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 上野山さんからのリポート
 「釣果を気にせずゆっくりと釣る

  神津島 (東京都)
   2019/05/04

 

神津島の2日目です。
宿の朝食は5時からですので、我々は4時半に起きて支度を整えました。
朝食を済ませて宿の外に干してあるカッパやライフジャケットを着てワゴン車で港に向かいます。

港に着きますと船はもう入ってきていました。
軽トラックからバッカンや竿袋を下して船に積み込みます。
今日も釣り人は多いようで、船のデッキはたくさんの荷物であふれかえっています。

 
船首はクーラーやバッカン、竿で足の踏み場がない


6時前にFさんが「船長にどこに上がりたいか聞かれたので祈苗島と答えたよ」と言います。

昨日場所替えして釣れたので私も祈苗島は歓迎です。
6時になり荷物と釣り人を満載した船は港を出ました。
今日も島の周辺に半分ほど釣り人を下してから船は祈苗島に向いました。

祈苗島につきますとまず我々が呼ばれました。
我々の今回の磯は「穴の口」という磯です。
場所は昨日我々が釣りをした「松が下」のすぐ南側の磯です。

船長に「支度してください」と言われてホースヘッドに行きますと、穴の口はどうやって二人で釣りをするのというような切り立った磯です。
船長が「いったん荷物は足元に置いてすぐに高いところに上げてください」と言います。
我々は磯の低いところの1m四方ほどのスペースに荷物を置きました。
この場所は海水がたまっていますので当然波は上がって来ます。
磯の上の方は荷物を置くスペースがありますが、そこまで5mほどほぼ垂直な磯に荷物を持って上がらなくてはなりません。
釣る場所は2mほど高いところに1か所ありますが、マキエバッカンを置きますと足を置くスペースは40cm四方ほどです。
その2mほど上のところは30cm×1mほどスペースがありますが海に向かって少し前下がりです。
私は「高いところは苦手です」とFさんに言って下の釣り場を譲っていただきました。

 

穴の口の荷物を置く場所から下を見る  下の平らなところは波が来る


 

Fさんの釣場所


我々は上と下に分かれて手渡しで竿や磯クーラーを上の平らな荷物を置く場所まで上げました。
この作業だけで大汗をかきます。
マキエのバッカンは下においてきましたのでタモを組み立てて、タモを右側の岩の割れ目に沿って下します。
同様に竿もリールをセットして岩の割れ目に沿って下します。

私は慎重に岩に手を掛けて下に降りました。 
足を置く場所を考えてマキエバッカンを置きますが、どう考えても足を置く場所は段違いにしかなりません。
私は左足が上で右足は20cmほどしたという格好で釣りをしました。
大きな魚が掛かれば波が来る水平な場所に素早く降りてやり取りをしようと思いました。
この磯はワンドになっていて直接潮は当たらないような感じです。
足もとから真っ青な色ですので相当深そうな磯です。 

今日の仕掛けです
竿は同じくアテンダーUの2号、道糸は4号としました。
ハリスも5号を1ヒロ半、ハリはザロック8号です。
3Bのウキに2Bのオモリを着けてウキ下は2ヒロで始めました。

足もとにマキエを撒きますとさっそくタカベが出てきます。
私は足元にマキエを打ってから竿1本ほどのところにウキを投げました。
マキエに集まってくるタカベを見ていましたらウキが入っています。
「オッ1投目からアタリか」と合わせますと釣れたのは35cmほどのイサキです。
釣れたイサキを磯の平らなところでシメて、片手で魚を持って磯クーラーのところまで5mほど磯を上がらなければならないのでその作業も大変です。 

今日は連続でイサキが釣れるのかと思いましたが、その後はタカベが邪魔をしてなかなか持って帰る魚が釣れません。
Fさんもイサキを釣っていますがエサが残らないようです。
足もとはタカベだらけでダメだと思い遠投しますが、釣り場のすぐ後ろは岩ですのでうまく振り込めません。
何とか竿3本ほどのところまでウキを投げますがそのアタリはまだタカベが出てきます。
ワンドですので潮もそう速くは流れないので沖までタカベが出てしまいます。
今日は苦戦しそうです。

足もとにマキエを打ってタカベを集めてからそっと沖にウキを投げる釣り方をして、何とかイサキをもう1匹追加しました。
Fさんもイサキは3匹ほど釣ったようです。
タカベと格闘しているうちに10時の見回りの船がやってきました。
我々はこの隣の磯で昨日は午後から釣れたので磯は替らないことにしました。
船長は「この磯は沖ではなくて足もとをやってね」と言います。
足もとといってもこれだけタカベが走り回っていたら、足もとは釣にならないのではないかと思いました。 

