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上野山さんからのリポート
「今年を占う初釣でボーズ」
音海 (福井県)
2016/01/17
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12月になじみの散髪屋に行きましたところ、ドアを開けましたらすぐにご主人から「上野山さんいらっしゃいと声を掛けられました。
この散髪屋は夫婦二人で経営している店で、椅子も二つしかないこじんまりしたお店です。
店に入りますと、散髪中のお客さんから「上野山君久しぶりやな」と声を掛けられました。
その方は2000年の「ぐれねっと」の投稿釣行記NO29「舞鶴毛島釣行記」に登場しましたNさんです。
Nさんと会いますのは実に久しぶりです。
顔を見て話をするのは5年ぶりくらいでしょうか。
2000年ごろにNさんとは毛島に何度か釣行いたしましたが、私は30cmそこそこのグレを1匹釣ったものの、Nさんはグレを釣ることはできませんでした。
Nさんと隣同士で散髪しながら釣り談義に花が咲きました。
ちなみにこの散髪屋のご主人も、30年ほど前には私と同じ磯釣りクラブに入っていた方です。
この散髪屋さんの奥さんが魚をさばける方なので、魚を釣りすぎると(タマにですが)魚を届ける間柄です。
12月に4人で音海に行ってグレやスズキを釣った話をしましたら、Nさんが舞鶴で仕事をしていたころはよく音海に行っていたという話になりました。
Nさんの話によりますと、多分20年以上前だと思うのですが、音海は2軒の渡船屋があり、ウミックさんは大堤防から断崖の真ん中にある小山までが渡船区だったそうです。
当時も船は満杯の釣人だったそうですが、磯の数が今の半分ほどしかなかったために、私が春に乗りましたタタミなども相乗りで5人は乗らないと人数がさばけなかったということでした。
Nさんも5人でタタミに乗り左側を向いて二人で10枚ほどチヌを釣ったことがあるといっていました。
当時、灯台下で釣りをしていて夕方に迎えの渡船が前を通り過ぎて行ってしまい、磯に取り残されたという話も聞かされました。
「それでどうなったのですか」と聞きましたら、「駐車場の車が1台残っているので、おかしいと思った渡船が戻ってきてくれて何とか帰れたわ。そのころは携帯電話とかなかったから何ともしようがなかったな」というNさんです。
Nさんといろいろ話をしていましたら、1昨年の春に敦賀の杉津から出ている渡船で沖磯に出たところ、ウネリが出てきて、撤収の船が見えているのに波にさらわれて泳いだということです。
さいわい、すぐに渡船に引き上げてもらったので大事には至らなかったということです。
Nさんの釣っていた磯は湾内にある半島の少し裏側ですので、そんな場所でさらわれるような波が来るのかと、改めて海の怖さを思い知りました。
そのNさんも昨年の春に越前にあります、右左(そう)の磯に上がったところ友人から足元がふらついているといわれて、どうも磯に立つ自信が無くなったので、磯釣りはもう引退するということです。
Nさんは今年で70歳になるということです。
2000年にNさんと毛島に行ったときはえらいオジサンやなと思っていたのですが、当時のNさんはまだ54歳で私は44歳でした。
今の私はとっくに当時のNさんの年齢を超えています。
70歳で引退と言えば私の釣り人生も残るところ10年ほどです。
私の今後の磯釣りの目標と言いますとなんでしょうか。
グレ釣りで言えば口太も、オナガも50cmオーバーを釣り上げていますし、チヌの50cmオーバーは何枚も上げております。
三重県ではチヌの60cmオーバーも上げております。
若いときに真鯛も磯から80cmオーバーを釣り上げていますので、残るところは若狭湾での40オーバーのグレでしょうか。
あとはできれば若狭湾で良型のグレを釣りあげ、渡船屋の船頭さんと冗談など言って楽しく磯釣りができればという思いです。
さて、前置きが長くなりました。
なかなか釣行記が始まらないので、「ぐれねっと」の読者の皆さんは、そろそろアレかなと感づいておられるのではないでしょうか。
そうです、新年早々、今年を占う初釣でボーズをやってしまいました!!
