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 上野山さんからのリポート
 「初めての磯

  宇久 (福井県)
   2019/04/28

 



1月に5回釣りに行き、今年は何回釣りに行けるのかと思いましたが、その後腰痛が出たり演奏で忙しかったりとなかなか釣りに行けませんでした。
4月は2週連続で週末に法事があり、これは釣りに行くなということだなと自分に言い聞かせました。
ようやっと4月21日の日曜日は午後から釣に行けそうでしたが、朝のうちに清掃奉仕に行きました金ヶ崎神宮で車を脱輪してしまい、車を見てもらいにディーラーまで行きましたので、この日も釣りには行きませんでした。
前日になじみの泊の大谷渡船に電話したところ、用事があって21日は船が出ないということもありました。
どうも、なかなか釣りに行けない流れに入ってしまったような感じがいたします。 

21日は相棒のFさんは朝から釣りに行くと言っていましたので、どこに行くのか聞いてみましたら、若狭大島でがまかつのチヌ釣り大会があったためか、どこの渡船屋も満杯だということです。
そこでFさんは宇久(うく)の谷久渡船に問い合わせて朝5時から釣りに行ったということです。
宇久と言えばマイナーな釣り場という印象ですが、それでも釣り客は20人近くいたということです。

宇久は若狭湾にある泊の右側の磯です。
以前は渡船屋がやっていなかったので矢代からも渡していたように思います。
私は宇久の左側の泊と右側の西小川はよく行きましたが宇久は行ったことがありません。
あとでFさんに釣果を聞いてみますと28cmほどのグレを3匹釣ったということです。
船頭さんは若くて親切なのでまた行こうと思ったということです。
その1週間後の4月28日は私もFさんも休みですので釣りに行こうということになりました。

前日の27日は寒気が下りてきて北海道では雪が降ったということです。
敦賀も27日は冷たい北風が吹いて、朝のうちはストーブを使うような寒い天気でした。
28日は天気図では高気圧が張り出していますが、前日吹いた強い北風でウネリが残っているものと思います。
Fさんが谷久渡船に電話をしますと、朝のうちはウネリが残っているので出られないが、11時ごろからなら湾内磯に出るということです。
我々は他にはどこも船は出られないと思い宇久に釣りに行くことに決めました。 

11時に出船ですのでサンスイ釣具店には9時に集合しました。
私はオキアミ1枚にグレパワーV9をマキエにしました。
着けエサは前回Fさんがボイルを半分残したというので1/4を着けエサにいただきました。
サンスイ釣具店は連休前半の晴れの日ですのでかなり混みあっています。
我々は長居をせずにすぐに出発いたしました。 

宇久には1時間ほどで到着いたしました。
出船まで時間がありますので港でチヌ釣りをしている人に話しかけました。
この方は先週渡船で沖磯に出たけれどもフグの猛攻にあい、チヌは釣れなかったということです。
なんでも1投ごとにフグが釣れるような状態だったということです。
Fさんは先週、フグは1匹しか釣れなかったと言っていますので磯によりけりですね。
今日は波が高いので堤防で釣りをしているということでした。 

11時前になり予約のお客さんがそろいましたのでいよいよ出船です。
船は5分ほど走って湾のいかにもチヌ釣り場のような磯に着けて行きます。

 

宇久の湾内の磯 西風には強いそうだ 


船が沖に行くにしたがってウネリが大きくなってきたように思えます。
西小川のボラ岩は上まで波しぶきが上がっています。
釣り客があと3名になったところで「Fさんたちは分かれてもらってもいいですか」と船長が言います。
私はどちらでもいいので「いいですよ」と答えました。
やがて船は崖の下にある3角錐のような磯に着けました。
後で船頭さんに聞きましたら「二つ坂」という磯でした。

 

私の上がった 二つ坂 中央の割れ目の間の三角の磯です。


この磯は幅40cm、長さ1mほどのタナが足場です。
釣り場は海から3mほどの高さですので足元まで波が来ることはなさそうです。
しかし、これではほとんど身動きが取れません。
今日はチヌがたくさん釣れてしまった時のために、活かしバッカンまで持ってきましたので道具を置くスペースがほとんどありません。
久しぶりに狭い磯に上がりました。

私は氷の入った磯クーラーに海水を入れて、風で飛ばないようにしました。
磯クーラーも斜めにしか置けません。
釣り場の左側に活かしバッカンとマキエを置きました。
竿袋は寝かせられないので磯に斜めに立てかけました。

 
私の右側に置いた磯クーラー

 

左側のスペース 奥行40cmほどしかない 足元は切り立っている 


磯に上がりますと強くありませんが冷たい北風が吹いています。
フリースの上にカッパを着ていても寒いくらいです。
私は道具を落とさないように注意をしながら岩に持たれて仕掛けを作りました。
足もとのタナは前上がりになっていますので、立ち上がると踏ん張らなくてはいけません。
私は時間をかけて支度を済ませました。 

今日の仕掛けです。
竿はアテンダーUの1.5号
リールはレマーレ、道糸2.5号、ハリス1.75号、ハリはグレ針6号。
ハリスは2ヒロ取り、ウキは釣研のRGの3Bとしました。
3Bのオモリをサルカンの上に噛みつけます。
先週Fさんが3ヒロ半から4ヒロで釣ったと言っていましたのでウキ下は4ヒロから始めました。 

