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 上野山さんからのリポート
 「チヌのいい引きを味わってしまった

  宇久 (福井県)
   2020/03/07

 



2月に入り新型コロナウイルスの関係でイベントの中止が相次いでいます。
私も3月に予定していた演奏が無くなり、一人でサックスの練習をしたり、晴れれば地元の山に登ったりして過ごしていました。
一人での登山ですとコロナウイルスの感染も考えなくてよいと思いました。
もう60歳を過ぎましたので、仮に感染をしたら致死率も高いのではと用心をして週末を過ごしていました。
しかし、演奏者にとってはイベントの自粛は死活問題ですね。
私はここ9年間、毎年3月の初めは福井JAZZというイベントで演奏しておりましたので、2週間前のリハーサルの日に演奏が中止の連絡があり、なんだか気が抜けてしまいました。 

そんななかFさんから2月の末に磯釣りに行かないかと連絡がありましたが、私は都合が悪くて行けませんでした。
サンスイ釣り具で聞きましたら、Fさんは2月末に若狭の宇久に釣りに行きチヌを2枚釣ったということです。
私は、今年は暖かいのでもうチヌが釣れたのかと思いました。
例年ですと2月後半から3月前半は雪解け水が入り水温が下がるのですが、今年は雪が降らないために水温もまだ高いようです。
Fさんの話では1月には若狭湾の宇久で40cmオーバーのグレも釣れているということです。
そういう情報もあり、37日の土曜日にFさんと宇久に磯釣りに行きました。 

前日は冬型になり、強い北西の風が吹いていましたが次第に高気圧に覆われてくるという予報です。天候は晴れですがウネリがまだ残るという天気です。
この時の予報では、7日の夜に雨は降りだして8日の朝には雨雲が通り過ぎるということでした。
Fさんが谷久渡船に電話しますとウネリが残るので9時に出船ということです。 

我々はサンスイ釣り具に朝の7時に待ち合わせました。
今回は生のオキアミ2枚に集魚剤を混ぜます。
付けエサはボイルのオキアミとしました。 

今回はリールの道糸を新しくするにあたり、前回四国で使ったサンラインのグリーンのものが気に入ったのでサンスイに頼みましたら、店には2号の上は3号しかないということす。
春の魚はそう引かないと思い、私は久しぶりに道糸2号を巻くことにしました。
ハリスも1.75号と2号を買いました。
久しぶりの若狭の仕掛けは細く感じますね。 

Fさんの車で7時過ぎにサンスイを出て宇久の手前には840分ごろに到着しましたが、村に降りる道が工事で通行止めとなっています。
看板を見ましたら、通行止めは8時半から10時までです。
これは出ばなをくじかれました。 

Fさんが谷久渡船に連絡しますと、工事の人に見えるところで車を止めて待っていると、そのうち通してくれるという、なんともノンビリした返事です。
我々が遅れても渡船は待っていてくれるんかいな、とこっちは気がせきますが車を看板の前に止めて待つしかありません。
あと10分ほど早く着けば通行止めにかからなかったと思いますが、これは仕方がないことですね。
工事の人に私が聞いてみますと、「もう少ししたら通れます」ということです。15分ほど待ちましたら、工事の車両がバックしてようやく道が通れるようになりました。

渡船屋の前には9時に到着しましたが、船長もお客さんも我々を待っていてくれました。
今日のお客さんは我々を含めて6名です。
ウネリが残っているので、正面の磯には行けなくてもどこかで竿を出せるでしょう。

9時15分ごろに支度を済ませて船に乗り込みます。
船はゆっくりと沖に進みますが、予想以上に大きなウネリがあります。
弱い北風ですので、なかなか昨日のウネリが落ちないのだと思います。
晴れていい天気ですので、お昼には水温が上がって釣れるのではないかと思いました。
船は銅前(どうぜん)を回って沖に向かって正面側に向かいますが、大きなウネリでとても渡れそうにありません。

 
 まるでモヤイ像のような銅前の磯


船は引き返して、銅前の手前の湾の中の地磯につけます。

ウネリがある中の渡船ですので十分な注意が必要ですが、最初につけた磯に上がろうとした人が、磯に上がるときにこけてしまいびっくりしました。
この方は竿袋を片手で持って磯に上がったのでとっさに手をつけなかったのだと思います。
船頭が後ろから「大丈夫ですか」と声を掛けましたがうずくまったままです。
ほかのお客さんが磯に上がって、こけた釣り人に釣りができるか聞いています。
何とか釣りはできそうということで私が荷物を渡しました。
やはり、ウネリの大きな時の一人での渡礁は十分な注意が必要ですね。

この磯から30mほど離れた見える磯にもう一人が渡りましたので、もし具合が悪くなれば連絡は取れると思いました。

その後船は港のほうに戻り、昨年私が下りた狭い磯の前に来ましたが誰も前に行きません。
Fさんを見ますとどうも気が向かないようです。
ほかの二人も行く気はないようです。
私は昨年この場所で釣りをして、足場が悪かったためか翌日腰痛が発生しましたので、とても下りる気にはなりません。
船長が「Fさんたちは二人一緒におりたいですか」と聞いてきましたのでFさんは「二人でお願いします」といいます。
結局この磯ではだれも下りないので、船は港のほうに戻ります。

港のほうに戻る船の中で若い釣り人に「何狙いですか」と聞きましたら「チヌ釣りです」とのことです。
今時、若くてチヌ釣りをする人がいるのかと感心します。
道糸とハリスの号数を聞きましたら「道糸は2.25号、ハリスは1.75号を使っています。さっき2番目に下りた釣り人は連れですが、1月にここで57pのチヌを釣っています。なんでも、この渡船の記録更新ということです」と話してくれました。
「どの辺に下りますか」と聞きましたら「さっきの渡礁のトラブルを見ましたら、波のない港の近くの磯に下してもらいます」といいます。