では、おなじみの、でも久しぶりのボーズ釣行記を書きます。
ボーズの後でゆたきち師匠にメールでボーズ釣行記を書くべきでしょうかと問いましたら「みなさん釣行記を楽しみに待っていますよ」ということですので、皆様お待ちかねのボーズ釣行記を書こうと思いました。
本人はやや気が重いですが・・・
1月17日の日曜日は南風が吹いて気温は9度、波の高さも1m位という予報です。
予報を聞いて、これは渡船が出ると思いました。
12月にいい思いをしました音海のウミックさんに電話をしますと、表の磯に着けることができるかどうかわからないけれども、船は出ますということです。
恐る恐る「前回は人数が多くて2番船でしたが、明日の予約はどうですか」と聞きましたら「そんなに多くはないですよ」という若い担当者の声です。
私は名前と狙いの魚はグレであることを言って電話を切りました。
これは、明日こそは音海の表の磯に乗って40cmオーバーのグレを釣るチャンスだと思いました。
サンスイにエサの予約を入れてから、私の妄想はもうウミックの事務所の前で40cmのグレを持って写真を撮られているシーンまで完結しておりました。
16日の夕方にはサンスイでエサを受け取り、ハリス2.5号と5Bのウキも買い万全の支度を整え、道具を車に積み込んでから布団に入りました。
さて、17日の朝4時に目覚ましをかけて着替えをしてウミックに向かいます。
高速が敦賀から舞鶴まで結ばれましたので、ウミックまでは自宅から1時間半ほどです。
6時前に駐車場に車を止めますが、車の台数は5,6台です。
これは、釣り人が15,6人ほどではないかと私は思いました。
この時の私は、もう40cmのグレは磯クールに入っているような気分でありました。
6時になり事務所に受け付けに行きますと、カウンターに17日の磯の予約票が置いてありました。
それを見ますと、なんと無情にも表磯の主な磯はほぼ予約で埋まっています。
私はそれを見てこれは終わったかもしれないと思いました。
でも、波が無ければどこか表の磯に乗れるのではないかと、一縷の希望を船長に託しました。
電話では人数は少ないと言っておられたのですが、6時45分の出船にはほぼ満杯の30人近い釣り人が乗っていました。
船は「押廻の鼻」から着けますが、最初はクラブの方と思われる釣り人が次々に下りて行き、表の磯に着け終わって船は海峡を越えて半島の根元のほうに向かいます。
男グリに3人を下してから港を回ったあたりの磯に3人を下して、後は我々一人で来ている3人だけとなりました。
このあたりの磯ではかなわんと思い船長に「なるべく表に近い磯にあげてもらえませんか」とお願いをしますと「今日はウネリがあるからね。でも行ってみます」と言って船は海峡のほうに戻ります。
一人の釣り人をナガウロと思われる磯に下して後は、もう一人の一人で来ている方と二人だけになりました。
「よくここに来るのですか」と聞きますと「ひと月に1回くらいですかね。12月に来たときは港の近くの磯に乗ったのですが、昼から表の磯に上がれるということで磯変わりして、タライで40cmと47cmのグレを釣りました」ということです。
これはすごいと思い「その時のウキ下はどれくらいですか」と聞きましたら「3ヒロ半ほどでした。やはりここで40cmを釣るのは場所もあると思いますよ。いいところは前の月からクラブの人たちの予約が入っているのでなかなか乗れないと思います」ということです。
私は音海の表側の磯は深いので、もしかしたら40cmオーバーのグレは竿2本以上の深いタナで釣っているのかと思っていました。
3ヒロ半で釣れると聞いて、表の磯で普通の釣り方で釣れるのだなと新たな情報がインプットされました。
「上野山さんここでやってみてください」と船長に言われて磯を見ますと、ほぼ三角錐のような磯で上部のみがタタミ半分ほど水平な磯です。
磯の高さは5.6mあるようです。
磯の上部は緑色をしていますので、変わった色をした岩でした。
磯のほぼ中央に斜めにバッカンを置く場所と、前下がりで立って竿を出せそうな場所があります。
ほんの少しですが斜めに座るスペースもありそうです。
こんな斜めの磯で夕方までやるのかと思いましたが、なるべく表寄りの磯をリクエストしたからには上がるほかありません。
この磯は後で磯図を見ましたら多分ヒナグリではないかと思います。
海峡から二つ戻った磯ですので、ここは悪い磯ではないと思いました。
磯クーラーにオキアミ3枚と氷を詰め込みましたので重さは10kg以上あると思います。
これを磯の中ほどまで上げて竿袋は磯のてっぺんまで運びます。
次にバッカンにオキアミ2枚を残して、磯クーラーを上まで運びます。
磯が斜めですので足元に注意して、片手で岩をつかんで岩をよじ登ります。
普段の生活ではこんなことはしないので、やはり磯釣りは非日常の世界ですね。
船は予定通り6時45分に港を出ましたが、私が磯に下りたのはもう7時半頃でした。
今日の仕掛けです。
竿はガマのアテンダーU1.5号。道糸は3号、ハリスは2.5号を2ヒロ取りサルカンで結びます。
3Bの小粒の円錐ウキに3Bのオモリをサルカンの上に着けます。
クッションとして黄色の潮受けゴムをオモリの上につけました。