海はウネリで濁っていていかにもチヌが釣れそうな雰囲気がいたします。
磯の左側にある大きな割れ目にウネリが入ると、そこからサラシが出てウキは足元から右側に押し出されます。

1投目はウキが10mほど右沖に出て行ったあとでゆっくり入ります。
これはチヌかと思いましたがウキは入ったあと止まっています。
合わせますと弱い引きでベラが上がって来ました。
その後も続けてベラが上がります。 

足もとを釣ろうと思いましたが、サラシが強くてなかなか仕掛けが安定いたしません。
ウキが立つ前に仕掛けが右側に押し出されます。
これは、マキエのきいている右側を釣るしかないと思いました。

そのうち、フグが釣れだしました。
フグのあいまに10cmほどのグレも釣れます。
足もとには打ったマキエにスズメダイも群がってきます。
エサトリの活性も高いようです。 

チヌもましなグレも釣れないまま時間は経ち1時ごろになりました。

ここで、大トラブルです。
風で道糸がスプールから出ていたのに気が付かずにハンドルを巻いてしまったので、道糸がくちゃくちゃに絡み合ってしまいました。
狭い磯ですので竿を股にはさんで絡み合った道糸をほどこうとしましたが、これがなかなかほどけません。
5分ほどやってみて、これはだめだとあきらめて道糸を切りました。
竿を慎重に元に戻してウキを落とさないように水汲みバケツに入れます。
ハリスはこの際2号に張り替えることにしました。 

私は縮めた竿を磯に立てかけて休憩をしました。
家でいれてきた熱いお茶を飲んでおにぎりを食べました。
一人きりで荒れた海で釣りをしていますと、今日は道具を海に落とさずに無事に港に帰ることが使命のような気がいたします。 

さて、釣りを再開いたします。
道糸を15mほど切りましたらリールから道糸が出なくなったように思えます。
最初潮は右に流れていましたが、今は左に行っています。
少し沖でウキが入りましたので合わせますとガンガンという魚が暴れるような引きですが、チヌのようには引きません。
何だろうと思い竿を上げますとこれはウミタノゴでした。
ウミタナゴは放流いたしました。

 
ウミタナゴ 27cmほどありました。

その後は足元や沖に仕掛けを入れますがフグにハリを取られるばかりです。
堤防で釣っていた人が言っていた、1投ごとにハリを取られる状態です。
フグが釣れてもハリは口の中という感じで、とてもハリを取り出せないのでハリは2袋以上無くしました。
ハリを結んで仕掛けを海に入れて直後にまたハリが無いと無力感がいたします。
ハリを取られるために海に仕掛けを放り込んでいるのではないかという錯覚すら覚えます。
これでは今日はボーズではないかと思いました。 

4時ごろになり潮が右に行きだしました。
それまで手のひらまでのグレしか釣れませんでしたが、フグに混じってたまに15cmほどのグレが釣れだしましたがこれでは持って帰れません。
相変わらずフグにハリを取られます。
せっかく活かしバッカンを持ってきましたが、電池を交換して持ってきたブクブクのスイッチをまだ入れておりません。 

5時前になり潮はあてて来て右側に流れだします。
我々は6時に迎えを頼んでありますが5時の迎えでしたら私はボーズです。

5時をすぎて私は磯の右側を釣ろうと思い、右沖にマキエを遠投してその向こう側にウキを投入しました。
ウキは右に流れて磯に近寄っていきますが、磯に沿って右に流れます。
ウキが磯に沿って5mほど流れたときに見えなくなりました。
これはアタリと思い合わせますと魚が掛かりましたがチヌのように重くはありません。
上がってきたのは28cmほどのグレです。
これは大事にと思いタモで掬いました。

その後同じパターンで2匹グレを追加しましたが、もう時間切れです。
最初から磯の右側を釣ればと思いますが、これは後の祭りです。
3匹グレが釣れただけでもよしとすべきでしょう。
最後にもう1投と思い5時半を過ぎてから仕掛けを投入しましたが、最後もフグにハリを取られて終了となりました。
結局、サラシが出ていて釣れそうだった足元ではましな魚は釣れませんでした。
初めての磯ではこんなもんでしょうか。 

私は急いで道具を片付けました。
6時前に渡船が迎えに来ましたが我々以外のお客さんは5時で帰ったようです。

 
 今回お世話になった谷久渡船

Fさんは2時頃にチヌの45cmを釣り上げましたが、それ以外は5時頃に28cmのグレが1匹釣れただけということでした。
やはりフグにハリを取られたということです。 

今回はチヌが釣れそうな海の感じでしたがチヌは不発でした。
私は何とかボーズのがれのコッパグレが釣れてよかったです。
今日のようにウネリがある時に釣りができる釣り場は貴重ですね。
次回は沖の磯にもいってみたいと思いましたがフグがなかなか厄介ですね。
荒れた海で一人で釣りをして、いつもながら磯釣りは非日常の世界だなと思いました。

 

私の釣果 グレ27〜28cm 3匹


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