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 上野山さんからのリポート
 「渡船でド湾内

  若狭大島 (福井県)
   2020/04/07

 


3月の月末に休日出勤をしましたので、4月7日の火曜日は平日ですが代休ということで釣りに行きました。

コロナウイルスで学校も休校、不要な外出は自粛とのことですが、福井県嶺南地方はまだ感染者が出ておりませんし、磯釣りは3密にも当たらないので、まあ行ってもいいのではないでしょうか。 

7日はちょうどサンスイ釣具店が休みということで、ご主人と一緒に釣りに行くことになりました。
最初は他にも行くお客さんがいたので、3人ならば久しぶりに丹生に行こうという話になりましたが、前日にその方の都合が悪くなり、ご主人と私の二人となりましたので、若狭大島にグレ狙いで釣りにこうということになりました。 

天気予報では7日の天気は晴れで、北のち南の風、波の高さは1.5mのち1mということです。
この予報では少しは波も残って、絶好の磯釣り日和と思いました。

6日の午後にサンスイのご主人が若狭大島のビッグワン渡船に予約の電話を入れますと、今はまだ波が高いので明日の出船は1時間遅らせて朝の7時ということです。
私たちは、船長が安全を考えて波が落ちると判断してのことだと思っていました。

前日私がサンスイ釣具店を訪ねて打ち合わせをしていた時もやや強い北風が吹いていました。いまとなって思い返せば、この風は不吉な風でありました。 

日の朝4時半にサンスイ釣具店に行き、マキエを作り5時前にはご主人の車で出発しました。
釣りに向かう道中は、今日はどこの磯で釣りをできるか、道糸2号で真鯛がかかったらどうしようかなど話は尽きません。
時に出船ですが大島のビッグワン渡船には6時過ぎについてしまいました。 

時前になり、支度を済ませて船に乗ります。
まだ肌寒いので上下ともレインウエアーを着ました。

今日は平日ですが釣り客は16名いました。
出船すると、船長が常連のお客さんと「昨日の波が落ちているかな」といっています。
まあ、1.5mの波ならば大丈夫と我々は思っていました。 

船が湾を出ますとウネリで揺れはじめます。
右後ろの蒼島(あおしま)を見ますと、島の北側にあたった波が白く飛沫を上げています。
波しぶきの高さを見ると、どうも1.5mのウネリではないような気がします。
サンスイのご主人、M君に「あそこにかなり波しぶきが立っているよ」といいますと、それを見たM君が「これは暗雲が立ち込めてきました」といいます。 

大島の先端の赤礁崎を超えますと、沖の岩にはかなり大きな波が押し寄せてきて、前回撤収した時よりも荒れています。
「これは釣りするとこあるかな」と船頭さんが言います。
モトドリ島まで行きましたが、前回我々が最初に下りた陸むきの7番も、後ろから来た波が足元を流れています。
その横の5番では波しぶきが5mほど上がっています。 

船はヘラ岩まで行って引き返します。
「今日は、湾内磯になりますが、話のついでに湾内で釣りをしますか」とM君が言います。
私は竿が出せればどこでもよいと思いました。
M君にとっては、せっかくの休日の渡船での釣りが湾内磯なので気の毒です。

「これは天気予報が外れたな。波は3mほどあるで」と船長が言います。

船は戻って赤礁崎を回ったところに浮いている、釣りいかだに近づきます。
なんと、ここで船の先にいた釣り人2名が釣り用のいかだに下りました。
次のいかだもイカ狙いの釣り人2名が下ります。
いかだはウネリで上下しますので、船に弱い方は酔いそうな感じです。
4名をいかだに下ろしますと船は港のほうに向かいます。 

「残った人は蒼島方面に下りてください。今日はチヌ釣りです」と船頭さんが言います。
船に残った皆さんは、あの波を見たらしょうがないなという感じです。
中には「昼頃波が落ちたら表の磯に行けませんか」という釣り人もいますが、あの波がすぐに落ちるとは思えません。 
「あの波は夕方になっても落ちるとは思えません。なぜに等圧線が開いているのにあんな波が出ているのか不思議です」とM君が言います。
私は大島では前回風雨の中釣りをして撤収、今回は大波で湾内磯での釣りということで、なかなかいい条件で釣りができません。 

我々は最後のほうで渡船の乗り場よりも、さらに湾内よりの地磯に下ろしてもらいました。
この場所からでは渡船の乗り場まで3分ほどではないでしょうか。
確か船頭さんが「仕方がないので、家の近くの場所に行くかな」といっていたことを思い出しました。
我々が下りた場所は、磯というよりは浜のような感じの場所ですので、岩が低いので船から飛び降りるといった感じの磯渡しになりました。
私は船が下がったときに飛び降りましたが、M君は船が高い時に飛び降りましたので、膝が大丈夫か心配です。
「年を考えずに船から飛び降りましたが、足は何ともありません」とM君は言っています。

