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 上野山さんからのリポート
 「奇跡のような3連勝、しかも大漁

  泊 (福井県)
   2015/04/29

 



前回、426日の泊「アゴゴエ」釣行記の最後で、「この釣れているときに行かねばいつ行くのか!!」と書きましたが、その3日後の29日に、釣欲の権化のような中高年釣り人の私とSさんは、またもや泊に釣行いたしました。

久しぶりに2連勝したことで私もSさんも今がチャンスとばかりに老体にムチ打って、しかし年相応に午後便利用で中2日にて釣行いたしました。

これまでの私は釣れないことのほうが多かったのですから、一度釣れるという味を占めたあさましい釣り師として、釣り人生のアディショナルタイムに入ったいま、釣果を求めて最後のラッシュをかけることをお許しください。
前回の釣行での、偏光グラス越しに見る赤いウキが海中深く入っていくシーンなどは、あまりにも久しぶりの出来事でしたので、今でも強く目に焼き付いております。
今年の冬の四国釣行で2日間釣ってウキが入ったのは1回だけなど、今まで釣れなかった釣行記は枚挙にいとまがありません。
三重県の二木島ではボーズの時は書くことが無くて「晴れた日に竿が出せただけでも良い」などと書いておりました。
思い返せば、なんという不遇の時代の長かったことでしょうか。
釣れなかった釣行記ばかりの私が、Sさんともども2連勝したということは、普段釣れない釣り師としては奇跡のようなものです。
この釣れている状態では3連勝も夢ではないし、今なら我々に釣運もあるのではないかということで、28日の夕方、大谷渡船に29日お昼の見回り便を予約いたしました。

ここまで何とも力が入りましたが、冷静に振り返ってみますと、単にオジサン二人が35cmほどのチヌを2回連続で釣ったということだけです。
しかも「ぐれねっと」の釣行記ですので、チヌやマダイを釣ったことを連勝と称してよいものやら・・・・ 

29日はサンスイ釣具店でオキアミ4枚にいつものチヌパワー日本海を買います。
2連勝したということで、ゲンを担いでマキエも同じチヌパワー日本海を買います。
こういう神頼みも含めて釣りの運というものはあるのではないでしょうか。
今日は東風で気温が25度ほどということです。
サンスイでマキエを混ぜていても暑いので、もう釣れるのは確実と氷の大も買いました。
まったく、2連勝した自信はゆるぎないものとなっております。
向かうところ敵なし、上げ潮に乗った今しかチャンスはないと勢い込んで我々は泊に向かいました。 

11時半ごろに大谷渡船につきますといつもより車がありません。
船頭が「今日はお客さんが少ないです。グレ狙いなら奥の千畳もあいていますよ」と声をかけてきます。
「千畳」は以前上がったことがありますが、広くてどこがポイントか分からない磯で、エサも取られなかったので2時間ほどして磯変わりしたことがあります。
Sさんと顔を見合わせて「千畳はどうも苦手です。どこか、チヌもグレも釣れる磯が空いていればお願いします」と船頭に返事しました。(いつもの気弱な釣り人に戻りました) 

着替えを済ませて、12時前に我々は港を出発いたしました。
相変わらず「三つ岩」、「二つ岩」、「小山」、「イグリ」、「ライオン」などの手前のほうの有名磯は誰も釣人がいません。
毎回書いておりますが、ここは磯の数の割に釣り人が少ないので午後便でもA級磯に上がることができます。
我々の乗っているのは見回りの船ですので、船頭が途中の磯で釣り人に釣果を聞いて、磯変わりするかどうかや、帰りの時間を確認していきます。
このやり取りを聞いている我々は、大体どのアタリの磯が釣れているか分かりますので、磯を決める判断材料が増えます。 

途中ぐれねっとで何度か一緒に釣行したことがあります京都のR君が一人で釣りをしていましたので、声をかけましたら「チヌ1枚とグレの34cmが1枚であとはコッパグレ、フグが多いですわ」ということでした。
船は「二つガメ」、「ヒナダン」の釣り人に状況を聞きながら「長崎」まで行きますが、奥のほうの磯でも今のところ大グレは出ていないようです。
我々は最初もっと奥の磯に行こうと話していたのですが「長崎」を越えますと東の風で白波がたっています。
これではやりにくいということで戻ることにします。

「前回釣ったアゴゴエが空いていますが、どうします」と船長が言います。
私は前回磯を上がり下りしたのがしんどかったのでもう少し楽な「門の鼻」をお願いしました。

「門の鼻」は「アゴゴエ」から一つ湾を超えたところにあります。
蘇洞門(そとも)観光の遊覧船が「門の鼻」のすぐ横の入り江の奥にある桟橋に船を着けてお客さんを上陸させます。
その関係で観光船がスローダウンして目の前を通るのが、釣り人としては少し気になりますので、「門の鼻」はあまり人気のない磯です。
まれに、観光船のお客さんから釣っている我々に向かって手を振られることもあり、なんとも対応に苦慮いたします。
そういう時はウキを一心不乱に眺めている風をよそおって、なるべく観光船を見ないようにいたします。(苦しい)
幸い観光船が付ける桟橋は入り江の裏側ですので、船から下りる乗客などは釣り場からは見えません。
以前Sさんとここに上がって私は25cmほどのグレを釣ったことがあります。
その時に釣りやすい釣り場だなと思いましたので、今回は足場が楽なこの磯に上がりました。

 