磯は足元から深そうです。
磯の左側から時折サラシが出ます。
初めて釣る磯ですので、まず針をつける前に1号のオモリを着けて深さを測ります。
ウキ止めを4ヒロにしましたが足元から竿半分ほどはウキがかすかに見えますので、5,6ヒロほどではないでしょうか。
竿1本以上沖ではウキは全く見えませんので、海に入っていく道糸の感じから8ヒロ以上あるのではないでしょうか。
私はウキ止めの位置を竿1本半まで下げて始めました。
潮はゆっくりと右に流れます。
1投目は5mほどウキを流してあげますとエサがありません。
2投目にゆっくりとウキが沈み合わせますと軽い手ごたえです。
これは10cmほどの磯ベラでした。
連続で磯ベラが釣れますので、ウキを少し沖に投入しマキエをかぶせます。
今回のエサは最終の4時半までやるということで、生オキアミ2枚に、ボイルを1枚です。
ボイルは着けエサに使用して小粒のものはマキエにしました。
沖に投げてもウキが入るとベラです。
そのうち体に白い筋が入ったカンダイの子も釣れました。
ベラが釣れないときはエサがありません。
アジも1匹釣れました。
ウキが入っても合わないのはアジかもしれません。
ベラを10匹ほど釣ってこれはタナを変えてみようと思い、私は少し浅くして4ヒロほどにしました。
それでもウキが入るとベラが釣れてきます。
ベラばかり釣っているうちに10時ごろになりましたので、磯の上に登って座って休憩を取りました。
磯の上に上がるときも片手で竿を持って、磯をよじ登らなくてはならないので大変です。
一人で釣りに来ますと、休憩のときなど話し相手がいないので少しさびしいですね。
私はおにぎりを食べて、お茶を飲んでチョコレートを食べました。
磯に来ますとなぜか甘いものが食べたくなりますね。
休憩の後タナを深くとろうと思い、ウキを5Bに替えてウキ下を竿2本としました。
釣りを再開して、ウキを沖目に投げてマキエも遠投します。
しかし、タナを変えてもゆっくりとウキが入るアタリでベラが釣れてきます。
何も状況は変わらず2時頃になってしまいました。
迎えの時間は4時半ですので、4時過ぎには片づけなくてはなりません。
あっという間にあと2時間ほどになりました。
12月に来ました時は3時ごろから3ヒロでグレが釣れましたので、ウキを再度3Bに替えて、ウキ下を3ヒロほどにして磯から竿1本くらいのところを狙いました。
しかし、この頃から潮が当たってきて、ウキは沖にあるのにハリスが足元で根ガカリするという最悪のパターンになってきました。
しまいに足元の根がかりで道糸を切ってしまいましたが、以前ゆたきちさんと行った熊野の大会でもらったウキ取パラソルで難なくウキは回収できました。
今日の釣でよかったことはこれくらいでしょうか・・・
その後は足元で15cmほどのガシラが2匹釣れただけで、1日何のドラマもなくコッパグレも釣れずに終了の4時となってしまいました。
港に帰って皆さんのバッカンをのぞきますと、やはり表の磯に上がった方はグレを釣っていました。
何枚かチヌも出ていましたので、港の近くの磯の方がチヌを釣ったのかもしれません。
30人も釣り人がいれば釣れる方もいればボーズの方もいるでしょう。
私は今回タマタマ、ボーズになってしまったということでしょうか。
今日は人数が多いので磯変わりもできませんでした。
乗船するまでの間5分ほど事務所の前で若い従業員の方と話したのですが、クラブの方はほとんど年間を通して週末には表の磯には予約を入れているようです。
「キャンセルできますので先に予約だけを入れておかれるとよいですよ。もう2月の磯を予約している方もいますよ」ということです。
2月なんて毎日雪ではないかと思いましたが、「クラブの方は雪でも竿を出していますよ」ということです。
これでは、今までのように夕方7時の天気予報を聞いてから渡船屋に電話をしていたのでは、週末はまずいい磯には上がれませんね。
前回12月に2番船で栃ヶ島に上がれたのは、4人で行ったためかもしれませんね。
ウミックの表磯で40cmアップのグレを釣るには、まず表の磯に乗ることからして大変ということがよくわかりました。
こうなりましたら今年の秋に1ヶ月前から予約を入れて週末に釣りに行くか(一人では有名磯は無理ですので相棒を捜さなければなりませんが)、一人なら波の静かな平日に強行釣行で表の磯に乗るしかありませんね。
やはり若狭湾での40cmオーバーのグレはハードルが高いなと思いました。
ゆたきち師匠は小浜の泊で何度も40cmオーバーのグレを釣っているので、これは本当にすごいことだと思います。
今年の初釣はコッパグレも釣れないボーズという不吉な結果となってしまいました。
一つよかったことは単独釣行で朝から夕方まで釣る体力がまだあったということです。
これで若狭の釣は終了と思いますので、次に40cmオーバーのグレを釣るとなれば紀東か四国ですね。
次こそ釣れたよというリポートが書けるとよいのですが。
では、いつものように「次回に期待して」という結果の初釣レポートを終了いたします。
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