船は5分ほど戻って港を出たあたりの磯に向かいます。
船は砂浜の横の磯に着けてくれます。
「Fさんたち二人ここでやってください」と船長が言います。
後で磯の名前を聞きましたら「ボラ場」ということです。
私もFさんも初めての場所です。
40mほど離れたところが砂浜ですので、ここはどう見てもチヌ釣りの場所です。

我々の下りた「ボラ場」


磯はでこぼこした岩でできていますが、足場はよい磯です。
何より広くて二人では十分な広さです。
サラシが出て、ウネリのためか海水の色も濁っていますので、チヌ釣りには絶好のコンディションと思いました。
これでは、またもやグレは釣れないと釣りをする前から思いました。 

今日の仕掛けです
竿はがまかつのアテンダーUの1.5号
道糸2号にハリスは1.75号です。
道糸とハリス直結します。
小粒の2Bのウキにハリはザ・ロック7号です。
ウキ下は3ヒロ半から始めました。

 
 ボラ場の私の釣り場 潮が横に流れている

マキエを足元に打ちますとマキエはゆっくりと右に流れていきます。
時折足元に波が打ち付けて大きなサラシも出ます。
Fさんは私の左から竿を出しました。
タナを聞きましたら4ヒロから始めるようです。

1投目は餌がとられません。
どうもハリスが浮いているような気がして、ハリスにジンタン5号を打ちました。
ウキ下も40pほど深くします。
エサがとられないので、これはしばらくマキエをして魚が寄るまで辛抱するかと思いました。

30分ほどしてFさんの竿が曲がります。
難なく浮いてきたのは36pほどのチヌです。
魚が釣れて一安心です。
タナを聞きましたら4ヒロ半ほどということです。
私もタナを4ヒロ半に合わせました。
しかし、二人ともその後はなかなかアタリがありません。
たまにウキが入ってもフグです。 

私はタナをもう少し深くして5ヒロとしました。
この深さでは根がかりしてしまいハリスから切れてしまいました。
休憩を兼ねて座って飲み物を飲んで、ハリスをくくりなおします。
時刻は11時を過ぎています。 

仕掛けを治して、ウキ下を30pほど浅くして足元にウキを投入します。
仕掛けがなじんだ頃にゆっくりとウキが入り見えなくなります。
これはアタリと合わせますと魚がかかりました。
最初の引きでフグではないと思いましたが、かなりの引きですので思わずリールを逆転してしまいます。
魚は勢いに乗って沖に走ります。
私はこの魚はチヌではなくて、スズキか何かかもしれないと思いました。
Fさんに「ハリス1.75号ですとなんぼでも糸出してしまいます」といいます。 

3回ほどリールを逆転しましたら魚は止まりました。
ゆっくりと浮かしますとすぐにウキが見えてきました。
海の中で銀色の魚体が見えましたのでこれはチヌでした。
この魚は自分でタモを入れたのですが、久しぶりの40cm越えのチヌです。
スケールで測りましたらこのチヌは45pでした。

 

久しぶりに釣り上げたチヌ 45cm


しばらくしてFさんにもアタリがあり、やり取りをしています。
「これはチヌかな。よく引くで」と言いながら糸を出しています。
やがて浮いてきたのは大きなチヌです。
Fさんがタモを入れようとしますともう一度海に潜ります。
低水温でもチヌは元気に引きますね。
ようやくタモに収まったのは50pのチヌです。
「足元で走られてハリスが傷ついているわ」とFさんが言います。

 

私が釣って15分ほどしてFさんにも50cmのチヌが釣れた


今日は二人とも良型のチヌが釣れましたので、今日は最終の5時ではなく4時に帰ろうということになりました。 

その後、Fさんはベラやフグしか釣れません。
私も足元でウキが沈みましたが、ウキが入ってから底のほうにウキが見えています。
これはチヌではないなと思いながら合わせますと、何か魚がかかっていますが弱い引きです。
上がってきたのは20pほどのガシラです。
以前、よくガシラが釣れると本命の魚は終了ということを書いていたと思います。
今回もガシラが釣れたので終了かと思いましたが、まだ時間がありましたので私は右側に移動して磯の右側を釣ってみました。 

磯の右側を向いてしばらくマキエをしましたら、ウキが入り、チヌの33pと30cmを連続で釣りあげました。
もう1匹釣れないかと仕掛けを入れますが、そうこうしているうちに、道具を片付ける時間になりました。
30pのチヌは磯の裏側に放流しました。 

今日の釣果です
Fさんはチヌの36cm、50cmの2枚。
私はチヌ45cm、33cm、30cmの3枚でした。 

魚が釣れた勢いで、明日も休みですので釣りをしようということになり、ろくに天気図も確認せずに明日はこのところグレの釣れている、若狭大島に渡船の予約を入れてしまいました。
Fさんが「明日は20人ほどいるので、磯を指名しても希望の磯には乗れないよ」と言われていましたがそれで良いと予約を入れました。
しかし結果はまさに船長の言葉通りとなりました。 

明日は1日前とは天気予報が変わって、夜から朝8時ごろまで雨の予報から12時過ぎまで雨になりました。
太平洋を通る低気圧も発達してこちらでも昼頃は北風が吹くそうです。
しかし、二人ともに久しぶりのチヌのいい引きを味わってしまい、勢いで明日も渡船で釣りをすることに決めてしまいました。
私はこの勢いでは、明日は40cmオーバーのグレは釣れたのも同然と思いましたが、我々の運命にも雨雲接近中でした。


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