。
事務所で軽トラから荷物を下しましたら、ほとんどの方がチヌかグレを釣っていました。
なかでも目立った釣果としては、奥のほうの磯で釣ったということで、44cmほどのグレが2匹釣れていました。
これが釣れるから皆さん奥のほうの磯に行くのですね。
私の真鯛も船頭が写真を撮っていましたが、なぜか真鯛を釣ってもグレほどにはみなさんから注目されませんね。
色も見栄えも真鯛のほうが断然いいのですがね。(ウーン悔しいなー)
事務所の前でYさんが「だれか釣ったチヌをもらってくれんか。釣ってすぐに締めているで」と言って35cm前後のチヌ6枚ほどを出しました。
私の釣れない釣行記に共感すると言っていたYさんは、やはり名人ですねよく釣っていました。
魚は誰もいらないようでしたが、Sさんが「それでは当てがあるのでもらっていきます」といって我々が引き取ることになりました。
そういうわけで我々はチヌ10匹に真鯛2匹の入った、重い磯クーラーを持って泊を後にしました。
さて、これで私もSさんも珍しくそろって2連勝です。
今日の釣果を見ましたら、今でしたら潮さえ動けば、誰でも竿を出せばチヌかグレは釣れるような感じです。
さらに運もよければ40cmオーバーのグレも釣れるかもしれません。
この釣れているときに行かねばいつ行くのか!!と老体にムチ打って、3日後の4月29日も釣行をもくろむSさんと私です。
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