そのうちドーンという音が聞こえてきます。
「これは穴の口に波が入って立てる音ですかね」とFさんと話していましたが、どうも雷のようにも思えました。
雷雨になれば釣りも中止になるのではないかと思いましたが、雲が出てきて10分ほど雨が落ちただけで天気は回復いたしました。
我々はカッパを着たり脱いだりしました。

 

私に釣れたイサキ 35cmほどです


グレが釣れないまま11時半ごろになりましたので我々は昼食としました。
Fさんは「今日も昼から潮が流れたらグレは釣れるのではないか」と希望的観測です。
私は今日の場所ではアカンのではないかと思いました。
まあ、昨日オナガグレを釣っているので私には余裕はありました。

ユックリと休憩をして12時過ぎに釣りを再開いたします。
今日の釣りの終了まであと2時間ほどです。
私はオナガグレも釣りましたので、後は怪我をしないように、腰痛が出ないように3日間の釣りを終えることが目標となりました。
出来れば50cmのオナガグレが掛かってほしいですが。 

午後からはだんだんと潮が速く右に流れだしました。
「タカベが少しおとなしくなった」とFさんが言います。
Fさんは沖と足もとと交互にウキを入れているようです。

1時ごろになりFさんの竿が曲がり38cmほどのオナガグレが釣れました。
Fさんは明日もあるのでこれはリリースすると言って逃がしていました。
Fさんはもう1枚同寸のグレを釣り上げてリリースしていました。
Fさんは他にも35cmほどのイズスミも釣り上げました。
釣場所が高いのであまり踏ん張りますと海に落ちそうに見えます。 

潮が右に流れますので右沖に仕掛けを投げて、私にも32cmほどのオナガグレが釣れました。
まあこれで今日もグレボーズは無くなりました。
私もこのグレはリリースしました。
その後、潮は早くなりエサもたまに残るようになりました。

2時頃に久しぶりにウキが入り、魚が掛かりましたがオナガグレのようには引きません。
上がって来たのは38cmほどのクチブトグレです。
私はこの魚もリリースしました。

 

2時頃釣れたクチブトグレ 


私の釣ったクチブトグレを見てFさんが「明日はたくさんクチブトグレを釣ったほうがペナルティで晩飯をおごることにしないか」と言ってきましたので私は応じました。
これを最後にアタリは無くなり私は釣を終了しました。 

今日の釣果です。
私はオナガグレ32cm、クチブトグレ38cmともにリリース、イサキ35cm、2匹。
Fさんはオナガグレ38cm、2匹リリース、イサキ35cm、3匹でした。
3日釣りですので釣れなくとも何か余裕がありますね。
私はこの切り立った狭い磯で怪我なく釣りを終えることができて何よりでした。 

今日もたくさんの釣り人が島に泊まるようです。
今日来た釣り人のなかには、宿に部屋の余裕がないので泊まるのは別の宿だが食事は我々の宿でする人もいるようです。

今日も島の温泉に入り疲れを癒しました。
温泉には軽自動車に4人乗り合わせて行きました。

2日間釣りをして腰痛が出ないので私は今回の釣行は上出来だと思いました。
2日間釣果を気にせずにゆっくりと釣をして、なんだか島では時間の流れが違っているような感じさえ致しました。 

宿の今日の夕食は豚の生姜焼きにサシミでした。
サシミはグレの刺身ではないかと思いました。
常連のお客さん同士はアルコールも入って会話が弾んでいますが、我々は知らない釣り人とは会話の輪に入れずにいました。
食事を済ませて今日は6時のニュースを見て部屋に戻りました。
常連の方はまだ話で盛り上がっているようです。 

6時のニュースでは関東地方で落雷があり、場所によっては雹(ひょう)が降り、激しいにわか雨が降って映画館が雨漏りしたという映像がありました。
三宅島が見えるところで釣りをしていた方は三宅島のほうで稲光も見えたし、竜巻のようなものも見えたということです。
こんな雷雲が頭の上に来ていたらとても釣は出来なかったと思いました。
この話を聞いて今日は1日釣りができて運があったと思いました。 

昼間に関東地方に雨を降らせた雷雲は徐々に南に下りてきて、神津島も夜の7時半頃には雷が鳴り土砂降りの雨が降りました。
夜に雨が降ったことを考えるに、今回は釣の神様がついているなと私は布団の中で思いました。
半分寝ながら外に出した磯靴は庇(ひさし)の下で大丈夫かと思いましたが、もうとても起き上がる気力はありませんでした。
そして明日もすることは釣しかないと思いました。

 


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