船長によると足元は浅いが、15mほど先から深くなっているので遠投して釣ってくださいということです。
M君に言わせると「こんな場所に渡船で着けてもらって釣りをすることはもう一生ないかもしれない」というほどの場所です。
目の前には釣りいかだもあり、ここはド湾内です。 

船は表の磯に行ってユーターンした後、蒼島に釣り人を6名渡し、あとあちこち回りましたので、我々が磯に下りた時刻は815分でした。
「大島の外の磯と湾内を1時間船に揺られて観光したので、渡船料金は5000円でも文句は言えませんね」とM君が言いますが、私はこの場所で5000円は取るほうも心苦しいのではないかと思いました。

 

若狭大島の湾内磯 手前は浅くて海の中が見える


M君はオモリをつけて水深を計っています。
15mほど先でも2ヒロ半ほどしかありません。3ヒロ取ろうと思うと20m以上投げないとだめですね」とM君が言います。

マキエを打ちますとマキエは右に流れます。
私は流れがあるので、まあ釣りにはなると思いました。
これでウキが止まったままだったら、昼寝でもしたほうがましということになりそうな場所です。

今日の仕掛けです
竿はアテンダーUの1.5号、道糸2号にハリスは1.75号、ハリはがまかつのフカセグレ7号です。
2Bの小さなどんぐりウキを遊動にして、ハリスは2ヒロ取り、ウキ下は3ヒロ弱で始めます。ウキを20mほど先に投入しますと、かなりの速さで右に流れますがどうも上の潮だけが流れているような感じです。
足もとにはフグが泳いでいます。
これは、フグとの戦いになるのかと思いました。

2投目にエサが取られました。
M君もフグを釣っています。
私も仕掛けを上げますとハリがありません。

10時前にM君が40pほどのチヌを釣りあげました。
「このチヌは居着きのチヌです。あまりきれいな魚体ではないので放流します」といってM君は浜を20mほど歩いていってチヌを放流しました。
「まだエサが残るので魚はいるよ」とM君が言います。
私はウキが押されているように思えましたので、ハリスにジンタン3号を噛みつけました。

仕掛けを変えて5投ほどしたでしょうか、15mほど沖を右に流れていたウキがゆっくりと入ります。
合わせますと魚がかかりました。
これはチヌだと思いますが、浅い場所ですので魚は横に走ります。
ハリスが鰭に引っかかって、途中からチヌは横になって上がってきました。
自分でタモに入れたのは40pほどのチヌです。
この魚が若狭大島で初めて釣った、持って帰ることのできる魚なので、魚を締めて磯クーラーに入れました。

 

10時半ごろに釣れたチヌ40p


このチヌは居着きと思われますがきれいな魚体のチヌでした。

さすがに道糸2号ですと引き合いになると糸を出してしまいます。
何度か2号で釣りをしてみないと、どこまで持つのか加減がわからないですね。
私にもチヌが釣れたので、がぜんやる気が出てきました。

 

チヌ40cm きれいな魚でした


その後は餌が残りますがアタリは出ません。

20m以上遠投して沖を釣ったり、かなり右まで流しますがアタリはありません。
切れた藻が大量に流れてきて道糸に引っかかりますので釣りにくい状況が続きます。

M君は休憩して何か食べています。
「ゴミだらけでウキを入れる場所がありません。休憩します」といいます。

今日は春の日差しが降り注いでのんびりした釣りです。
子供のころ、春のこんな日に用水路にフナ釣りに行ったことを思い出しました。
風が止まって暑いのでM君はレインウエアーを脱いで腕まくりをしています。
私もレインウエアーは脱ぎました。

12時前に渡船が見回りに来ました。
「どうですか」と船長が聞きますので、M君が「チヌを1枚ずつ釣りました」と答えますと「エー、ここでチヌが釣れましたか・・・」と船長が言います。
「とりあえず沖は波が落ちないのでこのままここでお願いします。むかえは4時ごろになります」と言って船は離れていきました。
M君が「あの船長のリアクションではここでチヌが釣れるとは思っていなかったようですね。船長も渡しはしたものの、どうかなという気持ちだったのではないですか」といいます。
その後2時ごろにM君が40pのチヌを追加した後は何も釣れずに終了となってしまいました。

今日の釣果は私がチヌ40p1匹、M君チヌ40p2匹という結果でした。
港に戻りますと、蒼島に渡ったグループが45p前後のチヌを5枚ほど釣っていました。
多分皆さんチヌは釣ったのではないでしょうか。

船長がやってきて「Mさんたちの下りた場所は、5月の乗っ込みにはチヌが良く釣れる場所です。まだ早いかなと思いましたが今年は雪がないせいかチヌが釣れましたね。釣れてよかったです」といいます。
ここは1日釣りの渡船料金は5000円ですが、私があえて「今日は渡船料金いくらですか」と聞きますと、一瞬間があり、船長は「あの場所では今日は4000円かな」といいます。
船長の考えが変わらないうちにと、私とM君は目くばせをして素早く4000円を支払ったのでありました。

今日は春の日差しの下でのんびりと浜でチヌ釣りをした1日でしたが、次回は若狭大島の沖磯でグレ釣りをしたいものです。


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