「門の鼻」磯の左側から水道向きに釣りました


今日も快晴で東の風の予報です。
波は1mですので今日も天気が良すぎるようなコンディションです。
磯に上がりますと東風が少し当たりますが、水道向きに釣りますので風は背中から当たりますので気になりません。
道糸に風が当たらないので仕掛けが素直に入りそうです。
「門の鼻」は沖向きに根が張り出しておりますので、遊覧船が入る右側の入り江向きに釣るか、反対の左向きの水道で釣るか釣り場は2ケ所です。
我々は風を背に受ける水道側で竿を出しました。 

今日の仕掛けです。
今日も前回と同じく竿はレイダム1.5号に、3Bのウキにハリス22ヒロ、グレバリ7号としました。
今回は最初からハリスにジンタンを打ちました。
また、ウキ下は4ヒロから始めました。
今日は前回よりも最終便の迎えの時間が30分遅くなり、迎えは6時半です。
時間に余裕がありますので、私はコンビニで買ってきましたパンを食べてから釣りを始めました。

「門の鼻」の水道側に釣り座を構えました


マキエの用意をして足元にマキエを打ってもスズメダイは見えません。
私はSさんの右側で竿を出しました。
私の釣り場の右側は正面に張り出した根がありますので、右に流れると根の向こう側を釣ることになります。
ウキを竿2本ほど沖に投げますと、潮はゆっくりと右に流れます。
1投目はエサが付いてきます。
確か以前ここに上がった時は足元でグレが釣れたことを思いだし、2投目は足元にウキを投入します。
足元に投入したウキは右に流れて根に掛かりそうになりますので根の際までウキが流れましたら仕掛けを回収します。
今回もエサが付いています。
私は50cmほどウキ下を深くしました。
今回も先に竿を出していたSさんが「オッキタ」と言って竿を曲げました。
水面に浮いたのはこのところよく釣れる35cmほどのチヌです。
私がタモを入れました。
時刻は12時半頃です。
開始早々で釣れたということは磯の周りにチヌがいたのでしょうか。
これでSさんはあっけなく3連勝ということです。

10分ほどして、次もSさんにチヌが掛かりました。
これも同じサイズです。
私はようやくエサが取られるようになりましたが、いいアタリはありません。
次もSさんの竿が曲がります。
今度は25cmほどのチャリコを抜きあげています。
今日は活かしバッカンと氷を入れた磯クーラーを磯に持ってあがりました。
チヌは活かしバッカンに入れ、チャリコは締めて磯クーラーに入れました。
これはタナが違うのかと思い「タナいくつですか」と聞きましたら「タナは竿2本」ということでかなり深くとっているようです。
私は少し目印を下げてタナを竿1本半ほどにしました。
ウキは右に流れたり、左に流れたりいたします。
潮の流れは一定しません。
2時ごろになり足元を流れているウキが入り、私にもようやく39cmのチヌが釣れました。
これで私も難なく3連勝となりました。


 2時ごろ釣れたチヌ39cm

その後Sさんはチャリコを4匹追加し1時間に1回くらいの割合で35cmほどのチヌを釣り上げています。
足元にマキエを打ちますとスズメダイが出てきますが、動きは緩慢で少し沖に投げた付けエサまでは追いかけません。
しかしスズメダイの代わりに今日はフグがエサトリでした。
竿2,3本先をボラとフグが泳いでいるのが偏光グラス越しに見えます。
沖にウキを投げますと、仕掛けが馴染む前にウキが斜めに入りフグが釣れてきます。
始末が悪いのはハリを飲まれるとハリスを切られてしまうことです。
フグにハリを飲まれて私もSさんもハリを1袋以上使いました。
私は7号のハリを1袋半使い7号のハリが無くなりましたので、3時前から6号のハリで釣りをしました。
私は沖にマキエを打ってボラとフグを沖に集めてから、足元のなるべくフグがいないところに付けエサを投入するという釣り方にしました。
3時半ごろ私にもウキがスパッと入るアタリでチャリコが釣れました。


3時半ごろ釣れたチャリコ この時は7号の針が無くなり6号を使っている


私も2時にチヌを釣ってから1時間に1匹くらいの割合でチヌが釣れつづけ、5時頃には35cmから39cmのチヌを5枚釣りました。
6時ごろには足元でウキが入りおいしいお土産の29cmのメバルも釣れました。
今日の最終便は6時半ということです。
私は615分ごろまで釣りをしようと思いました。

 

6時ごろに釣れたメバル29cm


610分ごろに最後の1投と思い足元に投入したウキが入り、ほぼ同じサイズの40cmほどのチヌが釣れました。
このチヌを締めて私は今日の釣りを終わりました。

今日の釣果はSさんがチヌ35cm前後4枚にチャリコ5匹、私がチヌ35cm前後4枚に40cm前後2枚、チャリコ1匹、メバル1匹でした。 

道具をしまった後で私はチヌを活かしバッカンから出して磯の上で締めました。
久しぶりの3連勝かつ大漁ですので、これは普段からお参りしている気比神宮のご加護もあったのでしょう。
東風が強かったことで戻った「門の鼻」の選択がよかったのかもしれません。
風が強くて希望の磯に上がれずに、戻った磯で釣れたということでこのあたりは運命を感じますね。 

今日は、いつも魚を大量に引き受けてくれるSさんの友人が敦賀にいなくて、私がチヌ10匹の貰い手を捜さなくてはいけなくなり大変でした。
敦賀に戻る前に何とかチヌは貰い手が決まり、持っていったチヌのお礼で漬物をもらったり、こごみやワカメをもらったりと物々交換のようなことになりました。 

さて、Sさんともども奇跡のような3連勝をしかも大漁でやってしまい、私は今が釣り人生の最後のピークかもしれません。
今まで不遇の時期が長かったSさんと私は、ゴールデンウイークもこの勢いに乗って釣りまくろうと固く誓いあうのでした。

 
620分ごろに締めたチヌ10匹 久しぶりの大漁です



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